カテゴリー:近畿地区

Noma kyoto

世界一予約の取れないレストランとして知られるデンマーク・コペンハーゲンの表記のレストランがポップアップ営業を京都のエースホテルでするということで、昨年の秋にご招待いただき友人と訪問する。
ミシュランでは3つ星、ワールド50ベストレストランで1位が4回という現在のレストランで世界最高峰という評価でイベント申し込みも電話受け付けが30分で締め切ったとのこと。営業期間は2023年3月15日(水)から5月20日(土)までの10週間の週末のみ。

お店のジャンルはニュー・ノルディック・キュイジーヌ(新北欧料理)というスタイルでコペンハーゲンの現地のお店では木の葉や苔、生きたアリなどを含む、北欧産の食材を使ったローカルメニューで有名。今回は京都をはじめとした日本の食材を用いた独創的な献立と聞いていた。

ホテルに入るとレストランまでの動線が様々な意匠を持って飾り付けられているのが目に入る。入り口ではサービススタッフ30人くらいがお出迎え。デンマーク人以外にも日本人をはじめ様々な国のスタッフが働いていると聞く。

大きな厨房にも30人くらいの調理スタッフが「Yes!」などの大きな声をかけながら動き回っている姿が見える。Noma のスタッフの多くは無給で15時間以上の長時間労働で勤務中の笑顔禁止と以前に聞いたことがある。ほとんどのスタッフは草花をちぎったり添え物のパーツ作りなどの単純作業に従事らしい。

レストランのテーブルは20卓くらいで着席順にコース料理がスタート。お酒は全てペアリング。天井からは意匠として大量の昆布が吊るされる。料理だけでなく食器を含めたもの全体がNomaとなっていて日本にいることを忘れてしまいそうになる。

食事のスタートは大きな籠に入った前菜から。湯葉と真っ黒に焼いた行者ニンンク、セミドライにしたトマトとトマトの花、麦麹と赤生姜、桜の葉、ポーレン(ミツバチが花から集めた花粉を蜜と一緒に練り合わせて団子状に固めたものでローヤルゼリーの原料らしい)ジェルなど。

5種類くらいの海藻のしゃぶしゃぶ。皮をむいた柑橘もしゃぶしゃぶにしていただく趣向。つけダレは抹茶のようだけど全く別の植物系のソース。

大きなキューブ状の氷の上に薄くカットした甲イカ。ウイスキーヴィネガーとスパイスで味付け。ビジュアル含めシンプルだけどかなり先進性に富んだ仕事。

スタッフさんのサービスも慇懃さもなくとてもフレンドリー。聞いたことは即座に何でも答えてくれる。日本の方も数人。。

京都産の白子筍はかなり上質。槍烏賊の出汁の入ったスープとともにいただく。食器は全て日本の作家のものを使用。

続いては脂ののったカジキマグロをバターのソースで。。私はマグロが苦手なのでパス。

マグロが苦手なことを伝えて5分後に大分の柑橘の紅まどかをマリネした料理が登場。底には昆布のオイルが敷かれる。完成された代替品がこのスピードで提供されることにびっくり。

青大豆を使った豆腐と生のアーモンドスライスと食用花。全てを混ぜていただくとたくさんの味の層が舌の上に重なって頭では理解できない独創的な美味しさとなる。

北海道産のキンキを串打ちして焼き上げ、味噌漬けにした卵黄を皮目に塗ったもの。魚の美味しさもさながら和食のような味わいでペアリングの日本酒との相性も抜群。

縦斬りにしてポシェした徳島産の蓮根を蒲焼き風に仕上げたステーキ風のもの。スーシェフ兼メニュー開発担当が高橋惇一という日本の方なので旨味を押した内容のものが多いと推察される。

今回供されたお酒も珍しいワインもさながらこの3月間のために作られた日本酒もあってとても興味と味わい深いものだった。

野蒜やうるい、浜防風などの山菜を伊勢海老の味噌のソースでいただく趣向。

次に出るメインディッシュのナイフも日本の鍛治で特注したもので恐ろしくなるような切れ味にびっくり。使用した後に毎日、厨房のスタッフさんが研いでいるとのこと。

メインディッシュはレアに火入れした伊勢海老をこってりと味付けしたものでどういった調味料を使用しているかは全く不明。でもかなり美味しい・・・・

食事は土鍋で炊かれた緑米とその上に食用の薔薇の花を敷き詰めたもの。

ご飯の中には大きくカットされた伊勢海老の身が入る。ご飯の味付けは不明だけど日本人好みの優しい味わいで旨味たっぷり。

日本の「しじみ貝」を模したデザートの中には柚子のソルベが入る。ソースは貴醸酒で作ったもの。

最後に白茶とともに苺をセミドライにした餅状のお菓子とスイートポテトを模した甘味。平たい皿には南方の柑橘の「カニステル」もあってびっくり。このようないただき方をしたんも初めて。言葉で味を表現できないのが何とも悩ましい。

当初は北欧料理という先入観で酸味のある料理が多いと思っていたけど日本の食材を独創的、先進的に昇華させながらも馴染みのある違和感のない優しい味わいに仕上げていることに敬服した。

この日提供されたお酒一覧。普通に販売されているものもあるけどほとんどが日本のワイナリーや蔵元でこのイベントのためにこだわりを持って作られたものばかり。

映画でも見たシェフのレネが厨房で指揮をとる姿も拝見した。一心不乱に30人くらいの厨房スタッフが働く姿は壮観であった。

仕事が終わり後片付けの風景。この時点ではレネはホテルの自分の部屋に入って休憩とのこと。

レネとスーシェフの高橋惇一氏のサインの入った料理本を購入して帰阪する。来店客のほとんどが東京からの客と言っていた。デンマークでのノーマのコース価格は1名3500デンマーククローネ(約6万7000円)だけど今回の「noma Kyoto」のコースは775ユーロ+サービス料10%で約12万5000円。しかしながら冬前にコペンハーゲンの店が2024年で新業態の店に生まれ変わるために閉店するという発表で、こちらのチケットが一人50万円で個人売買されていたとも聞き及ぶ。

この20年の世界のファインダイニングを牽引してきたこちらのお店での記憶に残る食事をいただくことができたことに感謝しながら帰阪する。

noma kyotoイノベーティブ / 烏丸御池駅烏丸駅丸太町駅(京都市営)

夜総合点★★★☆☆ 3.5

その他料理 京都府海外

餃子屋 張記

週末に人で大にぎわいの三宮の表記の中華料理店を夜に訪問。三宮駅と元町駅の中間くらいでトアロードとサンセット通りの交差点を少し西にいった「がんこ トアロード店」のすぐ隣に位置する。

翌日に六甲山の縦走大会出場のため炭水化物補給を兼ねて友人3人とがっつり晩御飯に選んだお店。

縦に長い店は女性客が多く中国人スタッフもいてとても賑やか。アラカルトメニューはどれもリーズナブルで注文したいものばかり。

最初に生ビールをいただき、イカの唐揚げ660円を所望。唐揚げというよりはフリッターな感じで刻んだ白ネギがいいアクセントとなる。

続いて鶏手羽揚げ680円を注文。しっとりとした仕上がりでビールにとてもよくあう。

看板商品の特製焼き餃子300円。皮は厚めのモチモチ中国スタイル。餡はニラとミンチ少々と珍しくが入る。タレは醤油とラー油のみでとてもシンプル。神戸餃子をあまり意識しておられないのがかえっていい。。

続いてコリコリ食感の海老入り水餃子480円。こちらも餃子のタレとラー油でいただく。

さらに焼き小籠包500円も注文。

オススメの青梗菜炒め650円はかなり美味しかった。ニンニクがしっかりと効いてとても味わい深い。シャキシャキの食感もとても贅沢。

焼き飯660円はレタス入り。。ほんのりと水分があって好きなタイプ。。

焼きそば680円はソース味ではない中華タイプ。炭水化物を充分補給して翌日の備えはバッチリ。ご馳走様でした!!

神戸市中央区北長狭通3丁目1-1

張記中華料理 / 旧居留地・大丸前駅元町駅(阪神)元町駅(JR)

夜総合点★★★☆☆ 3.5

中華料理 神戸市

お食事処 さいかや

和歌山県白浜の表記のお店に伊勢海老をいただきに訪問する。大阪市内から高速道路で約2時間。海岸線を走って円月島の前くらいに位置する。大型駐車場完備の昭和のドライブイン風のお店。すぐ隣に同業の人気有名店があるけど接客などが荒っぽくて鼻につく。個人的にはこちらの家族経営のお店が好み。

2階に続く階段を登って入店すると手厚いお出迎えあり。入り口に大きな水槽があって伊勢海老等がうじゃうじゃ入る。テーブル席に案内いただき伊勢海老とくつ海老だけを食べたい旨を告げると早速水槽で好きなサイズの伊勢海老をチョイスする。選んだ伊勢海老の重さを測ってから値段を決めていくつかの調理法を選ぶシステム。

まずは湯気が出る、蒸したて伊勢海老12000円。コリコリシコシコの予想通りの美味しさ。頭部分の味噌もたっぷりで手を使ってムシャムシャいただく。大きな口で大きな身を頬張る贅沢を楽しむ。食感の異なる触覚や脚、お腹部分の身も残さず綺麗にいただく。

続いてカットして香ばしく直火で焼き込んだ鬼殻焼き10000円。蒸したものと味わいの異なりもあってこちらも食べ応え満点。関西での市場での仕入れ価格を知っているのでお得感もあり。

せっかくなので串本で獲れる特産の「くつ海老」を所望する。漁獲量は伊勢海老よりもかなり少ないと聞き及ぶ。全国的には「せみ海老」という名前だけど和歌山では「くつ海老」と呼ばれる。大きなサイズのものは伊勢海老よりも高価でこの日選んだものは15000円。全て刺身にしてもらって、頭は味噌汁にしていただく。

出てきたクツ海老の見た目はその名の通り靴のような姿形。硬くて厚みのある頭胸部は上から見ると長方形で扁平。全体に赤褐色で背に白色のまだら模様がある。透明感のある身は伊勢海老よりもしっかりしていてほどよい弾力がある。磯の香りと上品な甘さと旨味も感じる。

残った頭胸部は縦二つに切り分けて味噌汁で提供いただく。エビのミソが汁に溶けてなんとも言えない風味にうっとりする。
脚の節までコリコリの身が入っていてかなり美味しい。しばらくは伊勢海老は要らないと思うくらい堪能して帰阪する。ごちそうさまでした。。

和歌山県西牟婁郡白浜町臨海508-7
0739-42-2113
9:00~18:00

お食事処 さいかや海鮮・魚介 / 白浜町その他)

夜総合点★★★☆☆ 3.5

その他料理和食郷土料理 和歌山県