大阪市

米増 10月【大阪市 福島】

福島にある表記の和食店を定期訪問。関西屈指の予約困難店で来年8月までは予約がいっぱいとのこと。常連客が年間予約するので新規客の予約は現在受け付けていない。

座席はカウンター8席のみで14時と17時半スタートの2回転制。月替わりのコース料理18000円(税・サ別)で食材の都合で変更の場合あり。10月は国産松茸を使用と言うことで料理代金30000円とのこと。

本湖月等で修行をされた46歳になる温和な人柄のご主人の作る茶味溢れたケレンのない料理がお気に入り。ご主人夫妻と辻調理師学校卒業の見習いの調理スタッフ2名で切り盛り。店内は茶室のような設えで装飾を廃したもの。刺身の切り付けや盛り付けのみを客の目の前でされる。

ご主人と奥さんの接遇も温かく常連、新規客と分け隔てなく丁寧に対応される。

料理写真掲載は禁止なので忘備録としてこの日の献立を記す
今月の料理のテーマは伊勢神宮で毎年10月15日〜17日に行われる「神嘗祭」
・能勢の銀寄栗を使ったおこわ
・北海道の毛蟹の奉書巻き 柿を添えて
・朱塗りの煮物椀は叩いた里芋と炭焼きにしたカマス
・明石の鯛と酢漬けの菊花
・対馬産の鰹(私は大きな蒸し鮑に変更)
・岩手県平泉町の焼き松茸
・明石産の鰆と九条ネギの焚き合わせ
・シャインマスカットの白和え
・擦った佐賀産レンコンと牛肉
・釜炊きご飯 松茸のさっと煮 自家製いくら 香の物
・梨のソルベとゼリー
・自家製の栗きんとんと抹茶

お店の詳細は過去履歴をご覧ください。過去の米増はこちら

大阪市北区大淀南1-9-16

大阪市 福島 和食

すし豊 10月【大阪市 東天下茶屋】

私が30年以上ずっと通っている創業50年を超える阿倍野の寿司店を訪問。国道13号線(あべの筋)の松虫交差点を南に200m、路地を東に入った場所に位置する。(チンチン電車の東天下茶屋駅徒歩3分くらいで天王寺からタクシーで1000円くらい)

昭和の残り香が漂う店内はカウンター8席と小上がり2卓のみ。ご主人とご子息、奥さん3人の家族経営。。大阪の江戸前鮨のパイオニアと言われるお店でよく雑誌にも掲載される。

こちらのお店のご主人は東京生まれで東京銀座の名店「新富寿司」で修行。しかしながらお店が厳しすぎて1970年、大阪万博見物と偽って仲間と脱走。そこから大阪で少し修行をして自分でこの店を出したと言う話もかれこれ25回は聞いている。名前は安田豊次、だから「すし豊」。

この日は「川蟹が入ったよー」という知らせをいただき友人と訪問。川蟹鍋のコースは給仕の都合で1日3組までとなっている。

寿司の前に白雪のぬる燗と鮎の腸を入れて作る苦味満点の「うるか味噌」をいただく。この味噌少しずつ箸で舐めながら樽の香りの効いたお酒をいただき胃を活性させる。

寿司のスタートは黒胡麻を射込んだハリイカの新子から。 しっかりと締めた明石の鯛、炊き込んだ子持ちのシャコは古い江戸前の仕事が施される脂のよく乗った小肌は大きなコノシロサイズ。軽く炙ったカンパチ、秋刀魚と続く。

脂のよく乗った身厚の鱧、加太の鯖もよく肥えたもの。毎回「口の中で溶けちゃうよ〜」と言いながら提供される泉州産の穴子は熱々のふわふわでスフレ状態。「提供されて15秒以内で全部食べてね」とのこと。水槽で泳ぐ名残の鮎は刺身にしてもらう。鮎の頭と骨は唐揚げで供される

寿司を一通り頂いたら鍋が登場・・・

事前に生きた蟹を冷水で締めて失神させる。それをさばいてから殻ごとミキサーにかける。それを裏ごして殻を除く。同じ事を3回くらい繰り返して丁寧に身だけを削ぎ落とす。手間をかけて取り出した生身を蟹味噌と卵のついた殻と一緒に鍋に入れて煮出す。

淡雪のような見た目と食感の蟹身は独特のコクと旨みがある。途中で殻や卵から蟹のエキスが出てきてゴボウや豆腐に蟹の味が移り、出汁と相まって最高の味わいとなる。上海蟹より上品な食味で蟹の味噌やエキスが移ったスープの味わいは超一級品。ご主人が最初から最後まで給仕してくれる。

最後に鍋の底に沈んだ甲羅部分の味噌と卵をを齧り付く。食べすすめていくと最後にご主人が鍋を持ち上げて鍋についたラー油のような蟹のエキスを出汁に戻す作業をされ、名残の濃厚なスープをいただいてフィニッシュ。

川蟹がいただけるのは11月上旬まで。蟹のあとはあまごが入って1月からは琵琶湖の天然もろこが供される。この日は思いっきりお酒をいただいて会計は一人9000円。

ご主人の東京言葉での解説や軽妙洒脱な会話もご馳走の一つ。人気店なので早めの予約がオススメ。

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

大阪市 東天下茶屋 寿司

堕楽暮(だらくれ)【大阪市 松虫】

その世界では知らぬ人がいない「スパイスカレーの天才」と言われる堕天使カッキーさんが8月22日に自身の店をオープンしたという知らせを友人から聞いて早速ランチタイムに訪問。

ずっと昔は阿倍野で小さなお店をされていたんだけどここ何年かは出張料理や間借り営業ばかりだったので現在は連日ファンが押しかけていると聞き及ぶ。チンチン電車の松虫駅からわずか7mの場所に位置する。隣はてっちりの「光」がある。

外観からは分かりにくいけど「堕天使かっきー」さんと「小麦のレ」さんによるカレーとスパイスを使ったアテやスイーツが楽しめるお店で店内はゆったりした空間で感度の高い内装。BGMはレコードの優しくていい音が流れる。

この日のメニューは3種
・鯛出汁×鶏キーマカレー
・キノコ色々×いりこドロカレー
・ミカンピール香る牛キーマカレー

各900円、2種盛り合わせ1200円、3種盛り合わせ1500円となっている。今回は鯛出汁×鶏キーマカレーとキノコ色々×いりこドロカレーの2種盛りに「あん肝のハーブコンフィ」と「丹波鶏せせりスパイス焼き」のトッピング各300円をつけていただく。

20分ほどして着皿。ワンオペなので時間がかかるのはしょうがない。

黒いご飯は剣先いかとイカ墨とオリーブの炊き込みご飯、カレーの脇には紫蘇のようなマジョラムが香るワカモレと水茄子と柿のミントバニラ油和えが添えられる。この副菜のセンスだけでも敬服。

どう見てもスパイスカレーなんだけど日本人の口に合うようなグルタミン酸やイノシン酸などがしっかりと感じられる旨みたっぷりの厚みがあって深い味わい。途中で全てを掻き回して混ぜ込んでいただくと混然となった色々な味が幾重にも重なって口全体に広がり喉に落ちてからなお、優しいフレーバーが余韻として鼻腔に残る。単純に美味しいなあ・・・と思うカレーである。気がついたら綺麗に完食・・・

営業時間や営業日はインスタグラム等で確認。目から鱗のスパイスカレーです・・・さすがだな。。。

インスタグラムはこちら

大阪市阿倍野区松虫通1-1-4

大阪市 松虫 カレーライス