寿司

すし寛 5月

友人女性2人と共に個人的にヘビーユースする西成の飛田商店街にある表記の店を訪問。天王寺美術館で「山の神仏」の特別展を見て早い時間に小上がりをリザーブ。最近はこの店に月に一回くらいのペースで気の置けない友人と訪問している。

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店は地下鉄動物園前駅から徒歩5分。今や観光地となった新世界界隈よりも数倍ディープな空気をくぐりながら商店街を南下。

しばらくすると見るからに大衆的なファザードの店舗が見える。お店は10席くらいのカウンターと4人掛けの小上がりテーブル席が3つ。客層はスーツ姿は私だけで結構家族連れも多い。カウンターお一人様もよく見かける。

大きな水槽にはこの日は3キロオーバーの天然とらふぐや平目などがわんさか入る。メニューには一切価格表記なし。ネタケースにもキンキやのどぐろなどの高級魚がぎっしりと姿のままで陳列される。創業60年の老舗は現在イケメン若大将と素晴しい気配り目配りの奥さん、72才のお母さんの完全家族経営。この日は娘さんもアルバイトで3世代でお客様をアットホームな雰囲気で温かく迎えられていた。

いつもお母さんにしょうむないお土産を持って行くんだけど(この日はビスコ)予想以上に喜んでくれるのでとても嬉しい。

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ビールで乾杯してこの日も好きなものを好きなだけ頂く。車エビの炊いたんはしんみりした甘い味加減に柚子の香りがアクセント。海老好き星人の私はとても嬉しい。

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続いてトコブシを所望すると超巨大なアワビ状のものが2個登場。一緒につく子芋や筍の炊いたものもかなり美味しい。仕入れの目利きに感動する。

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マナガツオの西京焼も所望する。甘鯛とどちらにしようかと迷ったがこれで正解だった。魚の美味しさもさながら味噌の加減がとてもいい。「浦霞」の冷やを合わせるとすこぶる美味しい。何を食してもネタがすこぶるいいのにいつも驚く。

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続いて毛蟹を所望。自分で食す場合剥きながらになるので集中して味わう事が出来ない。。堅蟹ではないけどしっかりと身も詰まってみそもたっぷりあって大満足。殻に白鹿の燗酒を注いで頂く。。いわゆる甲羅酒。

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水槽に泳ぐかなり大きなオコゼ君と目が合ったのでさばいてもらう。最近は漁獲も少なくて超高級魚。この日頂いた400グラムオーバーのものは仕入れ値で3000円くらいはする。

「値段高いだろうな」「破産しないかな」と言ってたら女将さんがすかさず「ここはすし寛だから大丈夫!」との答え。

オコゼは別名「山の神」と言われていてこの日に見学した美術展と同じ名前ということに一人で感慨に耽る。

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オコゼ君がなかなかいい顔なので食べながら知り合いの〇〇さんに似てるなとか考える。淡白な白身なんだけどほんのりとした上品な甘味が比類なき旨さ。オコゼは雑菌をとる為に塩水で身をさっと洗うんだけどそうする事で余分な脂が抜けて甘さが余計に引き立つ気がする。白身魚のキングオブキング。

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オコゼの三種の神器と言われる皮とキモと胃袋。胃袋は昔から妊婦の母乳が出る薬として有名。オコゼの肝は勢力が旺盛になるとも聞いたことがある。ポン酢で別に出して頂く。どれもが美味しすぎる事に感動。

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頭や尾びれは唐揚げとなって再び登場。ちゃんと行き届いている事に驚きと感謝。この頃になるとお店は超満席。カウンターの中ではご主人とベテラン調理師2名がフル回転。出前の注文もあるのでかなり忙しいんだけどすべての客にカウンターからもちゃんと接客されているのに敬服する。

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しこたま食べて飲んでやっと寿司を握ってもらう。マストアイテムの巨大な甘エビと甘酢で炊いた白板昆布に生姜をはさんだトロトロの締め鯖。自家製の烏賊の塩辛の三種盛り。日本酒がどんどんすすむものばかり。

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大好物のタイラギ貝。煮詰めと塩と煮切り醤油の3種類のお味。営業開始時間が16時なんでその時間に入店すると確実に入る事が出来る。前日までの予約は基本できないシステム。。

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淡路島の雲丹を発見したので胡瓜巻と一緒に箱ごと所望する。いわゆる大人注文なり。

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自分で作る雲丹胡瓜巻。淡路の由良の黒雲丹と呼ばれる赤雲丹は口に広がる磯の香と昆布の香り。ミョウバンの味も全くなく上品な甘味が口にぷわ〜と広がるのが特徴。

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玉子〆は玉子焼き。砂糖も入っていて煮詰めの甘さも悪くはない。焼きたてでふわふわでこれで又一合冷酒を注文する。実に酒がすすむ玉子焼きなり。お腹もパンパンになってお支払い。いつものように相場の半額。。そりゃ繁盛するわな。。

大阪市西成区太子1-15-2
06-6641-6654
15:30〜24:00
月休


カテゴリー 動物園前, 寿司 |

すし寅

寿司好きの東京在住の友人が帰阪したので表記の店で大阪寿司を買って差し入れ。場所は千日前筋の桜川の交差点東側にある。お店は古い一軒家で暖簾が目印。店にはメニューがないので注意。駐車場は横にコインパーキングがある

こちらのお店はメインは仕出しと言うかほとんど持ち帰りにする客が多いんだけど店内にも4人掛けのテーブルが2つあって出来立ての蒸し寿司や大阪寿司、茶碗蒸しを食する事が出来る。ここで冬に焼き穴子と蒸した烏賊と錦糸がたっぷり入った温かい蒸し寿司とビールを頂くと最高である。

この日はあらかじめ電話で予約してたのでそんなに待つ事はなかった。ご主人と世間話をしながら作るのを見学させてもらう。

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店は当然の事ながらとても古い。でも隅々まで掃除が行き届いてピカピカで凛としたたたずまいを見せる。80歳くらいの物腰柔らかなご主人からはお客様に美味しいものを食してもらおうというオーラが出まくっている。ひとりで切り盛りする姿もかっこいい。

箸の袋に創業80年と書かれていたけど実際は120年で昔は堀江にお店があったんですと言っていた。凄すぎる・・・

海老は国産の車エビを使用し鯛は天然、穴子も焼き過ぎたところや端っこの固い場所は取り除く。すべて手作業。シャリの間にはさまれた大量の甘く炊かれた椎茸がかなりいい。作るところをずっと見せて頂いたけど丁寧でかつかなり美しい。仕込みも含めて握り寿司よりかなり大変そう。

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穴子に煮詰めを塗って鯛にはバッテラ昆布を木の芽と共に乗せる。優しさに溢れた寿司である。食べなくても美味しいという事がわかる。この寿司に店主の人柄が出まくっている。 。

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シンプルな店内には人間国宝大蔵流狂言師の茂山千作のご子息の千三郎氏の色紙が飾られていた。

こちらの店主は3代目で4代目は本町でお店をしていると言っておられた。結局差し入れた寿司を一緒に頂いたけど3切れ食べたらおなかがいっぱいになった。9貫入って1人前1200円。内容と労力を考えると決して高くはない。お土産にぴったり。。。

大阪寿司なので夏以外は翌日頂いた方が椎茸の味がなじんでより美味しいよと言っておられた。ごちそうさまでした〜

 

大阪市浪速区桜川2-3-1
TEL 06-6561-4014
11:30~19:30
日曜祝日定休

すし寅寿司 / 桜川駅汐見橋駅JR難波駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 桜川/西長堀, 寿司 |

吉すし

友人と鶴橋の商店街のはずれにある表記の寿司店で会食。すぐ近くにはよく似た名前の有名な創作グルメ寿司店があるんだけどそこには行かないのが私流。

昔から卸売り市場の魚屋さんが常連という客層。この日も市場の若い魚屋さんが2人でええもんばかり食べまくっていた。お店は基本的に天然物ばかり。ネタケースを見ると普段お目にかかれないかなりいいものが並ぶ。

突き出しは泉佐野で揚がる鳥貝の小さなものの酢みそ和え。旬真っ盛りなのでとっても美味しい。

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ビールのあてに愛知産のたこを頂く。味はとても深いんだけど私には少し固く感じる。昔はこの店2坪くらいの屋台みたいな店だったんだけど10年くらいしたら普通の店舗?になっていてビックリ。

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日本酒もたくさんそろっていて十四代の名品がゴロゴロ冷蔵庫に並ぶ。客が一升ごとキープするらしくて3万前後の日本酒が人気と聞いて驚く。辛くないものをとのリクエストをすると和歌山の平和酒造の紀土(KID)というお酒をすすめていただく。
そんなに高くはない酒だと思うんだけど味、香りともにしっかりと主張する旨口タイプ。切れも良くてすいすいと美味しく頂く。

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握りは最初は細魚から。これは愛知産。味がとっても深い。。

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この時期しか食べる事が出来ない泉州産の生の鳥貝。かなりでっかくて口に入らない。普通に流通する鳥貝はボイルされてローラーで伸ばされたものを良く見かけるけどこのサイズはなかなか目にする事はない。かなりのお値打ち。。

泉佐野、田尻でもこのサイズの鳥貝はなかなか揚がらないだろう。昔、千代松という泉州の料理屋が大きな鳥貝を買い占めて客に提供するので食しに行った記憶がある。この日の仕入れも「このサイズの鳥貝は15個しかなかったよ」というご主人の談。いいものを産地ですべて買い占めているのであろう。。生でも半端なく甘くて生貝特有の香りとクセが貝好きの私にはたまらない。

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鳥貝といえば宮津ブランドが有名なんだけど最近は銀座でも泉州の鳥貝がトップブランドとして使われていると聞き及ぶ。醤油を塗るとぴくぴく動いてとても色気があって艶かしい。

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隣の客が愛知産の巻貝の焼き物を注文したので私も同じものを頂く。砂浜にあいた穴を見つけて塩をふって捕まえるマテ貝はたまに頂くんだけどそれよりも太くて食べ応えがある。貝特有の香りと甘味がお酒にドンピシャ。これも初めて頂く逸品。

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泉州産のヒイカ。小さいんだけどとても上品な甘味と歯ごたえがある。4月が旬で今しか味わえない。足が早いので生食は珍しい。よく似たものを回転寿司で見かけるが似て非なるものである。

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真っ白に炊かれた泉佐野の穴子は旨味満載。柔らかいふわふわの穴子を珍重する風潮の中でこの旨味と滋味を持つ炊き方と食材の目利きに驚く。

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本ミルガイがあったので所望する。いわゆる黒ミル貝。流通量が全く異なるので価格が白ミル貝より数段高いので扱う店はまれ。この辺りで会計が心配になってきたが酔いもあって気にしないようにする。白ミル貝でもかなり高いのにな。。。

当然黒ミルの方が断然甘みが強くて味が良い。多分ブランドの愛知の三河湾産。豊かな旨味が滑らかでシコシコして4月だけの稀少贅沢品。

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産地でしか普通は食さない肝を一緒に出してくれる。生で頂きたかったけど火入れした本ミルの甘味は筆舌につくしがたい贅沢なものがある。水管の掃除など下処理もめんどくさいのにこの店のご主人は注文ごとに水洗いをされる。美味しいといえばどうだと言う顔をされるのもわかりやすい。

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泉州でとれる25センチ級の赤足海老のボイル。旨未満載で味噌が甘甘。海老好き星人の私は一発でノックダウン。

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この店名物は淡路産の地雲丹。まだ時期が早いので味はまだ乗っていないけどミョウバンを使用していない大量のウニが、胡瓜巻き6貫の上に載せられて出てくるのに驚く。

隣の客は胡瓜巻と別に雲丹一舟を丸ごと出してもらって自分で乗っけて食べていた。苦味も生臭さも全くなくて磯の香りとが後口に残る。舌の上で甘く溶けてお酒が進みまくる。

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飴色の鯛は旨味が半端でない。ご主人に聞くと関空の禁漁区のところで穫られたものだから鯛が肥えまくっていると言う事らしい。かなりヤバいね・・・でもうまし。こんな店なかなかないな。。。

大阪市生野区鶴橋2-5-23

吉すし寿司 / 鶴橋駅桃谷駅玉造駅(JR)

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 鶴橋, 寿司 |