アメリカから帰って、久しぶりに夕陽ケ丘にある表記の寿司店を訪問する。夕陽ケ丘駅をおりて松屋町筋におりる道が風情がある。この時期は珊瑚寺の葉桜が見事だった。映画のセットのようで気分がリフレッシュする。こちらのお店は12年前に青年会議所の会議のあとよく夜中に訪問した記憶がある。あっという間に過ぎる年月に最近は頭がついていかない。
「年々歳々花相似たり歳々年々人同じからずや」・・・・この詩はまさに永遠の真理だなと思う51才の春。
いつものようにビールと造り盛りあわせ。桜鯛にコリコリの鯵、ツブ貝に脂乗りまくりの穴子、身厚な皮を炙った太刀魚、剣先イカと北海道の雲丹・・・かなり満足度の高いものになっている。
奈良県の旨口日本酒に合わせて「まな鰹味噌漬」けを所望。しっかり漬け込まれていてかなり美味しい。周りの客は医者だらけ。医学用語が飛び交う中で美味しい食事に集中する。
寿司の始まりはこの日は細魚からビジュアルも麗しい。次に脂乗りまくりのあまてカレイ登場。大分では城下カレイで全国的にはマコカレイ。これから特に美味しくなる魚だけどこの日のものも名前の通りに甘味満点で実に艶のある艶かしい食感。鯖の漬けは九州産で薄塩をあててそこから醤油につけ込むと顔面の怖いご主人が言っておられた。マスタードがいいアクセントになっている。キンキは皮目を炙って芽葱と肝をのせていただく。焼き目の香ばしさと皮部分の脂の甘味と身の旨味が渾然一体となった最高の一貫である。コハダの一枚漬けは姿も端正。のどぐろの握りも目がくらむほど旨味が口の中で炸裂する。
煮鮑は好物のエンペラのプルプルのところを狙って切り付けていただけるのが嬉しい。車スペシャリティーの頭の味噌を鋳込んだ車エビは30個くらい続けて食べたいくらいである。お造りでも出てきた雲丹はミョウバン等のクセは全くないかなり上質なもの。毛蟹は味噌を載せて、鯵はバッテラ昆布に包まれて供される。焼きたての鰻はパリパリの海苔に巻かれて登場。この頃になると言葉なく食べ続ける。
レアに湯がかれて出汁につけられた蛤はかなり大きいなもの。思いっきり卵の入ったシャコはこの時期ならでは。袱紗玉子焼きも具沢山で美味しすぎるし赤貝のひもと胡瓜の巻いたものや湯がいたキャベツとみょうがの巻寿司もこの店の隠れた名物なり・・・
この日は一人で握り15貫と巻2本。ビールに日本酒に麦焼酎・・・。いつもながらよく食べたな・・・
大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日