カテゴリー:寿司

まさる【大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘】

夕陽が丘にある表記の寿司店を一人で訪問。25年来通っている私が大阪で一番美味しいと思うお店。この地で商売をして27年と言っておられた。駅からも遠く、奥まった裏通りに小さな表札だけを掲げて店は存在する。店の前にコインパーキングあり。

17時からの開店なのでジャストオンタイムに入店する。美味しい寿司をいただくときは一人に限るというのが持論。お酒は飲まずに熱いお茶と一緒にしっかりと寿司に向き合うのがこちらの店でのいただきかた。

厳つくて坊主頭の吉村店主の握る寿司はとても繊細で細やか。酒肴は一切頼まずに握り寿司だけをお任せでいただく。主人は曰く「うちの店は寿司(特に米粒)を食べてもらいたいので寿司以外の「あて」は新地の料理店で食べてくれ」とよく言っておられる。多種多彩な寿司ネタは握りで40種類、巻物で20種類と圧巻の揃え方。

客のいないカウンターに一人座り、店主といろんな話をしながらマンツーマンで赤身を除いてどんどん握ってもらう。

寿司の扉は昆布〆の鱚から。この順番は20数年来変わらない。「6月の鱚は絵に描いたものでも食べろ」という言葉をどこかで聞いた記憶がある。続いて旨味が凝縮したコチ、上品な脂のアマテカレイ、コリコリ食感の鰺はネギと生姜が添えられる。皮目を炙った香ばしいカマスも旬真っ盛り。北海道産キンメには肝と芽ねぎが添えられる。シャリは他店の半分くらいの量なので一気に食すことができる。シャリの美味しさとネタとのバランスも素晴らしい。。

続いて塩でいただく剣先イカ、えんぺらの部分がたっぷりのシグニチャーの煮アワビ、独特のフォルムの車海老はこの店を代表するネタで中に頭の味噌が鋳込まれる。釧路のバフンウニ、レアに蒸しあげた渡り蟹は卵が甘い。最近希少となったいくらと続く。

後半戦は独特の磯の香りたっぷりの赤貝、かなり大きなサイズでふわふわの煮ハマグリ、炙って磯辺巻きにした鰻は大阪ならではのネタ。、山芋や色々な野菜の入った袱紗玉子でコースは終了。追加でこの時期ならではの脂ののった高級魚のアコウ、炙ったタイラギ貝、皮目を炙った鱧で終了。本当はもっといろんなものを食べたかったんだけどお腹いっぱい。ごちそうさまでした。

食事時間30分1本勝負でした。。値段は新地やホテルの半額。。。ここはほんと最高です!!

過去のまさるはこちら

大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日

大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘 寿司

すし豊 6月【大阪市 東天下茶屋】

私が30年以上通っている創業50年の阿倍野の寿司店を友人と訪問。国道13号線(あべの筋)の松虫交差点を南に200m、路地を東に入った場所に位置する。(阪堺線の東天下茶屋駅徒歩3分くらい)

昭和の残り香が漂う店内はカウンター8席と小上がり2卓のみ。ご主人とご子息、奥さん3人の家族経営。。大阪の江戸前鮨のパイオニアと言われるお店でよく雑誌にも掲載される。

こちらのご主人は東京生まれで若い頃に東京銀座の名店「新富寿司(今もあります)」で修行。しかしながらお店が厳しすぎて1970年に大阪万博見物と偽って仲間と脱走。そこから大阪で少し修行をして自分でこの店を出した話は界隈ではよく知られているけど実は瀬戸内海の魚にご主人が惚れ込んで東京から職場を変えたというのが真相らしい。

ご主人の東京言葉での解説や軽妙洒脱な会話もご馳走の一つ。人気店なので早めの予約がオススメ。

最初はビールと一緒に和歌山産の「もずく」を所望する。黒いもずくを2秒くらい加熱するとびっくりするくらい綺麗な緑色になる。うずら卵の入った特製の出汁で蕎麦のようにしていただく。しゃりしゃりした食感と磯の香りがとてもいい。食べ終わったら出汁に鱧の骨で取った熱い出汁を注いで蕎麦湯のようにしていただく趣向

ご主人が毎週木曜日に自ら獲りに行く有田川の鮎と琵琶湖の鮎の食べ比べ。解禁直後なので双方ともサイズは小さめ。水槽から取り出して串を打つとぴちぴち跳ね回る。

座付の胡桃と諸子の飴炊きは焼酎にぴったり。旬の桜海老の刺身も甘くて美味しい。ヒゲは取っているのでとても食べやすい。白海老と違って皮は全く気にならない。

焼きあがった鮎はタデ酢と一緒にいただく。頭だけをかじって体に空気を入れて次にお腹部分と3口に分けていただくのが作法。養殖鮎のように脂っ気はないけど旨味は深くてとても幸せな気分になる。

寿司のスタートは黒胡麻を射込んだハリイカから。 明石の鯛、鮪の漬けとヒラマサのかぶら巻きと続く。〆たヒラマサはこちらのスペシャリティで口に入れて咀嚼すると最初はヒラマサの深い旨みを感じて、そのあとカブラでさっぱり口直し、最後に鷹の爪がピリリと来る味の三段ロケットといわれる。

小肌は大きなコノシロサイズで脂がよく乗っている 現在は希少な子持ちシャコ、軽く炙ったカンパチと続く。

続いて昆布〆にしたヒラメ、漁獲量がかなり減ったといわれる大阪湾のシラサエビ、鱧と鯖の漬けと続く。大きなサイズの煮アワビはとても柔らかい。とびっ子の軍艦、「スフレのように口の中で溶けちゃうよ」「焼きたての温度は260度だから気をつけて〜」と講釈がつく泉州産の煮穴子でフィニッシュ。

口直しの香の物はカブの葉の奈良漬、べったら漬け、ズッキーニの浅漬けなど・・・会計は思いっきりお酒をいただいて一人1万円以下。。。ごちそうさまでした。

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

大阪市 東天下茶屋 寿司

丸元 5月【大阪市 難波】

千日前の表記の老舗店ですっぽんをいただく。現在関西ですっぽんを手軽な価格でいただける稀有なお店。35年前から定期的に通っていてカウンターで芸能人やタレントさんと何度かお会いした記憶がある。昭和感満載のお店は寿司店の構えだけどほとんどの客がすっぽんコース6000円を注文する。

昔はご主人と奥さんがレジに座っていたけど今は引退され、現在は藤山直美さんそっくりの娘さんが店を取り仕切る。カウンターの中ではシニアの職人さん2人が注文ごとにすっぽんを捌きまくる。

すっぽんの前に刺身を所望。ショーケースを確認して平目と赤貝を少しだけいただく。

刺身の後はすっぽんコースの始まり。注文を受けてからすっぽんを潰すので鮮度は抜群。最初に首を落として血を取り出す。それを赤玉ワインで割ったものからスタート。

続いて河豚の皮のようなプルプルの食感の湯引き。腸とエンペラ(甲羅の端)がポン酢と一緒に入っていて焼酎との相性がとてもいい。お酒は麦焼酎を所望する。瓶ごと提供されて飲んだ分のみ量り売りのシステム。

続いて大好物のスッポンの内臓のお造り。癖のない肝臓とまろやかでプチプチ食感の卵、一匹に一つしかないピクピク動く心臓と噛むと苦い胆嚢、腎臓も添えられる。殻付きの成熟卵もあって色々な味わいを楽しむことができる。それぞれを別添えの海苔に巻いて塩を振りかけていただく。

メインのスープは鍋ではなくて銘々に取り分けられて供される。白菜、椎茸と白玉餅、味わいの異なる様々なゼラチン質と赤身肉のすっぽんの部分が入る。個人的には一匹から100gしか取れない首の部分や後脚の部分などの弾力のある黄色い脂がのった肉が特に好み。

2杯目はガーリックパウダーと唐辛子を入れて味変をして楽しむ。湯引きの残りのポン酢を入れても美味しい。仕上げの雑炊はポタージュスープのようなビジュアルで絹のような舌触り。塩味は控えめだけど比類なき優しく深い味わい。中身はすっぽんの出汁と卵と米と少しの葱のみ。

毎回ずっと同じものをいただくけど全く飽きない・・・・

過去の丸元はこちら

大阪市中央区千日前1-9-9
06-6211-2298
16:30〜23:00
日曜定休

大阪市 難波 その他料理寿司