カテゴリー:寿司

丸元 7月【大阪市 難波】

なんば 千日前の表記の老舗寿司店を打ち合わせを兼ねて知人と訪問。35年前からずっと定期的に訪問しているお気に入りの隠れ家。店のファザードも店内もメニューも何もかもが昭和感が溢れている。

表向きは寿司店なんだけどほとんどの客がスッポンコース6000円を注文する。関西で手軽にすっぽんをいただける稀有な店として有名

2階は座敷になっていてグループ客にも対応。昔はご主人と奥さんがレジに座っていたけど引退され今は藤山直美さんそっくりの娘さんが店を取り仕切る。カウンターの中ではシニアの職人さん2人が注文ごとにすっぽんを捌きまくる。

座付は帆立貝柱の入った冷やし茶碗蒸し。冷たい生ビールと一緒にいただく。

最初に刺身盛り合わせをオプション追加する。大きなサイズの鱧は綺麗に骨切りされ、脂もたっぷり乗っていてふわふわの食感。厚切りのカンパチは食べ応え満点。コリコリの剣先イカ、甘エビ、赤貝などが入る。麦焼酎と一緒に美味しくいただく。

すっぽんコースの扉はいつものようにポートワインで割ったすっぽんの血から。これをいただくとなんとなく力が漲る気がする。

スッポンの湯引きは腸とエンペラ(甲羅の端)を使用。味があまり無い部位でフグの皮のような感じ。プルプルとコリコリの食感を楽しむ。

大好物のスッポンの内臓のお造り。エッジの効いた噛みごたえのある肝臓と卵、一匹に一つしかないピクピク動く心臓と腎臓も添えられる。苦いために丸呑みをする胆嚢は胃が悪い人にオススメらしい。

この時期のすっぽんは卵がたくさん入っているとのこと。殻付きもあってトロトロでかなり美味しい。

これらは海苔に巻いて塩を振りかけていただく。ぷちぷち弾ける卵の食感とまろやかさ、肝のコクのある味わいがなんとも言えない。

メインのスープは鍋ではなく一碗ずつ取り分けて供される。スープの美味しさは比類なきもので、後からじんわりくる旨味がすっぽんならでは。塩分控えめで生姜の絞り汁が入った透明感のあるスープは飽きのこない美味しさ。

お椀の中の具は白菜、椎茸と白玉餅、すっぽんの色んな部分が入る。赤身肉とゼラチン質のスッポンの身は部位ごとに味わいが異なり希少な首の部分や後脚の部分などの弾力のある肉が特に好み。

この日はモモ部分に黄色い脂が入っていて特に美味しかった。腕は赤身とゼラチン質が一緒に楽しめ、肩部分はあっさりした柔らかさが特徴。エンペラに似た白いハラミもとても美味しい。2杯目はガーリックパウダーと唐辛子を入れて味変をする。

押し麦の入った雑炊は玉子と米だけの潔さ。ポタージュスープのようなビジュアルで絹のような舌触り。塩味は控えめだけど優しく深い味わい。

毎回ずっと同じものをいただくけど全く飽きない・・・・

水菓子をいただいてフィニッシュ。ごちそうさまでした。。。

過去の丸元はこちら

大阪市中央区千日前1-9-9
06-6211-2298
16:30〜23:00
日曜定休

大阪市 難波 寿司

芳すし【大阪市 姫松】 【大阪市 西田辺】

阿倍野にある表記の寿司店を訪問・・・・・

今から35年前のバブル真っ盛りの時代に界隈ではナンバーワンの人気を誇る名店だった。ミナミや新地で飲んだ帰りの客で夜中の0時でもずっと満席だった記憶がある。

トロ一皿2000円が飛ぶように売れて中央市場に入る高級本マグロを片っ端から買い占めてマグロの山をカウンタ−に並べていた。カウンター席はいつも常連で占められていてビジターはテーブル席しか座れなかった。若い頃、軽トラに乗ってこの店の前を通りながら、ここでお腹いっぱい寿司を食べることを夢見ていた気がする。

現在の店主のお父さんやお母さん、お兄さんと若い店員が4〜5名くらいいて強烈な活気があった。現在、新地で名店といわれる美菜月さんもこちらのご出身で下働きをされていた記憶がある。このお店のカウンタ−に座ってお腹いっぱい寿司を食べるのが当時の夢だった。現在は大将が一人で切り盛りされていて敷居も下がり、かなり行きやすくなった。

この日も予約で満席。予約でいっぱいの時は入り口のシャッターを半閉めされているとのこと。メニューはコース1択で事前に好き嫌いを聞いてくれてあとはおまかせで提供されるシステム。この日は「マグロが苦手」なことと「海老が好物」と申し上げて誂えていただく。

最初の前菜は「河豚の皮」「胡瓜とクリームチーズと子持ち昆布」「蛸の煮付け」の3種盛り。焼酎と一緒に美味しくいただく。続いて「アワビと河豚の唐揚げ」でインパクトのある料理が続く。

脂がよく乗った韓国産の鱧の炙りが供される。韓国産は国産の鱧の5倍の仕入れ値と言っておられた。本鮪のカマ部分のすき身は友人が食す。セコガニの身は3杯酢でいただく。続いてA5の肉を炙ったものに雲丹をのせたものなど変幻自在の酒肴が次々と繰り出される。

大将はずっと喋りながらスタッフに気合や指示を入れ続け、機敏に動き回る。しかしながら隠し包丁や柑橘を微かに絞ったりして仕事がとても細やかなことに感心する。

続いてキュウキュウと鳴く小さめの伊勢海老を洗いにして刺身で提供。北海道の積丹半島産の高級雲丹、剣先烏賊も一緒に大皿で盛り込まれる。

寿司の扉は手綱にした鱚から。昆布締めにされていてとても美味しい。続いて軍艦巻きにされた雲丹、名物の焼き鰻、新鮮極まりない甘海老、鯵の棒寿司仕立て、細工包丁された烏賊と続く。

冷蔵ケースからおもむろに大きな平貝を取り出し、殻をむいて貝柱を刺身と磯部巻きの2通りの仕事でいただく。これは新鮮極まりないとても贅沢な味わい。。

デザートまでいただいて思いっきりお酒もいただいて一人15000円でした。。これだけ高級食材を出して儲けがあるのか心配しながら店を出る。

大阪市阿倍野区万代1-1-2
17:00〜22:30
火〜土曜日12:00〜14:30
06-6623-229

大阪市 姫松大阪市 西田辺 寿司

まさる【大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘】

夕陽が丘にある表記の寿司店を一人で訪問。25年来通っている私が大阪で一番美味しいと思うお店。この地で商売をして27年と言っておられた。駅からも遠く、奥まった裏通りに小さな表札だけを掲げて店は存在する。店の前にコインパーキングあり。

17時からの開店なのでジャストオンタイムに入店する。美味しい寿司をいただくときは一人に限るというのが持論。お酒は飲まずに熱いお茶と一緒にしっかりと寿司に向き合うのがこちらの店でのいただきかた。

厳つくて坊主頭の吉村店主の握る寿司はとても繊細で細やか。酒肴は一切頼まずに握り寿司だけをお任せでいただく。主人は曰く「うちの店は寿司(特に米粒)を食べてもらいたいので寿司以外の「あて」は新地の料理店で食べてくれ」とよく言っておられる。多種多彩な寿司ネタは握りで40種類、巻物で20種類と圧巻の揃え方。

客のいないカウンターに一人座り、店主といろんな話をしながらマンツーマンで赤身を除いてどんどん握ってもらう。

寿司の扉は昆布〆の鱚から。この順番は20数年来変わらない。「6月の鱚は絵に描いたものでも食べろ」という言葉をどこかで聞いた記憶がある。続いて旨味が凝縮したコチ、上品な脂のアマテカレイ、コリコリ食感の鰺はネギと生姜が添えられる。皮目を炙った香ばしいカマスも旬真っ盛り。北海道産キンメには肝と芽ねぎが添えられる。シャリは他店の半分くらいの量なので一気に食すことができる。シャリの美味しさとネタとのバランスも素晴らしい。。

続いて塩でいただく剣先イカ、えんぺらの部分がたっぷりのシグニチャーの煮アワビ、独特のフォルムの車海老はこの店を代表するネタで中に頭の味噌が鋳込まれる。釧路のバフンウニ、レアに蒸しあげた渡り蟹は卵が甘い。最近希少となったいくらと続く。

後半戦は独特の磯の香りたっぷりの赤貝、かなり大きなサイズでふわふわの煮ハマグリ、炙って磯辺巻きにした鰻は大阪ならではのネタ。、山芋や色々な野菜の入った袱紗玉子でコースは終了。追加でこの時期ならではの脂ののった高級魚のアコウ、炙ったタイラギ貝、皮目を炙った鱧で終了。本当はもっといろんなものを食べたかったんだけどお腹いっぱい。ごちそうさまでした。

食事時間30分1本勝負でした。。値段は新地やホテルの半額。。。ここはほんと最高です!!

過去のまさるはこちら

大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日

大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘 寿司