カテゴリー:和食

ひろせ 12月【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

心斎橋の畳屋筋にある毎月訪問する表記の日本料理店に友人と伺う。畳屋町の雑居ビルの1階に位置するカウンター6席とテーブル2卓の10坪くらいの小体なお店。西心斎橋の「ゆうの」で修行されたご主人の喰い味重視の丁寧で細やかな仕事は、お酒をいただきながらの食事としては最高のレベルと思う。

日記の読者さんや友人も喜んでいただける和食店。コース料理は月替わりの12000円のみ。しかしながら、よく行く界隈の人気店の18000円くらいの料理に匹敵かそれ以上の内容のものが提供される。

仕入れのこだわりもかなり強くて、旬の素材を中心に客が食べたいものを素材感を活かしながら提供される。特に魚に関しては上質なものがいつも食べることができる個人店ならではの稀有なお店。派手さは無いけど大阪ミナミでは一番美味しいお店と個人的には思う。。

座付は海老芋のすり流しから。焼餅に見えるのは鱈白子豆腐を炙ったもの。。なかなか芸が細かい・・・白子の下にはとろとろの源助大根。。。一気に体が温まる。。

2品目はいつものように趣向を凝らした揚げ物。この日は渡り蟹の春巻き。繊細な蟹の身質と内子の美味しさに感動。揚げ物には麦焼酎のソーダ割りにスダチのスライスを5枚入れてもらっていただく。下に敷かれた海老味噌のソースとの相性も抜群。。

麦焼酎の後は日本酒をいろいろいただく。この日は黒龍の吟醸酒を口切いただく。

刺身は今が旬で漁獲量も少ない高級魚のヒラスズキ。癖もなく独特の旨味と後から感じる甘味はかなり上品。赤貝には粒マスタードが挟まれて供される。大葉を射込んだ細魚。昆布締めにした平目。脂が乗りまくりのキンキと燻製をかけて皮目を炙った鰆の6種類盛り。。これだけでお酒が5合くらい飲める贅沢さ・・・・・仕入れの努力を考えると敬服する。

続いて太刀魚の巻繊汁。豆腐と擂り身でふわふわに仕上げて潮仕立てで供される。最高に贅沢な逸品。

続いて甘鯛の鱗焼きに菊花入りのカブラ餡をかけたもの。器も菊の形。炭火で完璧に火入れされた甘鯛の鱗のパリパリ加減もお見事。。体が温まる献立に感謝。。。

続いて天然クエを中華風に仕立てたもの。骨の周りの身が美味しすぎてしゃぶりつく。。ソースは中華風なんだけどちゃんと和食の仕事になっていることに敬服。土の焼き物もとてもいい。

食事はずわい蟹のほぐし身と味噌がてんこ盛りになった贅沢な蟹ご飯。産地でいただく蟹もいいけどいい腕の料理人が作る蟹料理は最高といつも思う。形が変わっても自然な感じが残るいい味わい。

デセールは自家製のブランマンジェと冨有柿。。

この時期に大丸百貨店でしか売っていない青森産の冬恋というブランドの林檎を持ち込んで最後に出してもらう。。甘いだけでなくしっかりした食感と上品な酸味が嬉しい。。一つ2000円でした。。。

帰りにすぐ近くの「南サンボア」で一休み。。70数年間この地で現オーナーのお父さんの時代から営業されている。静謐な空間の中で和子オーナーと四方山な話をしながら名物の氷の入っていないハイボールを1杯だけ飲んで帰宅する。

ひろせさんは小さいお店なので予約必須。初めての訪問は「ペロペロ」を見たとお伝えください。ワインもあるので肉料理の際はグラスで合わせていただくのをお勧めいたします。

過去のひろせはこちら

大阪市中央区東心斎橋2-8-23イケダ会館1F
06-7713-0543
17:00~翌0:00

大阪市 心斎橋/四ツ橋 和食

藤久(ふじきゅう)【大阪市 日本橋】 【大阪市 難波】

日本橋にある表記の和食店を10年ぶりに訪問。若い頃に味吉兆で修行をされたご主人の喰い味重視の仕事は何をいただいても美味しい。私の友人の年配の方々はこの店の和食が大阪で一番と言われる方が多い。

お店はカウンターが8席と2階にテーブルが2卓。料理は昼夜ともに6000円・9000円 ・12000円(全て税別)となっていて品数は全て同じ。今回は予約時に、ご主人の手元が見えるカウンター席にて12000円の料理を品数少なめで所望。料理は寡黙で物腰柔らかなご主人のワンオペ。15年前に一緒に働かれていた奥さんは玉造玉造でkotikazeというお店をされているのは有名。

先付けは大きなズワイ蟹の甲羅で飾られた蟹の身と味噌がたっぷり入った茶碗蒸し。。蟹の足はお酢でいただく趣向。滋味深く温かい茶碗蒸しで凍えた身体が和らぐ気がする。

続いての煮物椀は昔と変わらない突き抜けた美味しさ。彩り豊かな椀種はこの時期の定番の白甘鯛の蕪蒸しで摩り下ろしたカブラの食感と甘さと甘鯛の組み合わせが秀逸。出汁も甘鯛の脂が浮かんでとてもいい感じ。北海道産の大葉百合根と古い割烹仕事の「餅銀杏」にも感動。

この日は最初にハイボールをいただいて椀刺身は和歌山の純米生酒をいただく。

酒器が豊富でどれもセンスのいいものばかり。料理もテンポ良く出てきて、ご主人の仕事のスピードと正確さは見ているだけで楽しい。店内は界隈の店のように力が入っていなくてとても過ごしやすい。。

刺身は平目と炙ったえんがわ、細魚、包丁目をしっかり入れた剣先イカ、赤貝の4種盛。修行先の吉兆のお店ならではの飾りの捻人参と胡瓜が美しい。。

合肴は河豚三昧。口に入れると綺麗に解ける皮の煮凍り。焼き河豚と唐揚げの3種盛り。日本酒が進みまくる。。

強肴は鴨鍋。真鴨を使用。。ヘモグロビンたっぷりの身は野趣あふれる味わい。ふわふわの鴨団子も若い頃に茶事の出張料理でいただいた懐かしい鉄分を感じる個性的な味。兵庫県の宍粟産の葱も鴨同様に力があって食べ応え満点。鴨と野菜が相まったスープは比類なき美味しさ。この料理には芋焼酎の伊佐美をロックで合わせる。

食事はセコガニの殻を器にした蒸し寿司。。これも安定の美味しさ・・・

デセールは走りの苺の盛り合わせとkotikazeの甘味2種。10年振りの訪問だけど全く変わらない丁寧で綺麗でトラディショナルな和食をいただきました。食後にご主人と「10年間こちらに伺えなかったのは、ずっと堀の中にいましてん・・・」というと「知ってます、道頓堀でしょ!」との返しがすかさず入る。

ごちそうさまでした・・・・・・

過去の藤久はこちら

大阪市中央区日本橋2-7-28
06-6632-4037

大阪市 日本橋大阪市 難波 和食

四季旬菜 むら田 11月【大阪市 十三】

十三にある表記の小料理店を友人と訪問。十三駅東口から徒歩4分の場所にある私どもの会社の和食店の副料理長の独立店。2019年6月のオープンからコロナ禍も乗り越え、地元では美味しい魚が安くいただける繁盛店となっている。あまから手帳などのメディアにも多数掲載され数カ所の市場で仕入れる旬の珍しい魚介をストレートに味わっていただけることをコンセプトとしている。

店は4人掛けテーブルが4つと奥にはカウンター席7つ。お店の接遇は全て朗らかな女将さんが担当。優しくて朗らかな性格に癒される。料理は身長195センチのご主人が寡黙に一人で担当する。

まずは日によって内容が異なる「突き出し380円」。これが好評でこれだけでも生ビールが1杯飲める内容となっている。

献立は毎日の仕入れの内容に沿うので日替わりとなっている。この日は事前に「海老をたくさん食べたい」というリクエストをしていたために色々なものを仕入れしていただいていた。

活蒸しセコガニ1980円は丁寧に殻を外していただいているのでとても食べやすい。新鮮なので内子も外子も秀逸。。

こちらのお店のシグニチャーの刺身の「おじさん造り770円」ヒメジ科の魚で顔にヒゲが2本生えていることが名前の由来。皮は赤いものが多く脂が乗った白味魚で最近は希少なために高級魚とされている。

天然車海老天ぷら990円は活海老ならではの美味しさ。。

天然活車海老塩焼き990円もレアに火入れしていてとてもジューシーな味わい。海老好きにはたまらない美味しさなり。

うまいもんたっぷり玉手箱990円。あん肝、明太子、鱈白子、雲丹、蟹味噌、キャビアなどをポン酢のジュレと合わせた酒肴。。焼酎が進みまくりのこの店ならではの名物料理。

マンチョウ(マンボウの腸)天ぷら550円はコリコリの食感で魚の内臓とは思えないあっさりとした味わい。

旬の活赤足海老造り550円は文句なしの安定の美味しさ。サイズも大きくてこれほど大きな赤足海老は初めていただいた。

最後に特大天然海老(シータイガー)海老マヨ1980円を所望。数切れにカットしてあるんだけど口に入らない大きさにびっくり。海老の味もしっかり感じられる佳品。この日は頂かなかったけど旬の野菜料理も充実しています。

この日も予約なしで入店できなかった客が5組くらい来られてたのにびっくり。客は女性グループも多く敷居の低いカジュアルな本格和食です。。元社員の独立店繁盛は最高に嬉しい・・・

大阪市淀川区十三東1−17−17
17時〜23時
06–6770−9777

大阪市 十三 和食居酒屋