私どものお店でおせち料理の栗きんとんに使用する栗を買いに丹波篠山を訪問。価格高騰の折、なんとか300kgを事前予約する。界隈を散策した後、地元の友人イチオシの表記の和食店をランチタイムに訪問。150年前の古民家を改装した風情のある店舗はかなりかっこいい。入り口付近は店主の仕事を見ながら食事ができるカウンター席、そのほかに個室仕様の部屋が4つ。今回は個室テーブル席に案内いただく。
地元出身の若き店主は料理人修行のため一度篠山を離れて京都・大阪の名店で修行。今回は地元の食材をふんだんに使った篠山料理のコース5000円を所望する。
前菜は手作りした木片の器に盛り込まれる。柔らかく炊いた地元産のぶどう豆とその練り物、おからとコリンキー(洋かぼちゃ)を合わせたもの、ひじきの山椒煮、鰯の柔らか煮、おくらと梅肉。これだけど上質な料理を提供するお店であることがわかる。
お酒も地元の清酒を中心に料理にあったものをたくさん取り揃えられている。この日は丹波産のスパークリングを所望する。国産ぶどうを使い、酸化防止剤を使用しない生詰無濾過タイプ。ほんのり濁ったビジュアルも美味しそう。
低温調理した鹿肉のロースト。ジューシーでパサつきは全くない。イチジクのソースと柿が美しく絵を描いたように盛り込まれる。トマトピクルス、黒豆塩なども秀逸
薄味で柔らかく炊いた鰊と焼椎茸、木耳、糸瓜に和風餡をかけたもの。器はほとんどのものが地元の丹波立杭焼きの作家物を使用。
しめ鯖は絶妙の締め具合。最近よく見かける癖が残る半生レアなものとは一線を画す。あしらえは大根、冬瓜の酒盗漬け、ピーマン。地味な料理だけどびっくりするくらい美味しかった。
厨房の真ん中に鎮座する大きな炭火焼台では猪、鹿などのジビエや旬の魚が焼きこまれる。ジビエを解体する場所もあるとのこと。この日はパリッと焼き込んだ赤鶏のモモ肉と低温調理された胸肉のハム。あしらえには小芋のマッシュ、きんぴら、蕨塩、自家製柚子胡椒、塩柚子、ピーマンソースなど。
食事は釜炊き丹波産の天日干しのコシヒカリと黒豆味噌の汁。圧巻の漬物盛り合わせは「高菜・胡瓜・茄子・干し大根・赤カブ・さや大根・菊芋・隠元」。艶々のご飯は店主の自家栽培。
最後の甘味は写真撮り忘れで赤紫蘇のムース、ポポの実と押し麦を合わせたもの。久しぶりに美味しい和食をいただいた気がした。次回は夜に訪問予定。わざわざ訪問する価値のある佳店。帰りに兵庫陶芸美術館でルネラリック展があったので立ち寄ってから帰阪。
お店のHPはこちら
丹波篠山市立町93
050-5457-5386