大国町

イルポーペロディアヴォロ 8月

大国町にある魚に特化した私が個人的に大阪で一番美味しいと思う表記のイタリアンを訪問。場所は木津卸売市場に隣接する阪神高速の高架下のグルメゾーン「なんば木津まち横丁○(エン)」の中のトラットリア。店名はイタリア語では「可哀想な悪魔」という意味。

今年35歳のシェフの羽田達彦さんがイタリアのエミリアロマーニャ州トッリアーナにあるミシュラン一つ星の店「Il Povero Diavolo」のスーシェフを3年間務められ同じ店名を冠して7年前に独立。

旬の魚介に旬の野菜を組み合わせたオリジナリティ溢れる料理が続く。食器はすべて暖かみのあるイタリア製の「ヴィルジニア カーサ」を使用。

最初にグリッシーニがきてぽりぽり食べながら最初の皿を待つ。

一皿目は鰯の新子と自家製バターを高菜で包んだもの。ピリッとした高菜の味わいが胃を刺激する。

2皿目は鱧の身と鱧出汁をミキサーにかけて冷凍したものに自家製のフレッシュチーズとゴーヤとブロッコリーのサラダを合わせたもの。温度差の妙にびっくり。

続いてスプーンで供されるのはトキシラズを細かく叩いたものとその筋子を合わせてみかんの皮のピューレとビネガーを合わせたもの。

フレッシュな剣先烏賊を叩いたものと火入れした葱、万願寺唐辛子を合わせて上にとんぶりを添えたもの。烏賊のスープと一緒に味わう。

この日はワインのペアリングで所望する。シャンペンから始まってオレンジワイン、ガメイのビオワイン、バルベラ、綺麗目のネピオーロ、ピノノワールなどタイプの異なるワインを料理に合わせて出していただく。

通称おじさんと呼ばれるヒゲのある魚の稚魚の「ヒメチ」とその内蔵で作るソースの逸品。パプリカのみじん切りを挟んで赤タマネギの素揚げとカポナータをペースト状にしたものを合わせる。上にはペンタスの花が添えられる。魚が美味しいのはもとより全ての料理が一つの芸術品のように味の調和を見せ、かつ複雑に様々な味わいが舌の上で主張する。

北海道産のトウモロコシと粒貝、ミニトウモロコシ、とうもろこしのヒゲを牛の脂で合わせたものに上に昆布出汁にポップコーンの香りを移して泡を作り合わせたもの。味の層が幾重にも重なってとても複雑な美味しさを醸し出す。

フレッシュのシラサエビを使ったサラダはフルーツトマトのピクルスとスモモと卵で作ったマヨネーズで合わせられる。風味づけに桜海老の乾燥パウダーと木の芽などが添えられる。

ソテーした鮎に稚鮎をペーストにしたソースを纏わせた料理。自家製の柴漬けやアメリカンチェリーが添えられる。ソースは鮎の内蔵のソース。

レアに火入れした真鯛のソテーは茄子のピューレとともにいただく。添えているのは賀茂茄子の焼き茄子に韮の発酵したものをソースがわりにしたもの。

お店はシェフとサービスの方2人で運営される。

しっかりと乳化されたアサリと鱸のパスタは酸味と甘さのバランスにびっくり。トマトコンソメを魚の出汁で煮詰めたものをソースがわりに使用とのこと。

メロンのシャーベットはカルダモンなどのハーブのシロップづけとともに。

ドルチェは杏仁豆腐をチョコでコーティングしたものでこの店のスペシャリティー。白桃が添えられる。。

酸味のあるアプリコットのケーキとエスプレッソでフィニッシュ。ご馳走様でした・・・今回も大満足で店を出る。

過去のディアヴォロはこちら

大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 大国町, イタリアン |

イルポーベロディアボロ 4月

4月に訪問した忘備録です。。

木津市場横にある魚だけを使用する最もお気に入りのイタリアンレストラン。今まで数え切れないくらい訪問した。羽田シェフの独創性と芸術性と味の良さにひかれて全く飽きることがない。

羽田シェフはミシュラン一つ星の北イタリア、リミニ州の同名本店から暖簾分けを許された方で異なる食材の相性を科学的に考察し(和食では出会いという)、和のテイストを多く用いながら調味料やハーブを触媒としながら木津市場で仕入れる新鮮な食材を自在に操りながら緻密に論理性を確立しながらつくられる。シェフは最近は辻調理師学校の講師もされていると聞き及ぶ。

最初の一皿は低温調理された鯖の上に新玉ねぎと熊本の晩白柚というザボンのような柑橘を合わせたもの。アクセントとしての角切りの貝が添えられていてコリコリとした食感もいい。貝の出汁とオリーブオイルが添えられる。白い食器はすべて暖かみのあるイタリア製の「ヴィルジニア カーサ」。

乾燥させたフルーツトマトを鰯の出汁で戻して裏ごした鯛の白子のペーストを被せたもの。ハーブの香りの出汁のソースと一緒にいただく。

微塵にカットされたアオリイカと豆のサラダ。色々な種類と形状の豆の盛り合わせ。その中には火入れした烏賊下足と胡瓜が忍ばされる。キャベツの出汁でとったスープと一緒にいただく。

火入れしたアスパラガスに胡麻ペーストと濃厚なチーズの泡ソースを載せたもの。

微塵にカットした旬の桜鱒と薄くスライスして揚げた筍を合わせて山わさびをトッピング。ソースは魚出汁。

この日ペアリングしていただいたワイン色々。ほとんどイタリアの白ワインなんだけどそれぞれの味の異なりと料理とのマリアージュが楽しくて思わず「ほう〜」と声が出てしまう。

春らしい盛り付けの泉州産の赤足海老を使ったエビフライはブリオッシュの衣を使用。赤蕪、赤大根、苺、黒にんにくのソースとバラの香りのミルクの泡が添えられる。

鯛を桜の葉で包んで蒸したもの。ソースは魚介のソースと赤飯をクイジナートして出汁で伸ばして作ったものの2種類。結婚式の引き出物の鯛赤飯を再構築したもの。

メインディッシュが大きな鍋にヒバが敷き詰められて登場。。。杉の香りがなんとも言えない。

ヒバと一緒にワイン蒸しにした夏の高級魚のアコウとが後から皿に盛り付けられるという趣向。あしらえはレタスを丸めたもの

みじん切りにしたイカのラグーソースと手打ちの玉子麺でフィニッシュ。

大阪レモンのグラニテで口がさっぱり。

スペシャリティーのバナナチョコ

香り高いコーヒーと一緒にりんごとアプリコットのケーキ。。

この日の昼間は大阪から能勢まで車で移動してからの4時間のお一人様ショート登山。帰りは能勢温泉で汗を流して帰阪する。。

過去のディアヴォロはこちら

大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日

 


カテゴリー 大国町, イタリアン |

Il Povero Diavolo/イル ポーベロ ディアヴォロ

大国町の木津卸売市場横にある表記のイタリアンレストランで友人と会食。私が個人的に最も好きで美味しいと思うイタリアンレストラン。

木津市場で仕入れる新鮮な魚介を使用し、和のテイストを加えながら羽田シェフならではの独創的な世界観のある唯一無二の料理を提供する。最近は辻調理師学校の講師もされていると聞き及ぶ。今回もお任せコースをワインペアリングでお願いする。

一皿目はモズクガニの身と味噌に焼きなすとそのピューレをかけたもの。あしらえにはイチジクが添えられる。最初からパンチのある料理登場。全てをかき混ぜていただくととても複雑でシャンペンとの相性のいいスターターとなる。

続いては秋鮭を叩いて軽く炙ったもの。生の黄人参とヘーゼルナッツが添えられる。人参のソースに魚介の出汁を合わせたものが敷かれる。これはイタリアのシャルドネと一緒に供される。

今回のペアリングでいただいたワイン。(別途シャンペンあり)

バターソースの泡に隠れているのが絶妙に火入れされた鰯と新蓮根、フォカッチャを合わせた一皿。これはブルゴニュのピノ・ノワールと合わせられる。

 

名残のメイチ鯛と柔らかく炊き込んだバイ貝にエリンギやシメジなどのきのこを添えたもの。魚や貝の出汁にきのこのエキスが混ざりなんとも言えない旨味が醸し出される。この料理はピエモンテを合わせる。

心臓が止まりそうなくらい美味しいと感じたイクラとミツバのリゾット。イクラは鮭で作った魚醤でマリネしたもの。米はトマトの上澄みコンソメで炊き上げるので味の加減が深淵である。

金目鯛のソテーの火入れは完璧。酸味のあるスモモのピューレとパプリカのマリネが添えられる。香味野菜を煮詰めたソースとスモモのピューレを合わせると味が大きく変化。

子持ち鮎のパスタはコリンキ(生で食せる南瓜)と鮎の卵を魚醤にしたものも合わせられる。

さらにもう一品作っていただいたのは的鯛のソテーに生湯葉と山芋のマリネを添えたもの。百合根のピューレと魚のソースでいただく。食べ口はとても軽い。。。

走りの梨のシャーベット。。

スペシャリティのチョコ&ココナッツ。お腹いっぱいはともかく次から次に繰り出される羽田マジックに心も満たされました。常人には作れない卓越した発想と技術に敬服。サービスも丁寧でゆっくりと食事できました。。コストパフォーマンスも抜群です。。。

過去のディアポロはこちら

大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日

Il Povero Diavoloイタリアン / 今宮戎駅大国町駅恵美須町駅

夜総合点★★★★ 4.0


カテゴリー 大国町, イタリアン |