所属するボランティア団体の会食会で表記の店を14人で訪問する。
こちらのお店は大ブームの熟成肉を提供するお店の先駆者であり業界全体を牽引する。現在食べログ焼肉部門大阪1位で全国ランキングでも常に5本の指に入る。インバウンドの客も多く最近は全く予約の取れない店としても有名。
店主の荒井世津子氏は自叙伝を出したりテレビをはじめとする様々なメディアで紹介される有名人でその容姿の端麗さのみならずウイットにとんだ接客は多くの常連客を虜にする。土佐赤牛を世に知らしめた人物としても有名。
年に一度の結婚記念日やメモリアルの日の御馳走でこちらのお店を利用するお客さんも多く、1年後の予約をして帰る方もいると聞く。お客で芸能関係者も多くアイドル系のタレントも多く訪問されるが店主はそんなことも全く気に留めず普通に接しながら「自分の方が勝っている・・・」といつも密かに思うと言っていた。(本人は中村あずさに似ているとよく言われるらしい)
提供する料理がマンネリにならないように前菜やデセールは常に進化し続ける。様々なイタリアンやフレンチ、和食の繁盛店を食べ歩き、良い部分を参考にしながら絶えず新しいものを取り入れる姿勢にはいつも敬服する。デザートもパティシエがオリジナリティー溢れるものを作り続けられている。従業員への指導の厳しさでも有名で彼女の愛情溢れる接遇指導は業界でも有名である。厳しさのあとはしょっちゅうスタッフに対して感謝の集いを開催されるのも素晴しい。彼女は個人的な感性として「お客様に満足して楽しんでもらう」気持ちが誰よりも強いことは確かである。
食材も現在、和牛仕入れ価格が高騰し、いい肉が手に入りにくいなかでも常に理想を追い続け熟成に向くポテンシャルの高い牛を一頭買いされる。この日は団体だったので飲み物込みの大体の予算を申し上げてお任せで献立を組み立てていただいた。
最初にこの日に提供される肉のプレゼンテーション。この日は山県産の黒毛和牛の赤身とこちらのお店でおなじみの岩手産の和牛のサーロイン部分。どちらも5月下旬からのドライエージング。真ん中は希少部位の和牛のハラミ部分。
最初の前菜は熟成させたハネシタ部分の薄切りをさっと焼き上げたもの。塩こしょうだけの調味だけど火元から熟成香が立ち上がり、扉の料理として良く考えられていると感心する。
肉を焼いていただいている間にワインと2つ目の前菜登場。熟成肉を使ったハンバーガーとソーセージ、生ハムの三種盛り合わせ。ハムの下にはアボガドが潜む。
塊で何度もアルミホイルに包んで休ませながら焼き上げたハラミ肉は大振りにカットされてサラダとともに供される。セロリや水茄子、ズッキーニなど牛肉に合う野菜とともに美しく盛りつけられる。ハラミ肉は熟成させていないが和牛の美味しさは食せば判る。荒井オーナーが焼き上げるので火入れは当然のことながら完璧。焼きながら繰り広げるオーナーの話芸も名物である。
ワインも手頃なものからプレミアムなものまでいろいろと取り揃えている。この日は3種類のワインを飲み比べて楽しむ。
メインディッシュは赤身肉とサーロインと食べ比べが出来るように供される。塩と生の胡椒でいただく。口に入れて噛み締めると肉汁が溢れ出て茶豆のような熟成香が鼻腔から抜ける。熟成によって凝縮された肉のアミノ酸の旨みで口の中が満たされる。
普通の焼肉はどこでも食すことが出来るので私は厚切りの熟成肉のみをを食べまくることをお勧めする。熟成肉ブームで同じようなものがあちこち見かけるが他店とはレベルが全く異なる。特に大阪のウルフギャングやNYや六本木のピータールーガーとは比較するのも申し訳ない位の価値を此方の店には感じる。いろいろな方面から新規出店のオファーもあろうかと思うが本物を追求するためすべてお断りしているとも聞き及ぶ。
予約を取るのは至難の技だけど平日の早い時間が21時以降なら比較的予約しやすいと言っておられました。
過去の詳しい又三郎の記事はこちら
大阪市住吉区長居2-13-13
営業時間:11:30~14:00
17:30~23:00
定休日:木曜日