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Point (ポアン)【大阪市 福島】

現在大阪でもっとも勢いがあると言われまたもっとも予約が困難な福島の表記のフレンチレストランを友人と訪問する。ちなみに現在食べログ大阪ナンバーワンらしい。。

なにわ筋の浄正橋の交差点の南西に位置し徒歩交差点から徒歩3分くらい。ミシェラン2つ星の西天満のアキュイールを閉店して平成13年に名前も場所も変えてリニューアル。

ひっそりとした場所に白で統一されたファザードはスタイリッシュ。グランメゾンの雰囲気とは正反対のナチュラルで綺麗なシュッとした感じの内装。シンプルな白壁にフローリングと無垢のオークを使った丸いテーブル。ハンス・ウェグナーのYチェアーは座り心地抜群。温かなライティングとあいまって北欧系のナテュラルモダンな感じ。テーブルにはクロスもなしでカラトリーは直置き。コペンハーゲンでこんな設えのレストランに入った記憶があるが忘れたな。

6人掛け、4人掛け、2人掛けが2テーブルのみ。アキュイールのときよりも1卓少ないとサービスの方が言っておられた。予約が困難であることは理解出来る。オープンキッチンを含めお店全体が見渡せるのは初めての経験。接客も女性ソムリエール3名がアットホームな気持ちのいいサービスを提供してくれる。

2014-04-24 19.35.11

乾杯はナポレオンの結婚式でも飲まれたと言われるジャクソンのキュベ737。2009年のぶどうでその中の30%は熟成したものとあわせて作られる。凛とした気品とコクが特徴で一口含むと目が覚めた。樽熟成が長いのか味がとっても深い。他のシャンパーニュはこれを頂くと飲めないな・・・

2014-04-24 19.46.46

アミューズ・ブーシュとして一口サイズの5種類がアフタヌーンティスタンドを使って出される。上から塩パンのケークサレととても軽い生雲丹のムース。食べたあとの鼻に抜ける香りも軽やかでありがちな磯臭さとかは全く無縁。

下の段はコンテチーズに竹炭を混ぜて作ったシュー生地のグジュール。バスク地方の生ハムを乗っけたパン。アボガドとブランドトマトのピューレ、この店のスペシャリティーと言われるフォアグラのレーズンサンド。

濃厚なフォワグラのコンフィとレーズンの甘味の組み合わせはかなり美味しい。

2014-04-24 19.53.38

この一品を食すためにボルドーの貴腐ワインを頂く。ラモスなんとかと言う名前だったんだけど極甘のワインとフォアグラの相性に驚いた。シャトーデュケムを昔こんな感じで頂いてその美味しさに失神しそうになった事を思い出す。

2014-04-24 20.05.38

白魚のロワイヤル。いわゆる茶碗蒸し。玉ねぎのエキスを頂くような感じの料理で玉ねぎのスプラウトがアクセントとなっている。

2014-04-24 20.03.42

この料理にはロワールのサンセールのソービニオンブランをあわせる。柑橘系の果実の香りとフレッシュできりっとした酸が心地いい。

担当いただいたソムリエの大矢根さんのチョイスなんだけど彼女は提供する料理の事を完璧に理解しているのでマリア−ジュが半端ではない。気さくな会話も食事をおいしくさせる。彼女の腕利き具合は敬服ものである。

2014-04-24 20.12.42

バターに無色のガラス蓋をしたものが登場。ブナのチップでスモークにしているらしい。バターは有名なレスキュール(だと思う)。塩はゲランデ。。燻煙したバターは初めて頂く。

2014-04-24 20.14.12

パンは最近あちこちのフレンチで見かけるシュクレクール製。形がとても美しい。
谷町のFUJIYAも同じものを使っていたな・・

2014-04-24 20.34.06-2

ここでアルザスのリースニング2012年で若ワインなんだけど料理とのマリアージュを考えてセレクションされているのでとても楽しみ。

2014-04-24 20.20.43

赤貝、北寄貝、帆立、タイラギ貝、ミル貝をさっと火を通したものを数種類の豆と一緒にいただく。とても春らしくて塩水をジュレにしたものとミントライムの酸味が辛口でミネラル感たっぷりのリースにングにぴったり。

ここでグラニテの替わりにレモングラス、ミントやアップルマンゴーを漬け込んだ水出しのハーブティーが登場(写真はなし)。透明感のある口直しにビックリした。氷にしたら口の中の温度が一気に下がるので前から違和感を感じていた。これは目からうろこの一品。口がさっぱりしまくりちえこ。

2014-04-24 20.32.39

オマール海老とリードボー生姜の味とアスパラのソース。海のものと動物性タンパク質の合わせ技。ソースが巧みで全く違和感もない。リードボーの火入れも完璧。

2014-04-24 20.54.46

ムルソーの2010年。このしっかりとしたソースの料理にはこういったワインが飲みたいなと思うものがドンピシャで出てくるのが素晴しい。緑がかった黄金色の味の深い柔らかで滑らかな口当たりは大好物ワインの一つ。

2014-04-24 20.52.33

アイナメと泉州の筍をカダイフで包んで揚げたものにホタルイカを添えたもの。ホタルイカの上にはナスタチウム。。トマトとかを栽培するときに虫がつかないように一緒に植える植物と昔聞いたことがある。いわゆるコンパニオンプランツ。こういったものを食する時代になったのね。食べるとぴりっと辛くてイタリアンに出てきそうな感じかな。木の芽とディルのコンソメをシェフが掛けにきてくれる。。フレンチなんだけど和素材を使ったり、和の盛りつけをされたりするのでとっつきが非常にいい。

2014-04-24 20.34.06-2

コルシカ島のヴェルベンディーノ産レヌッチを所望。コルシカ島のワインって赤しか飲んだ事なかったけどしっかりしたバランスのいい白もある事をソムリエちゃんに教えて頂く。リンゴのようなフルーティなくだものの香りとミネラル感がある。白身魚や温野菜にはドンピシャのマリアージュ。何度も書くけどこの店のソムリエはかなり凄いと思う。かなり勉強されておられる。シェフの奥様がチーフソムリエなんだけどこの日はお休み。

2014-04-24 21.15.31

この日のメインディッシュは岩手産ホロホロ鳥のロティ。胸部分と腿部分に分けて提供。70度の低温調理で仕上げる。身はしっとりしながらしっかりとした弾力で皮はパリパリ。素材の良さもさながら火入れの完璧さに脱帽。今まで頂いたホロホロ鳥ではダントツのナンバーワンの美味しさ。鴨や鳩と違って鶏肉を食べてるぞという気になる。ホワイトアスパラにラクレットを乗せて炭火で炙ったものと野生のアスパラガスと言われるアスパラソバージュ。甘くてスパイシーなソースも秀逸。

2014-04-24 21.10.23

メインの料理に合わせたワインは南フランスのシャトーヌフ・デュ・パプ。これは超有名。。ここまでかなりの量のワインを頂いたけどテイストが異なっているのでいくらでも飲めそうな感じ。ヌフ・デュ・パプはシラー、グルナッシュ、サンソーやムールヴェードルなどの南フランス特有の個性的なブドウ13種を掛け合わせることで有名。温かくて豊潤で優しくて雄大でなんともいえない複雑で、スケールの大きいワインとなっている。個人的にワインはネットでよく購入するけどリリースされた瞬間にいつも売り切れになっている。

2014-04-24 21.30.16

フルムダンベールがアンティーブの船に乗せられて登場。青カビだけど見た目以上にマイルド。

2014-04-24 21.32.16

チーズのあてにマールブランディーを所望する。ちゃんとこういったものも完璧に揃えられている事に敬服。

2014-04-24 21.46.08

デセール一発目は デコポンと白いプリン。見た目はシロクマ君のアイスクリーム。ふわふわした淡雪のようなものの食感がとっても楽しい。

2014-04-24 21.53.45

普段甘いものを食べる習慣がないのでよくわかんないけど丁寧にいい素材で作っている事はよくわかる。パティシエがいるわけではないのでこちらのお店では調理人が作る。マスカルポーネのムースとルバーブのスープ。酸味があってさっぱりしてフルコースのデセールとしてはとてもふさわしいと思う。

2014-04-24 21.57.05-2

ミニャルディーズはぴぃーんと垂直に高く伸びあがった飴細工を掛けたキンカン。パリパリして面白い。温かいハーブティーをいただくとお腹が落ち着く。ワイワイ言いながら食すとあっという間に3時間経過。。夜のディナーは税サービス別の12000円ワンコース。帰りはシェフがお見送り。とてもいい店です。

大阪市福島区福島3丁目12-20
06-6455-5572
営業時間:12:00~13:00、18:00~20:00
定休日:月曜日(ランチは金・土・日限定)。

pointフレンチ / 新福島駅中之島駅福島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 福島 フレンチ

紫苑【大阪市 梅田/JR大阪】 【大阪市 西天満】

言わずと知れた西天満の老舗料亭。大女将さんが2年前にお亡くなりになってから初めての訪問。

こちらのお店は大阪の法曹界が育てたお店とよく称される。5階建てのビルの中に大広間や掘りごたつの小部屋などがたくさんある。会合の内容と種類と人数によりいろいろ使い分けが出来るようである。外観もお店の中も料亭の雰囲気が漂っていてタクシーが着くと下足番の方が出て来られて案内いただく。。

2014-02-13 17.00.52 

一階の部屋でお薄と和三盆のお菓子が供される。接待の女性の方がとても若くて美しい。お茶をいただき終わるとお部屋に案内される。

2014-02-13 17.01.26

どの接待の方もとにかくご挨拶がとても丁寧。きちんと教育がなされていることは一目瞭然。

2014-02-13 17.32.45

日本間でお膳をつかっての食事で2月なので立春大吉と書かれた縁高が春の気配を感じさせる。乾杯は濁り酒。これも又美味しすぎる。猪口は古九谷でグラスはバカラ。

2014-02-13 17.34.14

ふたを開けると丁寧に調理された前菜いろいろ。鯛の卵もしんみりした味付け。時期の金柑やゴボウも絶妙の塩梅。手のかかった繊細な仕事も素晴しいが素材のよさが際立つ内容。

2014-02-13 19.13.02

壁には輪島生まれの日本画家、中町進氏の金沢城のお軸と椿と寒梅が巧みに配される。これだけで個人的にはノックダウン。反対の壁には花園大学の学長も務められた天竜寺の山田無文老師の「梅花開五福」が掛けられる。

2014-02-13 17.52.30

お椀は蓬の入った清汁仕立て。塩梅も鰹が効きすぎない上品な加減。中に生雲丹が鋳込まれている。。まさに蓬山の風情。

2014-02-13 17.59.41

お造りは鯛、マグロ、シマアジ。。盛りつけの端正さはさすが。

2014-02-13 18.10.59

芹の和え物なんだけど普通以上に美味しい。かなり手がかかっているのと食材のよさが半端ではない。そして器のよさにうっとりする。。

2014-02-13 18.21.01

寒鰤を味噌漬けにしたものは不要な水分も抜けて鰤の旨味がしっかり感じられてホント美味しい。つけあわせの辛子蓮根と大徳寺納豆も秀逸。

2014-02-13 18.21.15

具も何も入っていない汁はゴボウのスープ。柔らかくてクセもなくてとっても優しいお味。

2014-02-13 18.40.26

炊きあわせは大根と豆腐。簡単なようなんだけど大根の柔らかさと味の浸み方が半端ではない。しっかりと灰汁抜きをして針で表面を刺して塩分が浸透しやすくする細やかな仕事ぶり。形を崩さずほろほろと箸で崩れる煮方はかなりの技術を要する。

豆腐は手作りで中に柔らかく炊き込まれた穴子が入る。簡単な料理に見えて実はかなりの手間がかかっている。すべての料理で厳選された材料を真面目に調理しているのが伝わる。同業者として一番よくわかっているがこのような当たり前のことが最も難しい。

2014-02-13 18.46.20

ちりめん蛸と胡瓜の酢の物。蛸は柔らかくて味も深くて見た目もとっても美しい。

2014-02-13 19.04.31

食事は温製の冷や麦。のっかてる温泉卵も美味しいし出汁の塩梅も完璧。手延べの麺の美味しさに驚く。

2014-02-13 19.15.18

デセールの盛りつけもとても美しい。厳選された素材はどれもが美しい。大女将さんが健在だったときには毎日お座敷に来て挨拶をされていたと聞く。80才を過ぎていたんだけど綺麗な着物を着て震えながら話されていたのを思い出す。

2014-02-13 19.22.55

最後の最後は白玉の入った一口ぜんざい。年内に食べてはいけないとされる干支の飴はお土産。最初から最後まで手抜きなしの超一流の料理。見かけも味も完成度の高さに敬服する。料理の味、器、調度品、床の間を含めたお店全体の風情、敷居の高さを客に気を使わせない気配りなどどれを取っても超一流の料亭だと個人的には思う。

内容の割りには値段が高いとか他店と変わらんと言ってる方もいるがセンス不足の味音痴としか言いようがない。客としても絶賛するし同業者としても常に敬服するお店である。

大阪府大阪市北区西天満4-9-16

大阪市 梅田/JR大阪大阪市 西天満 和食

いずもや 2013正月【大阪市 住吉】 【大阪市 住吉公園】 【大阪市 住吉大社】

南海本線住吉大社駅・阪堺電軌阪堺線住吉駅から徒歩すぐ、住吉大社のすぐ近くにある創業60年の老舗鰻店。地元でもあり私は月に一度は訪問する。

価格は600円・800円・1000円・1500円・2000円の5つのラインアップ。すべて鰻のカット数の違い。1000円が特上と呼ばれていて縁起もよいので基本私はいつもそれを所望すんだけど正月だけ毎年1500円のものを頂く。異なりは切り身が一つ多くなること。肝吸い200円も一緒に頂く。この他にも、う巻き500円、出汁巻き300円、うざく600円。鰻が高騰の時代に全く値上げしないことに頭が下がる。

店内は年期の入りまくった映画のセットのような感じでカウンター4席、歪んだ4人掛けテーブルが2卓。裸電球に黒電話が渋い。千と千尋のワールドが広がる昭和コレクション。

2014-01-10 13.29.14

出てきた鰻は直焼きで表面がパリッとしていて中がふんわり。あっさりしたタレがとっても大好き。

子供のころに親が母と2人で小さな寿司店を営んでいた。一人っ子で中学生の僕は誰もいない家に帰る前に寿司店に寄って母親の顔を見るのが楽しみだった。

学校から帰ってきた僕に母親がおやつ代わりに鰻丼をいつも作ってくれた。その鰻丼は御飯に鰻のタレだけをかけたものだった。よくわかんない僕は「美味しい美味しいと」言って食べていた。その丼には鰻は全くのってなかった。子供心に鰻丼って御飯に醤油の甘いタレをかけて食べるものとずっと思っていた・・・

子供心に記憶のある母親が作ってくれてた鰻の丼がいずもやさんのものと味がよく似ていてこの店に来ると時折子供のときのことを思い出す。どっちでもいい話なんだけどな・・・私の母親少し変わっていて友人が遊びにきたらいつもホットミルクを出してくれた。友人がいつもこの牛乳薄いなと言っていた。母はホットミルクをクリープにお湯を入れて作っていた。粉ミルク状態だな・・本人はこれが美味しいと言い張っていたな・・・

どっちでもいい話が続くけど私がいまだに口に入れることが出来ない食材は「マグロ」そのこと自体は友人の間でも結構有名なんだけどその理由を知っている方はほとんどいない。これも子供の頃のある事件に端を発する。。聞けば泣けるよ・・・

鰻の話に戻るけどこの店旨いとか不味いとか言うレヴェルの店ではない。存在が素晴しい。いつも言ってるんだけどお金で買えない価値がこの店にはある。。

大阪府大阪市住吉区東粉浜3-29-1
06-6671-2768
定休日:水曜日

大阪市 住吉大阪市 住吉公園大阪市 住吉大社