三国亭【大阪市 日本橋】

若い時から通っている(今も若いが・・)ミナミ島之内の中華料理店。景気の良かった時は夜9時くらいまではほぼ満席状態の超繁盛店。。5時の開店の時にさっと入り込むのがコツ。。いつも厨房が見えるカウンター席。コックの皆さんがテキパキと連携のとれた仕事ぶりを見ながらいただく料理は日本人の味覚に合わせたあっさり中華。人によっては昼寝しているような味と評する輩もいるが私の口には実によく合う。 素材にもこだわりがありこの食材と仕事ぶりなら決して高くはない値付けといつも感心する。なんといっても創業40年の老舗。 kyuurimikuni.JPG キューリ 300円。この漬物と餃子は全員が注文しているマストメニュー。まずはキューりと良く冷えたビールで乾杯。 kuragemikuni.JPG クラゲの酢の物所望。。丁寧な仕事ぶりに感心。目にも麗しい姿にうっとりする。もちろん不味いわけがない。。 gyouzamikuni.JPG ギョーザ 450円いつも一人で2人前食べてしまう。薄皮に包まれた餃子はカリカリしていてニンニクが入っていないので食べやすく実にあっさりとした出来栄え。。もちろん中はジューシーでいくらでも入りそうな感じ。最近近くにこの餃子の専門店を構えたと聞き及ぶ。 butatenmikuni.JPG これもこの店のマストアイテムの豚天。薄く揚げられた天ぷらはカリカリのクリスピー。。ほんまええ仕事してるわといつも感心。この店で修業された方のお店もすべて豚天はこのスタイルである。 この店は一度に注文しても大衆店のようにすべての料理がテーブルに並ぶということはなく客の食べ具合に合わせて順番よく出してくれる。ちょっとした気配りがうれしい。  kuusinsai.JPG これも大好物の空芯菜の炒めもの。たっぷりのシャンタンに入ったこの店の料理の特徴をとらえたあっさりしたもの。この料理だけではなくどれもがあっさりと薄味で、油っぽさを感じさせない軽い仕上がり。 が故に結構するするとお腹に入る。 harumakimikuni.JPG 春巻きを続いていただく。こういう普通のものが普通よりうまいことが素晴らしい。まさに老舗の貫録。皮はパリパリ具はしっとり。。しっかりと味の付いた具は実に複雑な香りと味の加減。。。 ええ余韻を感じる春巻きである。 nikututumi.JPG 肉味噌炒めと生野菜を薄い食パンに包んでいただくものは紹興酒にぴったり。辛子をパンにつけると実に刺激的になる。鼻をふくらませながらどんどんいただく。。。 moyasimikuni.JPG またまた炒めもののもやし炒めを所望。。こんな簡単な料理やのに水っぽくなく油っこくなく生臭くなく透明感がありコクもある実に技術の高さを感じさせる逸品である。そこらの大衆では決してできないものである。 yakimesimikuni.JPG 〆を焼きそばにしようか迷ったけど結局チャーハン。これが実に秀逸であった。。。久しぶりにうまいと思った焼き飯であった。。作っているところを見ていると何回にも分けて味を付けているのがコツと見た。。レードルに少しだけ調味料を付けてフライパンに炒めながら味を付ける。これを3回くらい繰り返しておられた。。。見破ったぜ三国亭の焼き飯・・・ zasai.JPG ザーサイ300円を所望して焼き飯をしっかりと味わう。。今日もアホほど食べすぎて少し後悔する。。料金的には大衆店の倍ぐらいの料金設定やけどそれだけの値打ちはある。個人的には★3つ 客層もかなりアダルト。 korona.JPG 難波まで歩いて駅のカフェでコロナビールをいただき一服する。。 お店のHPはこちら

三国亭中華料理 / 日本橋駅近鉄日本橋駅長堀橋駅

大阪市 日本橋 中華料理

市松【大阪市 梅田/JR大阪】

堂島にある焼き鳥店。。5000円コース一本勝負の店。最近大人気で早い時間は予約が取れない店になっている。食べログ等でもかなり高い人気を博している。 P8160001.JPG まず最初の一品は鶏肝のブリュレ、バケット添え。ブリュレは、鳥の肝と玉葱を煮込んだものを裏漉しして香ばしく焼き目を付けたもので、見た目はブリュレそのものです。これを炭火で炙ったフランスパンに付けていただく。何とも濃厚で上品な味です。言われなければ鶏肝とはわからない。 P8160004.JPG 2品目は前菜の盛り合わせ。上から鶏肝の低温調理したものこれを塩味でいただく。比内地鶏の刺身をオリーブオイル等で味付けしたものの上に鶏卵巣で作ったカラスミを乗せたもん。ねっちょり、シコシコでかなり旨かった。大阪伝統野菜の毛馬胡瓜の奈良漬、八尾産の焼き枝豆。。これも秀逸である。水茄子のアンチョビソース。。どれもが素材の良さを十分に引き出したもの。かなりええ腕している。 itimatu1.JPG この後、串焼き登場。荒く包丁でたたいたつくねは肉汁がほとばしる。。。玉ねぎのソースとの相性も素晴らしい。葱身は純粋に鶏の旨さが味わえる。。。焼きのテクニックも秀逸である。続いて卵の殻に入った地玉の燻製ポルチーニソースはトロトロの卵とソースの相性抜群の逸品。シャルドネとのマリアージュを楽しむ。続いて鶏の油かすサンドなるもの登場。食パンにあぶった鶏皮と鶏の油かす(初めてこのようなものの存在を知った)をはさんだものをもう一度焼きこんだもの。。カリカリしてかなり深い濃厚な味であった。 itimatu2.JPG 別料金でご飯はいかがといわれ、了とすると。サンカクの入った土瓶蒸し風の鶏スープとミョウガご飯の上に本わさびを乗せていただく趣向でスープをかけていただいてもいいということ。。おしのぎの様なものか。。 itimatu3.JPG 続いてコースはまだまだ続く。。吉田牧場のチーズの瞬間燻製が登場。少し前までは2年待ちというこのチーズはかなり旨い。。。実にエレガントでトレビアンな口当たり。ワインがかなり進む。。。河内長野産のトマトのジュースにバジルのアイスを乗せたものでまたまた胃がすっきりする。砂ずりの串焼きは臭み全くなし。。鶏キンカン(内臓卵)の味噌漬けは普通の卵の味噌漬けとは違い口に入れた瞬間大爆発を起こし、まったり~としたコクと余韻を残す。。吟醸酒を所望し、うっとりしながらいただいた。これは初めていただいた。。感動した。。。 手羽先も肉の味とコクがそこらの焼鳥とは全然違うこと塩焼きであればなおさらよくわかった。 itimatu4.JPG 冬瓜のおでんにブロッコリーのソースがのったものもベテラン和食経験者でしか出せないええ味となっていた。。ササミの味噌焼は大葉に包まれ端正な姿。。半生の火入れが素晴らしい。自家製豆腐も蜂蜜とオリーブオイルとコショウで味付け。。トロトロで大豆の味もしっかり感じられる上質感たっぷりの逸品。 フォアグラと苺をタレで焼きつけたものをチコリの葉に乗せたもの。フレンチの献立に出てくる内容である。少し水っぽく感じたがこれは野菜が原因。。少し残念。。。 締めは名物のチキンラーメン。鶏のスープに湯がきたての乾麺を入れたもので出汁が秀逸であった。 デセールはスイカとモモのゼリー寄せでさっぱりとする。 コースの料理すべてが思いのこもった料理ばかりで逆に力が入り過ぎているのが気にはなるがそれは今後こなれてくることであろうし個人的にはそういうのも大好き。硬軟含めた様々な料理が縦横無尽に趣向を凝らしてオラオラと出てくるさまは実に刺激的である。この調理人の若い兄ちゃん(僕よりかなり男前です)食材しかり焼き鳥の串のさし方などええとこで修業されたことがよくわかります。この店も早く行かないとミシェラン取って予約できない店になりそう。。  大阪市北区堂島2-2-33 萬伸社ビル1F  06-6346-0112  日休

市松焼き鳥 / 北新地駅西梅田駅渡辺橋駅

大阪市 梅田/JR大阪 串料理ラーメン

比良山荘 (大人の遠足)

先日この日記で参加募集の案内もさせていただいた大人の遠足を滋賀の名店「比良山荘」で行った。 この店は個人的に毎年必ず行くのだが京都市内から車で40分、JRの堅田駅から車で30分という山深いところにあり、食事に行きたいけど交通手段がなあということをよく聞いていた。今回弊社のバスを出して大勢でいろんなお酒を持ち込みさせていただき(有償です)賑々しく鮎といろいろなお酒のマリアージュを参加者全員楽しむことが出来た。難波に夕方集合でそこから名神高速と湖西道路で約70分。渋滞にも巻き込まれずバスの中でのアルコールも手伝ってええ気分で到着する。 omisehira.JPG 玄関先では女将さんとご主人がお迎えに来てくれた。土産のリクローおじさんのチーズケーキもいつも喜んでくれる。2階の鯉の泳ぐ池の横の部屋を貸し切りにしてもらった。真夏なのにクーラーもいらず澄んだ風が部屋の中を吹き抜ける。本日の参加者は建設機材レンタルさん、地元フレンチシェフ、空間プロデューサー、鰻屋主人、河豚卸さん、美人フードコーディネーター、自称サーファーさん、コンピューター会社さん、不動産会社社長、駄菓子屋主人さんの12名。 onjunsai.JPG 乾杯はキンキンに冷えたモエシャンドン・ブリュットインペリアルにてまず喉を潤して胃を活性させる、最初の座付は高級料亭でしか今はあまり見ない温じゅんさいの吸い物。生姜が効いていてお腹が温まる。このじゅんさいは秋田産らしい。 zensaihira.JPG 続く前菜は名物の鮎のなれすし、アマゴのうるかあえ、枝豆、卵の味噌漬け、猪肉の燻製、フルーツトマト、鬼しめじ、ゴリの甘露。これだけで参加者ノックアウト。 さっそく持ち込んだ天野酒の無濾過大吟醸をいただく。特に鮎のなれすしは熟成して旨みが凝縮されこれ以上の相性はないというくらい日本酒とのマリアージュを発揮する。 どの料理も完成度の高いものばかりで、単なる里山料理でない素材選びと素材への審美眼、技術の高さが理解できる。 koinoarai.JPG 続いて登場の鯉の洗いは清流を取り込んだ敷地内の池で半年以上泥を抜いたもの。 臭みも全くなく酢みその加減も完ぺきで「ああ夏やなあ~」と感じる瞬間。川海苔ジュレ寄せと芽紫蘇もいいアクセントになる ayusonoiti.JPG ここで登場の鮎の塩焼き。大きな籠に盛られた鮎は見た目真っ黒焦げなんだけど徹底的に計算しつくされた焼き加減である。頭は唐揚げ状になっていて骨は全く気にならず頭からムシャムシャ行ってしまう。 皮目はパリッと中はホクホク。。持参した白ワインとともにいただくともうカウンターパンチを浴びたような衝撃。。。そのままでも十分旨いがトロトロのすっきりした蓼酢につけてもうまい。。。 比良山荘の前には、安曇川がながれていて、この川は日本でも少ない鮎が天然遡上する清流とのこと。 鮎は普通、川と海を行き来し生涯を終えるが、ここでは琵琶湖が海の代わり。春に琵琶湖から遡上する鮎は、夏のさかりの8月でも10~15mほどの小ぶりだが、そのぶん味が凝縮されるということらしい。 ayusonoitino2.JPG 生きた鮎を串に刺すので飾り塩をしなくてもヒレが立つとお店の方が言っていた。何度食べても、上品な苦味、爽やかな香りと旨味が口一杯に拡がる。。。嫌な脂臭さは当然皆無で淡くきれいな余韻をしっかり残し、それをワインで洗い流す。。。夏の清流の精気をいただいているよう。嗚呼幸せ。。。この鮎を3回に分けて合計7匹いただく。 ayusono2.JPG 続いて出てきた2回目の鮎は器を変えてまさに清流を鮎が泳いでいるような盛り付け。。みんながどんどん手を伸ばす。ワインの種類を変えてそれぞれのマリアージュを楽しむ。部屋の中のしつらえも風情たっぷりで凛とした趣がある。それぞれの部屋のテーマを春夏秋に分けられ鈴木靖将氏が描いた季節ごとのふすま絵が品の良さを表わしている。このあたりは鯖街道の宿場町であったらしく周りの建物のたたずまいも趣がある素敵なものが多い。 kuma.JPG 次に登場がリクエストしていた熊鍋。銘々で出していただき熊だけではなくすっぽんの身もごろりと入る超豪華版。極上のすっぽん出汁との取り合わせは多分他の調理店ではあり得ないであろう。この店の熊肉はマキノ周辺の猟師さんに、解禁日の11月から一ヶ月半の間に仕留めてもらうそう。毎年手に入るのが2~3匹程度で猪なら30~40匹手に入るらしくかなりの希少価値。冬眠入りする直前の熊なので全身のほとんどが脂分でそのの脂が驚くことに臭みがまったくなく、猪肉のようなアクが出ないのが特徴。脂を食べるという嫌な感覚は全くない。生では半透明で真っ白な脂肪が鍋の中でチリチリ縮まっ弾力あるゼラチンのような舌触りとなりすっぽん肉とともにつるつる入っていく。さっぱりした赤ワインとこれも相性抜群であった。 ayusono3.JPG このあと3回目の鮎が出てくるという容赦のない連続攻撃であるが参加者全員食べまくり。。。みんな「本当に美味しいねえ」「楽しいねえ」「贅沢だねえ」のオンパレードである。 nomono.JPG クールダウンに炊き合わせが出てきた。モロッコいんげん、茄子の炊いたん、イチジクの煮物・・・このあたりの技術の確かさがさすがである。食材は地元のもの調理方法は洗練された京料理である。。 koikoku.JPG そのあとでてきた鯉コクも実にほっこりした味加減。もちろんここにも鯉の臭み全くなし。ええ出汁を存分に味わう。。 ayugohan.JPG そして最後のヤマとなる名物の鮎ご飯の登場。ここの鮎ご飯は個人的には炊き込みご飯の最高峰であるといつも思う。。乾燥させた鮎を出汁用に使うとも言っておられた。鮎から出る出汁は限りなく繊細でさらしとしており、かつ旨みも鮮烈で力の強さも感じることが出来る。。お酒を飲み過ぎて味覚が不十分だったのが残念。 kuromitu.JPG 黒糖わらびもちも秀逸。。。黒糖がここまで主張するまた極限まで柔らかく作る技術に脱帽である。野にありながら洗練されていて、日本の情緒を再確認できる食事会となった。この場所ならではの極上の山の辺料理を最高のしつらえの座敷でいただく贅沢ができるこの店に敬意を表する次第である。参加者全員帰りのバスでは爆睡状態でありました。 滋賀県大津市葛川坊村町94 077-599-2058

和食 滋賀県大津市