ロサンジェルスで宿泊したキッチン付きのホテルだが作りはかなり質素。。 朝の食事もあるがこんな感じ(寂し。。) ↓ この日は特別にロス在住の鈴木敏仁先生から午前中に講義をいただき、午後から視察をアレンジいただいた。アメリカと日本の小売業のキャッシュサイクル、総資本営業利益率の違いやウォルマート研究の第一人者なのでその強さの解説等をいただいた。 この日はイースターであったため多くのお店が休みであった。最初にWincoを視察。 78店で、売り上げ5000億円のスーパー・ウェアハウスストア企業。 倉庫型ディスカウント・スーパーマーケットって感じか。 入り口の近くには「ウォール・オブ・バリューズ」と呼ばれているお値打ち価格商品が積み上げられていてグローサリー売場と青果、鮮魚と食肉、ベーカリーがあった。 また、600種類以上あるバルク・フーズ(大量販売、量り売り)部門に自然食品、有機食品、スナック、キャンディーなどが低価格で取りそろえられていた。 コーヒーの試飲もあった。 スナック、キャンディー、コーヒー豆、パスタ等が整然と量り売りされている姿は実にエキサイトメントであり圧倒的な商品力をアピールしている。 今をもってしてもアメリカも不況の真っただ中。ほとんどの顧客は計画購買が大半でどのお店で何を買うのかは全てお客の判断である。エブリデイロープライスの超巨大店のウオルマートを中心にアメリカの小売店は廻っているのだが毎日ウオルマートだと変化に乏しいし飽きるなとこの店を見て実感した。 この店での買い物は実にファンタスティックであり買い物が純粋に楽しいと感じさせる要素がいくつもあった。 野菜や魚介、肉類も量り売り。お客が好きなものを好きなだけ購入できる。もちろん全ての商品は低価格である。 いろいろな新しいショッピングセンター、ディスカウントスーパーをはじめとする新しい店舗を視察し、比較観察することで基幹となっている業態やフォーマットが理解でき、ひいてはアメリカ商業の原理原則が頭ではなく体全体で実感できた。やっぱり実際にお金を払ってお客の立場で買い物をしなければ見えないものがたくさんあることが理解できた。 たとえば卵一つにしてもケージフリーの鶏の卵や、USDA認定マーク付きの物、低農薬のえさ、そうじゃない物と値段に応じて選ぶことが出来る。牛乳もLow Fat、Fat Free、Half and Half、Lactose Free、1%、2%・・・それぞれのオーガニック商品とそうでないもの。。。選択枝ありすぎ。。。これが豊かさであり競争社会であること。。日本のPBは品質が中途半端でちょっとだけ安いけどまずいものの代名詞となっている。 全ては客が選択することである。選ばれなければその企業は終わってしまう。だから買う立場で商品を作らなければならないということを示していただいた。 昼ご飯はTaco Bell(売り上げ6900億円 5833店舗)でタコス。メキシカンのファストフードでは世界一の売り上げを誇る。全店舗の20%が直営であとの80%がFCファストフード業界では最も「産業化」が進んでいる。店内では火を使わず必要最低限のオペレーションしかないために低質な労働力で営業が可能。 故に店舗展開も早く労働生産性も高い。 この店もデブのメキシコ系のおばはん(姉ちゃんかもしれんが)がやる気のない空気をふんだんに出しながら注文を取りタコスセットをだらだらと作っていた。 適当に作っても見た目はそれなりになるのがタコスのいいところか。でもあとで胸やけした。。。。。 食べなんだらよかったとロスまで来て反省。。。 Kmartも視察。昔はアメリカの小売業の代表格であったが2002年に倒産。しかし半年後に再上場を果たし2005年にはSearesを買収し復調をしている。 しかし視察した店舗は昔のダイエーをほうふつさせる半端な品ぞろえとゾーンニングで商品が回転していないと井崎先生はおっしゃっていた。。 スーパードラッグストアのCVS(売り上げ4兆8989億円 6981店)はWalgreenと異なり同業態の企業を買収してどんどん拡大をしている。店舗内に調剤病院を併設していた。 07年にイギリスの食品ス―パTescoが20億ドルの投資をコミットメントして設立。 店舗は全てセルフレジで本部主導型。商品は300坪の店に3800アイテムと絞り込んでいる。その商品の5割がPBで売り上げの7割がPBであると聞き及ぶ。 店頭作業は究極の効率化をはかっていると世間ではいわれる。。。それを如実に表しているのが店のレイアウトでシンプルな中にも明確なコンセプトがあると聞いた。店頭に入ると生花があって正面に平台なしの青果とフルーツが左右に配置、右エンドにはサラダ、次の列(裏側)には精肉と魚、そのエンドはサンドイッチ、自然派商品、ゴンドラにはデイリー商品と飲料があって店頭右がレジとなっている。 すなわち、この入口近辺ですぐに買える食品が数は少ないがコンパクトに配置され、レジでの精算もすぐにできるようになっている。これはまさに日本のコンビニと同じ形。 要はお客さんが簡単に入ってこれてすぐ買い物して出ていけるようになっているということか。 食品スーパーの新しいフォーマットの「ヘンリーズファーマーズ・マーケット」を視察。 産地を記し産直のスーパーマーケッでゴンドラではなく店の真ん中に平台で野菜や果物が山積みされていた。主力商品が野菜であることがわかる。 店内は500坪~700坪と小規模ながら、ファーマーズマーケットと名前があるように、アメリカの昔の「市場」を連想させるウッディな内装で親しみやすい雰囲気。青果等は量り売りが中心。店のまん中にある樽にはいったナッツやチョコや穀物類も量り売りで少量から購入できるのがポイントと見た。栄養補助食品やヒーリンググッズ、自然派化粧品も種類が多くコンセプトをしっかりと客に示す品ぞろえとなっていた。 晩ご飯は周りに飲食店がないのでホテル近くの若手敏腕コンサルタントF氏お勧めのBJ’Sに行く。ブルワリーレストランということで結構人気店らしい。料理はいわゆる何でもありのアメリカン料理。 店のの中に入ると、レセプションがあり30分くらいの待ち時間。。名前を聞かれ(アメリカではこんな時マイコウ!と名乗ってしまう私。。。。)バーカウンターで名物の7種類のビールの飲み比べをする。 中は200席くらいのテーブル席と、バーがある。所々に大型スクリーンがありいろんなスポーツがオンエアされていた。 食事はたくさんある中でベビーラックを所望。柔らかく焼かれて甘いバーベキューソースで味をつけられたベビーラックはビールにぴったり。サンドイッチは中にステーキがはさまれていてボリューム満点。。。客層は若い人が多いと感じた。。料金もそう高くはないのでカジュアル使いされているのであろう。。 お腹いっぱいでホテルに帰り就寝。。。。。
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プロフィール
店主 鷺岡 和徳
外食歴40年。家に帰らず食べ歩く店主が綴ります。食べ次第更新中! 大阪・関西を中心に全国、時には海外の現地グルメも投稿。