東京出張の帰りに山中温泉まで暫し休息。 人に紹介いただいた山中温泉の名旅館「かよう亭」 こちらの旅館はその昔 客室40室、収容人員200名を誇る大型旅館だったらしい。 それを改築・休業を経て、ひとりひとりの客に密度の濃いもてなしができるようにと、山の中に移築し 一万坪の敷地に僅か10室という旅館に大変身したらしい。 日本旅館の多くが規模や外観の豪華さばかりを競っていた80年代に、 部屋数を縮小して「真のもてなし」を追求した・・・。 当時は、かなり勇気のある決断ではなかったかと思う。 お迎えしてくれた80才前のご主人は山中温泉の文化人らしく 侘び寂びや古典、芸術にもぞうしが深く引き算の美学を持ち合わせていることが この旅館のさまざまな設えでよくわかる。 旅館は部屋にいても廊下を歩いていても音というものがほとんど皆無だ。 このため時間という流れをまるっきり忘れさせてくれる。 個人的には食事に時間を掛けないほうであるが ゆっくりと時間を忘れて食事を楽しむ楽しさを実感することができた そして食事のほうは花梨酒の食前酒に飯だこのイチゴ酢。このイントロからかなりの期待をさせる。 前菜は行者にんにくの酢味噌あえ、揚げ湯葉の蕗味噌添え、鯛昆布占め、ニシンのへしこ、淡雪羹 お椀は薄い豆のすり流し、なんともたおやかな澄んだ味加減にびっくり。 椀だねは地元で取れる車鯛と白きくらげ。黒胡椒が味のアクセントになっている。 造りは甘エビと寒ぶり甘エビは新鮮そのものまったく臭みなし。鰤も独特の魚くささもなく 自然な脂は天然の印。 続いて揚げだしタラ白子にたらの芽の天ぷら。これは予想どうりの味加減。少し安心・・ 郷土料理の粟蒸しはプチプチとした粟の舌触りと素朴な味が餡と絡まってなんとも美味 これだけで日本酒の燗を2合開けてしまう 焼き物はぶりの子供の味噌漬けを胡麻ソースに絡めたもの この取り合わせはありそうで今までなく日本酒との相性も最高で 永遠に食べ続けたいと思った 使用されている器も地元の作家ものを中心に古九谷や土ものなど亭主の 趣味のよさがわかるものばかり 続いて地物の蟹が出てきたが結構おなかがいっぱいになる これは美味しいのは当たり前か 酢の物は湯がきたての旬の蛍烏賊。バリうま・・・ あとはご飯と止椀にフルーツ。ゆっくりお酒を楽しみながらいただいたので最後まで入らず・・ 残念・・・・ 私が知りうる風呂の中でもベスト3にはいるこの旅館の風呂は景色がすばらしい 自然を生かした林を見ながら温めの露天風呂に入ると天国に来た気分になる 食事のブログなのでここではあまり書かないこととする。 朝食は日本一と言われるものでこれに興味があった。 朝一番のお茶と梅干はびっくりするくらいうまかった まずはあおさ海苔が入った味噌汁。加減がすばらしい。 豆腐の造りは味が濃厚。じねんしょも山の香りがすばらしい これに手作りの塩辛となると朝からビールをいただく 炭火で温められた海苔と席についてから焼いて湯気が立ち上る出汁巻き玉子 はすばらしすぎて感動してしまう。 湯豆腐は限りなくはかない味加減でテーブルの横で焼いてくれる厚揚げと脂の乗ったはたはたは 最高の朝向けの焼き肴となる。地味ではあるが朝に食べたいものが普通にそれも最高の もてなしで最高にうまい状態で出てくる。10室だからできるんですとは担当の客室係りの方の声 名旅館恐るべし・・・・
人気のカテゴリー
最新の投稿
カテゴリー
-
- 我孫子
- 阿波座
- 安立町
- 今船
- 今里
- 梅田/JR大阪
- 江坂
- 恵美須町
- 扇町/天満
- 大阪ドーム前
- 岸里
- 岸里玉出(南海)
- 北加賀屋
- 北巽/南巽
- 北浜
- 北畠
- 京橋
- 粉浜
- 堺筋本町
- 桜川/西長堀
- 桜ノ宮
- 沢ノ町
- 四天王寺前夕陽ヶ丘
- 昭和町
- 十三
- 新大阪/西中島南方
- 心斎橋/四ツ橋
- 杉本町
- 住之江
- 住之江公園
- 住吉
- 住吉公園
- 住吉大社
- 住吉東
- 聖天坂
- 大正
- 大国町
- 高殿関目
- 田辺
- 谷町四丁目
- 谷町六丁目
- 谷町九丁目/上本町
- 玉造
- 玉出
- 塚西
- 鶴ヶ丘
- 鶴橋
- 鶴見
- 帝塚山
- 寺田町
- 天下茶屋
- 天神ノ森
- 天神橋筋六丁目
- 天満橋
- 天王寺/阿倍野
- 東部市場前
- 動物園前
- 中崎町
- 中津
- 長居
- 長原/出戸
- 長堀橋
- 南港/天保山
- 難波
- 西九条
- 西田辺
- 西天満
- 西淀川
- 日本橋
- 野田/玉川
- 花園町
- 放出
- 針中野
- 東天下茶屋
- 東三国
- 肥後橋
- 美章園
- 姫松
- 平野
- 福島
- 弁天町
- 堀江
- 本町
- 松虫
- 松屋町
- 緑橋
- 南田辺
- 南森町
- 都島
- 桃谷
- 森ノ宮
- 淀屋橋
月別投稿
プロフィール
店主 鷺岡 和徳
外食歴40年。家に帰らず食べ歩く店主が綴ります。食べ次第更新中! 大阪・関西を中心に全国、時には海外の現地グルメも投稿。