表記の会が心斎橋大丸北館の13階にある老舗料亭の大和屋さんでおこなわれ、弊社顧問頂いている美人フードコーディネーターと訪問する。
そば好きならば誰もが、一度は食べてみたいと願う“そば打ちの神様”こと広島県の「達磨 雪花山房」の高橋邦弘氏が生み出す絶品そばを大和屋さんの料理と共に味わうというイベント。毎年開催されいつも満員御礼状態。
まずは食事をするのをそっちのけでそば打ちを見る。いつも思うのだがこの人ほど一生懸命にそばを打つ人はいない。身体からうまい蕎麦を作るぞ!というオーラが出まくっている。
麺棒は3種類を使い分ける。スポーツ用品のミズノが彼の為に特別に作ったと言われる。松井のバットと材質は同じと言っておられた。少し話しただけで人間味のあふれる人物であることはわかる。
そば打ちの動画はこちら
ひととおり見終わった後はビールと共に食事を頂く。
2段の弁当箱が最初に登場。。老舗料亭の料理と蕎麦の組み合わせはありそうでない。
先付けは旬の松茸のほうれん草和え、紅葉は人参。あっさりさっぱりしながらいい出汁の風味を感じる。
お造りは鯛の胡麻和え。。叩いた胡麻をまぶしてある。始めて頂くがかなり美味しい。かぼす醤油も角がなくて飲めるような旨さ。
鰤は柚子胡椒につけて焼いてある。。。風味がとてもいい。だし巻き卵の中には蟹が入る。
おしのぎで一口水蕎麦。。口の中がさっぱりする。
炊きあわせは蕎麦豆腐揚げ出し汁のべっ甲餡掛け。ねっとりとして中に蕎麦の実が入って風味がある。蕎麦の味をじゃましないようすべてさっぱりしたものばかり。
揚げ物は海老紫蘇揚げと穴子の八幡巻き。。普通に美味しい。。
そして満を持して蕎麦登場。
これが高橋名人のもり蕎麦。二八の割合(小麦粉が2 そば粉が8)といっておられた。そば粉は長野、北海道などのブレンド。。簡単に話されるがそば粉、製粉、水に徹底的にこだわっているようである。細めでありながらコシのある麺で固いのではなく弾力がある。しかしながら素人目にはいたって変哲の無い、特色の無い蕎麦である。
蕎麦の芯まで製粉して使っていると言っておられたが蕎麦自身は青白く光っている。ふんわりと蕎麦の香りも感じるしとても完成度が高いのがよくわかる。のどごしの良さも素晴らしい。野暮さが全くない洗練された都会の蕎麦である。
汁は少し甘めで角が完全に取れた柔らかな味わい。ダシと醤油が高度に融合した感じ。食べていくうちに蕎麦の味、蕎麦粉と小麦の割合、舌触りとコシ、のど越し、汁もこれが最高のバランスかなと感じた。薬味はネギ、大根おろし、山葵ほんの少し。
一人2枚でてくる。。全く食べ飽きない。。
高橋名人は「僕自身が食べておいしいと思うそばを作っているだけ・・」と謙遜されていたが、顔が蕎麦に人生をかけている求道士の顔となっており、そばを打ち過ぎて腰が曲がってしまったと言っておられた。質問にもにこやかに答えてくれて偉そうなところが全くない。
お弟子さんもたくさんおられると聞き及ぶ。。
甘みは白玉ぜんざい。。この日の参加費は8400円。。いい勉強をさせて頂いた。。満足いたしました。
大阪市中央区心斎橋筋1-7-1
大丸心斎橋店 北館13F