桜富士山【大阪市 粉浜】

チンチン電車(阪堺線)の細井川駅近くの古い民家を改装して営業をされていた表記の南インド料理店が粉浜駅の近くで週末のみ限られた時間で営業とのこと。

移転先も住宅街のかなり奥まったところにあり暖簾だけで看板もない店舗に昼時には人が草木がなびくように入り出す。ギャラリーを間借りした真っ白の店内の中央に大きな8人くらい座れるテーブルに皆が相席なんだけど空気感の良さでそんな事は気にならない。
店主のタマちゃんは満席で忙しいのにわざわざ挨拶にきて頂いて私の体調を気遣ってくださるのがとても有り難かった。
この日は久しぶりに桜富士山ミールス1300円を所望する。

一口頂いた瞬間に「ああこの味・・・」と舌が答える。辛くてスパイシーでひいひい言うようなカレーが最近もてはやされるなかでこちらの味わい深くて喉から食道にストンと落ちるような味わいは本当に珍しく嬉しい。私が知っている中では唯一無二な存在である。

最初にツバス(ハマチの幼魚)のココナッツが香るスパイシーカレーを頂く。魚のエキスがしっかりと染み込みスパイスは感じるんだけどさらりとしていて和食の清汁のような軽さ。柔らかい国産の上質パクチーもいいアクセント。

キャベツの漬け物や野菜のアチャール、試しに作ったと言われるカシミールカレーを最初は別々に食してから、すべてを一気に皿の上にぶちまけてご飯と一緒にかき混ぜて食す。これぞミールスの醍醐味なり。

甘味と酸味と辛さと旨味が混ざりあって舌の上の味覚センサーを複雑に刺激する。スパイスの美しい清廉な香りと味わいが中枢神経を通過して美味しさに変り、飲込むのが惜しくなる感情に苛まされる。香草のかそけき苦味やあとから咥内に広がるコクも感じながら「味わいというものはいくつの要素から成り立っているのか」を考えてしまうほどたくさんの美味しさが一皿に存在する。

途中でつまみにマサラ煮卵と鶏肉マサラをサービスしてくれた。。小さな心遣いがとっても嬉しい。。しみじみと味わいながら頂く。。記憶に残る美味しさ。。。

帰りにこちらのお店のすぐ隣にカフェ発見。小さな看板だけがかけられて上品な奥様が1人で営まれる。前栽も美しくて靴を脱いで中に入ると4人掛けのテーブルが一つだけ置かれる。

手作りのプリン200円とコーヒーで合計400円の贅沢すぎるティーブレイク。

サンフランシスコのカフェで過ごしているような気分でゆっくりと過ごす事が出来る。こちらのカフェも食べログ等未掲載。

桜富士山のお店は現在住所未公開です。
訪問される方には個別でお伝えいたしますので「べろぺろ店主」まで連絡ください。
shatyo@nori-net.jp

過去の桜富士山はこちら
詳しくはツイッター「sakurafujiyama」にて

大阪市 粉浜 カレーライス

双琉/souryu【大阪市 我孫子】

あびこにある表記の店をボランティア団体の友人6人で訪問。地下鉄の駅から徒歩7分で決していい立地ではないけど界隈では行列のできる人気店。突出しは自家農園でつくる生野菜の盛り合わせ。

前菜はよだれ鶏650円(写真は2人前)。柔らかく茹がいた鶏肉を冷やしてスライスしたものにゴマだれやピーナッツ、香辛料や薬味が入った甘くて辛いソースがかかる。下処理にひと手間かかっている為に高級店の味わい。

黒酢の酢豚700円(写真は2人前)も豚肉が丁寧に処理されているせいかとても味わい深い。使われている野菜の味わいが突き抜けていい。

水餃子(3つ270円)は醤油と八角を煮詰めた「黒ダレ」、中国の「紅酢」、酢醤油をつけて頂く。もっとモチモチしているかなと思ったがかなり普通。

空芯菜の炒めに海鮮を入れてもらったけどそれが冷凍物で残念な味わい。

甲烏賊の唐揚げ四川香味ソース700円(写真は2人前)で使用する烏賊はとてもいい味わい。火入れも完璧でレモンサワーにとても良くあう。

油淋鶏650円(写真は2人前)は甘酢ソースの塩梅がとてもいい。鶏肉もとても味わい深い。ありがちなブラジル産の水臭いものとの異なりは食せば判る。

こちらのお店のシグニチャーメニューの麻婆豆腐は日本人向け850円と本場四川仕様の極痺麻辣豆腐1280円の2種類がある。最初に登場が麻婆豆腐。辛さは5段階で2.5。痺れは5段階で2くらいと店内に表記されていた。豆腐は焼いたものを仕様。山椒は四川省から取り寄せらしい。豆板醤はもとより香辣醤の旨味とコクも強くていくらでも食せるバランスのいい食味。

麻辣豆腐はあとから花山椒がきりきりと効いてきて鼻の穴にばーんと刺激がきて下垂体を刺激する。辛さは5段階で5。痺れは5段階で4とのこと。豆腐と唐辛子に漬け込まれたオイルが分子間相互作用を起こして大脳に対比効果を植え付ける。舌の上の辛味受容体のTRPV1のチャンネルが音をたてて開くのが感じ取れ、同時に頭皮の汗腺がパチパチ開いて汗が滲み出るのも判る。

蟹と海鮮の贅沢焼き飯1080円は蟹のほぐし身がたくさん入ってとても豪華な感じ。

お店の方お薦めの黒焼き飯は中国のたまり醤油を使用した濃厚で塩っからい塩梅。こういった焼き飯が好きな人にはたまらないであろう商品。何を食してもワンランク上の仕上がりで大衆中華なんだけど味わい深い。

隣には同じ経営のイタリアンバルも併設しており中華とイタリアンのコラボも楽しめる希有なお店。今回はなんといっても麻婆豆腐が秀逸でした。

先日梅田の小劇場で見た仲代達矢さん主演の「海辺のリア」は登場人物わずか5人で舞台を見ているよう。84才で認知症の老人役の仲代達矢の長廻しのセリフで見せる演技に圧倒される。一切セリフのない小林薫は醸し出す雰囲気が強烈だったな。

大阪市住吉区苅田5-6-5
電話:06-6655-0616
定休日:月曜日

双琉中華料理 / あびこ駅我孫子町駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0

大阪市 我孫子 中華料理

小好鮨 6月【大阪市 梅田/JR大阪】

梅田の会合の後でカッパ横丁にある大好きな表記の寿司店で一人飯。
ちょうど一組目のラッシュが終わって私1人で貸し切り状態。席数が少ないので普段は入店がかなり難しいお店。この日は約1年振りの訪問でお母さんに「刑務所でも入っとったんか〜」と聞かれる。長年こちらのお店に通っているけどノーゲストは始めてなのでゆっくりと食事をさせて頂く。お店はいびつな三角形でカウンターのみ12席。ワンボックスカーで食事をしているような感じだがその狭さが逆にいい。

本年80才になるご主人と77才のお母さんの2人で切り盛り。 こちらは今年で創業55年でご主人が22才の頃今はなき北新地の料亭「春奈」で働いていたときの写真と河豚調理免許がお店に飾られていて「この頃はよくモテたんだよ〜」というような話で盛り上がる。

最初に瓶ビール(此方の店では「冷やしビール」と呼ばれる)を頂いて名物の蝦夷鮑のお造りを頂く。塩のみが振られた鮑はコリコリで磯の香も強くて「ああ夏だな・・・」と感じる。ほろ苦い肝やヒモとビールの相性はとてもいい。これを食べると元気が出る気がする。

長崎産の赤貝の握りは超巨大。これも塩で食す。この店はいつも貝が充実。ご夫婦共々阪神ファンで試合中に阪神が得点するとご主人の携帯から「ポローン」と音が鳴る仕組み。

鱧は骨切りが荒いけど加齢のため目がかすむらしく、それはしようがない。。日本酒の白鹿本醸造を常温で頂く。お店はトイレもないし荷物を置く場所もないので要注意。外国人の客も多く客全員が俄(にわか)の通訳者になるのが面白い。ご主人のカタコト英語とフランス語もかなり笑える。

コリコリのツブ貝も初夏を感じさせるネタ。ご主人とお母さんのキャラが楽し過ぎてこの日も話が弾みまくる。3人で大声で笑いながら野球の話から大好きなプロレスの話、私もやっていたボクシングの話から日常生活の話などどうでもいいアホな事を皆でしゃべりながらとてもいい時間を過ごす。

「海老ちゃん」(此方の店では寿司はすべてちゃん付けで呼ばれる)はよく肥えた冷凍のブラックタイガー。昭和な感じがして個人的には大好き。お母さんが「男の人はみんな海老が好きやな〜」と突っ込まれる。

客がいないので話とともにお酒もすすみまくる。客が来ない事を理由にこの日は結局冷や酒を6杯頂いてしまう。蛸の胴びんと先っぽだけをアテでいただく・・・

瀬戸内海の赤雲丹をアテでいただいて最後に大きな穴子の握りでこの日はフィニッシュ。1人の時は長居しないでさっさと帰るんだけどこの日は2時間の滞在時間。この店で1人でカウンタ−に座っていると宇宙に漂っている気分になる。会いたい人に会ってしゃべって心の毒ともやもやが取れた気分。奥さんから「客も来ないし泊まっていけば」と言われたが丁寧にお断りして帰宅する。

相愛大学の食堂でいつも頂くカレー蕎麦280円にコロッケのトッピング。今日の出来は60点くらいだな・・・・

過去の小好鮨はこちら

大阪市北区芝田1-3-12
06-6372-5747
日曜と水曜休み

大阪市 梅田/JR大阪 寿司