寿司

本福寿司

創業文政12年の老舗寿司店。心斎橋で会合があったのでその前におひとり様ランチ。大阪寿司、鯖寿司、巻寿司がとても有名。お店は心斎橋筋商店街の大丸百貨店の前、宇治園さんのお茶屋さんの隣。

老舗の風格と歴史を感じる入り口を入ると入口付近に4人掛けのテーブル席が3つとカウンター席が10席、さらに奥には小さな座敷がある。この店ではゆっくりと食べたいのとおっさんの顔を見ながら食べたくないので必ずテーブル席に座らせてもらう。
周りは心斎橋でお買い物の上品なご夫人。この光景を見るのもこの店の魅力。

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店員さんは中国の方で中国のお客様も多いみたいでメニューも中国語と英語の表記もあり。ipadを使って外国のメニューを用意したり、外国語対応が出来る従業員を配置したりするなど益々増える増海外からの観光客にも柔軟に対応しているのはお見事。

普段は鯛のお寿司の入った箱寿司や冬はほかほかの蒸し寿司を頂くんだけどこの日は「宇治丸1600円」を所望する。
宇治丸って京都の宇治川で捕れる鰻で作った寿司をそう呼ぶと昔聞いたことがある。

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この寿司があるのは夏の期間10日だけ。すし飯と鰻の取り合わせって個人的に大好きで毎年この時期に一人で頂いている気がする。アサヒの瓶ビールとの相性がとってもいい。

御飯は昆布の味と酢がしっかり効いていて大阪寿司ならではの御飯にええ味がついたもの。それが肉厚の鰻とベストマッチング。のり巻きの御飯の締まり具合も絶妙。大阪寿司1200円もいいけどこの時期だけのシーズナブル商品というのが元気が出そうな気がするな。

食後は隣の宇治園のグリーンパフェで仕上げるのが毎度のパターンなり。

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*休みの日に天王寺で一人でマレフィセントを見に行ったら映画鑑賞料金が1000円。ビックリして半券見たらシニア割引。。適用まであと10年あるのに。。悲しいけど嬉しいな・・・

大阪市中央区心斎橋筋1-4-19
11:00~20:30
水曜日定休


カテゴリー 心斎橋/四ツ橋, 寿司 |

まさる 7月

今年大学2回生になる長女と二人で夕陽ケ丘の表記の店を訪問する。毎季節ごとに15年くらい通っているんだけど7月上旬のこの時期は絶対にはずさない。小さな表札だけの知らなければ通り過ぎてしまう店構えなんだけどいまや大阪を代表する江戸前寿司店となっている。私の友人もたくさん常連となっている。

店はカウンターのみ9席。店主の顔面がいかついとこのブログで毎回紹介するとその顔見たさに客が訪れると聞き及ぶ。小さなお店なので当然予約は必須。ビールを頂きながらまずはいつものようにお造り盛り合わせを頂く。

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コリコリした食感でとってもいい香りの赤貝、皮目を炙った分厚い太刀魚、これも皮目を炙って骨切りをした脂がノリノリの穴子。あっさりしてるんだけど脂っ気も感じるコチ、釣りの鯵、真ん中は剣イカに淡路の雲丹を乗せたもの。

これだけでビール2杯所望してしまう。何を食しても美味し過ぎで全くの隙がない取り合わせ。このあとはどんどこおまかせで握って頂く。。

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最初に軽く〆られた鱚。大葉が中に鋳込まれている。6月(梅雨時)の鱚は絵に描いたものでも食べろと言われるくらい脂がのっていてまさに旬真っ盛りの白身魚の代表。高級魚のあまて鰈はマコカレイの関西式の呼び名で同じ白身のヒラメとは違ったねっとりしてもちっとした舌触り。身にしっかりと脂が乗っていて甘くて熟成感も感じられ上品でとてもふくよかな食味。

そしてこの日のメインイベントというかお目当ての新モノのシンコ。この日は驚愕の8枚付け。仕入れ値は1キロ2万円と言っておられた。歩留まりが悪いので最高級のトロよりも高くつくのは私も飲食業なのでよく理解している。金魚のような魚体を丁寧に若い板前君が三枚おろしをして薄い塩水で締める技は気が遠くなる作業である。

原材料だけで一匹150円位するので原価は1200円くらい。店主が「お客さんへのお中元みたいなもんですわ」と笑って言っておられた。関西でこのシンコを仕入れてこの価格でお客に出する気概のある店は他には知らない。

握られたシンコはしっかりと旨みもありコハダの味がしっかりとする。身は稚魚なので瑞々しくてフワッとして柔らかく、さっぱりした食感とかそけき食味は梅雨明け間近の夏の到来を感じさせる。

初ものをいただいたので75日は長生きが出来るなと喜ぶ。。隣の席で一口で食べまくる大学生の娘には少し贅沢だなと思いながら出てくる握りを堪能する。

皮目を炙った旬のカマスはとても香ばしく皮と身の間の脂がじゅわっと染み出して口の中が旨味満載となる。旬のカマスは炙った皮が特別おいしい事で有名。

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きんきは皮目を軽く炙って肝と芽ネギを乗せたもの。。これも皮の部分の脂分がとてもいい。握られた寿司はどれもがビジュアルもよくてシャリに空気がたっぷり入っているので皿に置かれた瞬間少し沈み込む。口に入れるとはらりとほどける。。。。とにかく端正で美し過ぎる寿司である。

巨大な真イワシをしっかり締めて薄板昆布を巻いたものは塩気もしっかりしていて麦焼酎にとてもよく合う。

アワビは大振りのものを時間と手間をかけて柔らかく炊き込む。いつも好物のエンペラの部分を選んで切り付けてくれる。ぐにゅぐにゅして柔らかで噛めば鮑の旨味が溢れる。東京の甘ったるいものとは違い江戸前を更に進化させたこの店のスペシャリティーである。まさに心の奥まで届く味わい。贅沢な話だけどこれを食べたら生の鮑や鉄板焼きの鮑は食べれない。

車エビもこの店のスペシャリティ。。。中に海老味噌を射こんでて身もプリプリで美味しいのは当然なのだがその立ち姿も凛々しい。。。。見た目の美しさだけでなく食べやすさもいい。。このエビの握りはため息が出るくらい美味しい。。魔界でしか出会えない味といつも表現する。

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お造りでも頂いた淡路の雲丹は海苔なしで握られる。1年間で一番美味しい時期と言っておられた。えぐみやミョウバン臭さは当然ない。好物のタイラギ貝と皮目だけを香ばしく炙った鱧は追加注文。味噌がたっぷり載せられた甘すぎる身の毛蟹も旬真っ盛り。

この店のもう一つの名物はご主人の顔面の怖さ。坊主頭でカウンターで直立不動で仁王立ちすると夢に出てきそう。でも話し方は穏やかで気さくで性格はとても優しい。。寿司にかける情熱がこの顔をつくるんだなと納得。

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この時期旬のツブ貝もコリコリして磯の香がとてもいい。焼きたての鰻で寿司米を包み、それを焼き海苔で巻いて出される。鰻が鰻屋よりもうまいという掟破りの反則技。

巨大な煮ハマグリもこの店のスペシャリティ。火入れが絶妙で身がふわふわ。江戸前はしっかりと醤油を入れ炊き込むんだけどこちらの店はミディアムレアで出汁に漬け込む技術が素晴しい。この店のハマグリの握りよりおいしいものは今まで食べたことがない。

大間産の大トロは軽く炙って供される。私は苦手なので遠慮したが娘は口に入れた瞬間悶絶状態となる。

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私はトロの替わりに剣イカの一番太い足部分を所望。いろんな野菜と山芋や海老や鰻の端っこがたくさん入った袱紗玉子もこちらのお店の名物商品。

〆は軽くボイルされたキャベツを巻き込んだもの。娘と二人でお腹いっぱい胸いっぱい。。次は秋に訪問予定。。

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*地元の商店街でこんなおじさんが歩いてたな・・・背が高過ぎやな・・・

大阪市浪速区下寺2-3-10
06-6649-7227
平日17:00~翌2:00日祝17:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 四天王寺前夕陽ヶ丘, 寿司 |

すし吉

週末は中之島を2時間走ってそのあと1年間公職でお世話になった方と共に西天満の表記の店を訪問。昨年の6月に開業してちょうど1年となる。最近人をおもてなしするときはこちらを良く使わせて頂く。誰もが美味しいとわかる上質な寿司と程よい敷居の高さがいい時間を過ごさせてくれる。

新地の名店「平野」から独立された32才の福田氏が奥さんと最近入店された岸和田出身の女性調理師の3人で切り盛り。寿司の味もいいんだけど宮崎出身のご主人の人間味がいいのでここ最近は定期的に訪問している。7席しかないので最近かなり予約がとりにくい店となっている。

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座付きはガラスの器に焼き茄子と白ダツ芋。いわゆる白芋茎。焼き茄子はしんみりと味が入って白ダツはシャリシャリして涼感満載。ビールと共に頂くといい暑気払いとなる。

お店の名前は「ふく吉」と書いて「ふくよし」と読む。場所はアメリカ領事館の北側。この辺りは北新地に比べてしっとりとした大人な飲食店が多い。

法曹界がいいお店を育てるとよく言われる。乾山系の「鮨 林田」やカウンター8席の隠れ家風の「鮨ろく」、ミシュラン1星の超人気店「鮨 美菜月」などの高級寿司店の立ち並ぶ激戦区。でもこれらの店とは一線を画したお店の優しさと言うかツンとしていない空気感がこの店にはある。
多分ご主人の年齢の若さと人柄に寄るものが大きいと個人的に分析をしている。

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赤身の魚が苦手なのを知ってくれていて造りはアブラメとあまて鰈の2種類。アブラメはお造りにする事が少ないというか鮮度が劣化しやすい事と小骨が多いのでめったに造りでお目にはかかれない。普通は身がぐにゃぐにゃしたものが多いんだけどこれはシコシコのモチモチ。よほど良質で魚体の大きなものであろう。

あまて鰈(マコカレイ)はクセがなくて脂がのっていてまさに夏を感じる魚。締めていないんだけど昆布の風味も感じられるのが不思議。

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子持ちのシャコは北海道産。爪肉もちゃんと提供される。。若い店主が美味しいものをちゃんとわかっておられるのに感心する。合わせるお酒は純米辛口の水芭蕉のスパークリング。さらりとしてるんだけど旨味もしっかりあってとても飲みやすい。

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煮物は冬瓜と白甘鯛。蓴菜は最高級の秋田産。冬瓜の戻し方も完璧だし軽く塩をして締めた甘鯛もおいしすぎる。出汁の味もパーフェクトと言っていい。甘鯛の上品な脂が上質の出汁と相まって完璧な煮物椀となっている。

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こんがりと焼かれた稚鮎は三度豆の胡麻汚しと共に頂く。泥臭さが気になったがこの時期の鮎はしょうがない。同伴者が辛口のお酒が好みという事で三千盛の純米大吟醸を所望する。。この料理にドンピシャでお酒がおいしいととてもリッチな気分になる。

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毛蟹と朝風胡瓜と生湯葉の酢の物。朝風胡瓜は皮が薄くて肉質は緻密で歯切れがいい。少し干していると言っておられた。いわゆる日本料理の技法で雷干しというもの。白瓜や小メロンでする事も多い。しっかりと胡瓜の味が感じられて雷干しの文字どおり咀嚼するごとにガリガリと音がする。。

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同伴者は蟹が苦手という事なので赤貝の酢の物に即座に変更。この辺りの機転が素晴しい。まさに変幻自在。。

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「平野」と同じ仕入れ先から入れる鯨のさえずり。鯨の臭みやクセが全くない。上質な脂感が脳にずしりとくる。である。日本酒との相性は言わずもがなである。

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トウモロコシのすり流しには穂紫蘇が乗せられたもの。すべての食材にこだわり手間を惜しまず謙虚に仕事をされるのを目の前で見ながら贅沢な時間を過ごす。話しかけられればお客さんの相手もちゃんとして場を盛り上げる術もちゃんとわかってらっしゃるのにも敬服する。

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握りの最初は細魚。。寿司にたどり着くまでかなり食べているんだけど軽い食味と強い旨味に旬を感じる。シャリはほんのり温かくてやや固め。大分産のヒノヒカリを使用。

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剣先イカはしっかりと目を入れる事でより食べやすいのと旨味が増幅。。ビジュアルもとっても美しい。真っ白な檜のカウンターは触るとすべすべ。赤ちゃんの肌のような手触り。毎日牛乳で磨いているそう(これホント・・)

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釣りの鯵もかなりいい。ネタで季節を感じる事が出来るというのが大変嬉しい。。

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コハダは1枚漬け。この時期のシンコもいいけどしっかりと締められたコハダも大好き。こちらの店はミディアム系。シンコ(コハダの稚魚)は1キロ7万円の仕入れ値と言っておられた。寿司一貫で原価5000円くらいになる計算。。

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大好物のシラサエビ。これほど大きなサイズのものは珍しい。まさに一番ネタを仕入れるのであろう。レアに湯がかれているので甘味も強烈。味噌も甘くて秀逸。

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淡路島の雲丹。通称黒雲丹と呼ばれるもの。喉の奥にストんと落ちる。ミョウバン臭さは当然感じられない。。

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「平野」や兄弟子の福島の「清水」と同様の脂ののった穴子を熊笹に包んで温め握る。これがこのお店のスペシャリティ。

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脂ののりも強烈でフワフワでトロトロの極み。。塩と煮詰めのそれぞれで頂く。煮詰めもかなり上質。酒の酔いもあって頭もフワフワとなる。水芭蕉の純米酒と合わせるとこれもベストマッチ。

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〆のかんぴょう巻もいい仕事ぶりが感じられる。

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花丸きゅうりを巻き込んだものもサッパリして美味しい。。こういったものと日本酒の組み合わせもいいな。

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隣の客に出す鮪の漬けを見て同伴者が「この店は生レバー握るの?」と尋ねておられたのには笑った・・・寿司屋で生レバーの握りも一度食べてみたいな・・・

まな板の横にある塩の容器のふたが赤いので「それは味の素ですか」と尋ねておられた。。ここまでこだわって最後に味の素をかけて客に出す寿司屋もあったらおもろいなと思った。。。
でも何もかもキチンとしまくらないで多少の抜け感を出す事で客から見た敷居を下げておられる事にも感服する。。

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表札代わりのこの玉子も大好き。端っこの固い部分だけを別に頂く。。こういった気遣いにやられてしまう。奥さんもご主人もかなりいい。価格はそれなりだけど大切な人をもてなす店としては最高と思うな。

大阪市北区西天満4丁目11番8号
営業時間:5:00〜11:00
月曜休み
Tel:06-6809-4696

 


カテゴリー 梅田/JR大阪, 西天満, 淀屋橋, 寿司 |