寿司

まさる 09夏

夕陽ヶ丘の実に辺鄙な場所に店を構える「まさる」。このお店に来るようになってもう8年くらいになる。最近はあちこちのグルメ雑誌に紹介されもはや老舗の域に。他の飲食店にあって寿司ほど好みの店が人によって分かれるものはないと思う。寿司そのものに支払える金額や費用対効果、居こごちの良さや満足感をどこまで求めるのかなど人によって違うし、誰と行くのかということも大きく店選びでは関わってくると思う。 北新地のなかにも新進気鋭の職人がやっているお店もたくさんあって、珍しいものを食べさせていただいたりし、それはそれで旨いのだがなんか落ち着かなかったり、支払い額が尋常でなかったりというところも多い。 この店(まさる)はそのすべての条件を凌駕し、好みのうるさい私の口に合う大好きな寿司の一番店でカウンターに座ると、よぼよぼの爺さんになっても三カ月に一回このカウンターで一人で寿司をいただける身分になりたいといつも思ってしまう。 tukurimasaru.JPG 5時の開店一番が私の狙い目。結構この時間なら直前予約でも入店できる。カウンター12席なので時分時はなかなか予約が取れない。(らしい)  いつものようにビールとお造りを所望する。目にも美しい造りは天然鯛のお腹部分の湯引き(やっぱええとこ出しよる)剣いかと淡路の赤雲丹(一緒に食べるとバリ甘)皮を炙った香ばしい太刀魚(脂乗りまくり)アナゴの焼き霜(これも脂がじゅわっとでて来よる)シマアジと今が一番の旬のあこう(熟成された旨さ・・最高)これだけで降参やで。。参ったと言ってしまう取り合わせ。。。 09masaru1.JPG 早速お任せでバンバン握ってもらう。最初の「アマテカレイ」はマコカレイの関西式の呼び名で同じ白身のヒラメとは違ったもちっとした舌触りと身にしっかりと脂が乗っていて若干の熟成感も感じられふくよかな味。旬そのものでいきなり「旨すぎるぜ」とつぶやいてしまう。 これまた旬の「鱚」は梅雨時の鱚は絵に描いたものでも買えといわれるくらいで、昆布締めにして大葉をはさんでアクセントに。喉を通ったあとに昆布の香りがさらりと感じる。同じ白身でもカレイとの味の違いが明確にわかる。 続いて炙った「さんま」が登場。生姜が乗って目にも麗しいが口に入れれば予想していた通りトロトロに溶けだしてシャリとなじむこと・・大体ご主人の私を喜ばす作戦が最近見えてきた(笑) 皮目を炙ったカマスは皮目のところから脂がしみだす。カマスの焼き食い一升飯と言われるが皮がこの 魚旨いことよくご存じ。昔九州で焼いてほぐしたカマスの身を混ぜ込んだ寿司を食べた記憶がある。 キンキの寿司も姿麗しく赤い皮目があぶられて芽ネギと肝ともみじおろしが添えられてさっぱりといただく。同じ白身でもそれぞれこんなに味わいが違うこと、日本に生まれてよかったと本当の思う瞬間。キンキは煮魚の最高峰で値段もバカ高いのにそれを寿司にするということはもちろん鮮度が大切で。。 微妙な白身の味の違いが細やかな仕事でよくわかる。このあたりがこの店の真骨頂といえる。 煮アワビは徳島産でアホほどでっかいものを切り分けていた。間違えなく市場の中での一番ネタでこのアワビを柔らかく炊いて握ってくれるんだけどこれを仕入れるということだけでご主人の寿司に対する矜持を感じる。おみそれしました。。。これも大好物のえんぺらのところ切って握ってもらう。チュルチュルでしこしこで限りなく柔らかく、思わず目を閉じて味わってしまう。ここの煮アワビを食べたら生のアワビや鉄板で生を焼くだけのアワビは絶対に食べれない。あわびの旨さを最大限にいかしたした寿司となっている。 09masaru2.JPG 名物の車エビは目にも麗しく味噌を射こんでマッタリとコクのある味。海老はもちろん限りなく甘く、煮切り醤油がその甘さをさらに引き立てている。海老好きの私はこれが大好物。 巨大なハマグリは身が詰まって上質な証拠。これをさっとゆがいて出汁づけしているんだけど火入れが完璧なためひたすら柔らかく貝の臭みも全くない。蛤を握る店最近見かけるがここまで仕入れにこだわって徹底しないとダメと感じる。このハマグリもたぶん究極に旨い。 小鉢には淡路の雲丹と毛ガニをシャリに混ぜ込んだもの。これは明らかに反則技で。。いまどきの言葉で感想を言うと一言「やばい・・」て感じです。たぶん究極の一口と言えるでしょう。美味しいものの出会いというか取り合わせをよくご存じである。甘くてコクがあって蟹の繊細さも感じられて雲丹の香りが口いっぱいに広がる。。 ガリを所望してその酢を麦焼酎の水割りに入れていただく、必殺ガリ酢焼酎。。私個人のオリジナルレシピ。この店では必ずこれをいただく。すっきりしてレモンを入れるよりは酸味は少なく寿司にぴったり。 旬の鱧は皮の身を炙って梅肉と大葉を乗せていただく。ただの落としよりも脂分が感じられ実に味わい深い。普通の落としよりも鱧の味が感じられる。考えられた人手間が大きな味わいの差となっている。 ウナギも店主独特の反則技で炙ったウナギで寿司米を包みそれを焼き海苔で巻いて出されると海苔の味と焼きたての鰻と寿司米ご飯で鉄板取り合わせの完成。ウナギがうなぎ屋よりも旨いというのは本来やっちゃあいかんことでこの店主の旨いもんを追求する姿勢がこういったものを作らせてしまうのかと納得。 09masaru3.JPG 苦手な「トロ」はパスをして瀬戸内の「水蝦蛄」はかなりのジャンボサイズ。まさに瀬戸内の味か。。 袱紗焼き玉子は山イモやエビなどいろんなものが入ってふんわりとシャリをまとって締めにはぴったり。これもこの店の名物。いろんな味が混ざりあいまさに至高の玉子焼き。甘いカステラのようなものより絶対にこちらのほうが合うと確信。 まだまだ追加で好物の赤貝は香りも秀逸。赤ガイは香りが命。もう一度この世の名残のように「しんこの6枚付をいただき」淡路の雲丹で今生の別れをし、ミョウガとキャベツの巻きもので今シーズンの寿司はおしまいとさせていただいた。いつも「いつ死んでもいい」と思えるおいしいお寿司をありがとう。 感謝。


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芳すし

阿倍野区の播磨町にある老舗寿司店。 若い頃いつも軽トラにのってこの店の前を通りながらこの寿司屋でおなかいっぱい食べることを夢みていたことがあった。。深夜2時ころでも超満員でどんだけ忙しいねんこの店はとよく思っていた。 何回か夜も食べに行ったこともあるが老舗の風格というかまず仕入れが違う。本物の寿司屋という感じ。 どこにでもある魚がどこよりも旨い。。目利きの確かさとしか言いようがない。。。 数年前からランチもやっていて2500円の寿司定食をいただく。この日は最初にマグロのユッケ。私はマグロが苦手というと手長タコの煮付けに変更いただいた。。親切。。。 そのあとてんぷら盛り合わせ。海老が2本と野菜と鯛の切り身。。すかさず魚の身が入った赤出汁と茶わん蒸し・・・寿司が来る前に結構満腹になる。。 yosisusi.JPG 出てきた寿司は奥から軽くあぶったイカ、とろけるサーモン、霜降りした天然鯛(これ旨かった)、これもとろけるカンパチ(ひらまさかも)、甘すぎる大ぶりの甘エビ、いくら&うに、鯵、鰻、玉子と豪華ラインアップ 一つ一つ丁寧に仕事されていて何をいただいても旨すぎ。。。 最後はお茶を差し替えてくれて抹茶白玉でフィニッシュ。食べ応え有りすぎ。値段なりの価値は絶対あるね。。夜はお勧めのコースとかもあるらしい。 大阪市阿倍野区万代1-1-2 TEL 06-6623-2291

芳すし寿司 / 姫松駅北畠駅帝塚山三丁目駅


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鮨割烹 曽根

sone.JPG 壱岐滞在中の昼食はこの島でナンバーワンと言われる寿司店「曽根」に 評判はもっぱら高く当初はこの店に行くのが楽しみであった。。 玉砂利のひいた壱岐らしくない高級な店かまえはカウンター席と個室もいくつかある 早速3500円のお昼の特選盛り合わせを注文 大トロから始まって大葉をはさみこんだマトダイ、地物の鯵にサザエ、アマダイに生サバ、平まさにフグ 海老にブリのはらみのすき身。前日に2日だけ解禁であった生うに 生うに漁の解禁は5月からなので甘さは足らないと言っていたが充分の品物だった。 握られる寿司の姿はしゅっとして麗しくネタも前の漁港から直接仕入れるので新鮮そのもの お店も美しく水槽の中にはアワビや伊勢エビ、サザエ、2キロくらいあるヒラメやウツボ いろんな魚が勢ぞろい。さかなくんが来たら絶対大喜びってかんじ。 しかも港町にありがちな新鮮だけが取り柄というわけではなく中洲の高級店にある技術も 兼ね備えられている。。こういう寿司屋が天下無敵と言われるんだろうと感じた。

鮨割烹 曽根寿司 / 壱岐市その他)


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