和食

米増 4月【大阪市 福島】

毎月ずっと定期訪問している福島の表記の和食店に伺う。最近は14時からの部と17時半の部の2回転。ほぼ常連の予約で埋まっており8ヶ月先くらいは全て満席。大阪の和食でもっとも予約が難しいお店の一つと言われている。法善寺の本湖月等で修行されたご主人の茶味溢れる端正な仕事に魅入られて毎回発見することがたくさんある。

カウンター8席のみでこの日は18000円(税・サ別)のコースのみ。装飾を配した店内はとても美しくてカウンターではご主人が刺身を切ったり最後の盛り付けのみをされる。

ご主人夫婦の接遇もとても嫋やかで初めてのお客さんにも分け隔てなく丁寧に接せられる。ご主人以外に調理師の方が3名。。全く隙のない仕事は朝の7時から始まると言っておられた。

お酒もいろいろ揃えておられて酒器もこだわりがあって楽しい。

写真の掲載は不可なので忘備録としてメニューだけ記す。

・京都鷹ヶ峰の新玉ねぎのすり流し(ガラスの器で供される)
・笹の葉に包んだ明石産のカスゴ鯛の棒寿司(シャリに柚子の花を混ぜて)
あしらえは山葵葉のお浸し(かなり端正な仕上がり)
・若布と筍のお椀(透き通るような出汁で塩味はかなり控えめ)
筍は当日の朝に採った京都大原野産のもの
・明石産の黒メバルの刺身をポン酢のジュレで(脂がしっかり乗ってかなり美味しい)
皮は揚げてパリパリの食感
・カウンター前で炭火を使ってレアに火入れする室津産の身厚の鳥貝
あしらえはうるいのお浸し
・刺身は和歌山県すさみのケンケン鰹を片面だけ藁で炙ったもの
私は赤身魚が苦手なので代わりに鮑の柔らか煮を提供いただく(あしらえは浜防風)
・骨切りをして衣をつけて揚げた旬のアブラメ(鮎魚女)を揚げだし仕立てにしたもの。
針ネギの天盛りが添えられる
・大原野の筍の根元部分をカウンターで炭火を使い丁寧に火入れして醤油タレで照り焼き(仕上げに叩いた木の芽が乗る)
全く湯がかずに採れたてを焼いているのに柔らかくてアクもないことにびっくり。
筍の旨みが凝縮されて最高の焼き筍
・鯛の卵を玉子じめにしたものと鹿児島産の一寸豆、愛知県知多のフキの炊き合わせ
・カウンターで和牛肉を銀鍋に入った出汁で低温でさっと火入れして独活を天盛り
和歌山産の名残の花山椒がたっぷり載せられる。
牛肉を独活と一緒に盛り付けることで非常にあっさりといただける
・食事は釜炊きの筍ご飯。筍はさっと蒸してスライスしたものに塩を当てて風干ししたものを炊き上がりに混ぜると言っていた。。 今まで食べたことのない筍ご飯の味わい。
・デザートは高知産の文旦と文旦を使ったソルベ
・甘味は目の前のコンロで風干しにした薄いお餅を焼いてこしあんを包んだもの
・抹茶

床飾りも春らしくてとてもいい。。来月の訪問が楽しみです。。

過去の米増はこちら

大阪市北区大淀南1-9-16

大阪市 福島 和食

料理屋 稲家 4月【大阪市 梅田/JR大阪】

毎月定期訪問している北新地のお気に入り和食店。たくさんのミシュラン店がひしめく北新地プレイスビルの7階に位置する。同じフロアの隣は天ぷらの沼田さんが入る。

ご主人は神戸の和食店植むらのご出身で35歳の若さで激戦区の北新地で正攻法の日本料理店として開業。18時一斉スタートで席数は8席のみ。コースは18000円税・サ別。苦手な食材はあらかじめ申し上げておくと配慮いただける。

場所柄どうしてもホステスさん同伴の客やグループが多いのはしょうがない。

佐藤の麦焼酎とともに先付けはパンパンに卵の入った飯蛸が登場。脚はさっと火入れして頭部分は低温で時間をかけてレアに仕上げている。あしらえは菜の花と一寸豆と土筆。京焼の桜の模様の皿も美しい。

車海老がたっぷり入った海老真薯。あしらえは神馬草。。大量に入った車海老の食感と甘みがなんとも言えない。出汁の塩味は少し強めで普段からしっかりしたあたりをつけているのは植むらの師匠譲り。。

この日の刺身は脂ののった黒メバル。炭火で炙った皮目が香ばしい。綺麗な発色の青交耻の皿も春らしい。。

特大サイズのホタルイカの沖漬け。。日本酒との相性がとてもいい。

長野県小布施ののワインメーカーが趣味で作る清酒。フェティッシュな香味で思いの外、美味しかったので嬉しい。古典的な生酛造りでsakeエロティックという名前。この酒を仕入れることができるルートにも感心する。

江戸切子の盃も美しい。。

ここ数年、関西の高級和食店で大人気の貝塚市木積の新筍の炭焼き。根っこ部分も柔らかくて香りも高く、春ならではの味わい。

焼き魚は金目鯛の付焼き。脂が乗りまくって炭の香りも芳しい。出汁と酢で解いた粘りの強い自然薯を口直しでいただきながら食す。

和牛のカツレツ。柔らかくて味のあるモモ部分を使用。脂分も少ないので食べやすい。 野菜などを煮詰めて作ったソースはとても軽くてあっさりした食味。トマトも美味しくてあっという間に一皿を平らげてしまう。

ワインも充実していてソムリエのお姉さんが適切なものを選んでいただける。しっかりコクのあるイタリアワインと貝料理を合わせる。

北寄貝、蛤、ミル貝、のびるの鍋仕立て。。よく肥えてふんわりと柔らかな貝はこの時期ならではのご馳走。。

食事のお供に煮麺登場。

土鍋で炭火で焼きこんだ鯛と筍のご飯。。最初にプレゼンテーション。。

白飯も別鍋で炊かれる。まずはアルデンテの銀シャリを一口。

お腹いっぱいになったので土鍋炊きこみご飯も少しだけにする。続いて名物の和牛肉の時雨丼も提供される。

デザートは自家製の和風チーズケーキといちご。。この日もお腹いっぱいご馳走様でした。。毎度のことだけどこちらのお店のご主人の料理に向ける情熱や探究心にいつも感心する。。どんどん美味しくなって進化される内容も楽しみ・・・

過去の稲家はこちら

大阪市北区曽根崎新地1丁目10番2号
06-6341-317

 

大阪市 梅田/JR大阪 和食

楡庵 福源【大阪市 住吉】 【大阪市 住吉公園】 【大阪市 住吉大社】

南海本線住吉大社駅下のショップ南海にある総菜店。以前は住吉大社の南側の住宅街で仕出し店をされていたんだけど10年くらい前にこちらに移転。ベテランのご主人が一人で作る惣菜は派手さはないけどかなり上質。テイクアウト専門でパックに入った煮炊きものやハンバーグ、和風のスパイスカレー、刺身、かやくご飯などレパートリーはかなり広く何をいただいてもワンランク上の美味しさ。

私もコロナ禍で外食しにくい時は週に2回くらい購入していた時期もあったけど全く飽きることがなかった。

数種類の手作り感満載のお弁当やおかずの盛り合わせなどもあってこれからの季節、住吉公園でのお花見にぴったり。
お弁当や惣菜もかなり美味しいけどオススメは鰻弁当。鰻の量で3種類に別れていて私はいつも真ん中の1600円のものを所望する。
注文ごとに温かいご飯を折に入れて鰻を再加熱して5分くらいで仕立てていただける。

別売りで「肝の煮付け」もあれば必ず購入をオススメする。

一見地味な鰻弁当なんだけどタレの塩梅や鰻の焼き加減など完璧と感心しながらいつも美味しくいただく。個人的には大好きでヘビーユースしているデリカテッセンです。。

お店の壁にはご主人のお父さんが書かれた達筆な毛筆の書が飾られる。以下原文・・・

その昔(明治〜大正)浪速の堂島・北浜あたりには米問屋が軒を並べ天満界隈では河内・泉州方面から小舟や大八車で運ばれた農産物がセリにかけられ市町村に出回ったそうな
西区江戸堀の川辺にざこばといはれた水産物の卸賣り市場があったそうな
初代福源は淀川・大和川・河内・泉州方面より遠くは出雲の宍道湖より入荷した鰻・鯉・鮒・鮎・すっぽん・もろこ・川海老・蜆・浅利・蛤・等々淡水魚の仲卸業を営んでいたそうな
昭和の初に安治川沿に今の中央卸売市場が開場され二代目福源が開店した
私の子供の頃(昭和十年前后)には出目金・かじか・小亀・ざりがに等も賣られていた事等覚えている
昭和十二年支那事変から大東亜戦争へと昭和の激動期に入り食糧難の時代が来る
終戦後二、三年を過ぎ中央市場も活気を取り戻し「喰いだおれ大阪」の台所として現在全国各地より特産物が入荷しているが当時(昭和の初期)天然鰻も近畿、四国、鳥取、岡山方面から毎朝入荷し中でも淀川、大和川の河口でとれた鰻は品質が良く高値で取引されていたそうな
福源ののれんを受けつぎ鰻にこだわりを持ちつづけるのも淀川の水で遊び育った者の一つの生き方であらうか

大阪市住吉区長峡町 3-14
木曜休み

楡庵福源惣菜・デリ / 住吉大社駅住吉鳥居前駅住吉駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 住吉大阪市 住吉公園大阪市 住吉大社 お弁当和食その他料理