カテゴリー:和食

料理屋 稲家 2月【大阪市 梅田/JR大阪】

北新地にある定期訪問している表記の店にて会食。北新地駅11-23出口から徒歩1分、ステーキロンの裏側のグルメビル7階に位置する三宮のミシュラン店「植むら」で修行をされた向井理そっくりの店主が営むお店。

カウンター8席の18時と21時一斉スタートの2回転制でおまかせコース 19800円(税・サ別)のみ。支払いはだいたい3万円くらい(高級ワインやシャンパンをいただくとかなりの値段になる)。好き嫌い、苦手な食材は事前に聞いていただけるのも嬉しい。

場所柄ホステスさんとの同伴食事客が多く、高級店なんだけどいつも賑やかになる。20時には食事が終了となるようにされているのも立地特性に合わせたもの。

最初の座付は温かい蓋物からスタート。卵白の餡を雪景色に見立てた蛤の玉子締め。蕗を雪の中から覗く新芽に見立てているのも風情がある。

いつものように日本酒をいただくと江戸切子の盃を選ぶことができる。。圧巻の景色なり。

煮物椀はあん肝の真薯と自家製からすみ。この料理にはご主人が「あん肝に最も相性がいいお酒」と新政の極甘口の「陽の鳥」と合わていただく。フォワグラをドイツアルザスの甘口と合わせるイメージと感じた。

刺身はたたきにした大きなサイズの河豚。白子を裏ごして調味したソースに皮を混ぜ込んだものと一緒にかき混ぜていただく。これも旨口の純米日本酒と相性抜群。。

限りなく柔らかに炊き込んだ大豆、大葉鰯の炊いたのは梅のソースで供される。宮古ゼンマイとウドの胡麻和え。

メヌケの炭焼きは脂が乗りすぎて美味しすぎる。千枚かぶらはお稲荷さん仕様。

三重産の茶振ナマコ。2杯酢を合わせた大根おろし。ナマコは久しぶりにいただいた。。

和歌山県加汰産の真鯛の酒蒸し。骨で取った出汁と塩だけの潮仕立て。。丸みのあるしんみりとした味わいはこの日のMVPなり。

この日も珍しいお酒を色々頂き大満足。

このこ(なまこの卵巣)を鋳込んだ湯葉巻き揚げ。。塩味が少し不足なのが残念。。

食事はアルデンテの白いご飯、アナゴご飯、名物の牛しぐれご飯と怒涛の3連発をいただく。

デセールは金柑のシャーベットに金柑のゼリーをかけたものはかなり美味しい。まろやかな酸味と独特の香りが生かされていて、よく考えられたと感心。ごちそうさまでした。。

過去の稲家はこちら

大阪市北区曽根崎新地1丁目10番2号
06-6341-3177

大阪市 梅田/JR大阪 和食

米増 1月【大阪市 福島】

毎月定期訪問する福島の表記のミシュラン店を訪問。開店以来ずっと欠かさず食べているけど全く飽きることがない。新規予約は8ヶ月以上先となる関西和食で最も予約困難と言われる人気店。カウンター8席のみで14時と17時半スタートの2回転。この日はキャンセルがあったのか6名で相伴する。

静かな店内だけど温和な人柄の店主と交わす軽口がとても楽しい。本湖月等で修行されたご主人の茶味溢れる献立とケレンのない仕事がとても口によく合う。普段はコース18000円(税・サ別)で、この日は食材の都合で21000円とのこと。写真撮影は可だけどネット掲載は禁止なので忘備録として献立のみ記します。

・先付 富田林産の海老芋唐揚げの白味噌仕立て雑煮
・焼餅に香川産海鼠腸と鹿児島産金柑を挟んだもの
・大分産赤貝肝和えと新たまねぎマリネ
・蕪と柴山産ずわい蟹の足
・南淡路天然河豚の身と皮と分葱 北海道前浜産の干し数の子
・愛媛産鰤は表面を乾かして炭火で少しずつ火入れ
・鷹ヶ峰の金時人参の天ぷら
・塩漬けにした白菜と河豚の雑煮
・蟹のエキスと生姜のご飯に蟹の身と味噌を乗せたもの
・生姜ご飯出汁茶漬け
・白米に雑魚
・長野産ルレクチェと茨木産いちご
・自家製の花びら餅

ご主人の自作の床かざり。初日の出を淀川河川敷で見てインスピレーションが降りてきたと言っておられました。なかなかの大作です。

エントランスの床飾りも美しい。

トイレの飾りもご主人の手作り作品。

カウンター前で丁寧に切り餅を焼きこまれるご主人。

今では見ることも珍しい干し数の子。弾力ある食感が特徴で旨味も強い気がする。仕入れ価格もびっくりする値段ということはプロのみが知る。

ごちそうさまでした。

過去の米増はこちら
大阪市北区大淀南1-9-16

大阪市 福島 和食

喰切料理 八方

グルメ友人のFacebookの記事を見て岡山にある表記の和食店を登山仲間の友人と訪問。岡山唯一のミシュラン店で11月に予約して最短がこの日となる。新大阪からのぞみに乗って1時間かけて伺う。早めに着いたので岡山駅から店まで15分くらい歩いて到着する。

店名の食い切り料理は大阪の割烹で昔よく使われた言葉で「持ち帰らずにその場で全ていただける飾りを排した献立と調理法の事で、いわゆる大阪料理の事」と記憶する。こちらのご主人は昔に大阪で修行をされてから地元の岡山でお店を開かれたので食い切りという言葉を使っておられると推察する。

店内は白木のカウンター10席と奥に個室。ご主人と若い調理師さんが2名。女将さんともう一人の女性で接遇される。カウンター内の壁には檜氷冷蔵庫が埋め込まれる。客の状況で食べきれる分の料理を一品ずつ丁寧に提供されるので隣の客と献立や料理の量、器が異なるのも面白い。料理のコースは25000円から。

今回は予約時に苦手な食材と「海老と蟹」が好物であることを申し伝える。この日は私ども以外は見るからに上品な常連シニア客で満席。お客筋はかなりいいと推察。

お酒も地元の日本酒を始め色々なものが揃えられる。ワインセラーにはオーパスワンなどのアメリカの高級ワインなどが大量にストックされる。ワインの値付けはかなり優しくて良心的。。

食事の扉は小豆島産の見たことがないような大きさの車海老と岡山県笠岡の赤貝の酢味噌和え。海老の頭部分の味噌がとても甘い。下には芹の浸しが敷かれる。酢味噌も加減酢もかなり美味しい。。

続いて巨大なタイラギ貝の磯辺焼き。。食べ応え満点で美味しすぎて興奮する。調理するご主人の手が驚くくらい早く、同時に料理の説明なども物腰柔らかく丁寧にしていただくのに敬服する。

続いて本日初入荷の「のれそれ」登場。いわゆる穴子の稚魚で高知の土佐市でよく獲れると聞くが、これは岡山県の下津井産。春の訪れを感じさせると言われる食材で芥子酢味噌で供される。

煮物椀はずわい蟹の真薯で蟹だけを固めたような仕事。口の中でふわっと広がる蟹の風味がとても贅沢。あしらえものなどは一切ないのが食い切り料理の真骨頂。出汁の味わいも完璧。

刺身は私どもだけ伊勢海老が供される。かなり大きなサイズで半分は生で、もう半分は昆布〆にして頭の味噌を天盛りにしたもので2種類の醤油でいただく趣向。あしらえは錨防風が添えられる。。。贅沢すぎる見ただけで大興奮の一品。。。

この日は日本酒をお任せで所望する。。岡山県産のまったり、こっくりとした味わいのものが好みに合って嬉しい。。

刺身の2品目は厚めに包丁をした河豚の身をカワハギの肝と合わせて大きな器にざっくりと盛り込まれ、その上に大量の加減ポン酢がぶっかけられる豪気で喰い味溢れる逸品。当然、日本酒との相性は抜群。

続いては蕪のすり流しに少し干した白甘鯛を入れたもので和のポータージュスープのような仕立て。北海道産の大葉百合根が入る。個人的にはこれが一番好みだった。

続いてお待ちかねの本日のメインディッシュのずわい蟹が登場。開業以来ずっと兵庫県の浜坂産のものを使用とのこと。大人の拳骨以上の大きな殻にずわい蟹の片身分の肉がぎっしりと詰め込まれスチーマで軽く蒸しあげて供される。柔らかな加減酢もかなり美味しくてひたすら蟹の身を食べ続ける。周りの客は食べきれなために持ち帰りされていた。。正月と盆を一緒に迎えたような料理に感激。

途中で炊きたての柔らかい白ご飯登場。

ご飯に蟹の身と蟹味噌をたっぷりのせてワシワシと掻き込む。。至福の感あり。。

日本酒が進みまくるのを見てご主人が自家製の海鼠腸を出していただく。軽めの塩加減が素晴らしい。即位巧妙、自由自在な献立に再度敬服する。

お腹の具合を聞かれたので「もう少し行けると」返答すると富田林産の海老芋の唐揚げが登場。一度蒸してから揚げているのでホクホクの食感。ねっとりとした粘り気もあって舌触りも素晴らしい。京都の和食店でも最近は富田林産をよく見かけるようになった。

日本酒が残っているのを見てレアに仕上げた自家製からすみとハリイカの刺身が供される。刺身と柔らかいカラスミはとても相性がいい。。さらに日本酒が進む・・・

食事はうな丼やいくら丼、バター丼やカレーなど7種類位から選ぶ。私は「おろし蕎麦」を少なめでを所望するがかなりのボリュームに圧倒される。

デザートも9種類くらいからチョイス。。硬めの焼きプリンを所望。。昭和な味わいに心が更に解ける。

友人は小豆島産のキウイを選ぶ。普通のものより2倍の長さがある品種といっておられた。

緑茶でフィニッシュ。。言い古された言葉だけどおもてなしと真心を感じる料理に大満足。動けないくらいお腹いっぱいになるのは久しぶり。女将さんにお見送りいただいて帰阪する。

岡山県岡山市北区弓之町12-6

喰切料理 八方日本料理 / 城下駅柳川駅西川緑道公園駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

和食 中国地区