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プロフィール
外食歴40年。家に帰らず食べ歩く店主が綴ります。食べ次第更新中! 大阪・関西を中心に全国、時には海外の現地グルメも投稿。

まさに切り取ったような景色にしばし見とれてしまう。。。 この日はビールとともにお勧めの周年記念ランチ懐石3500円を所望する。。
先付けはカボチャで作った葛豆腐と水前寺菜の煮びたし。。。これを梅酒とともにいただく。。お造りは鯛、カンパチ、鱧(秀逸)、脂の乗ったサーモンの4種盛り。。。ガラスの器に氷を敷いて涼しげな演出。
炊き合わせは冬瓜、茄子の揚げ煮、小芋、大根、オクラの鶏そぼろあんかけ。。優しくしんみりした味の加減で美味しい。。盛り付けもかなり端正。。 焼き肴は鱸の梅紫蘇焼き。。梅干しと大葉を張り付けて焼いたもの。鱸もかなり上質。。夏なので梅の酸味が心地よい。小袖寿司は普通。乾燥イチジクを戻して炊いて田楽味噌を掛けたもの。。。いい腕してるよここの料理人。。。オープンしたてのころ一度行っていい印象なかったけど。。。
合い肴は丸茄子の揚げ出しみぞれ餡かけ。。今日のピカイチの料理。。ひろうすと海老の揚げたもの色野菜がいろいろと合わせられて滋味深い逸品となっている揚げたて感、出来たて感、餡の塩梅など完成度がとても高い。。。
冷たい豆乳仕立ての茶わん蒸しは清涼感バッチリ。。。センスいいわ。。。食事はじゃこご飯と鱧真じょの留め椀。。。デセールはグレープフルーツゼリー(少し硬かった。。)とリンゴの赤ワイン煮(これムチャ旨かった。。)の盛り合わせ。。。 もうお腹パンパン。。。。 *過日デジカメを買い替えて今回の撮影から新しいものにした。。写りの良さとともに技術の進歩に驚いている。。 今まで使っていた初期のオリンパスのカメラは思いのほか長いこと使っていた気がする。。 ピントがよくぼけたりして不都合な部分やときにはうまく写らない時もあったがそれはそれでいいかと思い、途中故障もあったが愛着があり修理を重ねて9年間くらい使った。そういえば前に乗っていたトヨタの車も9年間使用した記憶がある。。。。 美味しい料理の撮影以外にも山や海や花火大会、旅行などいろいろとお世話になった。。 古いカメラは今は机の引き出しの中に思い出とともに眠っている。。
先付けは蒸しアワビと白ずいき、オクラと生うにのゼリー掛けが蓮の葉っぱに整然と盛られて出てくる。。アワビがとてもうまい。。肝も丁寧に処理されている。。。この料理だけでこのお店の実力がよくわかる。。
前菜も手のしっかりかかった逸品そろい。。鱧の卵の炊いたの、山芋のすり流し、鱚の寿司、辛子菜とマスタードを射こんだ鴨ロース煮、トマトの煮ものなど一見よくある料理屋の前菜だがわかる人にはわかる細やかなさらなるひと手間をかけているところは秀逸である。
お椀は胡麻豆腐とアコウの取り合わせオクラのすり流しもとてもいい塩梅。。。アコウの旨さが際立った料理である。。とてもいい食材を吟味して使われているのがよくわかる。。
造りは九州の鯛、岡山の剣イカ、淡路の雲丹の三種盛り。。どれもが食材秀逸。。。 ウニもたまに水臭い淡路産に当たるがこれは素晴らしい仕入れをされている。あしらえの生海苔とウニとイカを合わせて食べたら天国に行きそうになる。。。
続いて出てきたのが琵琶湖産の鮎の塩焼き。。炭火で真っ黒に焼かれている鮎は2日前に比良山荘でいただいたばかりなんだけど頭からかぶりついてくださいとの御主人のお言葉に従っていただけば滋味深く鮎の香味と旨みが緑川の清酒とベストマリアージュを見せる。。。
鱧鍋は生湯葉と一緒に一人鍋で供される。。かなり大ぶりと予想される鱧も脂がのりまくりである これをポン酢に梅肉と甘みを入れて絡まりやすいようにとろみをつけたつけ出汁でいただく。。。 よく考えられていることに驚く。。。焼酎に切り替えて少しずついただく。。。
食事は土鍋で炊かれた毛ガニのご飯。。。これもとてもよく出来ていた。。でもお腹いっぱい。。。 デセールははブランデー風味のソルベとデラウエアのゼリー寄せカシスソース。。。 帰りに残ったごはんをおにぎりにして小さなかわいらしい紙袋にいれてお土産に持たせてくれた。。こんな親切が嬉しい。。。 全般的によく手がかけられていてお値打ちのコースだと思う。 大事な人ときちんとおいしい、気の利いたものを、肩肘はらずにいただきたい時にちょうどいいであろう。 そのあと近くの bar commonに再訪。。先月も来たが水槽の熱帯魚を見ながらパンチの利いたトマトのカクテルが食後の満腹感をいやしてくれる。。。このカクテルははまりそう。。。 大阪市中央区島之内2-13-31 06-6213-3140 *今日徒歩での通勤途中で子犬が車にひかれて道に横たわっていた。足に大きな切創。。。横で3歳くらいの子供2人がその犬を悲しそうな顔でじっと見つめる。。見つめたまま動かない。。 なんとも言えない気持ちになる。。。顔にハンカチをかぶせてやったが・・・いまだその光景が頭に残る。。
いつもの1階の日本庭園に面した個室を予約。景色も最高、庭園の池に鯉がたくさん泳いでいる。 安曇川の上流の三の滝から側溝を通して比良山荘まで水が送られていてその溝でビールや果物を冷やしている。その水を鯉のいる池までひいていると聞く。
お部屋からは簾越しにお庭を望むことができる。ふすまをはじめとする夏のしつらえも清潔感にあふれ手入れのいきとどいた庭は癒し効果抜群。。野鳥のさえずりとかすかなセミの鳴き声清流の沢を流れる音が小さく聞こえる。 部屋の中にも風がよく通り、クーラーなしでも過ごせる位さわやかなひとときとなる。。 玄関からのお香の香りも邪魔にならない。。。 すでに秋を感じさせるお花のしつらえも素晴らしい。
最初に野草茶をいただきそのあとは冷たいビールを所望する。。。 お始の籠に入った前菜は鮎のなれすしとウルカ。。川ゴリの甘露煮、熊のロースの山椒煮(秀逸)、さつま芋蜜煮、酢蓮根、ミョウガのお寿司、松茸の旨煮、川海老。。。。 どれもが手のかかったものばかり。。。手を加えているんだけどとても自然な味わいがある。。山野辺料理と言えども実に洗練されていることに驚く。。 これだけで日本酒5合飲めそうだけどビールで辛抱する。。。
連れがなれすしの酸っぱいのが無理ということで2人分いただく。。。実はこれが大好物。。。発酵した酸っぱさがあるんだけど鮒寿司よりは癖がなくいつも出てくるのを楽しみにする。女子供には理解できない味なのであろう。
鯉の洗いの登場。。鮎の刺身の時や鹿の刺身の時があるがこれが一番好き。。いつもながら臭みもなく酢みそもとてもいい味の加減で美味しい刺身。プリプリの食感で、ホンの少し薄い小骨を感じるところだけが鯉であることを再確認できる。。。
温かいジュンサイの吸い物は小ぶりの秋田産で形も麗しく食感がとても気持ちいい。。
そしてメインの鮎が登場。。。本日は鮎が鼻から出てくるくらい食べたっかったので「鮎食べコース」。。。 程よく温められた小皿に取り分け、タテ酢で頂きます。 仲居さんからこの鮎は骨まで柔らかく、頭から丸ごと食べるよう勧められる。(そんなことわかってるちゅうに・・)皮目はパリッと、中はホクホク、香ばしさと共に独特の鮎の香りが鼻を抜ける。 限界まで強火で焼いた鮎(まっ黒け)は骨までほろりとほどけてはらわたの苦みと滋味、身の甘みが実に旨い。。。ビールと凄くいいマリアージュを見せる。。 引き締まった身はおよそ15センチくらい。春から琵琶湖より安曇川に遡上する鮎は夏の盛りになってもこれほどの小ぶりときく。
焼きたてをいただけるように1度目の鮎が食べ終わってから2度目の鮎が大皿で出てくる。。川を泳いでいるそのままの姿のような盛り付けにため息が出る。料理の出てくるタイミングも完璧。熱いところを逃がさずに頭からがぶりといただく。。全然食べ飽きないのが不思議である。。。
塩焼きを堪能した後、これも楽しみにしていた「丸熊鍋」すっぽんの縁ぺらと熊の肉のコラボ鍋。。。なんともぜいたくな取り合わせはすっぽん出汁も実にたおやかな味わいを見せ熊の脂身はさらしクジラを品よくしたかのような味わい。。。動物的な臭みは全くなく希少なツキノワグマのロース肉をこのような形で味わえることに生きている喜びを感じる。。。 冬に熊鍋だけを食べにくるお客さんも多いと聞き及ぶ。。。
クライマックスが終わったと思いきやまたまた鮎の塩焼きの登場。。。。 恐ろしいことに、ここまで食べても全く食べ飽きない。。。 一口いただくごとになんとも言えぬ爽快感が身体を駆け巡る。。これぞまさに夏の味。
冷やし鉢でイチジクの登場。。。クルミ味噌との相性抜群。。こんなあっさりしたものが食べたいなと思ったら、その通りのものが出てくるという心憎い献立。。。
口がさっぱりしたところでメインイベンターの登場。。本日一番食べたかった料理。。この鮎御飯はいつも奇跡のような旨さと表現する。。。活の鮎だけではなく乾燥させた鮎で出汁をとる。。。何のともいえないご飯をコーティングする旨みが味雷を強烈に刺激する。。 信楽の中川一辺陶さんの土鍋も超有名。蓋の開いた瞬間からごちそうとなる。
これを見習いの女性調理師の方が鮎の小骨を取り、さくっとかき混ぜて供していただく。なんともいえない鮎の香りと、パリパリのオコゲにもうしびれっぱなしとなる。旨みと香味が混然一体。。腸の脂身も実にいいアクセント。。結構お腹いっぱいだったはずが食がどんどん進む君。 最高の素材と熟練の腕が醸し出す最高の米料理である。。一緒に出てくるさっぱりとした白味噌仕立てのからだじゅうに滋味が染みわたる旨さ。この汁と漬物でご飯がなおさら進む。。
デセールは上品な甘さともっちりした黒糖のわらび餅とフルーツの盛り合わせ。抜群の食感。 お会計は鮎食べコース 15750円+飲み物、サービス料(15%)でした。。 ドライブがてらのプチトリップでリフレッシュできた。。 滋賀県大津市葛川坊村町94比良山荘 077-599-2058 火曜定休 HPは