カテゴリー:和食

すし丸 (愛媛県松山市)

松山に出張。。地元の美味しいものを捜してタクシーの運転手お勧めのすし丸に。
道後温泉の前にもあるが2番町の本店にいく。
早速鯛めし1600円を所望する。

親切に食べ方の紙も付いていてこの鯛めし別名をひゅうが飯というらしい。もとは伊予水軍が作り始めた料理と聞き及ぶ。

薬味(ねぎ・のり・おかか)をご飯にのせて、出汁と生玉子に鯛の刺身、海藻、玉ねぎの具を浸し混ぜまくり、それを熱々のご飯に掛けるらしい。

地域によって鯛めしがいろいろあるのに驚く。

食してみるとこれはまさに卵かけごはん。しかし生玉子のコクが鯛の刺身にそれなりにマッチして美味しい。

がつがつと食せる味である。薬味がいいアクセントをつけている。

なかなか懐かしい味と言う表現がいいだろうか。
宇和島名物のじゃこ天やそれをカツにしたじゃこカツ。。タコや鶏の唐揚げも名物らしい。。
数日間の間に鼻から出るくらいじゃこ天はいただいた。。。

出張で2キロ体重が増えた。。。

和食 四国地区

大和屋 心斎橋店 「お蕎麦の会」【大阪市 心斎橋/四ツ橋】

大阪切っての名料亭「大和屋」さまにご招待いただき。今や神様と呼ばれる当代きっての蕎麦打ち名人の高橋邦弘氏を招いてのお蕎麦の会に参加させていただいた。

高橋氏は東京豊島で伝説の店「翁」を開業。現在広島県の北広島町と言うところで『達磨 雪花山房』というお店を数年前から始められ出張に出られている日以外(土日祝)はこちらで蕎麦を打たれているらしい。

大和屋さまは芸者置屋を母体とするお茶屋として、1875年(明治8年)に宗衛門町に南地大和屋を開業。能舞台を持つ料亭としてキングオブ料亭の地位を築かれたが宗右衛門町の本店は2003年に閉められ現在は大丸心斎橋北館と横浜、東京にお店を出されている。

今回のイベントは高橋氏の蕎麦と大和屋さまの料理のコラボと言うことで私が伺った日も満席で人気のほどがうかがえた。

お店の前では女将さんがお迎えいただきご挨拶。凛とした姿と艶やかな肌は若かりしときの美しさを連想させる。

お店の中に入ると高橋氏がカウンターテーブルにきちんとはめ込まれた特製の蕎麦打ち台の前で蕎麦を伸ばされていた。お弟子さんと思しき方がその横で水まわしをされていた。それをしばし拝見して着席する。

総料理長の桜井氏からお迎えいただき恐縮しながら着席すると2段重がセットされていた。

ふたを開けると上段は前菜。柔らかく炊かれた鮑と里芋、いんげんの上に大根おろし。その上には雲丹のソース。。。その周りに松笠を模したじゃが芋を揚げたものと銀杏。

お造りは軽く〆られた鯛にスダチをはさんだもの。トマトジュレポン酢と言うのが新しくて美味しかった。。。

下段は甘鯛の幽庵焼。。。菊を模した大根のなますと今年初めていただく焼き松茸。。。

蓋物は長芋を揚げたものに蟹餡を掛けたもの。。さっぱりとした加減がとてもいい。。。

揚げ物は車エビの天ぷらに帆立、クルミのかき揚げ。。。

 

このあとお待ちかねのお蕎麦が登場。。

厚みは2ミリくらいか思ったよりも細く色も薄い。。しいて言えば青白い。しかし瑞々しい艶が実になまめかしい。薬味は白ネギと辛味大根、と山葵全て広島から持参したと聞く。。。

もちっとしていて硬くない蕎麦は食すると「あっ」と声をあげてしまう。。 喉ごしも素晴らしい。。。弾力と食感がけた違いにありまくることに驚く。。

舌触りも滑らか。。多分水分量であろうと推測される。強いそばの香りは感じなかったが私の味覚が鈍感なのかもしれない。 出汁は甘さの少ない辛口で本節がしっかり効いている。

これは私好み。このそばの細さで噛みきる前に押し返す弾力が心地よい。

途中で高橋氏が挨拶に来られ解説をされる。蕎麦は小麦の入った二八。伸ばし棒はミズノ製。。イチロー、松井のバットを作っている方が同じメイプルの木で作ったものらしい。

本日の蕎麦は北海道産と茨城産の5種類をブレンドしていると言っていた。産地に出向いて自身で買い付けると聞く。

高橋氏は自身の広島の店の裏に、そばを管理する低温倉庫があり、そば粉を産地別に分け、水分量を測り、そばの状態が一目で判るようにしているといっていた。

そのそばを自ら皮をむいて石臼にて製粉する。3キロの蕎麦を1時間かけてゆっくり挽くらしい。皮むきが徹底しているので蕎麦に雑味がなく色も香りも透明感がある。

がくを取る作業は邪魔くさく、まるごとひいてしまう店も多い中で彼の仕事は驚異的である。。

蕎麦のおかわりを所望し満足。。。結局盛り三枚いただいた。

甘みは蕎麦の実をまとった蕎麦団子。。。

とっても満腹で満足。。ホントによろしゅうございました。。今回ご招待と言うことで恐縮し女将さんに感謝申し上げご挨拶をして店を出る。 会費はお昼8400円と言っていた。毎年されておられるので蕎麦好きの方はお勧め。

蕎麦打ちの動画はこちら

高橋名人のHPはこちら

大阪市 心斎橋/四ツ橋 和食

花祥【大阪府 貝塚市】

弊社料理師の研修会にてミシュラン2つ星の表題のお店に行く。調理社員30数人が2班に分かれてお勉強。。

特急サザンに天下茶屋から乗って貝塚駅にて下車。子供のころボーイスカウトで水間観音あたりをハイキングで来たことを思い出す。。

貝塚駅から徒歩3分。。結構近い。風情のあるお店のしつらえは一目で見てとれる 店に入ると香の香り。。。

この店は昭和30年くらいに季節料理のお店「奴」として先代が開業され今は私と同じ年の招福楼で修業された御主人がひとりで切り盛りされている。。

一階はカウンター10席で二階は座敷で十数名が利用できる。私たちの予約のためにこの日は貸し切り状態。12000円のコースを所望する。

冷たいビールで乾杯の前に同伴した10数名の社員に対しマラソン完走の報告と練習する時間をいただけるのは皆さんのおかげと感謝の意を述べさせていただき和やかに食事が始まる。。

先付けはズワイ蟹の酢の物。一口いただくと蟹の上質さがよくわかる。出汁で割られたお酢もたおやかで実に味わい深く先付けと言うより茶懐石の向付けという位置づけなのであろうと推測される。

続いてのお椀は名残の鱧と松茸。。鱧は脂が乗り切って限りなく澄んだ味わいの出し汁に上質の油分をもたらす。この煮物は招福楼そのまま。。個人的にはこれくらいしっかり出した出汁が好み。 似て非なるものはたくさんあるがこの鱧は強烈にうまかった。。

続いての刺身は屋形船の器に乗って登場。。

屋根をあけると鯛、烏賊、かなり大ぶりの車エビ。。。氷の上に直接盛られているが水っぽさは全くない。。それほど旨みが強くしっかりとした魚である。特に鯛は今まで食べてきた天然鯛は何だったんだろうと思うような味わいの深さ。。車エビも多分一匹2000円くらいする天然ものであろう。めったに食せない美味しさだった。

八寸はけれんのない車八寸。。焼き白子は限りなく濃厚。芹の山掛け、引き上げ湯葉、甘エビの塩漬け、本物の蟹味噌、海水雲丹、鯖の寿司。。何もかもあまり手を加えすぎず素材感がしっかりわかるような仕事ぶりと最高の食材に感服する。

お酒は黒松白鹿のひやをいただく。。。

焼き物の鯛は素材の上質さとともに火入れが完璧。。。繊維の一つ一つが旨みを醸し出す。一見簡単に作っているように見えるがかなり手がかかっている。

焼き物のあしらえはイチジクの黄味酢。。。接遇の方に話を聞くと料理は仕入れから調理後片付けに至るまで御主人一人でされていると聞き及ぶ。料理が出てくる間が実に長いのも理解が出来る。。決して作り置きをせずできたての最高の状態を供しようと考えるとこうなるのであろう。

揚げ物は一見シンプルに見えるが手前のカボチャに隠れて松茸と鳥羽産の牡蠣が盛られている。この牡蠣も実に味わい深く火入れ具合が完璧であった。天つゆも煮物と同様かなり美味しい。。。痺れた。。(実際に唐辛子も入っていた・・・)

食事はカラスミ茶漬けで年中茶漬けを出すと聞き及ぶ。茶懐石の湯桶のイメージであろう。この茶漬けが死ぬほど旨い。。相伴者全員言葉なし。。。

デセールは梨のジュースに柿やメロンなどが入ったもので胃がすっきりと通るのが実感できる。 総括するとこのお店は食材にかなりのこだわりがあり調理も丁寧で細かく安定感も抜群で、派手さはないが全ての料理を楽しく美味しくいただけた。

自家製の葛饅頭はシナモン風味。小ぶりの抹茶とともにいただく。。。 帰りは御主人と女将さんが姿が見えなくなるまでお見送りをしてくれた。。。

帰りもサザンで天下茶屋までノンストップ。。。

貝塚市近木975-

花祥懐石・会席料理 / 貝塚駅貝塚市役所前駅

大阪府 貝塚市 和食