和食

懐石料理 徳 おせち料理

元旦の日は自社のおせち料理を家族でいただく。ここ数年来で最高の出来と自画自賛。
昨年の食材費高騰のため、やむなし値上げさせていただくが内容を仕入れから全て一新する。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

以下忘備録として

昨年2月にお客様からいただいたアンケートを分析し、不人気のメニューの洗い出しとその改善のミーティングを実施。価格帯別に商品の売れ筋等の分析をして販売商品と価格の決定をする。3月上旬から試作を何度も繰り返して4月に写真撮影。6月から百貨店等の得意先と営業打ち合わせを行って9月から販売計画実施。食材仕入れの準備と価格交渉をそれぞれの産地業者や食材商社等と行い、どうしても品薄だったり価格が見合わないものに関してはメニューの変更をする(昨年はイクラを全て削除しました)

10月から予約の受注を開始し、11月から一部商品の仕込みを開始。田作りを炒り込む作業や胡桃の蜜煮、鰻の焼き込み、金柑の種取りなどは早めに準備する。11月上旬には丹波篠山で栗を500kg購入。新規導入した「マロン君」という巨大栗剥き機で一気に皮むきをしてそれをミキシングし、真空パックで保存。12月に入ると野菜の切り出しや昆布巻の製造、栗きんとんや金柑、黒豆の製造にかかる。どれも量が多いので失敗は許されない。

12月も20日を過ぎると数の子の漬け込みや慈姑の仕込み、焼き魚各種、ローストビーフの焼き込みなど怒涛の作業が始まる。29日までに全ての仕込みを終了させて30日未明から全スタッフで一気に盛り込みをする。臨時アルバイトも約90名で風呂敷包や梱包、仕分けなどに従事いただく。本年は人海戦術もさながら様々なIT技術を駆使したので30日19時に製造終了。。

写真は人気ナンバーワンの3段重吉祥 36000円(税別です)

・活車海老うま煮
・徳島産厚切り酢蓮根(しゃりしゃり食感が最高)
・鮑のふっくら煮
・愛媛産鰤西京焼き(自家製ブレンドの西京味噌に漬け込んで火入れしてます)
・愛媛産鯛の生寿司(赤穂の塩と数種類の酢で締めています)
・菊花大根
・鶏団子
・国産若鶏塩麹漬け込み焼き
・鰻有馬煮(白焼きにした鰻をとろとろに煮込んでます)
・自家製海老団子
・小角かぶら
・椎茸うま煮
・菜の花
・きぬさや

・鰊昆布巻(口に入れると解けるように火入れしています)
・松風(鶏ひき肉に赤ワイン、山芋、干しぶどう、カシューナッツ、
粉山椒を入れて焼き上げています。仕上げにケシの実をつけてます)
・鯛の子旨煮
・但馬牛時雨煮(うちひら肉を生姜、酒、醤油、ザラメで柔かく炊き上げました)
・干し柿と紅白膾の柚子釜盛り
・叩き牛蒡(胡麻クリームに合わせ酢を入れて調味しました)
・市松大判焼き
・自家製烏賊団子(甲烏賊を使用し、つくね芋、木耳、卵白、昆布出汁で仕上げ)
・松葉蛸
・烏賊黄身焼き
・穴子八幡巻(牛蒡が柔らかくなるまで炊き込んでから焼きこんでいます)
・こんにゃく有馬煮
・厚焼き玉子
・姫慈姑(皮をむいた慈姑を炊いてから素揚げにしています)
・蕗
・梅大根

・黒豆蜜煮(丹波産黒豆を使用 仕上げにコーヒーリキュールで香りづけしてます)
・栗きんとん(丹波産の和栗を使用。甘さ控えめで10%の鳴門金時と合わせてます)
・田作り(福井県産の片口鰯を丁寧に炒りこんでアーモンドと一緒に炊き込んでます)
・但馬牛ローストビーフ(うちひら肉を野菜と醤油タレに漬け込んでから低温調理)
・数の子(北海道産の最高級品を使用)
・胡桃飴煮
・サゴシ生寿司
・鰆柚庵焼き
・鯛龍皮巻き
・金柑蜜煮(高知県産の金柑を一つずつタネを取って柔らかく炊き込んでます)
・丸大根
・丸人参
・はりはり大根
・梅人参
・千代呂義

雑煮は丸餅の白味噌です。。

夜は自宅でてっちり。味は普通でした。。

料理のスタイルや味の加減の好みは人それぞれですが
「手作りは全ての人の記憶に残る」を信じて作っております。。
高価なおせち料理をたくさんのお客様に買っていただき感謝しております。
今後も期待を裏切らないよう頑張ります。。

本年も10月中旬に予約受付いたします。。

大阪市住之江区東加賀屋3−15−9
HPはこちら


カテゴリー 北加賀屋, 住吉公園, 住吉大社, 和食 |

米増 12月

ここ5年間で毎月定期訪問している表記の日本料理店を訪問。新規予約は8ヶ月以上先となる関西和食で最も予約困難と言われる人気店。カウンター8席のみで14時と17時半スタートの2回転。ここ数年はミシュランの星を取得されているけどそのような話は一切語らない。11月は急病のため友人に代理出席をお願いした。。

温和で真摯な人柄のご主人は本湖月等で修行。茶味溢れる料理はなにをいただいても美味しい。普段はコース18000円(税・サ別)だけど12月はずわい蟹が入る特別献立で30000円となっている。料理写真は掲載不可なので忘備録として献立のみ記します。

・京都の鷹ヶ峰産の大根炊き、柚子もろみ添え
・熊本産すっぽん玉〆
・舞鶴産天然クエと北海道戸井の200kgまぐろ(私は烏賊に変更)
・新潟産真鴨の炭焼き。ロースとモモ肉と心臓
・佐賀県杵島の蓮根を使った辛子蓮根
・マナガツオの西京焼き 秋田産の芹のお浸し添え
・蟹足をレアに炊いたもの
・蟹身と蟹味噌を甲羅に入れて火入れしたもの
・甲羅にスープを入れて再び火入れして蟹の味を移したもの
・釜炊きご飯(白米)と鰤出汁の粕汁
自家製浅漬けのいくら、レアに仕上げたちりめん山椒 蕗味噌
・山形産の焼き林檎のソルベと新潟特産の洋梨「ル・レクチェ」
(ラフランスとは味のレベル舌触りが全く異なる)
・京丹後産さつまいもの入った自家製の薯蕷饅頭と薄茶

床かざりは椿で氷を雪に見立てたもの。。

この日は蟹が提供されるとのことなので日本酒を4種類いただきました。

この日は時化続きだけど兵庫の柴山産の大きなサイズのものを活で仕入れされてました。年末の活蟹の仕入れ価格は驚きます。。

目の前で丁寧に蟹をさばくご主人。ありがちなパフォーマンス等は一切排除。客は静かに見守ります。お客筋の良さも店の特徴。着席してから大きな声でしゃべり続けていた隣の席の飲み屋さんのママ風の客も途中で静かになりました。

蟹の足をいただいた後、ほぐし身を殻に入れて味噌と一緒に炭火で火入れ。独特の香ばしい香りが鼻腔をくすぐります。

この日、味噌漬けで供された瀬戸内産のマナガツオ。味噌漬けになるためにあるような高級白味魚で大好物です。このような巨大サイズは珍しい。。

座付きの大根炊きの器は朱塗りの蓋物。折敷は漆黒の真のものでかなり上質で美しい。湿り箸などの気遣いもさすが。。

待合の床の飾りもご主人作。クリスマスをイメージしたものとのこと。多才な能力に敬服。

こちらの古木を使った飾りも侘び具合が秀逸なり。

トイレの飾り。サンタの帽子はご主人のお母さんの作。。折り紙の箱はご主人作。。かなり芸がこまかい・・・

過去の米増はこちら

大阪市北区大淀南1-9-16


カテゴリー 福島, 和食 |

ひろせ 12月

心斎橋の畳屋筋にある毎月訪問する表記の日本料理店に友人と伺う。畳屋町の雑居ビルの1階に位置するカウンター6席とテーブル2卓の10坪くらいの小体なお店。西心斎橋の「ゆうの」で修行されたご主人の喰い味重視の丁寧で細やかな仕事は、お酒をいただきながらの食事としては最高のレベルと思う。

日記の読者さんや友人も喜んでいただける和食店。コース料理は月替わりの12000円のみ。しかしながら、よく行く界隈の人気店の18000円くらいの料理に匹敵かそれ以上の内容のものが提供される。

仕入れのこだわりもかなり強くて、旬の素材を中心に客が食べたいものを素材感を活かしながら提供される。特に魚に関しては上質なものがいつも食べることができる個人店ならではの稀有なお店。派手さは無いけど大阪ミナミでは一番美味しいお店と個人的には思う。。

座付は海老芋のすり流しから。焼餅に見えるのは鱈白子豆腐を炙ったもの。。なかなか芸が細かい・・・白子の下にはとろとろの源助大根。。。一気に体が温まる。。

2品目はいつものように趣向を凝らした揚げ物。この日は渡り蟹の春巻き。繊細な蟹の身質と内子の美味しさに感動。揚げ物には麦焼酎のソーダ割りにスダチのスライスを5枚入れてもらっていただく。下に敷かれた海老味噌のソースとの相性も抜群。。

麦焼酎の後は日本酒をいろいろいただく。この日は黒龍の吟醸酒を口切いただく。

刺身は今が旬で漁獲量も少ない高級魚のヒラスズキ。癖もなく独特の旨味と後から感じる甘味はかなり上品。赤貝には粒マスタードが挟まれて供される。大葉を射込んだ細魚。昆布締めにした平目。脂が乗りまくりのキンキと燻製をかけて皮目を炙った鰆の6種類盛り。。これだけでお酒が5合くらい飲める贅沢さ・・・・・仕入れの努力を考えると敬服する。

続いて太刀魚の巻繊汁。豆腐と擂り身でふわふわに仕上げて潮仕立てで供される。最高に贅沢な逸品。

続いて甘鯛の鱗焼きに菊花入りのカブラ餡をかけたもの。器も菊の形。炭火で完璧に火入れされた甘鯛の鱗のパリパリ加減もお見事。。体が温まる献立に感謝。。。

続いて天然クエを中華風に仕立てたもの。骨の周りの身が美味しすぎてしゃぶりつく。。ソースは中華風なんだけどちゃんと和食の仕事になっていることに敬服。土の焼き物もとてもいい。

食事はずわい蟹のほぐし身と味噌がてんこ盛りになった贅沢な蟹ご飯。産地でいただく蟹もいいけどいい腕の料理人が作る蟹料理は最高といつも思う。形が変わっても自然な感じが残るいい味わい。

デセールは自家製のブランマンジェと冨有柿。。

この時期に大丸百貨店でしか売っていない青森産の冬恋というブランドの林檎を持ち込んで最後に出してもらう。。甘いだけでなくしっかりした食感と上品な酸味が嬉しい。。一つ2000円でした。。。

帰りにすぐ近くの「南サンボア」で一休み。。70数年間この地で現オーナーのお父さんの時代から営業されている。静謐な空間の中で和子オーナーと四方山な話をしながら名物の氷の入っていないハイボールを1杯だけ飲んで帰宅する。

ひろせさんは小さいお店なので予約必須。初めての訪問は「ペロペロ」を見たとお伝えください。ワインもあるので肉料理の際はグラスで合わせていただくのをお勧めいたします。

過去のひろせはこちら

大阪市中央区東心斎橋2-8-23イケダ会館1F
06-7713-0543
17:00~翌0:00


カテゴリー 心斎橋/四ツ橋, 和食 |