福島駅から北に徒歩5分の飲食ビルの4階にある完全予約制の和食店を訪問する。エレベーターがないのでヒーヒー言いながら4階まで階段で上がってお店の扉を開けるとかなりシュッとしたカウンタ−が現れる。
料理は3500円と5000円のお任せのみ。この日は友人が私の誕生日のお祝いをしていただくということで5,000円のコースをいただいた。
31才の若き店主と着物がよく似合う奥様の2人でカウンタ−8席のお客様をおもてなしされる。最初にサロンのセカンドのデラモットを所望。メニューをよく見るとワインの値付けも良心的・・・というかほぼ原価みたいな感じでびっくり。ワインとお酒の品揃えもかなり豊富。店の奥には団体でも入れる豪華絢爛座敷がある。
料理の扉は牡蠣と蕪のポタージュ。出汁に豆乳を合わせていて心も身体も温まるいい塩梅に大満足。こちらのご主人はお店をはじめる前に北新地の寿司店のみならず大繁盛焼肉店でも修行をされたとのこと。柔軟な発想と丁寧な仕事でお客がどうすれば喜ぶかをしっかり熟知されているのに敬服する。
あおさのりと浅利の入った茶碗蒸し。濃いめのべっ甲餡がかかっていていただいたシャンパーニューとの相性はドンピシャ。
お造りは新鮮で極太のボタン海老、天然鯛、金目鯛、鮑、縞鯵の5種盛り。この時期のボタンえびの美味しさは悶絶級。
このお造りには日本酒を合わせる。あまり辛くないものをとリクエストしたら「山川光男 ふゆ」という新酒をすすめていただいた。こちらのお酒は山形県内の「山形正宗」「楯野川」「東光」「男山」の4蔵元がユニットを結成して合同で作ったものらしい。名前はそれぞれの銘柄を1文字ずつとって名付けられたらしい。
しっかりとした米の味を感じながら新酒ならではのフレッシュで爽やかな旨口の味わい。
続いてずわい蟹の身と味噌を合わせて蒸しあげたもの。これも日本酒との相性ばっちりなことは言わずもがな。
いい鱧が入ったので茸の餡掛けにしましたと宣う店主。裏旬の鱧は脂がのりまくって甘くて身がしっとり。出汁がとても上質でシャンパーニュとの相性がとてもいい。
こちらのお店のシグニチャーメニューの「牛ロースのクレソンしゃぶ鍋」クレソンを最初に入れてロース肉をシャブシャブするんだけど吉野葛の入ったとろみのある出汁の完成度が高いことにビックリ。
最初に生雲丹を入れることで出汁にコクを出す。肉と一緒に雲丹もいただくという今時の合わせ方なんだけどベースの出汁がいいのでケレンは全く感じない。肉を食べたら煮麺を投入いただくという素晴しいサービスにも敬服。
続いて新政のcolorsシリーズ 『瑠璃2015 ラピス』 をいただく。ビジュアルも美しく火入れはしているらしいが生酒のような口当たりで微発泡の上品な刺激が心地いい。最近よくいただくかなり好みのお酒・・・
〆の寿司は熟成の効いたコロ鯛と金目鯛と旬の赤貝と淡白でクリーミーなムラサキウニでフィニッシュ。赤酢と相性のいいネタばかり。かなりいい腕とセンスされてます・・・
大阪市福島区福島7-22-17
BRAVI BLD 4F
06-6454-9555
18:00-夜迄
いわ志 本店 (日本料理 / 福島駅、新福島駅、西梅田駅)
夜総合点★★★☆☆ 3.0