大国町の木津卸売市場内にある表記の鰻料理店を訪問。自社の決算と納税が終了したので自分へのご褒美でこちらのお店を選択する。
元々は焼き鰻の卸売で、隣接する工場と販売店の横に飲食スペースを併設されている。私が子供の頃、こちらのお店に父親と朝から鰻丼をよく食べに来た記憶がある。あまり知られてはいないけど鰻の専門店としては創業80年になる老舗。こちらのお店の前身は今の住吉大社駅の前にあった「伊賀治」という明治創業の料亭で名物料理が鰻の蒲焼きだったと聞き及ぶ。
毎日、早朝から三重産の大きなサイズの活鰻を金串に刺しまくりながら関西の「地焼き」にこだわり、炭火で焼きまくる。業務用としての蒲焼のクオリティは大阪では一番と思う。
イートインのお店はテーブルが4つとカウンター3席のみ。おかみさん(ママと呼ばれている)を中心にして女性パートだけで切り盛り。朝に焼かれた鰻を注文ごとにカットして分厚い鉄板で再加熱して提供。昼前には鰻が売り切れて営業終了のことが多いので午前中の訪問がおすすめ。
最初にうざく1100円を所望。カットされた身厚で熱々の鰻と小ぶりの胡瓜だけの潔さ。マイルドな酸味がとてもいい。
この日は張り込んで「特上まむし3300円」をいただく。界隈では5000円くらいする内容と思う。皮はパリパリで身はふわふわ。高温の炭火で焼き上げているので小骨は全て焼き切れている。タレもすっきりした味わいでほぼ好みの味に近い。
結構なボリュームだけど飲むように一気にいただいてしまう。膨満感もほとんどない。。いつもながら美味しくいただきました。。
*駐車場は宝くじ売り場で無料券発行いただけます。
最近、普通の和食店やそれ以外の業態の店で鰻重を提供するのをよく見かける。高単価商品で冷凍保存もできてレンジで温めれば再現性も高く、味の劣化が客にわかりにくいということが理由と思われる。客単価800円のファミリーレストランで2800円の鰻重が新商品としてリリースされることも見る。コロナ禍の中での生き残りもその理由の一つであろう。
しかしながら客から見れば「土俵」のないところで相撲を取るようにしか見えず、大体そういったメニューはお客に衝撃を与えるような突出したものにはなっていない。つまりそのメニューの根源に異常な情熱や想いがないために客の心に刺さらない。中途半端に始まって中途半端に終了することがほとんどのように思われる・・・鰻重を食べて自省する機会となりました。。
過去の川上商店はこちら
浪速区敷津東2-2-8大阪木津地方卸売市場内
06-6634-5910
AM5:00~PM:1:00