ぐーちょきぱー 4月【大阪市 東部市場前】

東住吉区の杭全にある日本で2つしかないそばがき専門店の中の一つ。個人的には大阪で最も好きな飲食店の一つ。この日はお世話になっているデザイン会社社長と打ち合わせを兼ねて訪問。東部市場前駅から徒歩15分、周りにコインパーキングがないという魔界のような立地。

店の前が公園でこの日はいろいろな品種の桜が満開。ミニシャンパーニュを持参してしばらく花見を楽しんだあとで入店。普段は夕方くらいまでしか営業していないけど事前に予約をすればディナー対応して頂ける。

手作りの暖簾を潜ると細部まで作り込みされたセンスのいい内装に初めて訪問する方はたいてい驚く。古材を使ったドーム型の天井は必見。その他の装飾品や壁にかかった作家さんの大きな絵画、カウンタ−から見える棚に並ぶ古九谷や備前、和歌山県葛城の陶芸家さんの食器、美しい骨董の朱塗りの器のセレクションなど店主の審美眼とアーティスティックな才能にいつも敬服する。

この日は日本酒を主体とした何もかもお任せコースを所望する。先付けに蕎麦の刺身登場。そばがき専門店なんだけどこの日は特別に挽きたての蕎麦粉を手早く練り上げて手で広げて包丁したものを湯がいて提供いただく。刺身というよりも長く修行された大正区にあった蕎麦切りのパイオニアとも言われる伝説の名店「凡愚」(現在は奈良県葛城の山中に移転)を彷彿させる太打ち蕎麦である。

続いてお酒のアテにいくつかの小料理を出して頂く。店主が選び抜いた笹かまぼこ、味付け味噌を大葉で巻いて揚げたもの、素材の味が引き立つように菜の花を昆布締めしたものなど。簡単なものだけど店主の想いが入ったものばかり。小振りの出汁巻は普通に美味しい。別皿の酒盗と一緒にいただくと日本酒が進みまくる。小鰯のオイルサーデンに燻煙をかけ大根おろしとルッコラの花をあしらったものもお酒にぴったり。

使用する蕎麦の実は福井県丸亀産。早生の抜き実は緑色で熟したものは灰色との説明。それぞれの抜き実で作ったそばがきを食べ比べする事も出来る。この蕎麦の実を目の前の穀類専用のヴァルドナーというオーストリアのメーカーの製粉機で弾いてくれる。その挽きたの蕎麦粉に水を加えてを手つきの小鍋で手早く練り上げる。

挽きたて練りたてなので不味いわけがない。ミルの挽く加減で5段階の荒さを楽しむことが出来る。この日は細挽きと粗挽きの両方をお願いする。荒く挽いたものは口の中で蕎麦の実がプチプチ弾けてモチモチとした野趣溢れる食感と味わいになる。空気中に放置する時間が蕎麦と違って限りなく短いために蕎麦以上に蕎麦粉感を感じる事が出来る。

細かく挽いたものはふわふわで山芋のような粘りと食感。かそけき甘味と蕎麦の香りがあとから喉に抜けていく。素朴で優しくて雑味のないそよ風のような味わい。時間とともに味わいが変わるのも面白い。初めて食べた方は大抵そばがきにありがちなモソモソ、ネッチョリのネガティブイメージは全くない事に驚かれる。それぞれ出来立てを本山葵、醤油、ゲランドの塩をつけて食べ比べをして楽しむ。

お酒は生野区にある「酒屋へちかん」でそばがきに合うこだわりの渋すぎる食中酒を中心にセレクションされる。辛口の常山からはじまって鯨波までそばがきに負けないパンチのあるお酒ばかり。同じ会社のものでも酵母の異なる山廃仕込みと無濾過生原酒を飲み比べるという贅沢もできた。日本酒のセンスにいつも脱帽する。

大好物の揚げそばがき。練り込まれたものをそのまま油で素揚げする。表面はクリスピーなカリッとした食感で中身はふんわり。素朴で優しい蕎麦の旨味と香りが凝縮・・・葱醤油と一緒にいただくと日本酒が進みまくる。

メインディッシュのそばがき鍋登場。いろんな種類の茸が入る。鴨肉で動物性の旨味を足し込む。上質な昆布と鰹出汁と相まって最上級の出汁をそばがきに吸い込ませる。滋味深く火入れされたそばがきは最高の御馳走である。

出汁を少し残してその中に酵素玄米を投入。この日は4日目のものらしい。 酵素玄米は、二層式の圧力鍋で時間をかけて炊き上げて保温ジャーで寝かせて作る。小豆の酵素で玄米が分解されて柔らかくモチモチした食感になる。

上質の出汁を吸い込んだ玄米は噛めば噛むほど味わい深く和風リゾットのような感じ。。これ以上の雑炊は見当たらないと確信。

7日目の酵素玄米が少し残っているとの事で出して頂く。モチモチしまくりでここまで発酵しているのに嫌な匂いや癖は全くない。デセールは蕎麦湯に甘味(てんさい糖)を入れて凍らせたもの。

店主のふーちゃんの心のこもった接客も何物にも代え難い価値がある。これだけのクオリティを持つ挽きたてのそばがきを食べられる店は日本にはないと思う。最初にビールを頂いて日本酒を5杯。。。会計は2人で9250円。。財布にも優しい・・・

酵素玄米とそばがき、鴨汁がついたランチセット1200円もおすすめです。夜の予約は「ぺろぺろを見た」でOK!

過去のぐーちょきぱーはこちら

大阪市東住吉区杭全8-6-4
06-7710-1913
営業時間は要確認
定休日 日・月・火

大阪市 東部市場前 蕎麦

なかなか【大阪市 扇町/天満】

若手の友人らと天満にある表記の居酒屋で会食。JR環状線・天満駅からすぐの好立地。
朝の5時まで営業しているのでも有名。テーブル席とカウンタ−があってザ・居酒屋と言った感じ。料理を作る人が狭いカウンタ−に4人。ホールはオーナーの店長と女性2名。

お造りは1人前850円。。4人前で3400円。。縞鯵、鳥貝、黒鯛、鰹、細魚の昆布締め・・・割高感があり残念・・最近の居酒屋のお造りは物流がいいことと産地と直接取引をしたり、新鮮な鮮魚を熟成させて旨味を引き出したり等で安くて美味しいのは当たり前でどれだけ価格以上の価値を作る事が出来るかがポイントになっている。

お店の方お薦めの鶏肝の柔らか煮は低温調理されているのであろうしっとりとした仕上がりでとても美味しい。日本酒の品揃えも良くていろいろなものと一緒にいただく。

筍のホイル焼きはあっさりとした出汁で蒸し焼き状態にする。悪くはないんだけど量が少ないのが残念。。

和風ハンバーグは柔らかく焼いたハンバーグの上に大根おろしと味噌とクリームチーズを載せたアイデア料理。多分女性は大好きだと思う。。。

鰆の味噌漬けを天ぷらにしたものも珍しいアイデア料理。日本酒との相性もいい。時分時はお店は超満席。。食事の後とかの2件目にちょっと立ち寄るのにはぴったりのお店です。

大阪府大阪市北区浪花町1-22
06-6373-2037
17:00~翌5:00

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2件目は近くの墨国回転鶏料理メキシカンタコスとフローズンマルゲリーターを楽しむ。ここは毎度の事ながら安くて楽しくて美味しい・・・

 

なかなか居酒屋 / 天満駅扇町駅天神橋筋六丁目駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0

大阪市 扇町/天満 居酒屋

エキポンテベッキオ ア オオサカ【大阪市 梅田/JR大阪】

近江八幡でステーキを食べて帰阪の帰りに大阪駅ルクアの10階にある表記の店でピザを食す。腹パン状態だけど以前満席で入店出来なかった記憶があり21時半であれば大丈夫かと思いながら訪問する。

看板メニューのマルゲリータのレギュラーサイズ1500円を所望。トマトとモッツァレラチーズ、バジルのシンプルで上品な味。特にトマトソースが酸味のエッジが効いていてチーズとよく合う。カリカリしていながらモチモチの食感。ビジュアルも美しい。価格もそう高いとは思わない・・・

ビールと一緒にムシャムシャと一気に頂く。

〆にカルボナーラ1400円を追加する。22時近くになっても女性客を中心にお店は満席。。ガンチャーレという豚トロ部分でつくったパンチェッタのような豚の塩漬けが入っているとの説明だが存在がかなり希薄で捜索願が必要な感じ。レギュラーサイズだけど量は少なめ。ローマ風の本格カルボナーラを踏襲していて生クリームは使わずに卵だけで仕上げたとの事。

味はかなり微妙。湯がき損ねたスパゲティーの卵とじとしか表現の言葉が見つからない。豚肉の塩漬けの味と高級なオリーブオイルと上質な卵と塩と胡椒以外の食材と調味料は使っていない為これをしっかり乳化させながらバランスよく作るのはかなりのテクニックが必要と思われる。

パサパサなので咥内の水分がどんどんパスタに吸収される。アルコールを飲み過ぎたので水を所望すると水道水は身体に悪いのでとの理由でミネラルウオーター500円を奨められる。大阪市水道局長が怒りまくりそうなセリフにビックリ。薬も飲みたかったんだけど我慢する。

支払を済ませてコンビニで水を買って小休止する。。都会のレストランは凄いな・・・

大阪市 梅田/JR大阪 イタリアン