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すし豊 9月【大阪市 東天下茶屋】

8月に自宅を引っ越したので引っ越し先から徒歩圏内にある表記の店を早めの時間に一人で訪問。あべの筋の松虫交差点を南に200m東に入った場所、阪堺線の東天下茶屋駅徒歩3分の場所に位置する。通い出してから30年近くになるお店でこの日も他に客がいなかったのでカウンターのご主人、ご子息と色々な話や昔の写真を見せてもらいながら食事をする。

お店は店外内ともに昭和感満載でカウンター8席と小上がり2卓のみ。大阪では江戸前寿司のパイオニアと言われている。東京新富寿司出身のご主人の東京言葉での寿司の解説もこの店のご馳走。会計はいつも下町価格なのも嬉しい。

突き出しは小芋の煮物。鮑を炊いた出汁で炊き上げているので煮こごり状態となって提供される。

大きな水槽に鮎が泳いでいたのでオススメの刺身を所望。鮎は有田川産。綺麗に3枚おろししたものをガラスの器で供される。あしらえは若芽と茗荷と蓼の葉。刺身の後はメインの自家製うるか味噌。最初に味噌の甘みを感じながら後から鮎の内臓独特の苦みを感じることができる。それを甘口の樽酒(2合半の容量)をぬる燗にしたものといただくと至福のマリュアージュを感じることができる。最後は頭と中骨、腹骨を使った鮎煎餅で一匹を綺麗にいただきました。

続いてはカリッと焼き上げた鰻の肝と山芋を合わせたもの。器の底に鰻タレが敷かれていてかき混ぜていただくと全体が茶色に変わったところを一気にズルズルといただく。

見るからに元気が出そうな夏バテ防止の逸品。

他のお客はいなかったので特別に水槽で泳ぐ大きめの鮎を選んでもらって塩焼きにしてもらう。綺麗に焼き上げているので「最初は頭を半分かじって身の中に空気を入れてね」いうご主人のいう通りにして食す。天然鮎ならではの脂っ気は少ないけど旨味の強い味わい。

 

ここから少し握っていただく。最初は大阪湾のハリイカの新子。握り一貫分が一匹というこの時期ならではのサイズでパリッとした食感と淡白だけど強い旨味に感動。大きな平目の縁側ももみじおろしを乗せたポン酢で供される。

2枚づけの小肌と煮蛤、締めたカンパチをカブラで巻いた寿司は上に乗せた鷹の爪も相待って味の3段ロケットと解説される。炙ったヒラマサもポン酢で供される。大阪湾の足赤エビと鯛の昆布締めでフィニッシュ。いつも美味しく楽しくいただける阿倍野の人間国宝のお店です。

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

 

 

大阪市 東天下茶屋 寿司

すし豊 5月【大阪市 東天下茶屋】

阿倍野にある表記の寿司店を一人で訪問。最寄り駅は阪堺線の東天下茶屋。店のファザードも店内も昭和感満載。こちらのお店も通い出して20年以上になる。

昔から変わらない東京言葉で話すご主人との世間話もご馳走の一つ。大阪での江戸前寿司の走りの店と言われグルメ雑誌にはしょっちゅう掲載される人気店。しかしながら会計はいつも下町価格。

カウンター8席と小上がり2卓。ご主人とご子息、奥さんの絵に描いたような家族経営。

最初に瓶ビールと酒肴を楽しむ。レモン汁をたっぷりかけた生食の鮑の肝は大好物。生海苔に山葵を刻んだものを和えたものも出していただく。これだけでビール一本いただける。

続いてはこちらのお店のスペシャリティの和歌山産の熱々のもずく。真っ黒なもずくを2秒くらい加熱して提供される。うずら卵の入った特製の出汁で蕎麦のようにしていただく。

いただいた後は熱々の鱧の出汁をつけ汁と合わせて蕎麦湯のようにしていただくという趣向。

この日のメインは水槽に泳ぐご主人の釣った岩魚。この日のものが最後と聞く。5月からは有田の鮎が解禁になるのでそちらも楽しみ。神経締めした岩魚は最初は刺身で供される。あしらえの蓼の葉を食みながらいただく。

残りの身と骨はしっかりと時間をかけて焦げ焦げ寸前まで焼き上げて熱々の日本酒に浸して骨酒として提供される。これがなんとも言えないくらい美味しい。。あっという間に2合を平らげて次酒をお願いする。飲んでいくうちに岩魚の少しずつ身がふやけてきて酒に色がついて味わいも変化する。結局この日は一人で5合飲んでしまう。ご主人曰く最近、一升飲んだ方もいると言っていた。

残った味の抜けた岩魚の身は山椒味噌を塗って焼いて再び供される。カリカリに焼き上げた岩魚を頭からかぶりつく。。。これも日本酒がさらに進む。。

ここから寿司を少し所望する。最初に黒ゴマを鋳込んだハリイカ。紅葉おろしとアサツキを乗せた和歌山の鯛。シャリは甘さを抑えた白酢。

大きなサイズのコハダはほぼコノシロのサイズ。こちらのお店はこだわりがあり、いつもこのサイズを使われる。大阪で最初に煮はまぐりを提供したのはこちらのお店と言われる。

かぶらに包まれた酢締めしたヒラマサは味の3段ロケットと呼ばれ、この店のスペシャリティーとなっている。最初に蕪の酸味を感じて次にヒラマサの旨味、最後に唐辛子のピリっとした辛味を感じる。「味が三回変わってから飲み込んでね」とご主人の弁。

丁寧な仕込みの後で酒蒸しされたアンキモもかなり美味しい。「口の中で溶けちゃうよ〜」と言いながら提供される泉州産の穴子は熱々のふわふわでスフレ状態。「提供されて15秒以内で全部食べてね」とのこと。お腹いっぱいになってこの辺りでこの日は終了する。ご馳走様でした・・・

*こちらのお店のご主人は東京生まれで東京銀座の名店「新富寿司」で修行。しかしながらお店が厳しすぎて1970年、大阪万博見物と偽って仲間と脱走。そこから大阪で少し修行をして自分でこの店を出したと言う話もかれこれ25回は聞いている。名前は安田豊次、だから「すし豊」。いいお店です。

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

 

大阪市 東天下茶屋 寿司

すし豊 12月【大阪市 東天下茶屋】

こちらのお店も通い出して20年以上になる。今も昔も年中通して大きく献立は変わらないんだけど東京弁で喋る店主の講釈が面白いのとクラシカルな江戸前の仕事が大好きで周期的に訪問する大好きな店の一つ。

昭和の香りのする外観と店内はカウンター8席と小上がり2卓。ご主人とご子息、奥さんの絵に描いたような家族経営。

最初に樽酒の杉樽入りの白雪の熱燗を所望する。

久美浜の牡蠣は日本酒との相性抜群。目の前の水槽で泳ぐ琵琶湖のもろこは郡で締めてから焼きこむ。最初に唐揚げ状になった頭の先だけを入れて体に空気を入れる。そこから3口で味わうのが本流とのこと。それぞれの部位で味わいが異なるのが面白い。燗酒が進みまくる。皮付きのまま長時間焼きこまれる筍は最初に真ん中の部分を食べて、姫皮は味噌をつけて下顎でこそぎとるようにして食べる。

寿司の扉は今も昔も大阪湾のハリイカから。続いて天然鯛。酢漬けのかぶらの下に締めたカンパチを挟んだものは食べている最中に味が3度変わる味の三段ロケットと呼ばれる。最初にかぶらの酸味、続いて魚の旨味、最後に唐辛子の辛味が順を追って押し寄せる。しっかり締めた大きなサイズのコハダも食べ応え満点。片側を炙ったカンパチはもみじおろしで供される。しっかりと火の入ったハマグリ、丁寧に下処理のされたあん肝、大阪湾のシラサエビと続く。

続いて大阪湾の太刀魚は皮目を炙って供される。鯖のヅケはおろし生姜で。名物のイクラは口の中で暴れるピンポンイクラ。煮アワビもこの店ならではの仕事。こちらのお店は大阪でコハダや煮鮑を提供したパイオニアである。「15秒以内に食べてね〜」と言われるスフレのような穴子と少し炙って供されるこちらの店の専売特許の「烏賊の印籠詰」は両端に卵、真ん中に白子が入り味わいが異なるのが楽しい。

最後は甘いべったら漬けが出てフィニッシュ。。会計は思いっきり飲んで食べて2人で20000円でした。

*こちらのお店のご主人は東京生まれで東京銀座の名店「新富寿司」で修行。しかしながらお店が厳しすぎて1970年、大阪万博見物と偽って仲間と脱走。そこから大阪で少し修行をして自分でこの店を出したと言う話もかれこれ25回は聞いている。名前は安田豊次、だから「すし豊」。いいお店です・・・

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

 

大阪市 東天下茶屋 寿司