8月に自宅を引っ越したので引っ越し先から徒歩圏内にある表記の店を早めの時間に一人で訪問。あべの筋の松虫交差点を南に200m東に入った場所、阪堺線の東天下茶屋駅徒歩3分の場所に位置する。通い出してから30年近くになるお店でこの日も他に客がいなかったのでカウンターのご主人、ご子息と色々な話や昔の写真を見せてもらいながら食事をする。
お店は店外内ともに昭和感満載でカウンター8席と小上がり2卓のみ。大阪では江戸前寿司のパイオニアと言われている。東京新富寿司出身のご主人の東京言葉での寿司の解説もこの店のご馳走。会計はいつも下町価格なのも嬉しい。
突き出しは小芋の煮物。鮑を炊いた出汁で炊き上げているので煮こごり状態となって提供される。
大きな水槽に鮎が泳いでいたのでオススメの刺身を所望。鮎は有田川産。綺麗に3枚おろししたものをガラスの器で供される。あしらえは若芽と茗荷と蓼の葉。刺身の後はメインの自家製うるか味噌。最初に味噌の甘みを感じながら後から鮎の内臓独特の苦みを感じることができる。それを甘口の樽酒(2合半の容量)をぬる燗にしたものといただくと至福のマリュアージュを感じることができる。最後は頭と中骨、腹骨を使った鮎煎餅で一匹を綺麗にいただきました。
続いてはカリッと焼き上げた鰻の肝と山芋を合わせたもの。器の底に鰻タレが敷かれていてかき混ぜていただくと全体が茶色に変わったところを一気にズルズルといただく。
見るからに元気が出そうな夏バテ防止の逸品。
他のお客はいなかったので特別に水槽で泳ぐ大きめの鮎を選んでもらって塩焼きにしてもらう。綺麗に焼き上げているので「最初は頭を半分かじって身の中に空気を入れてね」いうご主人のいう通りにして食す。天然鮎ならではの脂っ気は少ないけど旨味の強い味わい。
ここから少し握っていただく。最初は大阪湾のハリイカの新子。握り一貫分が一匹というこの時期ならではのサイズでパリッとした食感と淡白だけど強い旨味に感動。大きな平目の縁側ももみじおろしを乗せたポン酢で供される。
2枚づけの小肌と煮蛤、締めたカンパチをカブラで巻いた寿司は上に乗せた鷹の爪も相待って味の3段ロケットと解説される。炙ったヒラマサもポン酢で供される。大阪湾の足赤エビと鯛の昆布締めでフィニッシュ。いつも美味しく楽しくいただける阿倍野の人間国宝のお店です。
過去のすし豊はこちら
大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日