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旬重

有馬温泉にて所用で食事をいただく。。当初食事に行こうと思っていた店が休みと言うことで急遽変更。。。ミシュランガイドでお勧めの宿として掲載された有馬では勝ち組と言われる御所坊グループの木造の片泊まりの宿であるホテル花小宿に併設された食事処のこの店でランチをいただく。 本来は宿泊客が利用するように作られているのだが私のように外部から食事だけの利用でも可能な料理店となっている。他の有馬温泉内のホテルの食事どころに比べてコストパフォーマンスに優れているためたまに訪問する。 カウンター10席、テーブル席12席のこじんまりした薄暗い店内であるがカウンター内には“かまど”がありそれでご飯を炊いて炭火で魚肉類を焼くという趣向である。 今回は時間もあまりなかったので一番安い2940円の魚のコースを所望する。。 sakidukezensai.JPG 先付けは玉子豆腐に山椒をジュレにして固めたものがのっかったもの。。。 前菜がかなり手がかかっていたのに驚いた。。。桜の形の山芋の酢漬けに鰻の炊いたもの、鴨ロース煮に黒豆の味噌和えは秀逸。。その他全てのものがおいしく、どれも美しくたおやかで味わい深かった。 これだけの前菜を仕込むのにどれだけ時間がかかるか私はわかっているので頭の下がる思いで頂戴した。。。これぞ暖かさ溢れる、心がこもったお料理・・・・ tukuritakiawase.JPG おつくりは山芋のすり流しの中に山芋羹の入ったもの。。肉のたたき(但馬牛と言っていた)、甘エビのオイル漬け。。。 炊き合わせは白身魚のオランダ煮(揚げてからさっと炊いている)と山菜。。。しんみりした味の加減は年季を感じさせる旨さである。。仙人のような風貌の料理長は60才過ぎらしく最近老眼で目が見えにくくなってきたと私に言っていた。。。                                                                                                        使っている食材の説明もしていただき、この人本当に料理を作ることが好きなんだなと感じた。 食材の扱いにも思いやりや優しさが垣間見えた。 接客の方の接遇もよくいい時間を過ごすことが出来る。。。。 shusai.JPG 炭火で焼かれた鱸の塩焼きは火入れも完璧でとても美味しくいただくことが出来た。。 車の運転がなければ日本酒と一緒にいただきたいと思った。。。本当にどの料理も丁寧にこだわりを持って作っておられ上質感が満載であった。 そのあとおくどさんで炊いたご飯が出てきた。。。長崎産の目刺もかなり旨かった。米は兵庫県香美町にある関連の農業法人で栽培している有機農法の低農薬のコシヒカリと聞き及ぶ。。 deserushunju.JPG デセールも自家製栗きんとんは秀逸。。一保園の番茶とともにいただくと上質感満載。。。 久しぶりに高い価値を感じた昼食であった。。 神戸市北区有馬町1007 ホテル花小宿内 078-904-0281

和食 神戸市

料膳 旬重

有馬温泉にて会合 今や有馬温泉を席捲している御所坊グループのホテル花小宿に併設された和食店。 店に入ると大きなかまどが目に入る。。。 8500円の懐石コースを所望する sakidukearima.JPG 先付けは芋・タコ・南京の取り合わせ。ゼリー状の旨出汁もいい塩梅である。。上に振られた柚子も香りよし。。。 zensaiarima.JPG 前菜は季節ものいろいろで、これが実に細やかでよかった。。。料理人の腕がよくわかる奇をてらわない普通のものをきちんと調理した丁寧な仕事ぶりであった。。。 nimonoarima.JPG 煮物椀は松茸と白木耳と冬瓜の取り合わせ。。。塩が多いかと思ったがこれは好みの問題か。。 しかしながら出汁のとり方なんかは完璧。。。。ヂスイズ日本のお吸い物って感じ。。。 tukuriarima.JPG お造りは平目、シマアジ、ウニ、イカであった。。ウニはかなり上質。。 kasiwaarima.JPG 焼き物は黒毛和牛、地鶏、魚が選べる。(価格が変わるようだが)炭火で焼かれた鳥は皮がパリッとして火入れ完璧。。。牛肉より鶏にして正解と思った。。。 kamojibuni.JPG 炊き合わせは鴨の治部煮。。。普通に美味しい。。 ebisinjotenpuraarima.JPG 海老真じょを蓮根で挟んだものは少しべたっとしていて残念。。。。天ぷらはいらないかと思ったが温泉地での和食店なので万人受けが必要かとひとり納得する。。 tomatoarima.JPG トマトとカブの酢のものは実にさっぱりしていい口直しとなる。。。 献立の組み立てよく考えられている。。 全体的に非常に手間暇がかけられているということはよくわかる。 有馬では指折りの人気店らしく昼のランチの会席は満席が続くと言っていた。 kamadakigohanarima.JPG 釜度で炊かれたご飯は予想通りつやつやしている。。漬物や味噌汁も丁寧にこさえていて心遣いを感じる。。 kanmiarima.JPG デザートはゆべしと柿の取り合わせ。。 世間の評判通り、素材の良さを堪能できる、純和食である。 店内の雰囲気も落ち着いていて少人数でカウンターでの食事がお勧めである。 神戸市北区有馬町1007(花小宿内) 電話 078-904-0281

和食 神戸市

母や

柴崎コウも使っている(らしい)炊飯土鍋「かまどさん」で一躍有名になった窯元の長谷園に営業用の食器を購入するため大阪から1時間半かけて伊賀上野まで。名阪国道を壬生野ICで下り、10分以上かかる辺鄙な場所にあるのに到着したら近畿各地から「かまどさん」や土鍋でできた蒸し器などを買うお客でえらいいっぱいの大賑わい。。 器の展示室も10年前は1つしかなかったが今はギャラリー含めて4つもある。この時代にこの商売で繁盛しているというのはまさに奇跡的。それぞれの商品が用の美というか使って美しい作品ばかりでこの数年から京都の一流料亭からの引き合いが殺到し今や東京の支店含め通販などでも大人気で土鍋バブルをおこしているような様相。 noborikama.jpg 来たついでに登り窯も見学して、お楽しみの食事は一日2組限定要予約の「母や」にていただいた。綺麗に掃き清められた庭はまさにお客様をお迎えするにふさわしい美しさ。しかしながら凛としたたたずまいを作っておられることに驚きを感じる。 omiseshoumen.jpg 庭や古民家をいかしたお店はしっとりとして田舎のおばちゃんの家に帰って来たよう。しかしながら掛け軸や屏風含めて意匠にもセンス良くこだわられていて上質な空間をあざとさを出さずに作られている。 senzai.JPG なんとこの建物築200年。元はオーナーのお住まいだったらしくこうやって料理店で使えば朽ちないのかとひとりごちする。 omoyazensai.JPG お店の方と世間話をしてしばらくすると出てきたお昼のコースは大きな伊賀焼きの大皿に盛られた前菜。 最近禁酒しているのでお酒が飲めないのがなんとももったいなく感じてしまった。素材感も十分ありしかしながら家庭料理とは完全に内容を隔した仕事ぶりが一目でわかる。これを見て料理人の腕とセンスの良さが十分にわかった。 sumo-ku.JPG 〆サバを燻製にしたものにくるみを射こんだものはもう日本酒が欲しくてたまらん禁断症状が出るくらい ナイスなできでほぼよだれものである。なんとも言えない塩加減とくるみの脂加減、強めの温薫の加減など思わずウンマ~と反射的に言ってしまう。ホントによく出来ている。。その横が鮭のはらすを燻したものでこれも口に入れると脂が染み出て鮭の味も凝縮されていてなんともいえん滋味の深さを感じる。これは掟破りの鉄板の美味しさ。。 misoduke.JPG その横は卵黄の味噌漬けでこれは日本料理でよくある仕事だが丁寧な仕事ぶりがよくわかる一品。 sirotumekusatorennkonn.JPG 海老と金時草の黄身酢掛けはあっさりした加減で夏野菜の金時草の独特のぬめり具合は体にいかにもよさそうな感じがした。蓮根の酒盗和えもただ和えているだけではなくきっちりと下ごしらえしているのがよくわかる。そのほかに小芋を拍子に切ってさっとゆがいて梅肉と和えたものもかなり旨かった。。小芋ってホントはこんな味がするんやと目覚めさせられる。イチジクの酢味噌添えも秀逸。栗をじか焼きして4つに割って出されていたのもかなり旨かった。。やっぱ料理は素材だなと納得。。ここまで酒のあてが続くと飲めないことがほんまマジでお茶でいただくのが苦しくなる。。。。 nimono.JPG 続いて蓋物はゴマ豆腐と冬瓜と秋ナスの焚いたものでまさに出会いもの。の中には干し貝柱。。。深みのあるしんみりとした加減はかなりの腕前。。 meinomoya.JPG メインディッシュは伊賀豚三枚肉の蒸し物。。カロリー制限しているため豚肉は遠慮させていただいたが キャベツを始めプチトマト、肉厚の椎茸はブッチリした歯触りで鶏肉のよう、モロッコいんげんも蒸し料理にぴったり。こりゃあなんぼでも入っていきそうって感じだった。 kinokogohan.JPG 締めは「かまどさん」で炊いたキノコご飯で遠赤外線効果のためふっくらつやつやでお焦げも旨すぎる。。。キノコからええ感じのエキスというか出汁が出まくってかなりいい感じとなっている。 tukemonoomoya.JPG 香の物も長芋やウズラの卵、赤と黄色のピーマンのぬか漬けなど遊びも効いていて唸りまくり・・・ deserukuri.JPG デセールは渋皮煮で丁寧な仕事ぶりに脱帽。。旨いとかまずいというレヴェルではなくただ感動しました。次回はディナーでいただこうと思った。 「長谷園 なが谷 母や」 三重県伊賀市丸柱569 0595-44-1511(予約制)

なが谷 母や割烹・小料理 / 伊賀市その他)

和食 東海地区