心斎橋大丸13階にある140年の歴史を持つ高級料亭「南地 大和屋」で行なわれる恒例の「おそばの会」にお招きいただき友人と訪問。
大和屋さんの端正でオーセンティックな日本料理と日本を代表する高橋名人の蕎麦のコラボは毎年あっという間に締めきりになる。
先付けは蒸し鮑と菊葉の白和え。白和えのおいしさが突き抜けている。
お造りは本来は本鮪の焼き霜なんだけど苦手なので河豚に変更いただく。有り難い・・・
途中で高橋名人の蕎麦打ちを見学。カウンターテーブルにきちんとはめ込まれた特製の台の前で蕎麦を伸ばして蕎麦打包丁で細かくカットする。名人の所作が美しくとても神々しくて舞台をみているよう。
麺棒は3種類を使い分けてミズノ製のヒッコリーと仰っておられた。
炊きあわせは長芋白煮と地鶏の吉野煮。かなり上質の鶏肉に醤油仕立ての葛餡を絡めたもの。長芋はホクホクに仕上げられている。料理長の桜井氏は昭和の上方料理の第一人者の鈴木忠英氏の一番弟子。このような一見普通の料理が比類ないくらいに上手い。
焼き物は車海老の味噌漬焼き。頭以外は殻迄すべて食す事が出来る。
河内蓮根を擂り下ろして成型して磯辺揚げにしたものと蟹と舞茸の天ぷら。
今年の蕎麦は北海道産。普段は長野のものとブレンドするんだけど台風の影響で長野は新蕎麦の出荷が遅れていると言っていた。ブレンドの理由はその年によって蕎麦の実も出来不出来があり複数の産地で仕入れるほうが品質が安定するとのこと。それぞれの産地の蕎麦の良い所を上手くあわせる例えて言えばボルドーワインのようなイメージ。
薄い青緑で透明感ある蕎麦は雑味が一切なく舌触りも滑らか、固くはないけどコシはしっかりとあってモチッとした食感。小麦が入っているのでのど越しもとてもいい。喉に入ったあとに蕎麦のかそけき香りが鼻に抜ける。
汁は甘さ控えめだけど苦手な関東の汁のように辛くなく柔らかで角の取れた優しい味わい。あまりに美味しいのでお替わりする
デセールは蕎麦茶ゼリーと小豆と柿。今年も大満足でした。。。
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