比良山荘 2011夏

8月1日(月) 最近毎年この時期に訪れる比叡山のふもとの山の辺料理。もとは比良山系を行く登山者の山荘として開業した宿と聞きおよぶ。。京の隠れ宿ともいえるロケーションで地元でとれる四季折々の旬菜と夏の鮎が有名である。。あんまり旨いので昨年は弊社調理社員全員で勉強のために訪問したくらい価値の高いお店である。。。京都大阪はもとより名古屋、東京から新幹線で訪れると聞き及ぶ。。 大阪市内から車で約2時間。。。濃い緑の山深い景色を眺めトンネルをいくつも抜け、森の空気を吸うととても気持ちがいい。。お店の周りも山の香りに包まれる。 kanbanhirasanso.jpg いつもの1階の日本庭園に面した個室を予約。景色も最高、庭園の池に鯉がたくさん泳いでいる。 安曇川の上流の三の滝から側溝を通して比良山荘まで水が送られていてその溝でビールや果物を冷やしている。その水を鯉のいる池までひいていると聞く。 hananiwa.jpg お部屋からは簾越しにお庭を望むことができる。ふすまをはじめとする夏のしつらえも清潔感にあふれ手入れのいきとどいた庭は癒し効果抜群。。野鳥のさえずりとかすかなセミの鳴き声清流の沢を流れる音が小さく聞こえる。 部屋の中にも風がよく通り、クーラーなしでも過ごせる位さわやかなひとときとなる。。 玄関からのお香の香りも邪魔にならない。。。 すでに秋を感じさせるお花のしつらえも素晴らしい。 zensaihirasanso.jpg 最初に野草茶をいただきそのあとは冷たいビールを所望する。。。 お始の籠に入った前菜は鮎のなれすしとウルカ。。川ゴリの甘露煮、熊のロースの山椒煮(秀逸)、さつま芋蜜煮、酢蓮根、ミョウガのお寿司、松茸の旨煮、川海老。。。。 どれもが手のかかったものばかり。。。手を加えているんだけどとても自然な味わいがある。。山野辺料理と言えども実に洗練されていることに驚く。。 これだけで日本酒5合飲めそうだけどビールで辛抱する。。。 naresusi.jpg 連れがなれすしの酸っぱいのが無理ということで2人分いただく。。。実はこれが大好物。。。発酵した酸っぱさがあるんだけど鮒寿司よりは癖がなくいつも出てくるのを楽しみにする。女子供には理解できない味なのであろう。 koiarai.jpg 鯉の洗いの登場。。鮎の刺身の時や鹿の刺身の時があるがこれが一番好き。。いつもながら臭みもなく酢みそもとてもいい味の加減で美味しい刺身。プリプリの食感で、ホンの少し薄い小骨を感じるところだけが鯉であることを再確認できる。。。 junsai.jpg 温かいジュンサイの吸い物は小ぶりの秋田産で形も麗しく食感がとても気持ちいい。。 ayu1hira.jpg そしてメインの鮎が登場。。。本日は鮎が鼻から出てくるくらい食べたっかったので「鮎食べコース」。。。 程よく温められた小皿に取り分け、タテ酢で頂きます。                               仲居さんからこの鮎は骨まで柔らかく、頭から丸ごと食べるよう勧められる。(そんなことわかってるちゅうに・・)皮目はパリッと、中はホクホク、香ばしさと共に独特の鮎の香りが鼻を抜ける。 限界まで強火で焼いた鮎(まっ黒け)は骨までほろりとほどけてはらわたの苦みと滋味、身の甘みが実に旨い。。。ビールと凄くいいマリアージュを見せる。。 引き締まった身はおよそ15センチくらい。春から琵琶湖より安曇川に遡上する鮎は夏の盛りになってもこれほどの小ぶりときく。  ayu2hira.jpg 焼きたてをいただけるように1度目の鮎が食べ終わってから2度目の鮎が大皿で出てくる。。川を泳いでいるそのままの姿のような盛り付けにため息が出る。料理の出てくるタイミングも完璧。熱いところを逃がさずに頭からがぶりといただく。。全然食べ飽きないのが不思議である。。。    marukumahira.jpg 塩焼きを堪能した後、これも楽しみにしていた「丸熊鍋」すっぽんの縁ぺらと熊の肉のコラボ鍋。。。なんともぜいたくな取り合わせはすっぽん出汁も実にたおやかな味わいを見せ熊の脂身はさらしクジラを品よくしたかのような味わい。。。動物的な臭みは全くなく希少なツキノワグマのロース肉をこのような形で味わえることに生きている喜びを感じる。。。 冬に熊鍋だけを食べにくるお客さんも多いと聞き及ぶ。。。 ayu3hira.jpg クライマックスが終わったと思いきやまたまた鮎の塩焼きの登場。。。。 恐ろしいことに、ここまで食べても全く食べ飽きない。。。 一口いただくごとになんとも言えぬ爽快感が身体を駆け巡る。。これぞまさに夏の味。 itijiku.jpg 冷やし鉢でイチジクの登場。。。クルミ味噌との相性抜群。。こんなあっさりしたものが食べたいなと思ったら、その通りのものが出てくるという心憎い献立。。。 ayugohanhira.jpg 口がさっぱりしたところでメインイベンターの登場。。本日一番食べたかった料理。。この鮎御飯はいつも奇跡のような旨さと表現する。。。活の鮎だけではなく乾燥させた鮎で出汁をとる。。。何のともいえないご飯をコーティングする旨みが味雷を強烈に刺激する。。 信楽の中川一辺陶さんの土鍋も超有名。蓋の開いた瞬間からごちそうとなる。 oneesan.jpg これを見習いの女性調理師の方が鮎の小骨を取り、さくっとかき混ぜて供していただく。なんともいえない鮎の香りと、パリパリのオコゲにもうしびれっぱなしとなる。旨みと香味が混然一体。。腸の脂身も実にいいアクセント。。結構お腹いっぱいだったはずが食がどんどん進む君。 最高の素材と熟練の腕が醸し出す最高の米料理である。。一緒に出てくるさっぱりとした白味噌仕立てのからだじゅうに滋味が染みわたる旨さ。この汁と漬物でご飯がなおさら進む。。 deseruhira.jpg デセールは上品な甘さともっちりした黒糖のわらび餅とフルーツの盛り合わせ。抜群の食感。 お会計は鮎食べコース 15750円+飲み物、サービス料(15%)でした。。 ドライブがてらのプチトリップでリフレッシュできた。。 滋賀県大津市葛川坊村町94比良山荘 077-599-2058 火曜定休  HPはこちら

比良山荘懐石・会席料理 / 大津市その他)

和食 滋賀県大津市