フレンチ

ユニッソン・デ・クール

派遣会社を経営する友人とボクシングの練習の帰り北浜のフレンチに行く。 ライオン橋(難波橋)北詰のアキュイールの手前の最近業界で話題騒然の新進気鋭のフレンチレストラン。4月オープンらしい。店は白い壁で明るく広いメゾンダイニンググレーのアームチェアーもシンプルでよい。 パリの宮殿ホテルにある三つ星レストランのレストラン・ル・ムーリスで修業をされたシェフは31歳。。テーブルにわざわざ挨拶に来てくれた。最初にシャンパンをいただく夏の夜にふさわしいすっきりとしたシャルドネ系のアグラパールをいただく。。 amu-zu.JPG シャンパンと一緒に出てきたのはセロリのジュレと泡だてたもの。これはシャンパンにドンピシャだった。 ビーツの角切りとグジェール(チーズ味のプチシュ)とパンドベニスとラーフメ。 zensaiiroiro.JPG この店はオーナーが木津市場で鮮魚を扱っているらしく魚にはこだわりがあるらしい。 最初に明石ダコの入ったじゃが芋のパルマンティエという料理。。ぱっと見たら冷やし茶碗蒸しの様。ビシソワーズを濃厚にした感じかな。。 そのあとはフォアグラミキュイ マンゴのデクリネゾンで薄く加熱されたフォアグラは低温調理らしい。個人的にはしっかりとコンフィしたものが好みだけどマンゴが形を変えていろいろ入っているのと相性は良かった。ワインはトゥーレーヌ・ソーヴィニョンさっぱりとしていながらもリッチなアロマを感じる。。 ズワイガニと淡路のウニのババロアのコンソメジュレかけは塩加減がとんがってはいるがズワイガニのエキスをしっかり含んだジュレが秀逸。。蟹の香りが鼻に抜けてコクがあって切れがある目の覚める逸品である。 新玉ねぎとハーブのロイヤル豚足とキノコのグラチネ 夏トリュフ添えは泡だらけのポタージュの茶わん蒸しのような感じか。。カリカリとした食感も面白いしトリュフの香りも鮮烈であった。いろんな味が複雑に混じってとても面白い。 香りの立つシャルドネを所望する。グラスワインなんだけどコクがあり、まったりとしてこれも秀逸。ワインリストを見せてもらったが値付けが安すぎ。。。フレンチの良心ここにあり。。たぶん大阪のグランメゾンではNO1であると思う。。3千円から5千円クラスのワインが数多く揃っていて、えっこのワインがこの値段・・・というものばかり。グラスでオーダーするよりも、ボトルでオーダーしたほうが得だと若いソムリエ君も言っていた。続いてのアンディーブのプレゼ甘エビのソースナンチュアはアンディブ(チコリ)自体があまり日本で食べる習慣がないが食感と味は焼き茄子と白菜を足して2で割ったよう。少し苦みのあるアンディーブに甲殻系のソースにどういうわけか生の甘エビが鎮座。。。料理の完成度としては荒削りであるが決して悪くはない。次のホタテのブータンブランは軽くスモークした帆立(火が通り過ぎていたのは残念) とホタテをソーセージにしたスペシャリティーらしい。プルプルで柔らかい口当たりの帆立のブータンブランと甘味にブ-タンブランの淡白な味がプールブランソースといい調和。ソースに帆立のジュがしっかり感じられた。見た目よりシャープな味でワインと相性抜群であった。 kasago.JPG 魚料理は徳島産カサゴのソースアネット。ソースがよくからんだキャベツやカブの付け合わせもかなり旨い。。カサゴの磯臭さも香草のソースとナイスマッチ。。 kamounison.JPG シャラン鴨と根菜のキャラメリゼ レンズ豆とジロール茸。オーセンティックな料理であるが鴨が旨かった。火入れも完ぺき。ホントは修業されたル・ムーリスのスペシャリティの鳩料理をいただきたかったが・・・楽しみは次回に。。。ワインは2006年のヴァケラスを所望。。かなり個性的で濃厚なタンニンとエレガントな口当たりと花の香りもした。。。 店内のBGMは無し。厨房の音や会話、カトラリーの音なとをBGMにして食事を楽しむ。 dezatoiroirouni.JPG フロマも牛のチーズが2種。肉料理の時に飲み残した赤ワインを再度楽しめた。 ライムのグラニテとキャラメルアイスのミルフィーユはお腹いっぱいでパスさせてもらった。 全部で13皿のディナー1万円コース 今年のミシュランではこのままいけば必ず星は取るお店である。 ワインの値付けもしかりコストパフォーマンスの高さは実に大阪的 早く行かないとと予約取れなくなること必至   大阪市北区西天満1-7-4 TEL:06-6131-0005

ユニッソン デ クールフレンチ / なにわ橋駅北浜駅南森町駅


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乳のみ子羊を食べつくす会

本日はこのブログでもご案内させていただいた乳のみ子羊を食べつくす会を帝塚山のビストロエピスで開催させていただいた。。ソーミュールの熟成36カ月という深い味わいのシャンパンでまず乾杯。 アニョー・ド・レ(乳飲み子羊)は生後3ヶ月ぐらいの乳飲み子羊。 本日入荷は生後45日釧路産らしい。まだ羊乳以外のえさを食べていないのでその肉は癖が無く超柔らか。. フランス人は「アニョー」(子羊)が肉の中で最も上品だという。フランスではポピュラーな食材でこの時期どこのレストランでも普通に出てきた記憶がある。   最初の料理はセルビルのポシェでわずかな子羊の脳漿をピクルスやエシャロットの入ったブラウンソースでいただく。オリーブオイルやビネガーがベースであろう。参加者全員恐る恐るいただいていた。魚臭くない臭くないフグの白子って感じやね。。 epis1.JPG 続いては乳のみ子羊のレバーを使ったパテでいちじくとクミンをしっかり効かせたもの。最初は軽い口あたりじんわりとレバーの香りが咥内に立ち込める。。子羊なのにすごいパワーを持つ。。クミンやいちじくが入っていなければさらに強烈なものになっていたであろう。ここでお店が用意していただいていたポーツルロームの白をいただく。ヤギが歩き回るという意味らしい。薄い黄金色で甘い香りとフレッシュな酸味はさすがソムリエの資格も持つシェフならではのチョイス。 epis2.JPG そのあとトリップ(胃袋)を使ったトマト煮込みにフラジオレ(豆)と春野菜が添えたものをいただく。 結構好みで一気に食べてしまい写真を撮り忘れる。。 ここで赤ワイン一発目はお店が用意していただいたカオールの赤。色合いは深く黒ワインといわれるほどで乳のみ子羊に合わす教科書の様なワイン。ブラックベリーの香り。余韻もしっかり残りかなりふくよかな印象。 そのあとでてきたのはキャレ(背肉)のロティートマトのファルシ添えでこれぞ乳のみ子羊って感じの一品。甘くて癖もなくひたすら柔らかでほんのりとミルクの香りがする骨と骨の間の肉もぷるぷるして秀逸。生を受けたばかりの幼き命を食していいのかと罪深さを感じながら骨にしゃぶりつく。トマトの中身はミンチにしたハンバーグ。。ナイフを入れると肉汁満載。。えらいことになる。。。。 episu3.JPG ここで2発目の赤ワインは持ち込みのメルロ―100%のプピーユ。18か月熟成でシャトーペトリュスに匹敵と競い合ったといわれるワイン登場。。腎臓、心臓、舌、ハラミ、肺のマスタードクリームソースでロングのマカロニ添え。。。 希少部分を12名の参加者みんなで少しづつ分け合っていただく。コリコリしてたりふわふわしてたり食感もいろいろで実に楽しい。そして美味しい。。 episu4.JPG バロンのロティーのドフィノワ(じゃがいもグラタン)添えは肉質は繊細。しっかり焼かれたお尻の肉はもっちりしてぷりぷりで超柔らか。周りの脂は軽やかなゼラチン状態。噛めば噛むほど旨み凝縮。。。これぞ乳のみ子羊の醍醐味 ワインはサンピエール99年。メドック格付け4級の名品。。やはり全然違うという印象。口当たりは柔らかくベリーの風味と甘いタンニンが実に上質な感じがする酸は弱くトロトロと喉に入っていく。。 ボルドーのこの繊細な風味はマルゴーと比べても遜色なし。。 49191065_1016325464s.jpg 3時間の食事会でした。。。 奥野シェフありがとうございました。。。


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ラペティ・ロアラブッシュ 5月

最近知人によく聞かれるのがこのブログはどうして他のグルメブログとリンクしたり人気を出すための投票とかしないのといわれる。またどうせだったら食べログなどにも一緒に出せばいいのにともいわれる。 いつも答えるのは同業者の立場で見ると、さまざまな理由でその店のコンディションの悪い時もあるだろうし、仕入れがうまくいかない場合も飲食店にはよくある話でそのたびに自身の主観でいちいちけなしていては逆の立場であっても面白くない。。実際いろいろなところで食事をしてこのブログに掲載するのは3割ほどである。更新する体力の限界もありいろいろな方に応援いただいているのであるが今で精いっぱいというところである。 せやけどこのブログを見て新しいお客さんがお店に来てくれたよ、という店主の声を聞くと実にうれしく、また「この前にブログに掲載していた店にいってきて、○○○をいただいてきて本当においしかった。」という声を聞くと小さな喜びと継続は力ということを実感させていただく。 今日は知人のプライベートのお祝いで北浜のラペティ・ロアラブッシュに訪問。 このお店は盛り付けの美しさやソースの軽さ、野菜の旨さなどいいところ満載。。それでいて堅苦しくなくグランメゾンにありがちなシーンとした重い空気やホテルのダイニングにありがちな慇懃さは全くなくここという時のお店として最近よく利用させていただいている。 アミューズは「サザエの柔らか煮、パセリとバターのソース」熱々の容器に入ったサザエは下煮してあり超柔らか。。世間によくあるエスカルゴソースを上品にした感じ。サザエの磯臭さがなくなっているのに驚く。シャンパーニュのシャルルラフィットでいただく。 amuzurape.JPG 前菜はオレンジのガラスの皿なので写りがいまいちであるが、毛ガニと柔らかく炊いたアワビが入ったサラダ仕立ての逸品にコンソメゼリーをぶっかけたもの。やもすればあっさりしすぎるところであるがコンソメのたんぱく質の深みがいいアクセントになる。のっかっている野菜はワラビとスナップエンドウ。。 うっとりとしてしまう。。。 zensai1rape.JPG ここですかさず白ワインに切り替える。ル・ジェド・シャトーギローでほのかな蜂蜜と樽の香りがかなりいい。それなりの口の中での重みがこのワインが上質であることを示している。ソムリエのベストチョイスに感激する。 次の前菜は石の皿に盛り付け。まさに絵画の様な一皿。ぶっとい白アスパラはグラタン仕立て。グラタンソースにかかった生ハムのみじん切りがこれまたナイスなアクセント。絶妙な火入れのオマールエビはシコシコでかつ柔らか。根セロリのソースと相性抜群。みじん切りにされたラディッシュも旨み最高。 zensai2rape.JPG ぱっと見は何か分かんないが貝づくしのカクテルサラダでこれが本日の最高の秀逸作品。こんなの初めていただいた。アワビ、ホタテ、鳥貝、ほっき貝、ムール貝などの6種類の貝に青さのりを浮かべたカクテルスープ。 塩っけが強いんだけどたぶん計算された塩分濃度である。柚子の香りもいい。目をつぶれば地中海が見え波の音が聞こえてきそうな料理である。口の中が海水浴で海水飲み込んだ状態。。(そこまでは塩からくないが)それを白ワインで中和させるまさにディスイズ・プロバンスの味わい。。 貝好きの私にはたまらんって感じ。。。。 zensai3rape.JPG 魚料理は「甘鯛のコンテパナードグラッセ」甘鯛は魚ではないくらいにふわふわに火入れされ皮はチーズの粉がかかってパリパリ。こんな繊細な魚料理食べたことない。。これをホウレン草の緑のソースと。リンゴと根セロリの甘いソースと甲殻類のアメリケーヌソースでいただく。なんとも複雑な味わいだが雑味は一切ない。これも付け合わせの野菜バリうま。 sakanarape.JPG 肉料理はこの店でいつもいただく大好物の青森産の銀の鴨のロティー。 聞いた話では世界中に鴨の種類って200以上あるらしい。 野生のマガモや合鴨もそれはそれで旨いのだがフランス王侯おかかえの料理人たちが、数十年に及ぶ長い年月をかけ、最高の味を持つ鴨に改良したバルバリー種は肉の旨さが私好み。 直輸入のシャラン産の鴨を今や凌駕する。この鴨も最近あちこちのレストランでいただくことも多い。平成4年には皇太子、雅子様のご結婚の儀で「付け焼き鴨」として用いられ、以来、宮内庁の御用を承っているとも聞き及ぶ。 ここでワインはシャトーモンチェスにチェンジ。鴨肉に相性抜群。トムクルーズが愛飲するマディラン地方の隠れた逸品。タンニンきつくカシスの香り。舌が真っ赤に染まるナイスマリアージュ。 kamorape.JPG そのあとマーマレードがかかったソルベをサクッと口直しにいただき。 sorube.JPG ワインをムーランディッサンに変えてフロマをいただく。嗚呼幸せはここにあり。。 furoma-ju.JPG 数あるデザートの中でチョイスしたのは前にもいただいたことのあるリンゴのタルト。 しかしながらもうお腹いっぱい。。 rinngotaruto.JPG 小菓子をいただいてご馳走様でした。 minikasi.JPG 最初から最後まであっさりと軽やかな味付け・・・・・・・野菜をはじめとする食材にしっかりとしたこだわりがあり繊細なシェフの感性がお皿の上に美しく表現される。いつもマダムは見えなくなるまで見送ってくれる。少し恐縮。。。。今日は8400円のプチコース。 詳しくはこちら 大阪市中央区今橋2-1-10 ダイセンビル1F  06-6208-1808


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