福島

まき埜

歯をクリーンアップしに行った帰りに表記の店を訪問。夏のスダチの冷たいおそばが超有名。近くのコインパーキングに車を停めて静々とお店に入る。
縦長の店内は壁に向かった4席分のカウンターと4人掛のテーブルが3卓。マダムが「どこに座っていただいてもいいですよ〜」と言われるのでテーブルに一人で座る。店内は和食店のような清潔感溢れる上品なたたずまい。大人な感じがとてもいい。

盛りそばを普通に所望する。押し寿司が100円(夜は400円らしい)でついているとのことなので一緒にいただく。

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出てきた蕎麦はビジュアルがかなり美しい。真ん中が山になったざるにのせられて寸分も狂わぬほど綺麗に切り揃えられている。エッジがしっかりと立って麺線も美しくモチモチしてコシもありのど越しもいい。いくらか小麦粉も入っているのであろう。汁をつけずにいただくと強くない蕎麦の香りを感じることが出来る。しっかりと締められているので舌触りもとてもいい。

汁は醤油が強い感があるが角がないので辛さは感じない。味醂たっぷりの関西のつゆとも違うし関東のだだっ辛いものとは異なる。鰹と昆布の旨味もしっかり過ぎるほど感じる本当に美味しいと感じる汁である。薬味はワサビのみ。葱は当然のことながら不使用。この日は盛りそばを注文してよかったと改めて感じる。

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鯖寿司はレアにうまく締められた鯖の旨みが口の中にしっかりと広がる。この押し寿司はかなりレベルが高い。鯖と御飯とのなじみもいい。蕎麦湯は蕎麦粉を別に入れてとろみをつけている。これはこれで甘さも感じられて美味しい。

すべてがハイレベルでかなり繊細なバランスを持ってお店をされている。蕎麦はともかく空間、サービス、器などすべてに至るまで気配りがしっかりとされており夜は行列をしてでも食事をされる方が多いことにも納得する。

四方山な世間話をマダムと少ししながら「次回は是非田舎も食べてくださいね〜」といいながら外までお見送りいただいた。

大阪市福島区福島6-11-13
06-6453-2828

まき埜そば(蕎麦) / 福島駅西梅田駅北新地駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 梅田/JR大阪, 福島, 蕎麦 |

最近周りで「福島にいい寿司のお店があるよ」と聞くことがあり友人の焼き鳥屋の「熊さん」に紹介してもらって訪問する。予約がかなり困難と聞くが紹介の力は偉大なり。時間制になっていて5時からの客が帰ってから入店ということらしく、少し早めについたので友人と店の近くのワイン立ち飲み「アニバーサリー2001」でスパークリングを飲みながら店のワンコと遊ぶ。。よくいくけどこの店もかなり素敵・・・店もマスターも味がありまくるな。。

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寿司屋の場所は駅から60m。店はかなり小さくてカウンターが8席とテーブルが一つ。席の間も狭く高級な感じはあまりしない。ご主人はリッツカールトンの「花筐」出身。客の年齢層はまあまあ高め。マグロが食べれない事を最初に申し上げてお任せで出していただく。十四代をはじめお酒は日本酒がたくさんそろっているようなので料理に合わせてお任せで出していただく。すべてテイスティングをさせてくれるのがありがたい。

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最初は鯛のお造り。コリコリしないけど熟成感もありかなり美味しい。スダチと塩で食する事をすすめられる。

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のどぐろは皮目を炙って出される。一切れは塩とスダチ、もう一切れはポン酢でいただく。しっかりと脂がのっていてとっても美味しい。生で食すためには一定のサイズと鮮度が必要なのは周知の事実。

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軽く〆られた鯖は千葉産。多分銚子であろう。脂がのりまくってこれもかなり美味しい。生姜醤油がとてもいい。

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この時期が最高のセコ蟹は内子、外子も全部かき回していただくのが私流。。やっぱ内子は美味しい・・・

純米酒を中心に澱のあるものや山廃などタイプの異なるものをこの日は5種類くらいいただいた。

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ここで肉厚の鰤の照り焼き。パンチがある料理なので少し酸味のある山廃の吟醸がとても良く合う。

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鱈白子と白髪葱のお椀。鮮度が良く丁寧に下処理をしているので特有の臭みとクセは全く感じない。

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ここから握りが始まるが結構お腹いっぱいになっている。肉厚の剣先イカはスダチと塩でいただく。シャリのサイズもまあまああってほどけやすい米も美味しい。

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カワハギはおろしポン酢と肝が乗る。身も甘くてかなり上質。握りの形も美しい。

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キンキも皮を炙って握られる。煮切りも柔らかくてとっても美味しい。

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平鯵と縞鯵。。両方ともしっかりとした旨味とともに熟成感を感じる事が出来た。

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大きな鯛の身がゴロリと入った茶碗蒸し。

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ビジュアルも美しい天然車エビ。これだけで原価は500円くらいするのを私は知っている。甘くてとっても美味しい。。エビカニ星人の私にはたまらない。。

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小さな器の中にシャリをいれてイクラと雲丹を乗せたもの。雲丹のレベルが少し気になったが許容範囲。

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甘い玉子焼きはすり身が入ったもの。

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かんぴょう巻で〆。。この辺りになるとお腹パンパン。。

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お酒が少し残っているからという事で干したホタルイカを炙ってくれた。この辺りの心遣いが嬉しい。飲んで食べて会計はちょうど1万円。コスパはかなりいい。隣の客は全く同じものを食べて14000円だったな・・・よくわかんないけど普段遣いにはぴったりな感じ。予約するときには「ぺろぺろを見た」と言う方がいいかもしれないな。。帰りは店主が見えなくなるまで表で見送ってくれた。忙しいのに恐縮である。

大阪市福島区福島7-8-3
電話:-6455-6644
営業時間:17:00~24:00(L.O)
定休日:月曜日

寿司 / 福島駅新福島駅中之島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 福島, 寿司 |

Point (ポアン)

現在大阪でもっとも勢いがあると言われまたもっとも予約が困難な福島の表記のフレンチレストランを友人と訪問する。ちなみに現在食べログ大阪ナンバーワンらしい。。

なにわ筋の浄正橋の交差点の南西に位置し徒歩交差点から徒歩3分くらい。ミシェラン2つ星の西天満のアキュイールを閉店して平成13年に名前も場所も変えてリニューアル。

ひっそりとした場所に白で統一されたファザードはスタイリッシュ。グランメゾンの雰囲気とは正反対のナチュラルで綺麗なシュッとした感じの内装。シンプルな白壁にフローリングと無垢のオークを使った丸いテーブル。ハンス・ウェグナーのYチェアーは座り心地抜群。温かなライティングとあいまって北欧系のナテュラルモダンな感じ。テーブルにはクロスもなしでカラトリーは直置き。コペンハーゲンでこんな設えのレストランに入った記憶があるが忘れたな。

6人掛け、4人掛け、2人掛けが2テーブルのみ。アキュイールのときよりも1卓少ないとサービスの方が言っておられた。予約が困難であることは理解出来る。オープンキッチンを含めお店全体が見渡せるのは初めての経験。接客も女性ソムリエール3名がアットホームな気持ちのいいサービスを提供してくれる。

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乾杯はナポレオンの結婚式でも飲まれたと言われるジャクソンのキュベ737。2009年のぶどうでその中の30%は熟成したものとあわせて作られる。凛とした気品とコクが特徴で一口含むと目が覚めた。樽熟成が長いのか味がとっても深い。他のシャンパーニュはこれを頂くと飲めないな・・・

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アミューズ・ブーシュとして一口サイズの5種類がアフタヌーンティスタンドを使って出される。上から塩パンのケークサレととても軽い生雲丹のムース。食べたあとの鼻に抜ける香りも軽やかでありがちな磯臭さとかは全く無縁。

下の段はコンテチーズに竹炭を混ぜて作ったシュー生地のグジュール。バスク地方の生ハムを乗っけたパン。アボガドとブランドトマトのピューレ、この店のスペシャリティーと言われるフォアグラのレーズンサンド。

濃厚なフォワグラのコンフィとレーズンの甘味の組み合わせはかなり美味しい。

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この一品を食すためにボルドーの貴腐ワインを頂く。ラモスなんとかと言う名前だったんだけど極甘のワインとフォアグラの相性に驚いた。シャトーデュケムを昔こんな感じで頂いてその美味しさに失神しそうになった事を思い出す。

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白魚のロワイヤル。いわゆる茶碗蒸し。玉ねぎのエキスを頂くような感じの料理で玉ねぎのスプラウトがアクセントとなっている。

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この料理にはロワールのサンセールのソービニオンブランをあわせる。柑橘系の果実の香りとフレッシュできりっとした酸が心地いい。

担当いただいたソムリエの大矢根さんのチョイスなんだけど彼女は提供する料理の事を完璧に理解しているのでマリア−ジュが半端ではない。気さくな会話も食事をおいしくさせる。彼女の腕利き具合は敬服ものである。

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バターに無色のガラス蓋をしたものが登場。ブナのチップでスモークにしているらしい。バターは有名なレスキュール(だと思う)。塩はゲランデ。。燻煙したバターは初めて頂く。

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パンは最近あちこちのフレンチで見かけるシュクレクール製。形がとても美しい。
谷町のFUJIYAも同じものを使っていたな・・

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ここでアルザスのリースニング2012年で若ワインなんだけど料理とのマリアージュを考えてセレクションされているのでとても楽しみ。

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赤貝、北寄貝、帆立、タイラギ貝、ミル貝をさっと火を通したものを数種類の豆と一緒にいただく。とても春らしくて塩水をジュレにしたものとミントライムの酸味が辛口でミネラル感たっぷりのリースにングにぴったり。

ここでグラニテの替わりにレモングラス、ミントやアップルマンゴーを漬け込んだ水出しのハーブティーが登場(写真はなし)。透明感のある口直しにビックリした。氷にしたら口の中の温度が一気に下がるので前から違和感を感じていた。これは目からうろこの一品。口がさっぱりしまくりちえこ。

2014-04-24 20.32.39

オマール海老とリードボー生姜の味とアスパラのソース。海のものと動物性タンパク質の合わせ技。ソースが巧みで全く違和感もない。リードボーの火入れも完璧。

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ムルソーの2010年。このしっかりとしたソースの料理にはこういったワインが飲みたいなと思うものがドンピシャで出てくるのが素晴しい。緑がかった黄金色の味の深い柔らかで滑らかな口当たりは大好物ワインの一つ。

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アイナメと泉州の筍をカダイフで包んで揚げたものにホタルイカを添えたもの。ホタルイカの上にはナスタチウム。。トマトとかを栽培するときに虫がつかないように一緒に植える植物と昔聞いたことがある。いわゆるコンパニオンプランツ。こういったものを食する時代になったのね。食べるとぴりっと辛くてイタリアンに出てきそうな感じかな。木の芽とディルのコンソメをシェフが掛けにきてくれる。。フレンチなんだけど和素材を使ったり、和の盛りつけをされたりするのでとっつきが非常にいい。

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コルシカ島のヴェルベンディーノ産レヌッチを所望。コルシカ島のワインって赤しか飲んだ事なかったけどしっかりしたバランスのいい白もある事をソムリエちゃんに教えて頂く。リンゴのようなフルーティなくだものの香りとミネラル感がある。白身魚や温野菜にはドンピシャのマリアージュ。何度も書くけどこの店のソムリエはかなり凄いと思う。かなり勉強されておられる。シェフの奥様がチーフソムリエなんだけどこの日はお休み。

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この日のメインディッシュは岩手産ホロホロ鳥のロティ。胸部分と腿部分に分けて提供。70度の低温調理で仕上げる。身はしっとりしながらしっかりとした弾力で皮はパリパリ。素材の良さもさながら火入れの完璧さに脱帽。今まで頂いたホロホロ鳥ではダントツのナンバーワンの美味しさ。鴨や鳩と違って鶏肉を食べてるぞという気になる。ホワイトアスパラにラクレットを乗せて炭火で炙ったものと野生のアスパラガスと言われるアスパラソバージュ。甘くてスパイシーなソースも秀逸。

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メインの料理に合わせたワインは南フランスのシャトーヌフ・デュ・パプ。これは超有名。。ここまでかなりの量のワインを頂いたけどテイストが異なっているのでいくらでも飲めそうな感じ。ヌフ・デュ・パプはシラー、グルナッシュ、サンソーやムールヴェードルなどの南フランス特有の個性的なブドウ13種を掛け合わせることで有名。温かくて豊潤で優しくて雄大でなんともいえない複雑で、スケールの大きいワインとなっている。個人的にワインはネットでよく購入するけどリリースされた瞬間にいつも売り切れになっている。

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フルムダンベールがアンティーブの船に乗せられて登場。青カビだけど見た目以上にマイルド。

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チーズのあてにマールブランディーを所望する。ちゃんとこういったものも完璧に揃えられている事に敬服。

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デセール一発目は デコポンと白いプリン。見た目はシロクマ君のアイスクリーム。ふわふわした淡雪のようなものの食感がとっても楽しい。

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普段甘いものを食べる習慣がないのでよくわかんないけど丁寧にいい素材で作っている事はよくわかる。パティシエがいるわけではないのでこちらのお店では調理人が作る。マスカルポーネのムースとルバーブのスープ。酸味があってさっぱりしてフルコースのデセールとしてはとてもふさわしいと思う。

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ミニャルディーズはぴぃーんと垂直に高く伸びあがった飴細工を掛けたキンカン。パリパリして面白い。温かいハーブティーをいただくとお腹が落ち着く。ワイワイ言いながら食すとあっという間に3時間経過。。夜のディナーは税サービス別の12000円ワンコース。帰りはシェフがお見送り。とてもいい店です。

大阪市福島区福島3丁目12-20
06-6455-5572
営業時間:12:00~13:00、18:00~20:00
定休日:月曜日(ランチは金・土・日限定)。

pointフレンチ / 新福島駅中之島駅福島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 福島, フレンチ |