福島

鮨 千陽

ミシュランのビブグルマンを最近取得された福島にある有名店。こちらは中央市場の前にある飲食人大学を経営する人材派遣会社の運営。最近はメディアの取材も多く予約がなかなか取りにくい。

「飲食人大学」は1年生の料理学校のカリキュラムを3ヶ月という短期間で現場で通用する技術を身につけることが出来るという短期集中型のまさに世の中が望んでいた学校である。寿司を含め和食の修行は劣悪な労働環境のもと精神修養を中心とした前時代的で属人的要素の強い「見て学べ」という慣習が根強く残り、それが和食料理人や寿司職人を志す人の障害となっていることは周知の事実である。

こちらの学校はそうした封建的な古い慣習に風穴を開け、今では多くの女性寿司職人の卒業生を輩出している。こちらの料理人大学の寿司専科は3か月で60万円(キャリアアップ助成金の対象なら30万円)のカリキュラムで江戸前寿司の実践的なノウハウを教えてくれると言っていた。
その卒業生が働くお店がこちらで、1階席が3500円コース、2階席が7000円コースと分かれていて今回は男性板前さんがいる1階でいただいた。(2階は女性職人さんです)

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7席の店内は木のカウンターで板前さんとの距離がかなり近い。ビールで乾杯をして前菜が無花果の胡麻クリーム掛け、甘海老の5杯酢掛け、魚介の白和え。手作り感もありまずまずである。

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小さな蓋付きのガラスの器の中にはフカヒレの炊いたもんが入る。かなり気の聞いた演出である。

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刺身は鯛とインド鮪。私は鮪が苦手なのでアコウに変更。鯛は養殖であったが上質なり。

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こちらの板前さんも3ヶ月学校で勉強して1年目と言っておられた。手が遅く包丁の使い方がまだまだぎこちないけど熱心さや丁寧な所作に応援したくなる。素直で擦れていない応対に好感が持てる。

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剣先烏賊を薄くすいて刻んで握る。切り方一つで甘味が増す。塩と酢橘でいただく。

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昆布〆にして水分を飛ばした今が旬のイサキは脂がしっかりとのってとても美味しい。

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漬けにしたインドマグロの赤身は辛子が添えられる。

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鮪が苦手な私には目板かれいを出していただいた。気遣いがとても嬉しい。日本酒もいろいろな種類のものが用意されていて好みを言えば誂えていただける。

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脇を固めるスタッフさんも学校の卒業生や入学予定の方で一生懸命さが伝わるのが感じがいい。

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大振りの小肌の半丁付け。〆具合も御上手。江戸前の仕事をちゃんと踏襲している。

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小さな雲丹丼には3杯酢のゼリーがかかる。ミョウバンの味がしっかりする比較的廉価の雲丹だけどひと手間かけることで癖が気にならなくなる。

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レアに煮込んだ肉厚のホタテ貝柱を炭火でさっと炙って潰して握ったもの。古い江戸前の仕事で関西ではほとんど見たことがない。専用の甘辛醤油との相性も良くてこれが私的には今日のナンバーワン。

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酒器はすべてスガハラガラス。光の模様が美しい。ルネラリックを思わせる。

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好物の海老は大振りの冷凍ブラックタイガー。仕事を施すことで活車エビを超える味にしたいと言っておられた。玉子のおぼろを中に鋳込んで一方には甘エビのおぼろ、もう一方には小海老のおぼろをトッピング。身が分厚くて食べ応え満点。プリプリの海老とおぼろの味で食べ比べる楽しさを提供。

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煮込まれた穴子は笹の葉に乗せられて炭火で炙られて供される。北新地の名店「平野」と全く同じ手法である。食したときにふわっと笹の香りがする。

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最後はカステラのようにフワフワに焼かれた玉子。もう少ししっとりした方が美味しいとは思うが許容範囲内。

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最後の汁物もかなり出来が良い。

キャリアが1年未満の調理人(多分調理師免許は取得していないと思われる)がここまで出来るということに感動がある。つまり単に美味しいとか美味しくないとか言う問題ではなく本格江戸前寿司のハードルをここまで下げたこちらのお店に敬服する。  

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最後に少し残っているお酒を見て玉子の端っこのへたの部分を切って出してくれた。新地の高級店でもなかなかしてくれない気遣いに心を掴まれる。。

大阪市福島区福島5-12-14
06-6450-8685
営業時間 18:00~23:00

鮨 千陽寿司 / 福島駅新福島駅中之島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 福島, 寿司 |

センバキッチン 福島店

友人と一緒に年末に福島駅前にできた表記の店を訪問する。

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こちらのお店はカームデザインと言う関西でとても有名な店舗設計の会社の経営。現在飲食店事業も10店舗以上されていてすべてが超繁盛店。

店のファザードは木とレンガを使って迫力満点。綺麗なデザインなので主張し過ぎてもいやみな感じが全くしない。 店内はこじゃれた倉庫風で入り口側にオープンキッチン。ニューヨーク市ブルックリン区にあるイタリアンレストランをイメージしているらしい。オープンキッチンの全78席。営業時間は17時~翌2時。

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内装のかっこよさはさすがである。ドリンカーの前のカウンターに座らせていただきお店のお勧めを聞きながら適当に注文をする。

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こちらのお店の名物がポップオーバーなるパンの食べ放題。ポップオーバーはニューヨークやハワイで大人気のパンで「弾けて飛び出る」という意味の英語「POP OVER」が名前の由来になっているとメニューに書かれてあった。ホイップバターとメイプルシロップをつけていただいたりサラダを頼んで挟んで食べたりするらしい。食感がパスパスして何とも言えないシュークリームの皮のような不思議な味。。

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もち豚のパテ580円はボリュームたっぷり。これもパンに挟んで食すとワインにぴったり。

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小皿料理もたくさんそろっていて280円や480円なので値ごろ感がある。牡蠣の香草焼き。。この580円は高く感じるな・・・

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大好物の海老。。予想よりも大きくて食べ応えがあったので上機嫌。ドリンクは生ビールが400円でワインも2500円位のリーズナブルなものが多い。

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メインの肉料理は大沼牛のサーロインステーキ250gで1850円を所望する。TボーンやLボーンステーキもあるけど2人では食べきれないのでサーロインをいただく。和牛でないので脂は少ないけど柔らかくて肉の味がよくわかる。この質でこの価格は破格である。

ここのスタッフさんの返事はすべて「イエス」。「お客鎌会計です〜」「イエス」
料理が出来上がりましたー「イエス」。なんでもイエスなお店・・・

大阪の居酒屋で「あいよ!」と返事する店が多いが、意味は「OK」というのはわかるがいつも違和感を感じる。東京の言葉だろうけど酔ってきたら「ア〜イヨー」と聞こえ中国語に聞こえてしまう。中国人は一部の地方では「アイヨ〜」とため息をついたり、ビックリしたときは「アイヨッ↘︎」と言う言い方をする。

「あらまぁ」とか「ありゃりゃ」という返事は日本で未だ聞いた事がないな・・面白いと思うけどな・・「料理出来ました」「ありゃりゃ〜」て感じ。

ワインやスパークリングをしこたま飲んでひとり6,000円でした・・

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帰りは近くの行きつけの立ち飲み。すべてのドリンク500円でいつもご機嫌。夜は毎日ライブ演奏。自称高校の英語教師のおじさんがギターをもって飛び入り演奏。。この店はいつもかなり楽しいな・・

大阪市福島区5-13-8
06-6455-5678
17:00〜26:00(L.O.25:00)
定休:月曜日

センバキッチン ニューヨークイタリアン 福島店イタリアン / 福島駅新福島駅中之島駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0


カテゴリー 福島, イタリアン, バル |

ラ ルッチョラ

福島にある表記の店を遅掛けに訪問。
2014年にミシェラン大阪ビブグルマンに選ばれた魚介ナポリな店。普段はなかなか予約が獲れないらしく友人にお願いする。
店は木を基調としたカウンター8席、テーブル席8席の16席のこじんまりした感じ。カウンタ−でアラアルトを所望する。

周りは大声でテーブル席で話す中国人と大きな顔をした新地のママのようなおばはんなどカジュアルな店が故にいただけない客も集まりやすいのはこういった店の宿命か。

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ワインはカジュアルな白をいただく。樽感があってしっかりしたリッキ メリディアーノ シャルドネをリクエスト。淡い黄金色で果実味もあってフルーティーな香りと 辛口だけど重厚でしっかりとしたコクがある感じ。

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一皿目はカリフラワーのピュレの上に馬糞ウニとズワイガニがのったもの。 柚子風味のさっぱりした和風ソースが食べやすい。カリフラワーの味がとても濃くてぐちゃぐちゃにかき混ぜていただくととてもいい。

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瀬戸内海ワタリガニのサラダ仕立ても一口サイズ。食べたいものを聞いていただいてから全体のポーションを調製していただくことにする。最初にこの日に仕入れた食材を説明いただきソースや付け合わせなど含めてアドリブで色々作っていただく。面倒くさくてごめんねというと「僕はこんなスタイルでレストランをやりたかったんです・・・」との答え。
ミョウガをワインビネガで漬けたものもサッパリしてとても美味しい。和食のテイストにかなり近い。

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的矢の牡蠣をフリットにしていただく。下に敷かれているのは酸味のある野菜でワインとかなりいい相性があった。カウンタ−を挟んでのイケメン鈴木シェフと料理の話もとても楽しい。南船場のイタリア料理の超老舗「コロッセオ」で修行されたこと、中央市場の鮮魚店で働いたこと、心斎橋の割烹「作一」のような店を目指していること、10年経ってやっと飲食業のあり方というものがわかってきたということ。

本人は人見知りなので寡黙な性格なんだけど打ち解ければどんどん話をされいい時間を過ごすことが出来る。

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シェフお薦めのカルパッチョは寒ブリと鰆。ソースは生姜を効かせたオリーブオイル。双方とも魚の品質は最高であった。ビジュアルは和食のそれであるが食すとイタリアンになっている。食器も和のテイストのものが多い。

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手打ち生麺のパスタにトリフを思いっきりかけてもらったもの。シンプルだけど麺がかなり美味しい。

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かなり大きな石鯛を炭火で焼いていただく。魚の品質が高いのでシンプルに美味しい。お腹の脂ののった部分とカマの部分の2種類を出していただく。骨までしゃぶりたくなるような旨みは比類のないものであった。付け合わせはブロッコリーとカリフラワーのあいのこのロマネスコ。味はブロッコリーに近くて食感はカリフラワーに近い感じ。

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ワインも少し残っていたので〆のパスタを乾麺で作っていただく。「オイルを使ってウニをドカンと入れてね」というリクエストにもちゃんと答えてくれるのが嬉しい。

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接客の男性もかなりイケメンで次の日の生麺の仕込みを必死でされていた。若いが故に接客はまだまだだけどこれも性分であろう。価格は少し高めで料理だけで1万円オーバー。。お薦めは当然カウンタ−かな。。

大阪市福島区福島6-9-17
06-6458-0199
12:00〜14:00、18:00〜24:00
火曜休み

ラ・ルッチョライタリアン / 福島駅新福島駅西梅田駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5


カテゴリー 福島, イタリアン |