お店ジャンル

伊吹【大阪市 動物園前】

高校生の頃、学校をさぼって天王寺のあべの銀座からジャズ喫茶の4分休符の前を通り 坂をずっと下って、飛田新地に初めて足を踏み入れた時は本当にドキドキしたものである。 その飛田新地を抜けて堺筋の南の終点あたり、スーパー玉出の真ん前に「伊吹」はある。 創業は、昭和9年(と店内に書いてあった)外観はごく普通の喫茶店。 店内にも路面電車が走っていた頃の写真が飾られていた。 しかしながらこの店は知る人ぞ知る大阪コーヒーの発祥の地らしい。 千日前のアホほど濃い珈琲と蜂蜜をかけるホットケーキで有名な丸福珈琲店は この伊吹の創設者の長女が出した支店らしい。 なんかの雑誌にも出てたけど、この店は日本一道路から奥行きが極端に狭い店で有名らしい。 ちょうど隣の新聞読んでるおっさんと肩が触れ合う距離である。 ibukimise.JPG 小さなテーブルと丸い椅子が造り付けられた電車みたいな感じの店内は広い所で幅1メートル 奥に行くほど狭く(50センチくらい)太った人は奥に入り込むと出れなくなるのではと心配する。 私は掟破りだが店の前にいつも車をとめる。 駐禁のおっさんが来ても歩道でコーヒーを飲んでいるような距離なので座りながら大声で 「ちょっと待ってよ。すぐ動かすね。」と対応ができる。 一人でゆっくりコーヒーを飲みたいときにわざわざ車をコインパーキングに入れるのも邪魔くさいし ファミレスは物足りないししかも一人で入りにくい。そこでちょっと遠回りしてでもこの店に来てしまう。 (実は近くにコインパーキングもあります) 名物の飲み物にトーストが付くモーニングタイムには、この狭い店が満席になる。 御堂筋線に負けないラッシュを体験するのもよし。   いつものように早速コーヒーを注文。。自家焙煎のコーヒーは見た目も真っ黒な液体。 しかしながら見た目と違い苦味も少なくコクがある。 ibukikohi.JPG はっきり言って美味い。皿にはミルクと角砂糖が添えられている。 京都三条の名店イノダ珈琲は最初から砂糖もミルクも適当に入っていて、 お仕着せさが気になるがこの店は好みで調整できるのがうれしい。 私はこの店ではコーヒー(あえて珈琲と表記しない)一杯飲むのに15分はかかる。 それくらいコクがあり深い味すぎる。焙煎もこだわっていると言っていた。 そのコーヒーの最後の一口を残して冷ましてから頂くのが私流。。 独特のフレーバーが飲み終えてから30分は続く。。鼻の下に珈琲豆ぶら下げてる感じかな・・ お客さんもいろんな方が出入りしていて見ているだけでも面白い。。(見すぎに注意・・・) ひとりでいつもこの店でスポーツ新聞をスミからスミまで見て 目の覚めるコーヒーをゆっくりといただくと本当にリフレッシュできる。 話のタネにもなるんで一度行って見てちょ。コーヒー一杯370円・・ 大阪市西成区太子

コーヒーショップ伊吹喫茶店 / 今池駅今船駅萩ノ茶屋駅

大阪市 動物園前 カフェ

鳥よし鍋【大阪市 梅田/JR大阪】

私が子供のころからあったミナミの名店。 私が調理師をしていた頃このお店の料理長が前菜造りの名人で いっぱい著書を出しておられた。料理が上手なのはもちろんだが前菜はそのお店の 会席コースで一番最初に出てくるものなので料理の印象がそれで決まってしまう。 言い換えれば会席のコースの看板みたいなものなのでそこに精神を集中して 手間を精いっぱいかけて作らなければならない・・・というようなことをおっしゃっていたことを 思い出す。その当時でもかなりご高齢で私が見たこともないような技術を持っておられ なんとも細かな手仕事をされていたという記憶がある。 そんな古い時代にもこの鳥よし鍋があり多くの千切りにされた野菜と細かく切られた 豚肉と鶏肉を灰汁の出ないコクのある出汁で煮込みコショウをかけていただくという趣向。 旨い不味いを超越した年期を感じる料理でしかもヘルシーさも満点で財布にも優しい 非の打ちどころのない素晴らしい名品である。 toriyosinabe.JPG 仲居さんが丁寧に作ってくれるし最後のうどんもあっさりしているのでぺろっといってしまう。 安くてボリュームがあって美味しくて大阪の和食店の見本のような店。 ディスイズ大阪和食レストラン!見習いたいものである。

鳥よし茶屋 (鍋(その他) / 東梅田駅北新地駅大江橋駅

大阪市 梅田/JR大阪 和食

全聚徳

社員旅行でいざ北京に。 この景気の悪い時に豪勢だなと周りからよく言われるが、GW明けのお安いお得なツアーを利用しての正社員45名の研修旅行。個人的に北京ダック大好きで前から行きたかった北京ダックで超有名な全聚徳へ。銀座や上海でも展開し北京ダックでは世界で一番有名な老舗らしい。。そして驚くことにこの店は1864年創業で明治維新前夜に勝海舟が江戸城明け渡しをしている頃から中国ではアヒルを焼いていたということにびっくり。 各ある店舗の中で案内されたこの支店はコストパフォーマンスもさながら個室も美しく担当係のサービスも十分で申し分ないものでした。前菜は「YAN水鴨肝 (アヒルの肝臓の前菜) 」と言われるもの。全くフォアグラをいただいているような感じで塩加減もちょうどよくビールがどんどん進む。体に悪い食べもんやなーと言いながら完食。 foagurapekin.JPG 続いては鴨骨湯(ダックスープ)登場。 ダックを骨ごと鍋に入れ、半日ほど煮込んだスープで骨の成分 が完全に溶けだしているらしく体にかなり良さそう。白濁していて博多でいただいた水炊きのスープ状態。かなり体によさそう。味付けは塩だけでかなりさっぱりしている。 続いては麻辣鴨膀SI (アヒル肉のピリ辛和え物)は甘くて辛いしかもさっぱりしたタレでお肉を炒めている。。心配していたが日本人の口に合うよう調整されている感じがした。これは旨い! butaketyapu.JPG 火燎鴨心 (ダックの心臓をマオタイ酒につけて焼いたもの)も全く癖がなく、旨み満タン。。ねぎとの相性はやっぱりいいねと再認識。。 kamonaidou.JPG 豆腐を炒めた物も加減が柔らかくたぶん豆腐は下処理でゆがいているのだろうか舌触りも良く同伴者全員美味しいねえとの声。。 toufupekin.JPG 青梗菜の炒めもシャンタンの加減もよくシャキシャキのコクうまって感じで普通にうまかった。 tingenpekin.JPG あと炒めものやらなんやら数品出てきて結構お腹いっぱいだねと言っていたら調理人登場。いい色に焼きあげた北京ダックを携えておもむろに切り分け始める。 日本だと北京ダックといえば、うやうやしく、1枚だけ食べるというイメージがあるが、この店では山盛りの「ダッグ肉」を、鼻から出るくらいいくらでも包んで食べれる。 もうしばらくは北京ダックいらんでというくらいいただく。 pekindaku.JPG 焼き上げられた北京ダックは普通、100枚前後に切るらしい。北京ダックは、その切った形から、大きく分けて「杏葉型」と「柳葉型」と呼ばれる二つの切り方があり、現在では「杏葉型」が主流と言っていた。切り分けるのもルールがあって風味を損ねないよう1羽8分以内に~枚の肉を切り取るといった約束が確立しているらしい。こういう老舗は美味しく食べてもらうマニュアルが確立しているということに感心する。 pekin2.JPG 調理場も見せてもらったがたくさんのダックが焼きまくられていた。一つの釜で20匹焼くらしい。そんな釜が7つあるらしい。薪はナツメの木(紅棗)のみ使用している。煙が少なく、甘く焼けるのが特長らしい。 こだわりがきっちりあってこれが140年の歴史を支えていると納得。アヒルのオスは細身で長細く、メスは丸っこいと言っていた。この店は脂がのっているメスと、痩せ型のオスを選ぶことはできるらしい。脂肪分が好きな一にはメスがお勧めといっていた。この店だけでも従業員約300名 (コックは約110名)で仕入れるアヒル 約2000羽/1日 (全聚徳グループ全体では約1万羽)と言っていた。餃子の王将もびっくり。それを聞いて一言「おらあ、ぶったまげただあ・・・」と唸ってしまった。 dakku.JPG コックは、「ダックを切る」までが領分らしく、ウェートレスさんが、薄いクレープみたいな皮を1枚取り、、ねぎとミソを添えて、手際よく折りたたみ手渡ししてくれる。それを何回も繰り返す。皮だけだと結構脂っこいのだがこの店は肉も一緒にそぎ切って包むので結構お腹がいっぱいになってしまう。ウエートレスは1個ずつ「見本」をつくり、「わかったか?あとは、自分でやるねんで!」という空気を出しながら立ち去ろうとしたがリクエストして最後まで巻きまくってもらった。。中国人のサービスも悪くなかった・・・。 中国人はダックを食べる時に薄皮の閉じ口を下にしてかじり、余分な油をお皿に落としつつ食べるらしい。行儀の悪い食べ方と思ったがたくさん食べると油にやられて食べられなくなるのでこんな食べ方するらしい。 dakku3.JPG 帰国して私どもの総料理長が豚の角煮の盛り込みで万里の長城を模したものを作っていたのには驚いた。どうや、日本の調理師も負けてへんぞ! 北京「王府井全聚徳」

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