寿司

すし寛 1月

えべっさんに友人と行ってその帰りに毎年この日に訪問する表記の店で会食。通天閣周辺は最近出来た新規の大箱の串かつ屋が目白押し。しかしながら平日の夜は全く人通りなし。スマートボール場のおばさんに新年の挨拶をしてそこからジャンジャン横町を通って(どういうわけか八重勝の店が店舗拡張してたな・・・)飛田本通商店街の動物園前一番街に入る。ここまで来ると観光客はほぼいない。洋品店や中国人が接客をするガールズバーを横目で見ながらお店に入る。

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満席状態だったがなんとかセーフ。まずは熱燗で乾杯して突き出しに大好物のトコブシを所望。柚子が添えられて盛りつけもとても美しい。大振りでお正月にふさわしい佳品。商売柄どうしても原価計算をしてしまう。私どもの市場での買値で一つ200円くらいなので原価だけで3つで600円くらいするであろう。

売価はわかんないけど北新地なら3000円くらいだろうな。ショーケースの中にはキンキやのどぐろ、天然鯛などの高級魚がずらりと並ぶ。。いつもすべて制覇したい気持ちになる。

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大好物の鯛の子はボリュームも満点。甘く辛く炊かれてるんだけど野菜はとても薄い塩梅。。お酒が進みまくる。。このほかにもその日のアテやおすすめの食材が産地と共にホワイトボードに書かれている。何を頼んでも間違いはない。値段の表示はないが全く気にならない。職人さんは3人。先代の息子さんが奥さんと共にお店を仕切る。この女将さんとご主人の人柄のよさが寿司の味をよりいっそうおいしくさせる。

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水槽で元気に泳ぐカワハギを薄造りで頂く。肝も大きくて身と一緒に頂くと甘くて身体が震えるくらい美味しい。ポン酢と肝を醤油で溶いた肝醤油の2種類で頂く。交互に頂くと全く食べ飽きない。日本酒お替わり必至の逸品。大きなカワハギだったので食べ応えも満点。

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アラはサービスで豆腐やゴボウと一緒に炊いてくれる。こんな心遣いがとっても嬉しい。10分前まで目の前で泳いでいたので身はプリプリのシコシコ。。付け合わせのゴボウがとてもいい仕事をしよる。

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お店の方が「今日は毛ガニが大きいの入っているよ」との事でお願いする。活け毛ガニをお店でボイルすると言っていた。かなり大きくて700グラムくらいはありそう。ネットで産地から買えば6000円以上はする。味噌もいっぱい入って足の肉と一緒に混ぜて頂くと生きててよかったと言う気分になる。大きい蟹なのでこれだけでお腹いっぱいになる。

ここで麦焼酎のお湯割りを頂く。この日は2人で日本酒4合と焼酎3杯。。このお店に来るといつも飲み過ぎてしまう。。

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マナガツオの味噌漬けがあったので所望する。尾っぽのほうだったけどここが一番美味しい部分。かなり大きな魚体でタバコのサイズくらいの厚みがあった。浸かり具合いも最高で本当においしいお酒の肴である。味噌漬けになるために生まれてきた魚のようである。

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握りはアオリイカに歯舞のウニをのっけてもらう。贅沢なんだけど一度に食べれるんでいつもお願いする。もちろん特製なり。不味いわけはないな。。

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大きな甘エビもこの店のスペシャリティーなり。この辺りで満腹になりお勘定。飲みまくって食べまくって2人で12000円。世間相場の半額。北新地の1/4の価格なり。。同伴者が「毛ガニ食べたのつけ忘れてませんか?」と聞いたほど。

定休日は毎週月曜日、営業時間は3時半~深夜12時。。日曜日の昼酒にもぴったり。。土日は満席なので予約を取らないのでなかなか入れない。いつもながらのアットホームな接遇がとても心地よい。。個人的に大好きな大衆高級寿司店なり。

大阪市西成区太子1-15-2
06-6641-6654
15:30~24:00
月休


カテゴリー 動物園前, 寿司 |

すし豊 12月

友人と阿倍野神社近くの表記の寿司店を訪問。仕事納めの日だったので超満席。カウンター8席と小上がり2卓の店内なのですぐにいっぱいになる。見た目はどこの下町にもありそうな昭和の空気満載の普通なすし屋。でもワンランク上の寿司をご主人の東京弁を聞きながら比較的リーズナブルに食する事が出来るのとで3ヶ月に1回は気のおけない友人との普段使い会食をする。

01生ビールと共に子芋の炊いたのを所望する。煮こごりになっている部分はアワビの出汁で炊くためのゼラチンと言っておられた
直焼きして供される皮付きの筍は福岡産の高級筍の産地で有名な福岡県の合馬産。 京都の山城も有名だけど合馬の方が先に獲れる。甘皮も味噌をつけて食べるとビールにぴったり。水槽にモロコが泳いでいたのでそれも焼いていただく。養殖なんだけど魚の脂もそれなりにあってしっかり焼きまくると唐揚げみたいになってとっても美味しい。

 

寿司は最初は大阪湾のハリ烏賊。ネタの下に黒ゴマを敷き、イカに塩を塗りスダチを軽くしぼって食す。ハリ烏賊独特のぱりっとした歯ごたえが気持ちいい。炙った肉厚の太刀魚も脂がのっていてとても美味しい。マグロの漬けは私は食さなかったけど友人曰く「美味しすぎる」と言う普通の答え。

02

しっかりと〆られたコハダは旨味もかなり強い。小骨がどうしても気になるサイズなんだけどしょうがない。この時点で菊正宗を燗して頂く。カウンター隣に座るの不動産系の客が店主に「この店の寿司に一番合う酒は」と聞くとご主人は「旨くない酒が一番」「酒が旨けりゃ寿司がまずくなる」との答え。。確かに一理ある。。

飴色の身をした白身の魚は鯛だったと思う。。ねっとりした熟成感と脂感が何とも言えない美味しさ。カンパチの炙りはスダチと塩でいただく。香ばしさと旨さがより引き立っている。

柔らかでジューシーな煮蛤は濃い目の煮詰めがかかるんだけど見た目よりもあっさりしている。これはまさに江戸前の仕事。細魚もかなり新鮮。。ピカピカでコリコリしていてとっても美味しい。

鯖の漬けは加太産と言っていた。かなり大きくていい脂がのっていた。漬けにする事で余分な水分も抜けて旨味が引き立つ。

03

紅ズワイガニは大好物。。寿司にするなら紅ズワイの方が合うかもしれないな。「うちの店で一番柔らかいのがこれ」というフレーズでいつも出される煮鮑。しっかりとした切り付けが美味しい。

「続いてうちの店で一番固いのがこれ」言って出されるイクラ。口の中でいくらが逃げ回り噛むのに難儀するいわゆるピンポンイクラ。。実際に一粒お皿に落としてみるとスーパボールのように弾む。。。北海道ではこのようなイクラは失敗と言われるが川を上がる産卵前の完熟卵を漬けているので旨味はしっかりとある。好みの問題なり。

分厚い身の穴子もとってもおいしい。これは塩で食す。こちらのお店の名物の烏賊の印籠も江戸前の古い仕事。まん中は白子、両端はイカの玉子が入っていて酒がとってもよくあう。これも身、卵、白子の3段階の旨さ。サクッとした身の食感と卵のプチプチ感と白子の旨味が日本酒ととっても合う。

そのあとはかんぴょうを手巻きで巻いて頂いてお酒が残っていたんで自家製のからすみを少し切って頂く。年の瀬にいいものを食す。。代金は飲んで食べて1万円なり。普通に食べたらいつもこんな感じかな。。でも満足感はそれ以上。

大阪市阿倍野区王子町2-17-29
電話:06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日


カテゴリー 東天下茶屋, 寿司 |

ふく吉

今年の6月に開店した西天満の気鋭の寿司店。新地の名店「平野」出身の若きご主人の仕事の丁寧さとええ仕入れで何を食しても「美味しいなあ」とつい口に出るマイブームのお店。

お店の名前は「ふく吉」と書いて「ふくよし」と読む。食べログの掲載も実は私が一番のり。7席のみの白木のカウンターでお任せコースを頂く。

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生ビールと共に座付きを頂く。大黒しめじと炙った薄揚げと水菜のお浸し。特にどおって事ないものなんだけどかなり美味しい。

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お造りは巨大な包丁を使ってゆっくりとひかれる。絹のような舌触りの平目と肝を巻き込んだカワハギ。醤油とポン酢で頂く。。。お任せで日本酒をお願いすると「篠峯」の純米吟醸が出てきた。。美味しすぎるので困った。

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セコ蟹は3倍酢で頂く。外子はいつもは食べないんだけどこの日は身と一緒にムシャムシャと食べまくる。ご主人の綺麗で丁寧な仕事が光る。

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赤貝は対馬産と言っておられた。コリコリして赤貝特有のいい香りがする。日本酒がとってもよくすすむ。

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小口にカットされた鯛の酒盗和え。「この酒盗はあんまり塩辛くないね」と聞くと鯛の酒盗を使っているとの事。まさにお酒がどんどんすすみまくる逸品。

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こんがりと焼かれた琵琶湖産の本もろこ。というか琵琶湖産の自然分布しているものだけが本モロコと言われる。。琵琶湖の漁師は琵琶湖で捕れる魚で一番美味しいと行っているのをよく聞き及ぶ。

春先の卵を持ったものが珍重されるけど12月の本モロコも肴の旨味がしっかりしていてかなり美味しい。こんな小さな魚がどうしてこんな値段するのかと思うくらい高価なものである。

骨も硬くなく身も淡白すぎず嫌なクセもなく魚の旨味が最高に感じられる。聞けばさっきまで生きていたらしい。頭を下にして焼いているので頭の骨はモロコの脂で唐揚げ状態。

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福田氏のスペシャルティのタコの煮物は歯がなくても噛み切れる柔らかさ。イボや皮も剥がれず丁寧な炊き込みにいつも感心する。海老芋の煮物も秀逸。

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温物は北海道産の雲丹と白子の乗った茶碗蒸し。トロトロでフワフワで甘あま。。出汁の加減が完璧。

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この辺りで握って頂く。裏旬のさよりは鮮度がいいのでコリコリしている。熟成させる寿司屋もあるけど関西は活かったものが珍重される。この辺りで麦焼酎の水割りを所望。

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私は食べなかったけど中トロ。。

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今が旬の剣先イカ。細かく目が入れられていてとっても甘い。

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鯖は完璧な締め方。。というか私の好みになっている。というか魚自身の魚体が美味しいのであろう。瀬戸内海産と言っていた。

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釣りの鯵はビジュアルだけでも美味しそう。。ご主人の謙虚な客に対する対応も好印象。。奥さんも見ただけで人柄のよさが伝わってくる。

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レアに湯がかれたシラサエビはポリポリしてとっても甘い。。味噌も美味しくてこれだけ10貫くらい頂きたいと思った。

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煮物椀はブラウンマッシュルームと大根と菜種。。その下に金目鯛の切り身が隠されている。下処理の確かさのため魚の嫌な匂いは全くない。出汁の美しさも秀逸。寿司屋のレヴェルを超えたできばえ。出汁の表面に浮く魚のエキスは芸術的である。

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コハダは一枚付け。。しっかりしたコクと味の深さは焼酎にぴったり。夏のシンコもうまいけど個人的にはこっちの方が好み。

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いつも最後に出てくる穴子は塩と甘たれ。。皮の部分の脂が強烈。。目利きの素晴しさに敬服。ここまで旨味を引き出した穴子の握りはあまり見かけない。。

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最後はかんぴょう巻と卵で締め。。福田様いつもありがとうございます。命の洗濯が出来ます。。これで明日も頑張れるわ。。

大阪市北区西天満4丁目11番8号
06-6809-4696


カテゴリー 梅田/JR大阪, 西天満, 寿司 |