カテゴリー:寿司

まさる 1月【大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘】

表記の店を友人と訪問。この日はお寿司を思いっきり食べたくて此方の店を選択する。この日が正月明けの初の営業日とご主人は言っておられた。

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ビールで乾杯して、突き出しにナマコを所望。よくある突き刺さるような味わいの酢ではなく優しい出汁に漬け込んだもの。軽く火入れしているために舌触りもかなり上品。湯がきたての鱈白子もよく肥えていて新鮮でかなり上質。その前に軽く食事をしたので今回はさっそく握っていただく。いつも最初に出される軽く締めた今が裏旬の鱚は軽く上品な甘味と旨味が特徴。続いて肝と紅葉おろしを載せたカワハギ。マスタードを載せた脂乗りまくりで水分が程よく抜けて旨み凝縮の鯖の漬け。それぞれいつもいただくものであるが安定の美味しさ。柔らかく握られたシャリが空気を含みまくってでフワフワしているのも好み。喉に入ったあとが軽いのが特徴。2016-01-08 10.42.16

「カマス」は水分の多い魚なので軽く塩をして身を締めて皮目を炙って供される。皮と皮スジの間に脂がたくさんありその脂が火入れされて滲み出てとても香ばしい。皮目を炙ったキンキも皮付きで提供。肝の旨味が秀逸である。端正な姿のコハダはしっかり締め,塩気がたつ1枚づけ。辛口の土佐鶴の純米酒と相性ぴったり。ハリイカも身が爆ぜるほど新しく、かなり美味しい。

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この季節だけのスペシャリティーは酢飯にウニと毛蟹の身を混ぜ込んで作る蒸し寿司。出されるときにウニを更にてんこ盛り。。脳みそが溶けてしまいそうな錯覚に陥るくらい美味しい。しっかりと手間をかけて煮鮑は好物のエンペラの部分を切り付けてくれる。ゼラチンでムチムチプルプルしてとても口に合う。関東風の煮鮑とはテイストが異なりしっかりと鮑の風味も残って味蕾に独特の香りが記憶される。生や鉄板焼きの鮑とは全く異なる味わい。

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続いて此方の店のスペシャリティーのプリプリの車エビも味わいが爽やか。甘くて澄んだ風味が特徴で魔界の扉が開きそうな錯覚に陥る。毛蟹は味噌をのせて、新鮮なツブ貝は独特のくせにぶつけるようにいつも秘密のスパイスをかけて供される。崩れる寸前まで煮込まれた穴子も唯一無二の味わい。いろんな野菜が入った袱紗玉子焼きもとっても美味しい。コースはここまでで、さらに追加で貝を2種握っていただく。煮はまぐりはミディアムに低温で火入れしてしっかりと出汁漬け。他店の江戸前系と異なりレア感と磯の香りが秀でている。赤貝もかなり上質で香りもいい。

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最後はキャベツと茗荷の細巻きとヒモ胡瓜を所望して終了。鼻から出るほどお腹一杯。いつもながら言う事なしの大満足。何を食しても上質な味わい。次回は春の走りの魚をいただきに3月に訪問予定。

大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日

大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘 寿司

赤のれんすし【大阪市 梅田/JR大阪】

クリスマスシーズン真っ最中の雑踏の中で新梅田食道街にある表記の店を訪問する。
カウンタ−7席のみの小さなお店なんだけどチャーミングな女将さんが一人で切り盛りする。
チープでざわざわした食堂街のなかで50年近く続く老舗店。昔ご主人が握ってらっしゃった頃に立ち寄った記憶がある。息子さんが手伝っていた時期もあったかと思う。女将さんのおじいさんが始められたと以前に聞いた覚えがある。

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最初に生ビールをいただいてガラスケースにあった蛸をアテで所望する。こちらのお店で生を湯がいていると言っていた。足の先っぽの方をリクエストすると笑いながら「私も同じ部位が好きなのよ」との返答。店は奥行があまり無い面長の形で座っている人の後ろを通ることが出来ないためにガラス戸を見ながら空席のある場所からスライドさせて入るようになっている。

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白子のポン酢は鮮度が良くてかなり美味しい。今シーズンナンバーワンの味わいのもの。麦焼酎の水割りに切り替えて楽しくいただく。黒門市場での仕入れらしい。店が狭いために隣の客とすぐに打ち解ける。女将さんの包丁を持つ姿をアテにお酒がどんどんすすむ。

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剣先烏賊の耳があったので炙っていただく。新鮮なのでとても美味しい。上等ではないがとても上質なアテである。赤のれんという店名だが暖簾は白色だった・・・平日は15時からやっているので昼酒や夕刻から一杯飲むのにはいい店である。(日曜日は13時から)

この辺りで自称34歳の女性の一人客が入ってきて先ほどまで訪問されていたすっぽん料理店でもらった土産のすっぽんスープを私どもに振る舞われたので遠慮なくいただく。この辺りが大阪的で楽しい。。女将さんの話も面白くてかなりいい味がある。北新地の54歳ママらしき女性と長年連れ添う半袖イケメン彼氏51歳の痴話喧嘩も酒が美味しくなる。

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たいらぎ貝柱はかなり大きい。軽く炙っていただくが火が入り過ぎ・・・しかしこれも想定内なので気にならない。シャリはかなり柔らかく握られる。ほぐれまくって食べるのに一苦労だがお愛嬌である。

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ゲソは脚の太い部分と胴の部分を握り分け。こうした小さな気遣いが嬉しい。ガリも自分で新生姜を漬け込んだものを客前で切り分ける。甘味がなく口が過度にサッパリする。。

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赤貝も注文があってから殻を割る。半丁付けだがかなり大きい。赤貝独特の香りもよくかなり上質なものであることがわかる。

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さっと炙られて供される煮穴子もかなりクオリティーが高い。こればっかり10個くらい食べたいと思うレベルのものである。東京からの客や外国人も多く来店されるらしい。さくっと飲んで食べてひとり5000円くらいの会計でした。

大阪市北区角田町9-26 新梅田食道街1F
06-6313-4466
営業時間 平日14時~23時、土日13時~23時
定休日 月曜日

大阪市 梅田/JR大阪 寿司

ふく吉 12月【大阪市 梅田/JR大阪】 【大阪市 西天満】

週末に西天満の表記の寿司店を訪問。アメリカ領事館の裏の老松通りを北に入った場所に位置する。使い勝手の良さと突き抜け感のある美味しさに定期的に訪問する。新地の名店「平野」から独立された34歳のご主人の福田氏の目利きの効いた仕入れ食材のこだわり、丁寧なる仕事にカウンタ−8席だけの店は最近なかなか予約がとれない。いわゆる新進の高級店。しかしながらご主人の謙虚な人柄のおかげで敷居の高さを感じさせない・・・今年で開店3年目と言っておられた。

界隈には支払い時に割高感を感じてしまう乾山系のニューオータニ出身の「鮨 林田」や撮影禁止で堅苦しい空気の中でいただく「鮨ろく」、ミシュラン1星の全6席の創作系の超人気店「鮨 美菜月」などの高級寿司店の立ち並ぶ激戦区。しかしこちらの店が一番のお気に入りでいい寿司をゆっくり食べたいときに重宝する。

真っ白けの白木のカウンターは毎日磨き砂で磨いてヘチマでこすって最後に牛乳で仕上げると以前聞いたことがある。すべすべのカウンタ−に思わずほおずりしそうになる。この日はいつものように何もかもお任せコースを所望。

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ワインセラーから適当な金額のシャンパンを選んでアテはすべて泡で食す。ワインの取り揃えも素晴しい。ルイロデレール クリスタルがあるのはさすが・・・(5万円くらいと推察される・・)

・生湯葉と柿なますの上に 柿のソースがのったもの
・葱を鋳込んだカワハギと昆布のようなアミノ酸がしっかり感じられる明石産の鯛
・鳥取産希少種蟹(これがかなり美味しい)の入った茶碗蒸し
・活あまごの塩焼きに 零余子(山芋の蔓)と銀杏を添えたもの
・外子も美味しいセコ蟹(ズワイ蟹の雌)の酢の物

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・タラ白子を昆布醤油で焼いたもの
・豆腐の味噌漬け
・舞茸と菊菜 木の芽と大根おろしの餡掛け
・鰆と山芋のすりおろしを湯葉で巻いたものとブラウンマッシュルームと花カリフラワーの煮物椀。

特段変わった食材や調理法は用いない。白子の醤油焼きもどこにもある料理だけどどこよりも美味しい。ここでいつも注文する辛口のどっしりした濃醇タイプの石川県産の「宗玄」の純米吟醸を所望。甘味も感じるがそのあと軽い酸味が広がる。

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ここから寿司が始まる
・平目昆布締め
・あおり烏賊
・青柳(小柱)の漬け
・軽く締めた鯵
・巨大サイズのレアに湯がかれたあまあまのシラサエビ

宮崎の都城出身のご主人の接客もとてもいい。気配り目配りも抜群で常に先回りしたサービスには敬服する。

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身と皮の間の脂がめちゃめちゃ美味しい煮穴子は塩と甘たれで供される。平野のレシピと同じく熊笹に挟んで焼いて供される。多田、清水、金城の平野の御弟子さんの店ではほとんど同じスタイルで出るがこの店のものが一番美味しいと個人的に思う。

香り高い赤貝、新物のイクラ、〆のかんぴょう巻と玉子焼きでお腹いっぱい。この日も大満足でした。

大阪市北区西天満4丁目11番8号
06-6809-4696

大阪市 梅田/JR大阪大阪市 西天満 寿司