大国町にある木津市場の横の木津まち横丁の一角にあるイタリアンを訪問。私が敬愛する羽田シェフの料理は卸売市場で仕入れる上質の魚を中心にしてシェフならではの独創性と芸術性と論理的、科学的な異なる食材の組み合わせが突き抜けている。また和のテイストを料理に忍ばせながらシェフならではの世界観のある唯一無二の料理にいつも酔いしれてしまう。
このブログでもこちらのお店はよく紹介させていただいているが個人的にこちらの店以外のイタリアンは全く行く気がしない。
店名の由来は羽田シェフの修行先のミシュラン一つ星の北イタリア、リミニ州の同名本店から暖簾分けを許されたもの。シェフは現在は辻調理師専門学校の先生もされておられる。
ここ最近はカウンター6席だけを使いシェフが料理をしながら接客・サービスもしておられる。緻密に料理を作る手元が見えるのも嬉しい。
座付はワカサギのフリット。あしらえは菜の花にモロコのペーストとクルミとジェノベーゼソースをかけたもの。その下にはカボスの発酵ソースとカボスの皮のピュレが敷かれている。
続いては細かくカットした新鮮なアオリイカとフキとウイキョウ(フェンネル)のサラダ。添えられたイカゲソとイカ墨を合わせた固形物が香ばしくて美味しすぎる。
続いては旬のヒラスズキの上に根セロリのスライスと山ワサビを添えたもの。
フレッシュヨーグルトとデコポンが敷かれていてさっぱりした柑橘系のソースはヒラスズキの骨で取った出汁ととレモンを煮詰めたもの。。
青森産ののガス海老(トゲクロザコエビ)とアスパラのソテー。上にはアーモンドミルクの泡がかけられて底には海老の頭と卵黄のソースで作ったさっぱりしたソースが敷かれる。
ソース一つとっても手間暇がかけられていてシェフは朝の9時から17時頃まで休む間も無くずっと店で仕込みをしていますと言っていた。
フルーツトマトをオーブンでセミドライにしてマグロのスープを使って戻した物の上に
鱈の塩漬けに鱈の白子を合わせたムース状のものを乗せてイワシとオレガノのスープとともにいただく。口休め的なものだけど手間がかかりまくり。
丁寧にフライパンだけでミディアムに火入れされた鰆のローストと新玉ねぎをガルバンゾブイヤーベースをスパイシーに仕上げたスープと一緒にいただく。付け合せは赤玉ねぎ、アンチョビ、ケッパーを刻んだ物。
オプションで尾長鴨の胸肉のロースト。料理を始める前に食材のプレゼンテーション。1ヶ月熟成させたと言っておられた。
この料理はイタリアの修行先のスペシャリティとのこと。時間をかけて焼き上げた肉の塊を丁寧に解体するシェフの姿を見ながらワインをいただく。
レアに仕上げた胸肉部分と別にササミと内臓とモモ肉も添えられる。内臓の香ばしさが秀逸。あしらえは新じゃがのピュレと金柑のキャラメリゼと葉ニンニク。
最後はフグの身と下仁田ネギとレモンの入ったラビオリのスープ仕立て。スープはスッポンとトビウオで取ったもの。とても滋味深くて和食の椀物のよう。
ドルチェは白豆を氷のパウダー状にしたもの苺とラム酒のソース。香りづけに桜の葉の塩漬けが入る。かき回していただくとパウダーが溶けて全体が馴染むようになっている。
安納芋とハトムギが鋳込まれたチョコレートドルチェをエスプレッソでいただく。
この日はワインペアリングでお願いする。最初のシャンペンから料理にぴったりのオレンジワインや桃の香りのするワイン、シャルドネから鴨に合わせた赤まで幅広く楽しむことができた。最後はオリジナルのウオッカにコーヒーを混ぜた食後酒までサービスいただき大満足。こちらのお店だけは支払い価格が気にならないプライスレス。。この日も幸せな気分で帰ることができました。
過去のディアボロはこちらとこちら
大阪市浪速区敷津東2-2-1-317 なんば木津まち横丁「○(エン)」内
TEL:06-4395-5150
営業時間:18:00~23:00
定休日:水曜日