阿倍野区の高級住宅街にある11月中旬に開店した1日6名限定の串揚げのお店。ひっそりとした看板は店の存在を打ち消すくらいのかそけきもの。(ここではあえて看板名消しています)地下に続く階段を下りると北新地のサロンのような瀟洒な空間が現れる。
食事はすべてお任せでお腹いっぱいになったらストップのシステム。ここまでなら界隈によくある串揚げ屋と同じなんだけど串を揚げているオーナーシェフが超有名な調理師歴30年以上の和食の職人。若い頃は船場にある料亭で修行をし、その後そちらの料亭の支店を一切任され超繁盛店にされその後独立。割烹業態の店と和食店を自身で経営された後、御弟子さんにその既存店を任せてこちらの店を静かに出された。
ネットも含め広報はこのブログが初めてで、完全予約制だけど電話番号は一切公表していない。貸し切りであれば9名までは入店することが出来るけど店主はあまりそういったことを好まないようなことを言っていた。現在は本当の口コミで予約の取れない日が続く。
提供される串揚げは和食職人の目利きと手練がしっかり効いたもので他店との異なりはかなり明確。目の前にはソース、ポン酢、醤油、辛子の入った器とサラダが供される。
串の扉は身の中に味噌を鋳込んだ「伊勢海老」 から。いきなりのカウンタ−パンチにビックリ。「牛肉」は一口いただくと黒毛和牛と判るもの。使用する油は米油で食感も軽く後口もいい。
「銀杏」は熊本産の大粒のものを薄く切ったはんぺんで包んで供される。「牡蠣」は驚きの大粒。新鮮でふわふわの「太刀魚」は紫蘇とアスパラが鋳込まれる。ちゃんとつくられた「赤飯」は昆布が入る。
「うずらのササミ巻」も和食の出会い(食材同士の相性)を感じさせる。「椎茸」、「穴子の八幡巻」と続いて、初めていただく「生湯葉」はトロトロで秀逸。「蓮根海老ミンチ鋳込み」、今が旬の「ワカサギ」と続く。「子持ち鮎」は3枚に下ろして小骨を取って塩焼きにしたものを再度揚げるという手間のかかったもの。「鯨ベーコンの水菜巻」も初めて頂いた。目からうろこの美味しさにビックリ。
日本酒はこだわりのものが並ぶ。ほとんどのものが1杯500円。お酒だけいただきたいくらいの名品ばかり。特に新政の限定酒の美味しさにはビックリした。
中にカレーを鋳込んだ「春巻き」、「アスパラに豚肉巻」は安定の美味しさ。「蕪の鯛巻」は出汁につけていただく。これは和食の鯛蕪を再構築したもの。「じゃがいもベーコン」はソースをしっかりつけていただく。
ネットリした「里芋の豚肉巻」、「むかご」の素揚げと続く。隣にいたお金持ち風30代女性客は「こんな美味しい串カツ初めて〜」「日本橋の六◯燈とか法善寺のWa◯abiよりずっと美味しい〜」とひっきりなしに言っておられた。調理師としての年季が違うので当然のこと・・・と心で思う。
ワインはすべて国産品を揃える。甲州のものが多いがこの日は「北島秀樹」をすすめていただく。北海道余市町で栽培・収穫した葡萄で醸造した白ワイン。さっぱりとした酸味の辛口ワインで串揚げのみならず寿司や和食全般に合うと思った。どのボトルも仕入れ価格の2倍の超良心的価格設定。売価3000円から4500円までのワインが豊富に揃う。
この後は定番の「蟹爪」、生姜を忍ばせた「砂肝」、分厚い身の「鱚」、「大黒シメジ」 、活シラサエビ(写真撮り忘れ)と続く。日によって仕込む量は異なるが全部で20本から25本くらいと言っていた。
気になる会計は串揚げコースが5000円という破格の価格。何本食しても同じ価格と言っておられた。この店近いうちに予約2年待ちとかになる事は必至。
店名・住所は今は秘匿
1日6名のみの完全予約制
*興味のある方は直接私(ペロペロ店主)まで連絡ください。
shatyo@nori-net.jp