まさる7月

本年初のシンコが入荷したという知らせを頂き、神戸で予約半年待ちの大繁盛鮮魚居酒屋を経営する友人と表記の店を訪問。

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この日も医者らしき客で満席。予約が鶏にくのが玉にきず。まずはビールで乾杯して お造りの盛り合わせ。赤貝、九州の鯵、コリコリのコチ、剣先イカとエゾバフンウニ、軽く炙った明石の穴子に太刀魚。すべて一切れずつ。どれもがいい仕事をしていてこれだけで満足する。

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店内で一夜干しされている大羽鰯を見つけたので焼いていただく。かなり大きなサイズで食べ応えたっぷり。梅雨の時期が鰯の旬で『入梅鰯』とよく言う。醤油と味醂で照り焼きにしていただく。皮の部分の脂と醤油の焦げが相まって驚くくらいの滋味深さを感じる。早速端麗辛口の日本酒をいただきながらのマリアージュを楽しむ。

【夏料理青身の魚いとほしき】

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握りは最初はお決まりの木の芽を中に鋳込んだ「鱚」。この時期はまさに旬真っ盛り。脂は少ないけど軽く締めると上品な甘味と旨味がとても強く感じるネタである。多分旨味成分のグルタミン酸やリジンなどのアミノ酸が多く、包丁をしたり咀嚼するなかでそれらの成分がタンパク質から遊離して旨味成分に変わるのであろうと推察される。

【一片の木の芽がキスの味とせり】

「アマテカレイ」は正式名称はマコカレイ。大分では城下カレイ。今が旬でネットリとした食感と脂が特徴。コリコリしながらも甘くて寿司ネタでは白身魚の王者と個人的には思う。

「鯖」は漬けにしてマスタードを添えて出される。オリジナリティー溢れる握りである。夏の鯖は脂がなくて今イチなものが多いがこれはかなり上質。

「カマス」は水分の多い魚なので軽く塩をして身を締めて皮目を炙って供される。皮と皮スジの間に脂がたくさんありその脂が火入れされてとても香ばしい。

「ノドグロ」は言うまでもなく高級魚。大きな魚体の鮮度のいいものは限られている。これも皮を炙って葱と紅葉おろしをのせて供される。美味し過ぎて卒倒しそうになる。

生の鳥貝は味が深くてとても美味しい。鳥貝の旬は太平洋側では春先で日本海側では夏とどういうわけかずれている。この日は舞鶴産と言っていた。足の黒いところを残して洗うのが面倒。美味しいのは当然。

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大好物の車エビ登場。これを食べ続けてはや15年。。ビジュアルも美しいが 茹で加減や海老味噌の鋳込み具合などどこでもありそうなものだけど私にとって唯一のベストオブザ海老の握りである。

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この日のメインイベントの「シンコ」登場。この日は5枚漬け。出世魚「コノシロ」の幼魚。10センチの大きさになれば「コハダ」と呼ばれる。

夏場の限られた時期のみが旬。今の走りの時期はビックリする仕入れ値となる。ご主人が「中元みたいなもんですわ〜」と言っておられた。

頭をとって捌くと数センチほどしかないのでさばくのはとても面倒。この日も仕入れ値はキロ5万円と言っておられた。大体1キロが120匹位なので50000÷120×5でネタだけで原価2000円なり・・・男気だな・・・

そのあとコハダの1枚漬けを握っていただき食べ比べ。。マグロや雲丹の食べ比べはよくあるがコノシロの食べ比べは珍しい。

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鮑のエンペラの部分。私がこの部分が好物なのを知ってくれている。関東の煮鮑とは全く異なる。ゼラチンでプルプルして究極の煮鮑と確信。

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「煮ハマグリ」は火入れの素晴しさとネタの良さで限りなく柔らかで味も深い。「毛蟹」は味噌をのせて供される。皮を炙った「鰻」は海苔を巻かれて供される。言葉が出なくなるくらい美味しい。。山芋やいろんな野菜の入った「袱紗玉子」は箸休めにぴったり。皮目を炙ったキンキは肝と芽葱と紅葉おろしで供される。キンキは皮目を炙って芽葱と肝をのせていただく。焼き目の香ばしさと皮部分の脂の甘味と身の旨味が渾然一体となった最高の一貫である。剣先烏賊の耳」はコリコリで味も深い。

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味が乗ってきた淡路島の雲丹は上品な甘味。これだけ20個くらい頂きたいくらいである。

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貝好きなのを知ってくれているので「ツブ貝」を軍艦で所望。どの寿司も美味し過ぎで日本酒が進み過ぎてしまう。〆は穴子の巻ものを所望。この店で寿司を頂くといつも幸福感に包まれる。シンコは今週いっぱいくらいかな。。。

大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 四天王寺前夕陽ヶ丘, 寿司 |

マジックスパイス なにわ店

なにわ筋沿いの浪速区民センターの向かい側にある知る人ぞ知るスープカレーの名店を一人で訪問。マジックスパイス略して「MS」と呼ばれる。最近疲れているのかランチに辛いカレーを食べる回数が増えた気がする

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こちらは私の友人が北海道で出資してつくったお店で今は札幌、東京、名古屋など大都市圏で展開中。外装は真っ赤でかなりインパクとあり。店内は倉庫風でかなり広く、赤に近いピンク色の壁。いわゆる極彩色。あちらこちらにインド系のオブジェや販売用の雑貨がいっぱい。店の真ん中にはガナーシャが鎮座する。80年代のディスコを彷彿させるえげつなさ・・・これを見るだけでも価値あり。

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テーブルついてメニューを見るとお店の中と同じくごちゃごちゃしててよくわからない。悪筆手書きメニューのコピー印刷。

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注文方法は最初に「カレーの種類を選ぶ」→「辛さを選ぶ」→「トッピングを選ぶ」という順番・・・

ベースの具材は「チキン」「ビーフ」「ポーク」「シーフード」の四つ。
辛さは【魔法薬草辛世界】なるメニューからチョイス。

★虚空 最強辛宇宙超感覚覚醒     +250円
★天空 天に舞う如き意識を誘う    +210円
★極楽 涅槃を超えたら即直行     +200円
★涅槃 摩訶不思議世界への入口    +190円
★悶絶 涅槃に到着する前の軽い修行  +130円
★瞑想 第六感を目覚めさせる     +90円
★覚醒 魔法薬草辛世界登竜門     +60円

後はトッピングに季節の限定メニューがいろいろある。この日は王道のなにわランチの「チキン」を所望。辛さは7段階の真ん中である~涅槃~とする。この日はトッピングはなし。

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出てきたカレーはかなりシャバシャバで透明。はっきり言えば美味しくなさそう。しかし一口頂くとビックリするくらいのコクがある。野菜の甘み、肉の旨み、芳醇で爽快な辛さが満載。固めに炊かれたターメリックライスもいい。丼の中には骨付きの鶏もも一本が潜んでいる。フォークで触るとほろほろでとてもジューシーなのにビックリ。キャベツ、白菜、大根、人参、玉ねぎ、かぼちゃ、茄子、ヤングコーン、蓮根、等野菜もいろんなものが入ってとてもヘルシー。

普通のカレーの辛さと別物でまさにスープ感覚。どんどん食べ進む。これは病み付きになりそう・・・

テーブルを見ると1日5食限定 銀河系最強最辛極旨華麗というものを発見。その名も「チキン アクエリアス」
注文時には「無茶苦茶辛いですけど大丈夫ですか」と口頭で念を押されて、さらに料理がサーブされる際に店員さんが銅鑼を鳴らしてテーブルまで運び、他のスタッフが食べてる最中に声援を送ってくれたりするサービスが有ると聞く。

注意事項として
・決して興味本位、軽率な気持ちで挑戦しないこと
・体調を十分に整え、心と体に問いかけて・・・・
・出発した後で「無理かな」と感じたら見栄を張らずに素直に途中下車・・・・
・「水」の摂取は天空、虚空の際と同じく災いの元となるので・・・・
・食後はできるだけ安静に
・万が一の場合、ご家族や救急車を呼ぶなど万全を尽くしますが・・・・

この店おもろ過ぎだな・・・・

大阪市浪速区稲荷1-10-20
06-4392-8877
11:30〜15:00 17:30〜23:00

マジックスパイス なにわ店スープカレー / JR難波駅桜川駅汐見橋駅

昼総合点★★★☆☆ 3.0


カテゴリー 桜川/西長堀, カレーライス |

松寿司

友人と北畠にある表記の寿司店を訪問。阿倍野筋から王子商店街入り口近くの路地を入ったところ。お昼のランチもあって界隈ではコスパのいい高級店で有名。

寿司は昔から大好きでTPOSで訪問する寿司店を使い分ける。価格帯で言えば一人3万円オーバーの「さえ喜」「多田」「久兵衛」は年に数回くらいメモリアルや新地で覚悟を決めて飲むときに利用。2万円オーバーは「原正」「きずな」「伊吹」「寿し芳」いわゆる界隈の有名店。1万円オーバーは「ふく吉」「まさる」が個人的に美味しいと思うし訪問頻度も結構多い。そして普段使いする近所の「すし寛」「すし豊」は1万円でお釣りがあるイメージ。

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こちらのお店はリーズナブルなコースもいくつかあるけどこの日はアラカルトで好きなものを好きなだけ頂く感じ。ビールで乾杯をして突き出しは鱧の卵を葛だしで炊いたもの。しっかりした味付けでビールにぴったり。

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お造りは天然鯛のお腹の部分と2キロオーバーのコチ、熟成した平目。それぞれを一切れづつ。どれも味がしっかり乗って美味しい。特に平目はこの時期あまりよくないのが普通だがこちらのは秀逸。仕入れのこだわりであろう。

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軽く〆た鰯を海苔で巻いたもの。かなり美味しい。若いご主人は上宮高校の野球部出身と言っていた。接客のお母さんの人柄もとってもいい。

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姫鮑を肝と昆布醤油で和えたもの。濃い鮑の味を更に醤油が引き立てる。仕入れのこだわりが半端ないことがよくわかる。日本酒が進みまくる肴である。

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北海道のムラサキ雲丹。これからが旬だけどかなり上質。。甘過ぎてびっくり。

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ワタリガニのよいのが入荷しているということで頂く。甘々の卵は宝石のよう。足の付け根の肉も味が深くてとても美味しい。

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握りは剣先イカと雲丹。赤酢を使ったシャリもかなり美味しい。

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北寄貝は軽く炙って食す。香ばしくてかなり美味しい。

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巨大なシラサエビは味噌もたっぷりで泣けるほど美味しい。

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北陸産の白海老は甘くて繊細な食感。この日一番のお気に入り。

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友人も大喜び・・・・

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僕が貝が大好きと言うことで北海道の仙鳳趾(せんぽうし)の牡蠣の炊いたものを出していただいた。この牡蠣はよく食べるけど生で頂くと身の締まったプリプリなのが特徴。と加熱しても強い甘味と濃厚でコクのある味わいがすばらしい。水温が低いので年間通じて獲れると聞いたことがある。

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大きな煮はまぐりは火入れの加減も完璧。桑名さんと言っておられた。

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蒸した鮑も秀逸。500g以上ある大きなものを使用しているのでしっかりと味が載っておいしい。日本酒もたくさん取り揃えているのであれこれ頂きながら食す。

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最後はふわふわの穴子でフィニッシュ。。会計は一人15000円でした。

大阪市阿倍野区王子町3-13-7
06-6622-5723
11:30~13:30 17:00~22:00
定休日 月曜日


カテゴリー 北畠, 寿司 |