梅田で寿司を食するときに気の張らない友人と来るのは表記の店。阪急電鉄京都線阪急梅田駅茶屋町口より徒歩1分。DDハウスやがんこ寿司のすぐ近く。暖簾をくぐると大きな三角形のカウンターとそのまわりに丸椅子が10席ほど。座ると入り口の引き戸が背もたれになるほどの狭さ。ご夫婦お二人で切り盛り。店も狭けりゃカウンターも狭い。お父さんとお母さんがコノ字のカウンターに入ると押し競饅頭状態となる。
この店平日は6時、土曜日は5時からの開店なんだけどだいたい開店時には満席。入れ替わり立ち替わりで客が入って来るのでご主人はカウンターの中からしばらくは出れない電話予約は難しいので運が悪けりゃ入れない。でも少し待てば結構入れる。この日は6時半に友人と訪問する。この店に通ってもう20年くらいになるが昔から夫婦仲がよくお二人に会いに来られる客もとっても多い。
寿司は2つずつ出てくるので、二人で行って分けっこするといろんなネタを楽しめる。ビールで乾杯。アルコールはよく冷えたキリンラガーと黒松白鹿の常温。そして白鹿の冷酒のみ
なにせ狭いので太った方は少し厳しいかもしれない。荷物は押し入れのようなところに突っ込む。まさにワンボックスカーの中で寿司を食べている感じでこれはこれで結構楽しい。お造りは天然鯛と蛸を所望。大きく切られた切り身は口に入れるとかなり食べた感がある。鯛はしっかり熟成してあって味が深く皮の部分の脂もいい感じ。
季節の鱧もすごい脂がのっていてとても美味しい。すべてのネタに丁寧な仕事がしてある。ええ寿司である。シャリは柔らかめ。白身魚はすだちを搾ってよい加減に塩を振って供される。個人的なこの店のおすすめは昆布締めと貝類。
この店の一番人気のあわびちゃん。この店ではネタはすべてちゃんづけで呼ばれる。生の肝とヒモを貝殻に入れてくれて供してくれる。これは大好物で元気の源。この日お母さんはカウンターの橋に座って客の注文をメモしながらお父さんに次は〇〇握ってね!とどんどん司令を出す。
ご主人は77才なのでそろそろ引退やとよく言っている。この店海外のガイドブックでも有名で外人もちょくちょく訪れる。そんなときは客が全員で相手するのでそれを見るのが面白い(笑)
アワビの握りはこんな感じ。雌貝なので固すぎず味も深く磯の香が咥内にしっかりと膨らむ。仕入れ値で一つ1500円くらい原価50%でも3000円か・・・と考えてしまう私は職業病なり。
ちなみにこの店にはトイレがなく西隣のコンタクトアイシティのあるビルかDDハウスを借りる。
阪神百貨店の初競りの6万円の松茸の話やタイガースの話など食べる間もないくらいいつも会話が弾む。
マグロもおいしいと友人は宣っていた。客がそれぞれにいろんな者を注文するとお父さんが覚えられなくなるので隣の客の注文したものにかぶせて「私もそれ!」と言いながら注文するのが親切。
大好物のタイラギ貝は縦切りのぶつ切り。。。こればかり10個くらい食したいと思う。最初にビールを頂いて黒松白鹿の常温を頂いて冷酒に移る。。。寿司も旨いしお酒も旨い店の中もとてもいい空気が流れる。。。
名物のアナゴは注文を聞いてから親父さんがいつも「あっつ?!」といいながら焼いて握ってくれる。脂ののりも素晴らしくてふっくらしていて香ばしい。。これを手巻にして食すのもかなり美味しい。。
雲丹も上質。。でもミョウバンの味が舌に残ったのは残念。。
かなり大きな赤貝。。身の部分とヒモの部分でワンセット。赤貝の香りもよくて味わいも深くてとてもいい。
〆のすり身が入ったタマゴ。ふんわりしてて上品な甘さのするお味。普段はひとり5000円くらいだけどこの日のお勘定は1億3000万円とのこと。持ち合わせがないので来月スイス銀行から振り込む事にする(笑)。
ちなみにこの店では領収書は「ラブレター」と呼ばれる。理由は不明・・もうすぐ金婚式を迎える夫婦寿司。。
とてもいい店だよ。。
大阪市北区芝田1-3-12
06-6372-5747 日曜休み
小好鮨 (寿司 / 梅田駅(阪急)、梅田駅(大阪市営)、大阪駅)