佐賀にて唐津焼をすこし見学してから武雄温泉で昼食。当地でもっとも格式の高い料理旅館と言われる表記の店を訪問する。元湯のすぐ近くに位置する。打ち水がされた涼感たっぷりの玄関を通って瀟洒な部屋に案内いただく。
建物は歴史ある和風建築で古い木材があちらこちらに使われる。いわゆる数寄屋造り。上品で趣があって見所満載。玄関の横にはワインセラー。好みのシャンパンなどがあったがここは我慢する。
待ち合い応接室もクラッシックはクラッシックが流れる。趣味性と美意識の高さが伺える。
8畳二間続きの食事室は照明を落とし気味でゆったりした空間を醸し出す。格子戸をあけると綺麗に整えられた箱庭が見える。この日の昼食は24000円税サ別の特別なものをご用意いただいた。
梅酒は多分自家製であろう。。かなり美味しかった。。。食前酒が美味しかったら期待が膨らむ。
先付けは茄子の冷やし揚げ出しに呉豆腐と山芋をかけたものに生の鮑と生雲丹。。高級食材の取り合わせ。。生姜のアクセントもとってもいい。
前菜は赤クラゲと胡瓜の胡麻酢和え、合鴨ロース煮、鯵の卯の花まぶし、烏賊雲丹焼きと鯛の源平焼、出し巻き卵、かなり大きなバイ貝、川蟹の唐揚げ、三度豆の味噌和え。。特にどおってないけど食べやすくてビールがすすむ。
椀ものはこの時期のお約束の鱧。。葛打ちではなくそのまんまの状態。独活と秋田産の蓴菜。青柚子の香りが夏らしい。店主は今はなき船場吉兆で修行をされ大阪出身の板前さんと2人で調理場を切り盛りしていると言ってられた。
お造りは豊後水道と玄界灘で獲れたものと言っておられた。天然鯛、天然車エビ、剣先烏賊、生シラス、ヒラマサ、赤貝。
炊きあわせは冷やし鉢。旬の野菜に柔らかく炊かれた蛸が入る。見た目は凡庸なんだけどいい味がついている。特に蛸は軽く干されているのか味がとても濃い感じがした。地元産の日本酒と一緒に楽しむ。
佐賀牛の炭火焼。2日連続で同じようなものを食したがこちらの方が融点が低く脂が甘くて軽い感じがした。肉料理は素材がすべてであるがかなり上質なものを頂いた。
このあとは天ぷらが続く。調理場で一品づつ揚げられて仲居さんが急いで持ってくる。抹茶塩とレモンをかけて頂く。まずは脂のよくのった鱚。まさに旬真っ盛りでかなり美味しい。
続いてとうもろこし。元から新鮮でかなり上質のものを使っておられると推測されるのでめちゃめちゃ美味しい。よく似たものをあちこちで食すが久しぶりに美味しいと思った。
アスパラガスもかなり甘い。火を入れすぎるとべちゃべちゃになるんで加減が実は難しい。これも素材の勝利でかなり美味しい。
紋甲烏賊はかなりの薄衣。これはセオリーとは逆にしっかり揚げられている。これはこれでとっても美味しい。
穴子も素材、揚げ加減ともにベスト。一番美味しいサイズの上質のネタである事は間違いない。
食事は鯛のお茶漬け。タレに漬けられたものに出汁の入ったお茶がかかる。赤出汁も一緒についているのは不思議だけどそう言う地方の特性であろうか。
デセールは大きくカットされたマスクメロン。。お酒と税金、サービス料を入れて一人35000円なり。いろいろな意味で勉強になりました。
佐賀県武雄市武雄町大字武雄7399
0954-22-3188