週末に小倉に北九州マラソン参戦。レース後の昼食に前から調べてあった全国の焼うどん発祥の店である『だるま堂』さんを訪問。小倉の駅につながる魚町銀天町アーケードとつながる20軒ほどの店が連なる『鳥町食道街(からすまちしょくどうがい)』という路地にある。『食堂街』ではなく『食道街』なのがポイント。
引き戸を開けて入店すると先客3名。店内は小さな鉄板がある厨房に面したL字のカウンター6席のみ。かなり狭いお店。
店内には有名人の色紙とかが貼っているがぼろぼろで何が書いているかわかんない。達磨大使の絵とかよくわからん置物とかがあって昭和の色満載の年季の入った店内。昭和20年創業なのでまさしく戦後のお店。お客さんは皆静かに黙々と食べる。
女性店主の年齢80才くらいか。腰が曲がりきっているので正面向いても顔は下を向いている。水を出したり勘定したりは小さなトレーがあってそれを使って客とものの受け渡しをする。
メニューはシンプル
- 焼きうどん 460円
- 天まど 510円
- ごはん 100円
- ビール 450円
- お酒 330円
「天まど」は基本の焼きうどんの下にお好みのメリケン粉を薄くひいて最後に真ん中に玉子を落としたものらしい。語源は天窓から月を見た景色らしい。とっても情緒的。私は焼きうどん460円を所望する。
ずっと下を向きながら鉄板の上にまんべんなく麺を広げて一心不乱に焼く。具材はキャベツ、玉ねぎ。肉は見えない。厨房の中にラードの塊が鎮座。多分これが隠し味であろう。麺は乾麺の平麺を湯がいて使う。量はかなり少ない。子供のおやつみたいな感じ。
乾麺のせいかそれなりに弾力のある麺に、魚粉と安っぽい酸味のあるソースが絡みつく。麺に絡み付く真っ黒の焦げが侘びとなってこの焼うどんの価値を昇華させている。
味がどうのこうのと言う問題ではなくビールと共にこの店で焼うどんを食す空気が文化遺産のようなものである。客はお釣りのないように小銭で支払いをする。もちろんトレーに入れて受け渡し。ごちそうさまでした。
福岡県北九州市小倉北区魚町1-4-17 鳥町食道街
営業時間:12:00~18:00