2022年09月

すし豊 9月

8月に自宅を引っ越したので引っ越し先から徒歩圏内にある表記の店を早めの時間に一人で訪問。あべの筋の松虫交差点を南に200m東に入った場所、阪堺線の東天下茶屋駅徒歩3分の場所に位置する。通い出してから30年近くになるお店でこの日も他に客がいなかったのでカウンターのご主人、ご子息と色々な話や昔の写真を見せてもらいながら食事をする。

お店は店外内ともに昭和感満載でカウンター8席と小上がり2卓のみ。大阪では江戸前寿司のパイオニアと言われている。東京新富寿司出身のご主人の東京言葉での寿司の解説もこの店のご馳走。会計はいつも下町価格なのも嬉しい。

突き出しは小芋の煮物。鮑を炊いた出汁で炊き上げているので煮こごり状態となって提供される。

大きな水槽に鮎が泳いでいたのでオススメの刺身を所望。鮎は有田川産。綺麗に3枚おろししたものをガラスの器で供される。あしらえは若芽と茗荷と蓼の葉。刺身の後はメインの自家製うるか味噌。最初に味噌の甘みを感じながら後から鮎の内臓独特の苦みを感じることができる。それを甘口の樽酒(2合半の容量)をぬる燗にしたものといただくと至福のマリュアージュを感じることができる。最後は頭と中骨、腹骨を使った鮎煎餅で一匹を綺麗にいただきました。

続いてはカリッと焼き上げた鰻の肝と山芋を合わせたもの。器の底に鰻タレが敷かれていてかき混ぜていただくと全体が茶色に変わったところを一気にズルズルといただく。

見るからに元気が出そうな夏バテ防止の逸品。

他のお客はいなかったので特別に水槽で泳ぐ大きめの鮎を選んでもらって塩焼きにしてもらう。綺麗に焼き上げているので「最初は頭を半分かじって身の中に空気を入れてね」いうご主人のいう通りにして食す。天然鮎ならではの脂っ気は少ないけど旨味の強い味わい。

 

ここから少し握っていただく。最初は大阪湾のハリイカの新子。握り一貫分が一匹というこの時期ならではのサイズでパリッとした食感と淡白だけど強い旨味に感動。大きな平目の縁側ももみじおろしを乗せたポン酢で供される。

2枚づけの小肌と煮蛤、締めたカンパチをカブラで巻いた寿司は上に乗せた鷹の爪も相待って味の3段ロケットと解説される。炙ったヒラマサもポン酢で供される。大阪湾の足赤エビと鯛の昆布締めでフィニッシュ。いつも美味しく楽しくいただける阿倍野の人間国宝のお店です。

過去のすし豊はこちら

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日

 

 


カテゴリー 東天下茶屋, 寿司 |

新中国料理 HARAKAWA 北新地店

北新地にある歯科医で定期健診・治療を受けた後に美人歯科衛生士さんからビルの1階にある表記の店をおすすめいただきランチタイムに訪問。堺の泉北に本店があるお店で私も12年前の開店当初に伺った記憶がある。その当時からずっと本店で勤めておられたサービス担当の女性が私のことを覚えていただいていて感激する。

こちらの北新地店は約3年ほど前から開業とのこと。店内はフルオープンのかなり大きな厨房スペースがありそれに沿うように10席のL字カウンターと奥にテーブル席が2卓となっている。スタッフさん曰く、ライブ感のあるカウンター席が人気でおすすめとのこと。

ランチタイムのメニューは3種類で
・前菜とスープと酢豚の定食・・1200円(以下全て税込)
・前菜と飲茶と坦々麺の定食・・1200円
・前菜とフカヒレスープと飲茶と海鮮と酢豚と食事とデザート・・3000円

歯科衛生士さんお勧めの税込3000円のコースを所望する。11時半の開店と同時に入店したけど一気に満席となったのにびっくり。

キッチンは20代前半と思われる若いスタッフさんが3名と40代くらいの男性と原口シェフの5名体制。それぞれが仕込みをしながらオーダーに合わせて持ち場の仕事をテキパキされる姿が見ていて気持ちがいい。

炒め物は全て原口オーナーがされていて若いスタッフさんが丁寧に1人前ずつ小分けした食材をあっという間に完成品へと昇華させる。

最初に出てくる前菜盛り(写真撮り忘れ)は新鮮な剣先イカのゲソの紹興酒漬け、完璧な火入れを施したローストビーフはネギのソースがかかる。鶏のハラミ部分とインゲン豆の辛味ソース和え、ピータンと新生姜の甘酢漬けなどポーションは少ないけどどれも手をかけたものばかり。

続いては薄衣で揚げたカリカリ仕上げの大根餅はピリ辛ソースをつけていただくと味の輪郭がはっきりと分かる。

気仙沼産のフカヒレの入ったスープ。火傷するくらい熱い状態で提供される。一口いただいてフカヒレはともかくスープの美味しさに卒倒しそうになった。鶏がベースになっているのは分かるけど塩味は薄いのにコクと味の深みが中華料理の範疇を超えたものと感じた。化学調味料の旨味とは一線を画した味わい。

サービスの女性に尋ねると昆布や貝柱などの和の食材を含めた海鮮系を合わせて丁寧に出汁を取っているとのこと。このスープをいただいただけでこの店に来た価値があると思った。

海鮮料理は生の玉蜀黍と海老のXO醬炒め。自家製のXO醬もかなり濃厚で干しエビと干し貝柱、中華ハム(と思う・・)の旨味が咥内で爆発する。

海老は冷凍のものを使用と思うけど下処理が良くてプリプリで活エビのような美味しさ。これを白いご飯にかけて食べたいと思った。

こちらのお店の名物の酢豚はとても艶かしいビジュアルで登場。ゴーヤ、玉ねぎ、パプリカ等の野菜もたくさん入って体に良さそう。カリッと揚がった沖縄産の島豚はとても柔らかくて上品な酸味と甘さがバランスよく組み合わさったツヤツヤのソースに絡んでかなり完成度が高いと感じた。

食事はシェフが1人前ずつ丁寧にフライパンを振って作るチャーハン。パラパラになりすぎず適度な水分を残して提供される。

食後は温かいジャスミンティーがポットで供される。どの料理も手早く提供されるのでコース仕立てでも待ち時間がなく一気に食事ができるのはとても嬉しい。

デザートは柔らかい杏仁豆腐のにパインのソースをかけたもの。冷たくてフレッシュな酸味が心地いい。内容を考えると3000円の価格は決して高くなく界隈では唯一無二の美味しさと個人的に思った。紹介いただいた歯科衛生士産に感謝。

夜は数種類のコースメニューと様々な旬の食材を使ったアラカルト料理があると言っておられました。次回は夜に訪問する予定です。

大阪市北区曾根崎新地1-3-23 FOODEARビル 1F
050-3503-0304


カテゴリー 梅田/JR大阪, 中華料理 |