2017年01月

GOLD【大阪市 本町】

本町の得意先に新年の挨拶に行った帰りに表記の店を訪問する。界隈では知る人ぞ知る大阪のビジネス街のど真ん中にあるカウンタ−9席のみのシチューのお店。

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1968年創業なので今年で49年目となる。昔はロシア料理のできるご主人がいたんだけど、最近は腰が低くて上品なオーナーマダムがひとりで切り盛り。現在は週に3回くらいの営業らしい。営業していてもいつも満席の行列で、その行列がなくなったときは売り切れなので入店にはタイムマネジメントが必要。

この日は車で店の前を11時前に通って営業準備をしていたのでコインパーキングに車を停めて11時10分に訪問。運がよければそのまま入店可能でニコニコ笑いながら「久しぶりー」と当年70才のマダムと挨拶をする。この場所でずっと商売をしているのでビジネスマンの昼間の時間の忙しさをマダムは誰よりも理解されている。開店時間11:30前に入店出来る事が多い。店内は木調のレトロなBARのような造り。

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メニューは2種類のみ
赤:ボルシチ+バターライス
白:クリームシチュー+バターライス
常連客は「赤」「白」と注文。値段はどちらも税込1000円。

この日もいつものようにボルシチのセットを注文する。

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ビーツではなくトマトベースのボルシチはサラサラした食感。酸味と旨味と辛みのバランスも良くてキャベツや大きなじゃがいもがたくさん入っていて身体に良さそう。大きな牛バラ肉も入っていてボリューム満点。

ローリエの葉っぱも発見。生クリーム(サワークリーム)部分を混ぜていただくとマイルドな味わいになる。刻んだパセリの苦味と風味がいいアクセントとなる。作る人の人柄が表れるような温かいボルシチにいつも感激する。席が狭いので楕円形の皿を縦に置いていただくのがルール。食べ終わる頃には身体がぽかぽかする。

以前ロシアに行ったときにボルシチはシベリヤやアジアの食べ物でモスクワではあまり食さないと聞いた事がある。

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バターライスはあらかじめ焼き込んだものを客がきてからバターで炒め直す。荒くカットされた玉ねぎや人参、ピーマン,ベーコンがたくさん入った家庭的な感じのもの。バターたっぷりなのでご飯がべたべたした感じが子供の頃に母親が作ってくれたものを彷彿させる。冷え込むこの時期にぴったりの心も温まるランチ。退店が11時営業日と営業時間が少ないので入店出来ればラッキー君・・・

大阪市中央区淡路町3-4-1
ランチ/11:30~14:00(なくなり次第閉店)
土日祝定休、平日も不定休

大阪市 本町 洋食

S201【大阪市 昭和町】

中華点心が食べたくなって昭和町の表記の店を訪問。昭和町交差点の北西角、ミスタードーナツの入るリノベーションビルの2階。最近はテレビなどでよく紹介されているので昼間は女性客、夜はカップルの訪問が多い。お店の中はバーのような設えなので遅掛けに訪問して点心と好きなお酒を合わせるという使い方も出来る。

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パンパンに詰まったニラ餃子、海老と豚肉が入ってコリコリの焼売、茸の湯葉巻はソースが美味し過ぎ、大根餅は高級ホテル中華の味わい。これらがすべて500円でいただける。ワインも比較的リーズナブルなものが揃う。この日は5,000円くらいのシャルドネを所望する。

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こちらのお店のシグニチャーメニューの海鮮スープ餃子1000円。滋味深い上湯スープを味わったあと、具沢山の餃子を潰していただく。一皿で2回味わいが替わる福臨門酒家のスペシャリティ。

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大好物のハチノスの煮込み。綺麗に下処理された部厚いハチノスをカレーパウダーをはじめとするいくつかの香辛料を使って柔らかく煮込まれる。樽香の効いた白ワインと相性ぴったり。ぐにゅぐにゅした食感とスパイシーな味わいは癖になる。

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豚バラの煮込みと花巻パンを所望する。コリコリした食感の豚バラはとてもあっさりした味わい。葱と干し海老の入ったパンと一緒にいただくとバランスがとてもいい。

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〆にちまきをいただく。いろんな具材が入っているのはともかく中身がレアに仕上げられているのはさすが。何をいただいてもワンランク上の仕上がりに脱帽。値段もリーズナブルで空間もかっこいいのでとても使いやすいお店です。

過去のS201はこちら

大阪市阿倍野区阪南町1丁目50 昭南ビル2F
飲茶:11時半〜14時半
飲茶&BAR:18時〜23時半
定休日:水曜日

大阪市 昭和町 中華料理

西天満 中村【大阪市 西天満】

11月末に西天満にオープンした表記のお店を訪問。食べログ、ぐるなびを含め現在お店の全く情報は世間に出ていない。お店の紹介も多分このブログが初めてだと思う。

女性店主の中村明美さんは豊中の「一汁ニ菜 うえの」ミナミの「本多」などの名店で修行をされこの度、日本料理激戦区の西天満の路地にお店を出された。小さな看板とのれんだけのファザードは知らなかったら通り過ぎてしまうデザイン。数寄屋造りの店内はカウンタ−8席のみ。聚落の壁や網代に編んだ天井などしっかりと作り込まれた店内にクラッシックピアノのBGMがいい空気を醸し出す。金色のソムリエバッチを付けたサービスの方が数名在籍。

料理は現在お任せ1万円のみ。今後はレパートリーを増やされていくと思われる。この日は某百貨店部長と大阪No.1焼肉店マダム、市内高級日本料理店勤務の若い女性2名で貸し切り新年会。

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座付きは胡麻豆腐の淡路の地雲丹を載せたもの。出汁に生のりを合わせる。雲丹の味もすっきりしていてスルスルと喉を通る。

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小柄な女性店主が大きな刺身包丁を使って魚を切る作業は見ていて興味深い。仕事はとても丁寧だけど女性特有のチマチマ感がないのがいい。店内のカウンターバックには錫作家さんの鈍く光る渋いアートが飾られる。

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ソムリエさんお薦めの石鎚の純米吟醸中汲みを所望。辛すぎず食中酒にぴったりの誰が飲んでも美味しいと思えるようなバランスのいい旨味のしっかりとしたお酒。

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刺身は明石の鯛と剣先烏賊。あしらえは拍子に切った大根と芽萱草、茗荷に紅たで。醤油と特製の酢橘塩でいただく。器も盛りつけも美しい。

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正月らしい黒塗りの煮物椀登場。

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鯛が描かれた蓋の裏は総金箔が張られていてまさに「お目出たい」感じ。

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お椀の中身は柔らかく炊き込まれた丸大根と水菜。出汁は河豚の骨で取っているとのこと。大根との相性を考えて出汁は少し濃いめ。飾り切りの人参の梅の花が可愛らしい。

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八寸は平目の昆布締めに赤大根の土佐酢和え。上にはチシャ軸の味噌漬けが添えられる。ボケの花の横には金柑の甘露煮とノドグロの蕎麦米焼き。つぼつぼの器には剣先烏賊の耳の塩辛。ランプ肉のローストビーフ。

大王松の葉に刺された黒豆とずわい蟹とチーズの松風、中に黄身餡を鋳込んだ百合根饅頭。割り山椒の器にはアサツキの新芽とくらげの酢味噌和えなど。どれも手の込んだ繊細なものばかりでこれだけでお酒が5合くらい飲めそうな感じ。

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唐墨を餅で挟んで焼き込んだ唐墨餅。もうひと味欲しいところ・・・

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大振りの国産の伊勢海老を目の前でカットして具足煮で提供いただく。活海老なのでレアな火入れがポイント。プリプリしてとても美味しい。ロブスターやオマールとは完全に味の異なりがある。あしらえは海老芋と慈姑団子のフリット。

海老の味噌をベースとした煮汁だけど海老の癖が全面に出てパンチがありすぎな感じだけどこれは好みの問題。知り合いのフレンチのシェフならこの素材をどう使うかなと想像しながら食す。伊勢海老は生よりも火入れしてこそ価値があるといつも食すたびに思う。

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〆は土鍋で牛蒡と三度豆のご飯。こういった地味な感じの野菜の炊き込み御飯が大好き。塩梅も良くて周りの若い女性はお替わりしまくりちえ子状態。

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器のセンスも良くて何を食しても美味しい。

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デセールは和三盆と酒粕のジェラート。蓋付きの器で供される。

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最後に記念撮影をして終了。ワイワイ和やかにあっという間の3時間でした。1年後には予約の取れない店になっているのは必至。料理を作る方、もてなす方の「美味しく食べてもらおう」という一生懸命さがしっかりと伝わりとてもいい気分で店を出ました。

帰りは皆で近くのエルクコーヒーで夜珈琲。普段2件目はワインとかウイスキーとか飲むのが常だけどノンアルコールもたまにはいい。65℃で抽出したぬるい超深入り珈琲を添えられたビターチョコレートといっしょにいただく。こんな日もたまにはいい。

北区西天満4-5-25
06-7506-8218
17:00~22:00
日祝休み

大阪市 西天満 和食