川原崎 6月【大阪市 南森町】

最近お気に入りの東天満にある表記のお店を訪問。2012年に開店された。谷町線南森町駅・JR天満宮駅徒歩5分。L字のカウンタ−9席でご主人と奥様で切り盛り。ご主人は関西天ぷらの名店「一宝」で長年修行。

夜は5,300円と8500円(いずれも税込)のお任せコース。品数は同じで食材の内容が異なる。今回は5,800円のコースを所望。

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乾杯ビールはサッポロのエーデルピルス。ホップの風味が強烈でキリンラガーとは全く異なる切れのいい綺麗な苦みが心地いい。

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突き出しは皮鯨と赤貝を酢味噌でいただく。付け合わせの蓮芋に清涼感が漂う。野菜のピクルスは天ぷらの合間の口直し。

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天ぷらの扉は車海老2本。海老の味噌もしっかり付けて高温の油と薄衣でレアに仕上げる。蒸し焼き状態で甘味がしっかりと感じられる。水茄子も適度に水分を飛ばしてカリッと揚げられる。さっぱりとした味わいに悶絶。「6月の鱚は絵に描いたものでも食べよ」と言われるさっくりと揚がった旬の鱚は天つゆで食す。

とても新鮮でさっぱりした味わい。泥臭さを少し感じたが鱚は河口にいるのでたまにそういうものに当たる。綺麗に桂に剥かれたとうもろこしは塩で食すとさらに甘々。旬の鱧は泉州産でホクホクで脂のりも抜群。オクラも皮が薄くてとても上質なもの。

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冷蔵庫にAYALAのブリュットマジュールを見つけたので所望する。価格も熟れているので最近よくいただくシャンパーニュ。シャルドネ特有の酸味のあるフレッシュでエレガントな口当たりとピノノワールの芳醇な味わいが特徴。きめ細かな泡立ちも美しく花のようなアロマも個人的に好みで、よくありがちな重さを感じないので天ぷらのような魚を多用する和食にドンピシャ。

これは白カビチーズと合わせてもいいと思うな・・・

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さつま芋はシルキークイーンを使用。安納芋と同様に糖度が異常に高いもので焼き芋状態にしてから揚げているので甘くて絹のような食感で栗きんとんを食べているような錯覚に襲われる。熱々の甘いさつま芋の天ぷらを冷たいシャンパーニュで流し込む。分厚い穴子も旬真っ盛り。旨みたっぷりで皮の部分の脂がとても美味しい。

琵琶湖の鮎と北海道産の路地栽培のアスパラ。どちらも風味が立ってワンランク上の味わい。追加でアオリイカを揚げてもらって富山産の白海老のかき揚げでフィニッシュ。

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〆のたくさんの海老が入っかき揚げ天茶はたっぷりの鮫皮でおろされた本ワサビが入る。

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デセールは本格的な抹茶アイス。総じて目配り気配りがしっかり効いていて特に奥様の気遣いに感動。今や超人気店になっておられるのでなかなか予約が取れないが2ヶ月に1度くらい死ぬまでずっと訪問したい店の一つです。

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帰りに最近オープンしてヘビーユースする「鯛之鯛梅田店」に立寄り熟成魚の刺身盛り1人前580円(写真は2人前)と冷酒を楽しむ。この店の刺身のコスパも驚愕なり。

*25年くらい前に難波の鴈治郎横丁(現在は精華通り)と呼ばれる精華小学校前に「天吉」という天ぷらの名店にずっと通い詰めた記憶がある。頑固とヘンコを絵に描いたようなご主人で井戸水を汲み上げて作る天ぷらはまさに職人技だった。

最初に剥きたての活け車海老が6匹続けて出され、そのあとも旬の素材をマスクをしたまま一言もしゃべらず黙々と専用の太い菜箸で揚げ続ける姿は何かに取り付かれた求道師のようだった。当時のご主人の天ぷらを揚げる姿をいまだに夢見る。まだ生きておられるかな・・・

大阪市北区東天満2-8-13
06-6881-6525
定休:水曜日・第二火曜日

川原崎天ぷら / 大阪天満宮駅南森町駅扇町駅

夜総合点★★★☆☆ 3.5

大阪市 南森町 天ぷら