カテゴリー:フレンチ

ワッシーズダイニングスープル【大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘】

四天王寺のワイン専門店「Wine Store Wassy’s」直営のレストランを友人と訪問。ワインの品揃えとそのコスパは大阪では比類なし。中之島ダイビルにも最近出店。1階にワインショップがありそこで購入して持ち込んでも抜栓料が2000円と言っていた。土日はもちろん平日も満席になることが多いのでこの日は開店のタイミングを狙って伺う。場所は四天王寺夕陽ケ丘駅から徒歩2分くらい。オーナーが鷲谷さんなのでワッシーズと言う名前らしい。私は鷺岡なので「サギーズ」かとひとりごちする。

1階のワインショップの横のエレベーターで3階にあがる。入って右側にテーブル席があって正面にカウンター席。厨房を見ながら食すことが出来る大きな1枚板のカウンタ−席もゆったりしているので個人的にはお勧め。

2016-01-28 17.46.03

お始めはテタンジュ・ノクターン・スリヴァーの限定ボトルをすすめていただいたので所望する。辛口のシャンパンもいいけどフルーツの芳醇で繊細な香りと熟成した旨みが乗った滑らかでまろやかな味わいはまさに夜想曲。泡も柔らかで余韻も長くすっきりしすぎないのがいい。最近よく見るものだけどショパンのノクターンのように何とも言えない脱力感と神経を麻痺させるような無重力感を感じさせる味わい。

こちらのお店はコース料理もあるけど個人的にはアラカルトがお薦め。この日は好物のオマール海老と鴨肉をメインにしてサイドメニューとお酒はすべてお店のスタッフにお任せする。

最初から最後まで同じワインだと上質なものでも飽きがくるので最近は事前に申し上げて食事にあう上質なものをグラスで所望するようにしている。

2016-01-28 23.26.19

最初のワインはトレフェッセン・エステート・ナパバレーのドライリースリング2014を季節の野菜のサラダ1300円とともにいただく。酸味と果実味がしっかりしたリースリング独特の香りのすっきりドライな口当たり。和食にも合うであろう飲みやすさが特徴。あまり冷やさないのが個人的には好み。料理との相性はさすがである。

2016-01-28 23.25.59

皿の中身はハヤトウリのアンチョビソース、トマトのジェノベーゼ、黄人参のマリネ、クスクスと雑穀のサラダ、重茂の昆布、胡瓜のミント風味、紅心大根のマリネ、黄金芋とリコッタチーズのサラダ。しっかりと手をかけられていて素材も上質でとても美味しい。

2016-01-28 23.26.04

好みで自家製のワイン塩をつけていただくことを薦められたが不要であった。

2016-01-28 23.26.25

こちらのお店でずっといただきたかったスペシャリティの「トリュフのスクランブルエッグ2400円」を所望。つい最近、総料理長の岩田勝己シェフが自ら産地まで訪問してトリュフ市のセリで買い付けた、今が旬の新物と言っていた。フランスのオプスで現地価格1キロ10万円くらいと聞いたことがある。

2016-01-28 23.26.38

私はトリュフ中毒なので追加料金2000円を払ってトリュフを倍増していただく。こういったシンプルな料理ほど素材感が際立つ。スクランブルエッグの熱でトリュフの香りが器の仲で爆発する。卵のなかにも細かく刻まれて入っているので口の中がトリュフの官能的な香りに満ちあふれ、鼻腔を通って脳幹を刺激する。かなり贅沢な味わいに気を失って卒倒しそうになる。卵や生ハムなどとの相性は素晴しく良い。これぞまさに大人の味わい。

2016-01-28 23.26.31

これに合わせていただいたのがジュエルゴット・ピノノワール2013。サンタバーバラとモントレーの2つの畑の葡萄をブレンドしたもの。バランスもよく果実味に溢れた味が主張しすぎないソムリエールのナイスセレクションの佳品。

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活オマール海老のまるごと一匹ロースト マンゴーソース 4200円は石釜で高温で一気に焼き上げる。火入れは完璧なんだけど海老のサイズと身が痩せていたのが残念・・・料理はどれも優しい味わい。

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この料理にはナバロヴィンヤードシャルドネ2012を合わせていただいた。エレガントだけどピュアな味わい。しっかりとした果実味とコクがあり甲殻類にドンピシャ。スタッフの方は全員ソムリエさんなのでワインのことならなんでも知ってらっしゃるのが素晴しい。ワインの品揃えは常時1000種類らしい。バケットはお店の近くの有名なブーランジュリー・パリゴさんんもの。

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鴨ロース肉は塩だけで味を付けたものを普通にカットしたもの、超厚切りで噛み締めて食べるものと3種の形でプレゼンテーション。岩田シェフがわざわざ出てきて説明いただく。ソースは定番の根セロリ。あしらえの金柑と鴨肉がいい相性を見せる。

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これに合わせていただいたのが ナバロ・ヴィンヤード・ピノノワール2012とクロデュヴァルピノノワール2013。双方を飲み比べするとナバロンは予想とは異なり少しクセのある香りと味にびっくらポン。かなり個性的でベリー系の味なんだけどかなり複雑な味わい。クロデュヴァルはナパバレーによくある渋みも少なくまろやかで酸味のバランスも良くてとても飲みやすい。樽香もしっかりと効いていて味わい深い。味の違いがとても面白い。

2016-01-28 23.27.30

この日ソムリエール一押しのスターレーン・カベルネソービニオン・ハッピーキャニオン・オブサンタバーバラ2010をチーズと一緒にいただく。もちろん今までいただいたことのないもの。カリフォルニアワイン独特の繊細な香りとかなりスパイシーかつコクと旨みが凝縮されたフルボディの熟成されたもの。

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特別に出していただいたチーズはシェフがハンドキャリーで持ち込んだという噂のアルプスのフレッシュチーズ3種。サヴォア地方で歴史が最も古いらしい粘りがあって少しだけ酸味のある軽やかな味わいの「トムオサヴォワ」。山羊のミルクで作ったを熟成させないフレッシュな優しい味わいの「シェーブル」。藁で包まれたチーズの3種はよく似た味わい。どれもアルプスの少女ハイジがチーズの塊を木の枝で刺して焚き火で炙ってパンに乗せて食べるシーンを思い出させる山の味わい。

2016-01-28 23.27.38

これにはチーズと相性のいいシャトーグラン・カラモンメディテラネ・アリカンテ2012を選んで出していただく。【C】のマークのジャケットもユニーク。甘い香りと酸味や苦みが特別なチーズやドライフルーツの入ったバケットによく合う。フォアグラとも相性はいいだろうなと思いながらいただく。最後はサプライズの誕生日ケーキの登場。スタッフの皆様に思いがけず祝っていただく。皆さん忙しいのに恐縮である。

素敵な女性オーナーもアットホームな雰囲気を持ってかいがいしくお世話をしてくれる。これだけ上質なグラスワインを味を比べたり楽しみながら心地よくいただけるお店はあまりないかもしれない。帰りはマダムとシェフが外までお見送りいただく。ワインも料理も接遇も大満足でした。

大阪市天王寺区六万体町5-13 Wビル 3F
06-6774-9000

大阪市 四天王寺前夕陽ヶ丘 フレンチ

オーベルジュ・ド・プレザンス 桜井

奈良県橿原にある自社物件を視察し、近鉄百貨店でテナント誘致いただいている場所を見てから大和八木駅前の新店舗の立地と車の流れをチェックして以前から友人にとてもいいよと言われていた表記のレストランを訪問。たまたま一席だけ直前にキャンセルが出たとのことでさっそくリザーブする。

こちらは・・・・
「オーベルジュ・ド・ぷれざんす 桜井」は、平成 28 年度に開校し
奈良県が運営する「なら食と農の魅力創造国際大学校」
(NARA Agriculture & Food International College
[ 通称:NAFIC(ナフィック)])の敷地内にあります。
同校は、現在の奈良県農業大学校を改編し、農業の担い手を養成する
「アグリマネジメント学科」に加え、
農業に関する知識を持ち、世界に通用する優れた料理人の養成を目指す
「フードクリエイティブ学科」が新設されます。
これまでにない実学教育で、生産・調理・加工・流通などを担う
次世代の「食」と「農」のトップランナーを育成することを目指し、
ゆったりとおいしい料理を楽しめる宿泊付きのレストラン(オーベルジュ)
を併設し、実践研修を行う施設にあり、大学に先駆けてオープンしました。
(以上HPより)

こちらの店舗は山の上にあり車でしか訪問出来ないため従業員さんも乗り合いで通勤すると言っておられた。夜は街灯もなく周りはのどかな田園風景が広がる。
全国のひらまつの店舗から集められたスタッフさんの中には数名顔見知りの方もいらっしゃって少し嬉しかった。食事内容は大和野菜をはじめ奈良の食材を使用したフランス料理。

ランチタイムは宿泊客以外でも利用出来るので女性グループを中心に連日びっしり超満席。外観や内装は奈良県の専属設計士がデザインされたらしい。田舎の公共施設のような感じでかなり残念。万人受けすると勘違いした滑稽な感がありスタッフさんも本来のひらまつ店舗との異なりに違和感があると言ってらっしゃった。

しかしながらサービススタッフの教育はさすがであり料理の説明の適確さやホスピタリティーに置いては奈良でナンバーワンでないかと思われる。

メニューは以下のとおり(すべて税・サ別)
Menu A 3500円
"地産地消にこだわった、奈良の旬の野菜を使ったここでしか味わえないランチコース"
アミューズ、前菜、メインディッシュ、デザート、コーヒー・小菓子

Menu B 5000円
"奈良の旬の食材とフォアグラなど厳選したフランス産の食材を融合させたスペシャルランチコース"
アミューズ(1皿目)、アミューズ(2皿目)、前菜、メインディッシュ、デザート、コーヒー・小菓子

Menu C 7000円
"奈良の旬の食材とフランス産の厳選食材に加え、和歌山・三重から取り寄せた新鮮な魚介類を使った
シェフおすすめのフルコースランチ。様々なバリエーションの料理をお楽しみ頂けます。"
アミューズ(1皿目)、アミューズ(2皿目)、前菜、魚料理、肉料理、デザート、コーヒー・小菓子

この日は自動車運転で訪問したのでお水をいただきながら一番廉価なものを所望する。メニューの価格差は単に皿数の違いでアミューズや前菜、メインディッシュ、デザートの内容はすべて同じ。

2016-01-25 09.12.33

最初に牛蒡のコンソメスープと大きな皿に牛蒡のチップスや生姜風味のメレンゲ焼きのようなものが登場。

2016-01-25 09.12.27

砂糖がかけられていて手でつまんでいただくらしいが2つくらい食べると飽きてしまう。隣のおばさんグループは最後までぽりぽり食べておられた。

2016-01-25 09.12.39

田園に見立てた宇陀金牛蒡と地元産の人参のコルネ。中にそれぞれの野菜のクリームが入る。ビジュアルはかわいくて面白いが特にどおって言うもんでもない。

2016-01-25 09.12.55

かなり綺麗なビジュアルのサラダはスモークサーモン、白い菊芋と緑の菊菜のソース、紫人参、はるみオレンジ(清見オレンジとポンカンの交配種)ジャガイモ、芽キャベツ、鏑。白い粉はオリーブのパウダーで赤紫の粉はビーツのパウダー。

2016-01-26 10.26.24

メインの「ジビエパテのパイ包み 五條産りんごのロティ」はすべての客が共通のメインディッシュ。鹿肉・鶏肉・豚肉のミンチの真ん中にフォアグラが入ってコクと脂分を補う。婚礼料理に長けておられるのでこのような料理はお手の物。火入れも完璧で一度に多くの客をさばきながらローコストの食材で一定のクオリティーを保つ技術は当代一と敬服する。ソースはフォンドボーと赤ワインと肉汁と甘いブランディーの香りのするお酒で作ったもので少し酸味も入る。いわゆる上質なハンバーグって感じかな。

自家製のパンもかなりおいしくエシレバターや料理のソースと一緒にいただく。

2016-01-25 09.13.04

デセールはクレームダンジュで泡仕立ての下にあすかルビーと古都華(ことか)とピスタチオのアイスを下に敷き詰めたもの。

2016-01-25 09.13.10

プティフールは大和茶のロールケーキ、黒豆のトリュフチョコ、大和芋とアールグレイのパウンドケーキ、苺のマカロン、柿のゼリーをコーヒーとともにいただく。帰りも玄関までお見送りいただき大満足でした。全国的な寒波だけど奈良は晴れ間も見えていい天気でした。

2016-01-25 08.12.52

奈良県桜井市大字高家 2217 番
0744-49-0880 レストラン予約 0744-49-0770

オーベルジュ ド ぷれざんす 桜井オーベルジュ / 桜井駅香久山駅大福駅

昼総合点★★★☆☆ 3.5

フレンチ 奈良県

ビストロエピス 1月【大阪市 帝塚山】

幹部社員を連れて表記の店で年末年始のお疲れさま会をする。この日は10名の貸し切りでお願いをし、奥野シェフにお任せコースで設えていただく。最初にキリンの生ビールで乾杯をして皆で互いに労をねぎらう。此方の店は自宅から近いこともあり美味しいフレンチを気兼ねなく思いっきりカジュアルに食べたいと思ったときによく利用する。

2016-01-11 17.47.15

アミューズは「バニラ風味の金柑スモークサーモンヴィシソワーズのブランマンジェキャビア添え」サーモンの塩分と金柑の酸味、バニラで香りづけしたサワークリーム、バジルソースのバランスが素晴しい。ビシソワーズのブランマンジュの上にバルサミコのソースとともにキャビアを載せたものもかなり計算されたものでとても軽いんだけど美味しさの余韻がずっと口に残る佳品。

2016-01-11 17.55.27

スモークしたシャラン産鴨胸肉のローストあんぽ柿添えは完璧な火入れを施した後、瞬間君制する。上にはあんぽ柿を添える。それぞれの相性がバッチリなのは言わずもがなである。

パンチのある必殺のきめ細やかでコクのある赤ワインソースは比類ないくらいに美味しい。此方のシェフはコンベクションなどは一切使わず小さな火口で昔ながらの方法でフライパンだけでクリエイティブかつガストロミティックな魂の入った料理を黙々と作られる。

2016-01-11 18.11.11

「フォアグラのポワレ七草とトリュフのリゾット添え」は七草がゆのイメージと言っておられた。オーセンティックなトリュフとポルト酒のソースで供するシェフの料理はまさ王道まっしぐら。美味し過ぎてパンでソースを拭き取りまくる。パンは店の前のポワール本店のもの。バターの良さが際立つ美味しさ。フォワグラを口に少し残してワインとともに咀嚼するとフォワグラの脂の滋味とワインが舌の上で調和し、貧血を起こしそうになるくらいうっとりとした味わいを感じる。

この日のワインは赤は「コート・デュ・ローヌビュルル2011年」(グルナッシュ、シラー、サンソー)で白は「ジョセフド ルーアンリュリーブラン2012年」(シャルドネ)を所望する。

2016-01-11 18.25.05

大好物のキノコのポタージュはシェフのスペシャリティ。いつポルチーニの香りがするけどマッシュルームと椎茸を炒めて作っているだけらしい。かなり濃厚で香りも高く比類ないくらい美味しい。

2016-01-11 18.39.16

ポアゾンは「スズキのポワレ ブールブランソース」。シェフお得意のものでこのブールブランソースは酸味の強い白ワインと白ワインビネガー、 刻んだエシャロットを煮詰め、それにバターやクリームを混ぜ込んで作る比較的シンプルもの。しかしながら塩とビネガーをしっかりと使うことで腰が座り、輪郭のはっきりした深みとコクがある味に仕上がっている。少しクセのあるスズキにドンピシャのソースである。魚の火入れは当然完璧。

翌日天王寺の某ホテルで全く同じものを食したが全く味のない水臭いものだったのにビックリでほぼ残してしまった。少しマスタードが入っているのか味の膨らみも陰影もあってパンを沢山お変わりしてソースをすくって食べまくる。

2016-01-11 18.59.13

ヴィヤンドは「黒毛和牛のロースト赤ワインソース」当然トリュフが一杯入ったもの。火入れも素晴しく柔らかくて味が深くて美味しいとは社員君の談。普通のコメントなんだけどこれが最高の褒め言葉。どこにでもある料理がどこよりも美味しい。

2016-01-11 19.23.25

デセールは「ヌガーグラッセと伊予柑のジュレ プロフィットロール添え」

ヌガーグラッセはあまり食べる習慣はないけど口溶けも良くてその割りにコクもありナッツなどの食感も面白くてっても香ばしい味わい。伊予かんの甘味と合わせるととてもいいバランスがある。よく添えられるフランボワーズソース、アングレーズソースをつけてもそれぞれ味わいが変化して楽しい。横にあるマカロンのような小さなシュークリームもかなり上質。

昼時は近所のマダムでいつも満席。お店と価格はビストロであるが仕事はグランメゾン級。。 お店は全12席で小さいので要予約。。 詳しくはこちら

住吉区帝塚山東1-3-36カーサ帝塚山B1F
06-6675-0211
定休日:火曜日の夜と水曜日

大阪市 帝塚山 フレンチ