カテゴリー:フレンチ

KAlarz(カラーズ)【大阪市 梅田/JR大阪】

北新地の蜆楽通りの入り口、かに道楽の横にあるカジュアルフレンチ。使い勝手もよく本格的な内容の割りに値段もこなれているので気の張らない友人との食事に重宝する。この日は打ち合わせのあとで友人と3人で訪問。
店は1階のカウンター席と2階の個室に別れていて入口も別々。新地本通りからの入口は1階カウンター席のみで2階の個室には路地から入るようになっている。

コース料理もあるけどこの日はカウンタ−でアラカルトで好きなものをいただく。

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座付きにカボチャのポタージュスープ。エスプーマーで泡立てられたミルクと濃厚なカボチャのスープを混ぜていただく。素材の良さがよくわかるホッとする味。

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前菜盛り合わせは3人なので少しおまけしてくれた。鰯のマリネ、タコのカルパッチョ、鴨ロース煮、さつま芋ロースト、ポテトサラダ、枝豆のジェノベーゼ、牡蠣のコンフィ、ラタトゥーユ、きのこのマリネなど。。和のテイストも入っていてお箸でいただけるのは嬉しい。ホステス連れの70才くらいの高齢の客も多く、そういう方には食べやすくて嬉しい内容だと思う。団体客は来ないし女性客も多いので概して客層は良い。

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シーズナブルメニューのせこ蟹とアボガドのサラダ1500円は普通に美味しい。しかしながらセコ蟹の外子はパサパサするのであまり好きではない。。

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海老のカダイフを使った揚げ物1800円は思ったより原材料の質が良くて、聞くと活の赤足海老を使用との事。味噌も足の付け根部分も美味しくいただいた。付け合わせの沖縄産のとうもろこしがビックリするくらい美味しかった。

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ワインは「お任せで樽味の効いたしっかりしたもので安くて美味しいもの」とお願いしたらシャルドネのトリュフィエールをすすめていただいた。モンラッシェの15000円くらいのもの。百貨店では8000円くらいでたまに買っていただく好きなタイプ。安くて美味しいワインは本来あり得ないけど価格とのバランスを考えたときにこれはドンピシャの逸品。

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フォアグラのリゾット1400円(写真は3等分に分けたもの)には刻んだトリュフが入る。トリュフエールワインとの相性は言わずもがな。米の火入れやソースの塩分濃度などは完璧。

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黒毛和牛のポワレ3500円は赤身肉だけど味はイマイチで残念。そんな日もある・・・

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〆に名物のウニのパスタ1900円(写真は3等分)をいただいて終了。この他にも看板メニューの蟹クリームコロッケや活ローブスターのローストなどが人気商品。少しだけ高級なフレンチ居酒屋って感じかな。この日はビールとワインをいただいて一人1万円でした。帰りに近くの立ち呑み酎ハイ屋に立ち寄るのはすでに習慣となっている。

過去のカラーズはこちら

大阪市北区曽根崎新地1−6−7
06-6345-5669

大阪市 梅田/JR大阪 フレンチ

ホテルニューオータニ大阪【大阪市 森ノ宮】

表記のホテルの地下にあるバンケットで会食。
メニューだけ見るとかなり立派な感じ。

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専門用語が連なるこのメニューは誰が見ても解読不能。

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前菜はこのホテルの宴会で定番のもの。この時期になると毎回見る。ハムと野菜を重ねてカットしただけのものポワブロンルージュソースは最後まで判らなかった。多分トマトを使用していると思うのだけど。

スープはパイ包み仕様でコキヤージュは貝の意味であろう。大層な名前とは異なるシンプルなクラムチャウダー。

魚料理は的鯛のポワレ。宴会料理でよくありがちな塩辛くて身質の固いフランス料理専用食材の冷凍もの。的鯛をサンピエールというようにフランス料理の食材(主に魚介)に使徒の名前がよく使われるのはマタイの福音書の物語が由来と昔聞いたことがある。帆立貝はサンジャックと書かれる。エクラゼジュラは調べると押しつぶしたジュレの事らしい。

パサパサしてあっさりした味の身体には良さそうな肉料理は茸のフォレスティエールと書かれていて訳すと「木こり風」とのこと。ここまで装飾された文字と実物のギャップのあるメニューも近年見る事は珍しい。難しいメニューの方がありがたみが湧くのであろうか。

食材と人件費の高騰でこういった高級ホテルのバンケットも大変なのであろう。しかしながら年明けに新年会で再度御呼ばれいただいております。

大阪市 森ノ宮 フレンチ

びすとろぽたじえ 10月【大阪市 玉出】

最近お気に入りの地元のビストロなんだけど良く見かけるフュージョン系でアーティスティックなフレンチとは全く異なり1980年代のボキューズやシャペルが作っていた料理を食せる希少なお店。お店の壁には当年75才?の肥田順シェフが働いていた頃のポキューズとの写真が飾られている。日本に帰ってからは辻調の教授をずっとされておられたと聞き及ぶ。

辻調を退職されてから同じ名前のお店を本町で長い営業されていたんだけど今年になって生まれ育った住吉に移転。カジュアルだけど本物のヌーベルキュージーヌをしっかりと食べることが出来るとても嬉しいお店である。以前に一度だけ行って大ファンになった。

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アラカルトメニューもたくさんあるがプリフィクスになったコースメニュー6000円がお得でお薦め。アミューズは焼き茄子の冷製スープ。多分これはフランスにはない料理と思う。透明感のある滑らかな味わいのなかに焼き茄子の香りがふわっと漂う。

スープとともに豊中の有名店「boulanger TAKEUCHI」のパンと特製の豚肉のリエットが登場。これはいくらでもお替わりが出来るらしい。

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前菜はこの店で個人的に一番好きなシェフのスペシャリティーのフォワグラのテリーヌ。専用の壷に入れて焼き上げてそれを大きなスプーンでこそぎ取って盛りつける。見た目の華やかさはないけど滑らかで口に入れると濃厚で特有のネットリしたレバーの旨味にうっとりする。脂っぽさや雑味や癖は全くない。今まで食したフォワグラ料理の中でナンバーワン。添えられた無花果とともにピノノワールで喉に流し込む。

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前菜2皿目は鹿肉のパテ・アンクレットをチョイス。いわゆるパイ包み焼き。山陰地方によくいる害獣の鹿ではなく北海道の食用にされる蝦夷鹿と聞く。部位はお尻の赤身部分。フォンドボー(胸腺肉)を入れて風味と脂分を足していると言っておられた。クラシカルなスタイルのパテだけどしっかりと肉の味がして食べ応え満点。ワインとハーブに漬け込んで下処理をしっかりしているので臭み等は全くなし。

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別注文のサーモンマリネ1800円はリオンのレストランで出される古典的なもの。塩とハーブとオイルでマリネされたサーモンの上にトマトのソルベがのせられる。サーモンの塩っけとソースとして使われる滑らかなトマトソルベの相性にビックリ。ムシャムシャ一気に食べてしまう。

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これも別注文の南仏野菜の煮込みとポーチドエッグ1600円。玉子の上のソースにはほうれん草で色付け。ナイフを入れると卵の黄身が飛び出してビジュアルの美しさ満点。ラタトゥーユの美味しさも突き抜けている。塩の加減がとてもいい。すべての料理に共通するのが味の輪郭がしっかりしていてぼんやりしたものがない。

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メインディッシュは小鯛のじゃがいも鱗焼きでポールポキューズのスペシャリティ。本来は平目を使ってするんだけどそれのミニチュア版。塩分の立ったソースも秀逸だし、ウロコに模したじゃがいもがパリパリの食感でふわふわの小鯛と一緒にいただくととても不思議な小旅行体験ができる。

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別注文の豚バラ肉の黒ビール煮込み1800円。トロトロに煮込まれた巨大なバラ肉は脂がしっかりと落ちていて思ったよりもあっさりしている。焦がし玉ねぎで作ったソースが美味し過ぎて卒倒しそうになる。下ごしらえ含めて手間と暇のかかった古典的なオーセンティックなフレンチはどの皿も突き抜けた美味しさがある。

デザートは好きなものを好きなだけいただける。個人店でここまで揃えている店は珍しい。

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グレープフルーツの皮のコンフィチュールやグレープフルーツのコンポート、プリンのようなもの、自家製フィナンシェ、マンゴーのタルト、真っ白のコーヒー風味のブランマンジェ、チョコレートケーキ、シャーベット2種、グレープフルーツのカモミールシロップ漬けなど・・

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食後は青カビチーズを所望。一緒にプロバンスの超甘いワインを出していただく。貴腐ワインではないけどディケムをいただくような幸福感に包まれる。当然ブランディーやグラッパもあります。

コスパも素晴しく価格以上の価値は間違いなくあると確信。出来ればカウンタ−を予約してシェフと料理の話をしながらいただくとよりいっそう食事が楽しめる。特にフレンチに携わっている料理人は彼が現役のうちに仕事を見ておくことをお勧めします。

大阪市西成区玉出中2-13-31
06-6651-9568

大阪市 玉出 フレンチ