寿司

すし豊 8月

ランニングの帰りに旧友と松虫にあるヘビーユースする寿司店訪問。どういうわけか何度来ても食べ飽きない・・・
ビールで乾杯をして突き出しは葛と蓴菜と馬糞雲丹を旨酢にていただく。

IMG_9906

大阪湾の烏賊なんだけど剣先じゃなくてハリ烏賊でもない初めて効く名前の烏賊。熟成させてあるのかむっちりとした味わいがとてもいい。ネタとシャリの間に黒胡麻が入る。コハダは1枚漬け。しっかりと締められてこれはこれでとても美味しい。白鹿の冷酒とともに頂く。天然鯛は思ったよりも脂があるのにビックリ。シャコはしっかりと煮込まれて卵と白子と両方を半分ずつ味わえるという趣向。

IMG_9907

紅白になった蕪寿司は中は締められたヒラマサが鋳込まれている。最初は甘酸っぱい蕪の味がして噛み締めるとヒラマサの旨味が口いっぱいに広がる。更に咀嚼していると唐辛子の辛さがあとから登場。店主はこれを味の三段ロケットと呼ぶ。

軽く炙られたカンパチは脂の焦げたところが香ばしい。鱧も旬真っ盛りで大振りのシラサエビは甘くてとても美味しい。

IMG_9908

続いておろし生姜がのせられた鯖の漬け、平目のエンガワ、お店で一番柔らかいネタの蒸し鮑、一番固いネタのイクラと続く。

IMG_9909

前菜の葛と蓴菜と雲丹はビジュアルだけで暑気払いとなる。琵琶湖に流れ込む川で獲れる鮎は目の前の水槽で泳いでいるものを店主が網ですくってくれてそのまま油の中行きとなる。黒松白鹿のちょっとええ冷酒とともにしっかりと締めた鯵の手巻寿司を頂く。これはベストマリアージュなり。。すっきりとした爽やかな口当たりと旨すぎない飲み口が個人的にも好み。

IMG_9910

いつもと同様に「口の中で溶けちゃうよ〜」と言いながら供される大阪湾の煮穴子はふわふわでスフレのような食感。提供されてから15秒以内に口に入れなければならない。脂がのりまくって今が最高に美味しい時期。塩でいただくと甘味が強調されてとても美味しい。

軽く炙られて提供される烏賊の印籠はこの店のオリジナル。ヤリイカを使用する江戸前の古い仕事。烏賊の胴体とシャリの間に白子が入り、両端はイカの卵が入っていてレアに火入れされて甘味を増した身と卵のプチプチした食感と白子の滋味が合わさるこちらのご主人のスペシャリティー。ご主人のお人柄もよくて価格もリーズナブル。いい店です・・

大阪市阿倍野区王子町2−17−29
電話:06-6623-5417
営業時間:17:00~24:00
定休日:木曜日


カテゴリー 松虫, 寿司 |

富久佳(ふくよし)

仕事でバタバタして久しぶりのアップになってすいませんm(_ _)m・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なんばパークスで仕事がらみのパーティーに顔を出したあと幹部社員君と2人で裏なんば散策。

最近話題の道具屋筋から旧の倉庫街を通るところに出来た千日前地蔵通横丁の中にある屋台系の寿司店。
いつも大繁盛で土日は予約が必須となっている。近くに居酒屋を一件経営している個人店と言っていた。

2015-07-28 21.22.10

店内は昭和系のいろんなポスターや置物で雑然としているがそれはそれで面白いのかも知れない。10人掛けのカウンターと2人掛けのテーブル席が2つでマックスキャパは15人くらい。50才くらいの職人さんと20代の入れ墨と鼻にピアスの入った職人の2人が握る。いつも満席の人気店で土日は予約が必須となっている。客層は20代ヤング中心。気取った感じがなくて入りやすい店という印象。

ビールで乾杯をしてから学校に内緒で働く大阪高校のアルバイト君がお薦めのお任せ寿司をお願いしようかと思ったが、好き嫌いがあるので適当に好きなものを所望する。

2015-07-28 21.11.22

この日は最高級鱧がおすすめと言われたので黙って所望する。食すと脂の甘さと小骨を全く感じない舌触りの良さ、深い旨味に驚く。多分韓国産の最も上質のものを仕入れていると推察される。これは今年一番の鱧でした。シャリもほろ温くて個人的にはかなり好み。価格は一皿1000円・・・ちょっと高いな。。

2015-07-28 21.04.14

大阪高校君と世間話をしながらいろいろ食べる。生の鯖は新しかったが脂ののりはイマイチ。周りの客はお進め握りを食べている方ばかり。1枚5貫で並ネタ630円、特選ネタの裏皿930円がコスパもよく大人気らしい。

2015-07-28 21.04.21

赤貝は鮮度がイマイチ。一つ210円の海老は冷凍ブラックタイガーであるが美味しい。タコとゲソはそれなり・・

2015-07-28 21.08.26

大阪高校君が「うちの煮穴子むっちゃ美味しいですよ!!」ということなので所望する。形が崩れるほど煮込みまくっているのか特徴。一つ500円。柔柔でそれなりに美味しいがお得感はない。

総じてネタに対するこだわりもありお酒を飲んだあとの仕上げにちょっと寿司をつまむのにぴったりの店と思う。
平日であるが裏なんばと呼ばれるこの界隈が人で溢れかえっているという現象に一番驚きと興味を持った夏の日の夜でした。

大阪市中央区難波千日前14-18 千日地蔵尊通り横丁 1F
定休日 水曜

富久佳寿司 / 難波駅(南海)近鉄日本橋駅日本橋駅

夜総合点★★★☆☆ 3.0


カテゴリー 難波, 寿司 |

まさる7月

本年初のシンコが入荷したという知らせを頂き、神戸で予約半年待ちの大繁盛鮮魚居酒屋を経営する友人と表記の店を訪問。

2015-07-13 18.56.17

この日も医者らしき客で満席。予約が鶏にくのが玉にきず。まずはビールで乾杯して お造りの盛り合わせ。赤貝、九州の鯵、コリコリのコチ、剣先イカとエゾバフンウニ、軽く炙った明石の穴子に太刀魚。すべて一切れずつ。どれもがいい仕事をしていてこれだけで満足する。

2015-07-13 19.07.09

店内で一夜干しされている大羽鰯を見つけたので焼いていただく。かなり大きなサイズで食べ応えたっぷり。梅雨の時期が鰯の旬で『入梅鰯』とよく言う。醤油と味醂で照り焼きにしていただく。皮の部分の脂と醤油の焦げが相まって驚くくらいの滋味深さを感じる。早速端麗辛口の日本酒をいただきながらのマリアージュを楽しむ。

【夏料理青身の魚いとほしき】

まさる1

握りは最初はお決まりの木の芽を中に鋳込んだ「鱚」。この時期はまさに旬真っ盛り。脂は少ないけど軽く締めると上品な甘味と旨味がとても強く感じるネタである。多分旨味成分のグルタミン酸やリジンなどのアミノ酸が多く、包丁をしたり咀嚼するなかでそれらの成分がタンパク質から遊離して旨味成分に変わるのであろうと推察される。

【一片の木の芽がキスの味とせり】

「アマテカレイ」は正式名称はマコカレイ。大分では城下カレイ。今が旬でネットリとした食感と脂が特徴。コリコリしながらも甘くて寿司ネタでは白身魚の王者と個人的には思う。

「鯖」は漬けにしてマスタードを添えて出される。オリジナリティー溢れる握りである。夏の鯖は脂がなくて今イチなものが多いがこれはかなり上質。

「カマス」は水分の多い魚なので軽く塩をして身を締めて皮目を炙って供される。皮と皮スジの間に脂がたくさんありその脂が火入れされてとても香ばしい。

「ノドグロ」は言うまでもなく高級魚。大きな魚体の鮮度のいいものは限られている。これも皮を炙って葱と紅葉おろしをのせて供される。美味し過ぎて卒倒しそうになる。

生の鳥貝は味が深くてとても美味しい。鳥貝の旬は太平洋側では春先で日本海側では夏とどういうわけかずれている。この日は舞鶴産と言っていた。足の黒いところを残して洗うのが面倒。美味しいのは当然。

IMG_9444

大好物の車エビ登場。これを食べ続けてはや15年。。ビジュアルも美しいが 茹で加減や海老味噌の鋳込み具合などどこでもありそうなものだけど私にとって唯一のベストオブザ海老の握りである。

まさる5

この日のメインイベントの「シンコ」登場。この日は5枚漬け。出世魚「コノシロ」の幼魚。10センチの大きさになれば「コハダ」と呼ばれる。

夏場の限られた時期のみが旬。今の走りの時期はビックリする仕入れ値となる。ご主人が「中元みたいなもんですわ〜」と言っておられた。

頭をとって捌くと数センチほどしかないのでさばくのはとても面倒。この日も仕入れ値はキロ5万円と言っておられた。大体1キロが120匹位なので50000÷120×5でネタだけで原価2000円なり・・・男気だな・・・

そのあとコハダの1枚漬けを握っていただき食べ比べ。。マグロや雲丹の食べ比べはよくあるがコノシロの食べ比べは珍しい。

2015-07-13 19.36.04

鮑のエンペラの部分。私がこの部分が好物なのを知ってくれている。関東の煮鮑とは全く異なる。ゼラチンでプルプルして究極の煮鮑と確信。

まさる2

「煮ハマグリ」は火入れの素晴しさとネタの良さで限りなく柔らかで味も深い。「毛蟹」は味噌をのせて供される。皮を炙った「鰻」は海苔を巻かれて供される。言葉が出なくなるくらい美味しい。。山芋やいろんな野菜の入った「袱紗玉子」は箸休めにぴったり。皮目を炙ったキンキは肝と芽葱と紅葉おろしで供される。キンキは皮目を炙って芽葱と肝をのせていただく。焼き目の香ばしさと皮部分の脂の甘味と身の旨味が渾然一体となった最高の一貫である。剣先烏賊の耳」はコリコリで味も深い。

2015-07-13 19.43.10

味が乗ってきた淡路島の雲丹は上品な甘味。これだけ20個くらい頂きたいくらいである。

まさる6

貝好きなのを知ってくれているので「ツブ貝」を軍艦で所望。どの寿司も美味し過ぎで日本酒が進み過ぎてしまう。〆は穴子の巻ものを所望。この店で寿司を頂くといつも幸福感に包まれる。シンコは今週いっぱいくらいかな。。。

大阪市浪速区下寺2-3-10
TEL:06-6649-7227
営業時間:平日 17:00~翌2:00 日祝 17:00~23:00
定休日:水曜日


カテゴリー 四天王寺前夕陽ヶ丘, 寿司 |