又三郎 12月【大阪市 長居】

熟成肉の焼肉店のパイオニアとしてはあまりにも有名な表記の店を訪問。夜の予約はほぼ取れないので日曜日のランチタイムに夜のメニューを無理いって出していただく。この日は「友人を励ます会」としてこの店では珍しく熟成肉ではなくスタンダードな焼肉を楽しむ。

ビールで乾杯をしてアラカルトで好きなものを所望する。こちらのお店は和牛を一頭買いされるので熟成に向かない部位は焼き肉やハンバーグなどに使用される。当然の事ながら希少部位もたくさんあって一番美味しい状態のものをそのつど提供いただける。

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この日のお店はプロのデザイナーさんがクリスマス仕様に手がけられていてとてもゴージャス。夜はキラキラ光って更に美しいらしい。

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この日の訪問の目的のハラミとサガリの食べ比べ。こちらのお店では希少部位の和牛のハラミとサガリを安定供給されている。写真の左がサガリで右がハラミ。上段がネギ塩で下がタレで提供いただいた。部位は横隔膜で内臓に分類。1頭の牛から紐状のハラミが2本とサガリが一つしか取れない。それぞれタレは2500円、塩ダレ2600円。

ハラミの方が脂感があって野性的な肉の旨味も強く深い味がする。サガリはハラミよりも柔らかくてあっさりして食べやすい。和牛なので旨味もたっぷり。白いご飯と一緒にバクバク頂いた。

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丁寧に焼き加減を見計らっていただく。炭火なので火力の調整がとても難しい。

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そのあとサガリ部分の筋部分を塩焼きでいただく。焼肉店用語で言えばハラミサガリの筋と呼ばれる。旨味が強く歯ごたえもあり脂も甘くてこれが一番気に入ったかも知れない。

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このあとは赤身ロース1900円と塩タン2350円、塩カルビ1050円といただく。キムチとナムルも上質感があってとても美味しい。高級ホテルで焼肉をいただいているような感じ。

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ホルモン盛り合わせはレバー1100円、トロテッチャン800円、アカセン(ギアラ)910円、ツラミ840円。どれも新鮮で世間のモノよりもワンランク上の美味しさ。

ビールも沢山いただいてお腹いっぱいで店を出る。熟成肉のステーキランチは4500円から。夜に予約を取るのが困難なために昼間に熟成肉ステーキを食べに来る客でこの日も満席。

この日の訪問はランチタイムだったのでオーナーマダムはいらっしゃらなかった。連日の忙しさにもかかわらず肉の仕入れや提供方法などお客様に喜んでいただくために細部にこだわりをもたれ、繁盛店視察を繰り返し常に自己研鑽にも励まれている姿に敬服する。

社員教育も厳しくてドリンカーの裏側のデッドスペースが指導教育の場として知られている。運がよければ指導している姿を見る事が出来る。でも優しいときもたまにある。

従業員満足のために1月から定休日を更に増やされると聞き及ぶ。交代制ではない飲食店の完全週休2日制は初めて聞いた。働く側からすればかなり嬉しいと思う。こういう思いきった判断が出来る経営者は稀でこれが大阪でナンバーワンの繁盛の秘訣であろう。

客の立場でいえば更に予約が取れない店になるので困るのだが・・・

以下お店のHPより

日頃は、又三郎をご贔屓頂きまして誠に有難うございます。
今年も師走を迎え、あっという間の慌ただしい一年を終えようとしています。
又三郎も11月17日で新たな28年目を迎えることが出来ました。

ひとえに又三郎にお越し下さるお客様と、
共に働くスタッフのお蔭と心より感謝申し上げます。
開業して28年経ちましたが、
最初の10年は何事も上手く行かず、打開策も見当たらないままの年月でした。

ただ、他に選択肢がなく「この仕事しかない」と思って続けていたように思います。
それからの10年は、働くスタッフとのチーム作りに試行錯誤と迷走の日々でした。
一緒に働きながらも、価値観や想いの共有は難しく、人の入れ替わりも多い時期でした。

そして、この7~8年はスタッフも定着し、その結果、安定したお料理をお出しすることが出来るようになって参りました。
サービスのレベルは一朝一夕に上がりませんが、又三郎で働いてくれるアルバイトスタッフを見ていると、社員とアルバイトの垣根無く仕事を与えるられることに「抵抗」を感じるのではなく「やってみたい」気持ちに傾いているように見え、若い人の意欲や成長に希望を感じています。

そのような中、苦楽を共にしてくれている社員の負担が大きい現実に頭を痛めております。飲食業は営業時間以外に仕込み時間が必要で、どうしても長時間労働になりがちです。
店の繁盛は、働く人の健康と前向きな意欲で作られると思っております。

このように考える自分も、年々、年を重ねて人の辛さに気付くようになったのかもしれません。
更なる又三郎の進化に、働く仲間の健康と元気が不可欠との思いから、
2017年1月より店の定休を、毎週月曜日と木曜日にさせていただく決断を致しました。

交代でお休みを取るのが通常ですが、又三郎の大森シェフに代わる人材はなかなか見つからず、お料理やサービスのレベルも下げずに営業するために、店のお休みを週2回にさせて頂きます。
色々とご不便をお掛けしますが、何卒、ご理解の程、お願い申し上げます。

                           又三郎店主  荒井世津子

過去の又三郎はこちら

大阪市住吉区長居2-13-13
営業時間:11:30~14:00
17:30~23:00
定休日:木曜日

大阪市 長居 焼肉

魚路【大阪市 西天満】

前からお店の前を通っていて、ずっと気になっていた西田辺の表記の店を訪問。御堂筋線西田辺駅の南東角を東に向かって2つ目の細い路地を入ったところに位置する。小さな表札の掛かった古民家改装型の店舗。店頭にはその日のお薦めの料理が掲示されているが概ね高め。

京都によくある茶室仕様の屈んで入る引き戸を潜るとカウンタ−席と2階、3階には団体向きの座敷があると言っていた。

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突き出し代わりの河豚の皮をビールと一緒にいただく。座付きで500円らしい。これは特にどおってことはない。

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まずは造り盛りあわせ1200円を所望。北海道産ボタン海老、アンキモ、平目、真蛸、カンパチ、剣先烏賊、北海道産雲丹。これを2種類の醤油とポン酢でいただく。どこにでもあるような魚の盛り合わせなんだけど食材のクオリティーが高いのに驚く。目の前の若い料理長に聞くと「出来るだけ美味しく魚を食べてもらうために実験を毎日繰り返すんです」とのことアンキモは国産の材料で低温調理で蒸し焼きにするのでふわふわして臭みも全くない。水ダコのようなサイズのタコも低温調理で湯がいていると言っていた。とても謙虚で良い感じの受け答えをされるのに感心。

他店では全く修行をせずにすべて自分で勉強して作っていると言っておられた。目の前のマグロは色は褐色系なんだけど塩をして3日間水分を抜いて旨味を凝縮させていると言っていた。

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河豚の酒蒸し2500円もかなり美味しい。旨味が溶け出したスープと一緒にいただく趣向。

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日本酒も沢山揃う。この日はお薦めのものを順番にいただいた。ショーケースには網走のブランド北海キンキやのどくろ、金目鯛が並ぶ。それぞれ焼いたり炊いたりしていただいて1/2サイズで2800円から。気軽に注文出来る金額ではないけど美味しい魚の値段ってそんなものである。天然クエの煮付け8000円や鮑のバター焼き1200円〜など相対的に高め。「僕は良い魚だけを使いたいんですよ」というのが店主の弁。

魚だけではなくて和牛を使ったビフカツやサイコロステーキ(各2000円)などの肉料理も多数。野菜料理も豊富ですべて食材は一級品のモノばかり。

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百合根と銀杏のかき揚げで日本酒を楽しむ。アラカルト以外でも3000円からコース料理もあって予算内でおさめる事も出来るようである。

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店主と魚の話をしていたら自家製の唐墨を出していただいた。レアな仕上がりで塩分も抑えめ。

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最後は新潟の西洋梨のルレクチエをいただいて〆。上質な大人の時間を過ごす事が出来る西田辺では希有なお店。生の魚の美味しさは半端ないです・・・年明け再訪します。。

大阪市阿倍野区西田辺町1-2-4
06-7890-1777

大阪市 西天満 和食居酒屋

ホテルニューオータニ大阪【大阪市 森ノ宮】

表記のホテルの地下にあるバンケットで会食。
メニューだけ見るとかなり立派な感じ。

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専門用語が連なるこのメニューは誰が見ても解読不能。

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前菜はこのホテルの宴会で定番のもの。この時期になると毎回見る。ハムと野菜を重ねてカットしただけのものポワブロンルージュソースは最後まで判らなかった。多分トマトを使用していると思うのだけど。

スープはパイ包み仕様でコキヤージュは貝の意味であろう。大層な名前とは異なるシンプルなクラムチャウダー。

魚料理は的鯛のポワレ。宴会料理でよくありがちな塩辛くて身質の固いフランス料理専用食材の冷凍もの。的鯛をサンピエールというようにフランス料理の食材(主に魚介)に使徒の名前がよく使われるのはマタイの福音書の物語が由来と昔聞いたことがある。帆立貝はサンジャックと書かれる。エクラゼジュラは調べると押しつぶしたジュレの事らしい。

パサパサしてあっさりした味の身体には良さそうな肉料理は茸のフォレスティエールと書かれていて訳すと「木こり風」とのこと。ここまで装飾された文字と実物のギャップのあるメニューも近年見る事は珍しい。難しいメニューの方がありがたみが湧くのであろうか。

食材と人件費の高騰でこういった高級ホテルのバンケットも大変なのであろう。しかしながら年明けに新年会で再度御呼ばれいただいております。

大阪市 森ノ宮 フレンチ