この夏に久しぶりに食す鰻は住吉の名店「いづもや」。この時代に価格はなんと600円・800円・1000円・1500円・2000円。。通称と言うか実際にそう書かれている「特上」1000円を昔からいつも所望する。じっくり見ると壁に貼られた値札もなかなか味のある字である。
出てきた鰻丼は香ばしくこんがり焼かれた鰻が2切れ半。この2切れ半が絶妙の量。ご飯はやや柔らかめでタレも少し甘めだがくどくはない。しっかりと角が取れたまろやかな味。誰が食べても美味しいと感じるものである。
月に一度くらい食べるので私の中での鰻はこの店がデフォルトになっている。帰りに奥さんに「鰻の仕入れ大変じゃないんですか、どうして値上げしないんですか」と聞くと「仕入れ価格は数年前の2倍になりました。でも息子(店主)が値上げせんと頑張るねん!と言うからしょうがないんです」とのたまふ。頭が下がる思いである。
このお言葉を聞いてさらに後味がよくなる。お店はレトロだし黒電話とかあっと驚くようなものが点在する。しかしこの店のお客さんに喜んでもらおうという思いが店中に溢れる善意のお店。まさに商売人の鏡である。。いつもお腹いっぱいになりながら心も清々しい気分で帰る事ができる希有な店。
*京都の先斗町の同名の店は同じような丼が1980円だった。。昔からあるメニューの文字もかなりいい味を出している。
大阪府大阪市住吉区東粉浜3-29-1
06-6671-2768
定休日:水曜日